2023年07月08日 (土曜日)

大阪市北区東天満でNTTドコモと住民が対立、5G基地局の設置をめぐる係争、裁判所へ調停申立ての可能性も

今年の2月から、NTTドコモと住民の間で基地局の設置をめぐるトラブルが大阪市北区東天満で起きている。NTTドコモは、2,3年前にビルに基地局を設置した。その後、今年になって5Gの基地局を増設した。

その際に、すぐ近くのオフィス兼住宅に住む住民から苦情が持ち込また。NTTドコモは、通電工事をペンディングにして、住民と話し合いを続けていたが、7月11日に工事を再開する旨を住民に通知した。

住民から相談を受けたわたしは、NTTドコモと工事を請け負っている株式会社ミライト・ワンに対して、計画を断念するように申し入れた。住民に対しては、裁判所へ調停を申し立てるように勧めている。

◆電話会社が提供する偽りの情報

基地局設置をめぐるトラブルで、わたしが電話会社の広報部や工事担当者と話す機会は、このところ増えている。電話会社の主張は、次の3点に集約される。

❶総務省の定めた規制値を遵守して基地局を稼働するので、健康上の被害は起こりえない。

❷マイクロ波(携帯電話の電磁波)についての研究は50年のデータの蓄積があり、「危険」を警鐘する論文は1件も存在しない。

結論を先に言えば、❶も❷も事実ではない。

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2023年07月06日 (木曜日)

【投稿】読売新聞は何を恐れているのか 、―判決文の閲覧制限申立に関して―

執筆者:江上武幸(弁護士)

 

既報のとおり、読売新聞大阪本社と西部本社は、一審で全面勝訴判決を受けたにもかかわらず、判決文の閲覧制限の申立を行いました。読売が閲覧制限を求めたのは、原告販売店の購読部数や供給部数が記載された個所です。

当事者以外の第三者、例えば、新聞や週刊誌の記者、フリーのジャーナリスト、大学の学者・研究者等が、押し紙問題を調査報道し、研究発表するために判決の閲覧謄写を請求しても、肝腎の部数については黒塗りした判決文しか入手できないことになります。もちろん、全面開示を求める訴えをする道は残されていますが、そのためには多大な労力と時間と経費を費やす覚悟が求められます。

国民にかわって憲法上の知る権利を行使する使命を担う新聞社が、自社を当事者とする裁判の判決について閲覧制限を求めるという身勝手な姿勢を示したことは、厳しく非難されるべきです。

押し紙問題はインターネット上ではすでに公知の事実となっており、何ら隠しだてするところはありません。

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2023年07月05日 (水曜日)

多発する携帯電話の基地局設置をめぐるトラブル、楽天モバイル、人命よりもビジネス優先

携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルが絶えない。この1年間で、わたしは40~50件の相談を受けている。今月に入ってからも2件の相談を受けた。両方とも、問題を起こしている電話会社は楽天モバイルである。相談者はいずれも、知らないうちに基地局が設置されていたと訴えている。

宮城県丸森町のケースでは、町が所有する土地に楽天が基地局を設置した。工事中はシートで工事現場が覆われていたので、その内側で工事が行われていることには気づかなかったという。筆者は、工事を請け負った業者に事情を聞くために何度も電話したが、一度も応答することはなかった。

わたしに情報を提供した町民によると、地方都市に特有の閉鎖的な空気があり、町役場の方針に反旗を翻しにくいという。町会議員に相談するようにアドバイスした。裁判所に調停を申し立てる方法があることも伝えておいた。

◆東京都大田区のケース

【続きは、デジタル鹿砦社通信】

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2023年07月04日 (火曜日)

『人権と利権』の「差別本」認定事件、Colabo代表・仁藤夢乃氏と週刊金曜日・植村隆社長に質問状を送付、具体的にどの箇所を問題視したのか?❷

社団法人Colabo代表・仁藤夢乃氏が『週刊金曜日』に接触して、同誌が掲載した『人権と利権』の書籍広告に対して、「差別」を助長する本と認めさせ、株式会社・週刊金曜日が謝罪告知を行った事件の続報である。連載❶で述べたように、この広告スペースには、わたしの新刊書『新聞と公権力の暗部』の広告も掲載されていた。これら2冊の版元はいずれも鹿砦社である。当然、「押し紙」を告発したわたしの本のイメージダウンも招いてしまった。

そのことが主要な理由ではないが、わたしはこの問題を調査することにした。言論の自由、あるいは寛容性を考える上で看過できない問題を孕んでいるからだ。純粋なジャーナリズムの旗をかかげた週刊金曜日が特定の書物に対して、十分な調査をしないまま、仁藤氏からの外圧により特定の出版物に「差別本」のレッテルを張った事実は考察に値する。

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2023年07月03日 (月曜日)

集合住宅で多発する携帯電話基地局の設置をめぐるトラブル、対策のノウハウ、事前に管理会社に申し入れを

携帯電話基地局の設置をめぐるトラブルが絶えない。わたしのところへ相談が殺到している。電磁波による人体影響についての知識が住民の間に浸透してきた反映であるから、ある意味では歓迎すべき事態である。とはいえ相談者にしてみれば、基地局問題は深刻なテーマであるから、理想的には、問題が起こる前段で対策を取るのが望ましい。本稿は、そのためのノウハウである。

よくある相談のひとつに、「住宅を留守にしている間に基地局が設置されていた」という苦情がある。具体的にどのような状況なのだろうか。

Aさんは、集合住宅の最上階に住んでいる。長期の海外出張から自宅に戻ると自分のマンションの真上に基地局が立っていた。それに気づいたのは、深夜、ブーンという唸るような振動音で眠りを妨げられたことである。屋上に何か機械でも放置されているのではないかと思い、翌日、管理人に尋ねてみると、基地局が立ったと知らされた。

実際、マンションの外から、自分の部屋を見上げてみると、真上に巨大なアンテナが立っていた。深夜に眠りを妨げた音は、基地局が発する低周波音だった。

※低周波音は、感知の度合いに個人差があり、聞こえる人も聞こえない人もいる。
 風車による公害も、原因は同じ低周波音である。

通常、集合住宅(分譲マンション)に基地局を設置する場合、マンションの管理組が総会を開いて4分の3の議決を得なければならない。ところが、住民の大半は総会に参加する代わりに、管理組合の理事長に委任状を託す。その理事長は、電磁波についてはまったく知らない場合が多い。しかも、電話会社やマンション管理会社から接待を受けていることが多い。その結果、基地局の設置を承諾してしまう。

Aさんは、自宅に住めなくなり、自宅を売却しようとしたが、買い手がみつからない。結局、自宅を放置して、賃貸住宅へ引っ越さざるを得なくなったのだ。電話会社と管理会社に抗議したが、「総務省の規制値を守っているので問題ない」とはねつけられてしまった。その規制値は、たとえば欧州評議会に比べて1万倍もゆるいのだが。

このような事例が実際に何件も起きている。

次に紹介するのは、トラブルを回避するために、ある男性が自分が住むマンション管理会社に充てて事前に送った申入書である。ひな型として使えるので、多少修正したものを掲載する。著作権を放棄しているので、自由に使える。

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2023年07月01日 (土曜日)

『人権と利権』の書籍広告をめぐる『週刊金曜日』植村社長の謝罪、市民運動に忖度してジャーナリズムを放棄❶

『週刊金曜日』(6月30日付け)に、同社の植村隆編集長の名前で「おわび」と題する告知が掲載された。森奈津子編著の『人権と利権』(鹿砦社)の書籍広告を同誌に掲載したことに対する謝罪の弁である。告知によると、この本は「『Colabo問題、LGBT問題について提起する』としておりますが、その内容は当社の広告掲載基準(内規)で、『掲載できない』としている『差別、プライバシーの侵害など基本的人権を侵害するおそれのあるもの』に該当するものと考えられます」と述べた上で、「Colaboの仁藤夢乃代表やLGBT関係者の皆様の人権を傷付け、その尊厳を否定する結果となってしまいました」と謝意を表明している。

実はこの件に関して、わたしには無関心ではいられない事情がある。と、いうのも『人権と利権』と並列するかたちで、わたしの新刊書『新聞と公権力の暗部』(鹿砦社)の広告が掲載されていたからだ。厳密に言えば、鹿砦社が発行する『紙の爆弾』と『季節』の広告もセットになって、『週刊金曜日』の裏表紙に掲載されたのだ。

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【書評】新聞社の「営業秘密」を暴露した清水勝人著、『新聞の秘密』

『新聞の秘密』(日本評論社)は、半世紀前に出版された本である。執筆者は新聞社販売局の社員だったと聞いている。「清水勝人」という著者名は匿名らしい。

この本には、新聞社の営業秘密が詳細に記されている。「押し紙」を隠すために、新聞社がどのような裏工作をしているのかなどが、詳細に述べられている。新聞社の営業上の秘密は、清水氏を皮切りに、多くの人々が問題視してきたが、隠蔽状況はほとんど変わっていない。裁判所も、営業秘密を隠蔽する方向で新聞社に協力している。

たとえはABC部数をかさ上げするために、新聞社が販売店に「押し紙」を搬入すると同時に、損害を補填するための補助金を支給している事実は、新聞社にとっての重大な営業秘密である。公になってしまうと、新聞の信用が失墜してしまうからだ。

しかし、「押し紙」は新聞ジャーナリズムの信用にかかわる根本的な問題なので、極めて公益性が高い。

『新聞の秘密』は、新聞社の営業秘密をはじめて暴露した素晴らしい本である。残念ながら現在では書店で入手できない。国会図書館では入手可能だ。

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2023年06月29日 (木曜日)

「営業秘密」の中身を解明する作業が不可欠、読売が申し立てた「押し紙」裁判の判決文に対する閲覧制限事件⑤

濱中裁判(読売を被告とする「押し紙」で、読売が勝訴。原審は大阪地裁)の判決文に対して読売が閲覧制限をかけ、それを野村武範裁判官が認めた件に関する続報である。この判決をメディア黒書で公開するに際して、読売に対して黒塗り希望箇所を問い合わせていたところ、29日の夕方に回答があった。

本来であれば、回答の全文を公開するのがジャーナリズムの理想であるが、読売側がそれを嫌っているので、回答のポイントをわたしの言葉で説明しておこう。ポイントは次の2点である。

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2023年06月28日 (水曜日)

「押し紙」問題の到達点と今後の争点、読売が申し立てた「押し紙」裁判の判決文に対する閲覧制限事件④、

「押し紙」問題が指摘されるようになったのは、1970年代である。日本新聞販売協会が販売店の苦痛をくみ上げ、1977年にアンケート調査を実施して「押し紙」の実態を公表したのが最初だ。(全国平均で8.3%)。その後、1980年代の初頭から85年まで、共産党、公明党、社会党が超党派で新聞の商取引に関する問題を国会質問で取り上げた。その中に当然、「押し紙」問題も含まれていた。

しかし、日本がバブル経済に突入すると、折込広告の需要が急増したために、「押し紙」が存在しても損害を受けない販売店が増えた。特に都市部ではその傾向が顕著になった。残紙が販売店に利益をもたらす「積み紙」の性質に変化したのである。これは販売店にとっては触れられたくないことであるが、客観的な事実である。販売店は、「もうかる仕事」だった。

しかし、バブルが崩壊すると徐々に折込広告の需要が減った。それにともない残紙が販売店の負担になってきたのである。言葉を替えると、残紙の性質が「積み紙」から「押し紙」に再び変化したのである。

◆新聞社と販売店の共通認識

新聞社と販売店の間には、残紙の責任が誰にあるのかという議論がある。販売店は新聞社に責任があると主張する。注文部数を新聞社が設定しているからである。

これに対して新聞社は、残紙の責任は販売店にあると主張してきた。折込広告の水増しをしたり、より多額の補助金を獲得するために、販売店が自主的に仕入れ部数を増やして、広告主や新聞社を欺いてきたとする主張である。たとえば、読売の代理人で自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士は、20年以上もこの持論を展開してきた。読売に「押し紙」は1部も存在しないと主張している。

販売店の主張が正しいにしろ、新聞社の主張が正しいにしろ、紛れのない客観的な事実は、読者に配達されない新聞が大量に発生している事実である。この点に関しては、読売の濱中裁判でも裁判所が認定した。それゆえに、読売は判決文に閲覧制限をかけてきたのではないか。

判決の結果とは別に、 残紙は重大な社会問題なのである。というのも残紙を含む部数がABC部数として報告されているからだ。100万部を自称して広告営業を展開しても、実際には50万部しかない可能性もある。当然、折込広告の一部は廃棄されている。大量の広報紙が廃棄されてきた事実も、東京の江戸川区などで発覚している。残紙を隠すための2重帳簿(順路帳)も存在する。

今後、この点に公正取引委員会や裁判所、それに警察などがどのようなかたちでメスを入れるのか注視しなければならない。放置することがあってはならない。

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2023年06月27日 (火曜日)

読売が申し立てた「押し紙」裁判の判決文に対する閲覧制限事件③、具体的に何を希望しているのか不明、「のり弁」でもOK

読売新聞大阪本社が「押し紙」裁判の判決文に対して、閲覧制限を申し立て、裁判所(野村武範判事)がそれを認めた件について、その後の経緯を報告しておこう。

既報したように、5月30日付けのメディア黒書に、濱中裁判(大阪地裁で行われた読売の「押し紙」裁判で、読売が勝訴するも、ある一時期の商取引に関しては、読売による明確な独禁法違反を認定)の判決を掲載した。これに対して、読売は、裁判所に閲覧制限を申し立てたことを理由として、判決文の公開を中止するように申し入れてきた。

■読売新聞「押し紙」裁判(濱中裁判)の解説と判決文の公開

閲覧制限の申し立てが行われた場合、裁判所が判断を下すまで、当該文書の公開は禁止されている。読売の言分には、一応の道理があるので、わたしは暫定的にメディア黒書から判決文を削除した。

※ただ、情報を公衆に提供するというジャーナリズムの使命からすれば、削除は検閲を認めるに等しく適切ではないという考えもある。言論統制への道を開くという懸念である。

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【バックナンバー】再掲載、権力構造に組み込まれた新聞業界、変わらぬ政界との情交関係、新聞人として非常識な1998年の渡邉恒雄氏の言動

【バックナンバー】(2022年06月15日 付け)権力構造に組み込まれた新聞業界、変わらぬ政界との情交関係、新聞人として非常識な1998年の渡邉恒雄氏の言動

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新聞業界と政界の癒着が表立って論じられることはあまりない。わたしは新聞社は、日本の権力構造の一部に組み込まれているという自論を持っている。新聞業界の業界紙『新聞之新聞』のバックナンバーを読んで、改めてそれを確信した。

次に紹介するのは、1998年1月6日付の記事である。タイトルは、「正念場 迎える新聞界」。全国紙3社の社長座談会である。この時期、公正取引委員会は加熱する新聞拡販競争や「押し紙」問題を理由に、新聞再販の撤廃を検討していた。

これに朝日、読売、毎日の社長が抗する構図があった。次に引用するのは、読売の渡邉恒雄社長の発言である。言葉の節々に新聞業界と政界の癒着が露呈している。日本が抱えてきた諸問題にメスが入らない原因と言っても過言ではない。日本にジャーナリズムが存在しない不幸を改めて痛感した。

渡邉氏の発言を読む限り、わたしの自論には根拠がある。以下、記事の引用である。

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2023年06月21日 (水曜日)

読売が申し立てた「押し紙」裁判の判決文に対する閲覧制限事件②、福岡地裁の「押し紙」裁判判決についても閲覧制限の申し立て

読売新聞を被告とする「押し紙」裁判は、濱中訴訟(1審は大阪地裁)だけではない。5月17日に、福岡地裁(林史高裁判長)が判決を下した「押し紙」訴訟もある。この裁判も販売店の敗訴だった。そしてこの判決に対して、読売新聞が閲覧制限を申し立てている。情報の遮断に走ったのだ。

この裁判の判決については、弁護士ドットコムが報じている。

https://www.bengo4.com/c_18/n_16027/

弁護士ドットコムの報道によると、原告の元店主が請求していた金額は、約1億5000万円である。搬入される新聞の2割から3割が、広義の「押し紙」(残紙)になっていたという。

わたしもこの裁判は取材してきた。判決を読んで最も着目したのは、元店主が注文部数をみずから決めて、それを書面で通知したところ、書面の修正を指示された事実である。店主は、担当員から指示された部数に「注文部数」を修正した。そして、それを再提出した。

社会通念からすれば、担当員が「注文部数」を指示したわけだから、当然、独禁法に抵触する。ところが林裁判長は、修正した書面の数字を公式の「注文部数」とみなし、「押し紙」とは認定しなかったのだ。論理が完全におかしくなっている。

読売新聞はこの判決文についても、濱中訴訟と同様に閲覧制限を申し立てている。従って現段階では、判決文をインターネットで公表することはできない。情報提供というジャーナリズムの役割を果たすことができない。

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2023年06月20日 (火曜日)

藤井さんの支援者が作田医師に内容証明、「支払いをせずに診察を受けた」は事実無根 

横浜副流煙裁判(反訴)で新しい動きがあった。原告である藤井敦子さんの支援者の男性が、2月9日に行われた尋問の中で被告の作田学・日本禁煙学会理事長が行った発言について、名誉毀損に当たるとして発言の撤回と謝罪を求める内容の内容証明郵便を6月12日に送付した。男性は、藤井さんと同じ団地に住み、藤井さんを熱心に支援してきた酒井久男さんである。

既報してきたように横浜副流煙裁判は、煙草の副流煙により健康被害を受けたとして、藤井さんの隣人のAさん一家が藤井さんの夫に対して4518万円の損害賠償を求めた裁判である。1審、2審とも藤井さんの勝訴だった。勝訴を受けて、藤井さん夫妻は、作田医師を刑事告発した。A家のために虚偽の診断書を作成したというのがその理由である。作田医師は、横浜地検へ書類送検されたが、紆余曲折を得た後、不起訴となった。

さらに藤井さん夫妻は、作田医師とA家の3人に対して、約1000万円の損害賠償を求める「反スラップ訴訟」を起こした。この「反スラップ訴訟」で行われた作田医師に対する尋問の中で、作田医師は酒井さんに対する問題発言を行った。

前訴が進行中の2019年の夏、酒井さんと藤井さんは、日本赤十字医療センター(渋谷区広尾)にある作田医師の外来を訪れた。酒井さんは、繊維に対するアレルギー体質があった。そこで藤井さんを伴って作田医師の外来を受診し、診察の様子を確認する計画を立てた。藤井さんは高額訴訟の被害者であるから、作田医師の医療行為の実態を観察したいと考えるのは当然だった。

2人が実行した計画はどこからか、作田医師の耳にも入ったようだ。裁判の尋問の中で、作田医師は弁護士からの質問に答えるかたちで、酒井さんが受診後に病院の会計で診療報酬を払わずに帰宅したと証言した。しかし、これは事実ではなかった。酒井さんが診療報酬を支払ったことは、病院の記録にも残っている。その後、作田医師は日本赤十字医療センターを除籍となったが、医療や経理の記録自体は保存されている。

酒井さんが送付した内容証明の全文は次の通りである。【続きはデジタル鹿砦社通信】

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