2018年04月13日 (金曜日)

「押し紙」と軽減税率適用とメディアコントロールの関係、「押し紙」世界一ではジャーナリズムが成り立たない理由

新聞研究者の故新井直之氏は、『新聞戦後史』の中で、戦前から戦中にかけて言論統制のアキレス腱になっていたのが、公権力による新聞社経営への介入であったことに言及している。具体的には、新聞を制作するために欠くことのできない用紙の統制である。その権限を内閣が掌握したことで、言論統制が可能になったのだという。的確な指摘である。

『新聞戦後史』では、このようなメディアコントロールの原理を内閣が認識していたことを裏付ける資料が引用されている。「新聞指導方針について」(1940年2月12日)と題する内閣情報部の文書である。この文書の中で、用紙の統制がもたらす言論統制の効力について次のように述べている。

換言すれば、政府が之によって新聞に相当の「睨(黒薮注:にらみ)」を利かすこととすれば、新聞指導上の効果は相当の実績を期待し得ることと信ずる。

戦後も同じ原理に基づきメディアコントロールが行われてきた。ただし、そのキーとなったのは、用紙の統制ではない。新聞社による「押し紙」政策の黙認である。黙認することで、新聞社に莫大な利益をもたらすビジネスモデルを持続させ、この「暗部」に公権力のメスを入れさえすれば、いとも簡単に新聞社が崩壊するか、大幅なリストラを迫られる装置を準備したのだ。

悪知恵の結集にほかならない。

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2018年04月12日 (木曜日)

中央紙のABC部数、10年間で577万部減、東京新聞社10社が消えたに相当、朝日の一連のスクープと「押し紙」問題の関係

2008年2月から2018年2月までの期間における中央紙のABC部数の変遷を紹介しよう。この10年間で、朝日は約200万部、毎日は約100万部、読売は約150万部、日経は約60万部、産経は67万部を減らしたことになる。中央紙全体でおおむね577万部が消えた計算になる。

この577万部という数字がいかに大きなものであるか、読者は想像できるだろうか?2018年2月度の東京新聞のABC部数が約57万8000部であるから、東京新聞社がほぼ10社なくなったことになる。

詳細は次の通りである。

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2018年04月11日 (水曜日)

2018年2月度の新聞のABC部数、朝日は年間で31万部減、読売は29万部減、朝日が高いジャーナリズム性を発揮できる背景に「押し紙」政策の廃止

2018年2月度の新聞のABC部数が明らかになった。ABC部数の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。この1年間で、朝日新聞は約31万部減、毎日新聞は約17万部減、読売新聞は約29万部減である。さらに日経も、約28万部を減らしている。

詳細は次の通りである。()内は、前年同月比である。

朝日:5,989,345(-308,108)
毎日:2,840,338(-173,444)
読売:8,560,861(-285,287)
日経:2,445,373(-275,347)
産経:1,516,574(-46,299)

2018年2月度の新聞のABC部数(全紙)

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2018年04月10日 (火曜日)

中米グアテマラの「ヒトラー」、リオス・モントが死す、先住民族に対するジェノサイドで2013年には禁固80年の実刑

中米グアテマラの(元)独裁者、リオス・モントが、4月1日に亡くなった。91歳だった。リオス・モントの名前は、日本ではほとんど知られていないが、中央アメリカでは、「グアテマラのヒトラー」として人々の記憶に刻まれている。1982年にクーデターで大統領に就任すると、先住民族に対するジェノサイド(皆殺し作戦)を繰り返した人物である。

1996年に内戦が終わった後、グアテマラでは急速に民主化が進み、戦争犯罪の検証が始まった。リオス・モントは起訴され、2013年に禁固80年の実刑判決を受けた。しかし、憲法裁判所が再審の決定を下し、再審が続いていた。

憲法裁判所が再審を決めたのは、内戦の和平に至るプロセスで、旧軍人に対する恩赦が和平の条件になっていたためである。リオス・モントだけが法廷で裁かれることに、再考を促したのである。

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2018年04月09日 (月曜日)

神原元・自由法曹団常任幹事のツィートを検証する、広義の「しばき隊事件」にみる社会病理

広義の「しばき隊」事件とは、差別と闘っているグループの中で、2014年12月、内ゲバがあったとされる件である。メディア黒書でおもに書評のかたちで何度か取りあげたが、その中で浮上してきたのが、客観的な事実は何かという重い問である。

客観的な事実を誤って把握し、それを前提に議論しても意味はない。たとえば南京事件がなかったという誤った歴史認識に立って旧日本軍の戦争犯罪を語っても、議論は噛み合わない。

広義の「しばき隊」事件でも、類似した思考の混乱が見うけられる。事件を起こした人々も認めているように、Mさんに対する暴行は客観的な事実である。Mさんが暴行を受けた際の音声も克明に残っている。それは極めてジャーナリズム(記録)性が高い貴重な記録だ。(次ページの動画参考)

ところが酒場から、突然、次のようなツィートが投稿されたりする。

 「しばき隊リンチ事件」「主水事件」「M君事件」等と称された事件に判決が下りた。結論は、共謀なし。李信恵さんの責任はなし。一部に誤った認定はあったが、原告のストーリーは全て否定された。「しばき隊がリンチ事件を起こした」等とデマに踊った人々は猛省すべきである。今後、誹謗中傷は許さない出典

これは自由法曹団・常任幹事の神原元弁護士のツィートである。3月19日の夜、酒場から移動通信機器で、軽々しく発せられたものと思われる。

この日の午後、大阪地裁である裁判の判決が下された。Mさんが暴行の加害者と、それを傍観した者を被告として提訴した損害賠償裁判の判決である。この裁判の被告は、5人。このうち神原弁護士は、2人の被告の代理人を務めた。李信恵氏と伊藤大介氏である。

このうち李氏に対する損害賠償請求は棄却された。ただし、次の事実は認定された。

被告普鉉が原告を迎えに出て、同月17日午前2時頃、原告及び被告普鉉が本件店舗内に入ったところ、出入口に最も近い席に坐っていた被告信恵が、原告に対して「なんやのお前」などと言いながら、原告に詰め寄り、その胸倉をつかんだ。これに対し、被告普鉉が、直ちに「まあまあまあ、リンダさん、ごめんな。」と言い、被告金も「店やし、店やし。」などと言いながら、被告信恵を制止して、原告から引き離した。

一方、伊藤氏に対しては、次のような判決が下った。

被告金及び被告伊藤は、原告に対して、各自79万9740円及びこれに対する平成26年12月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を払え。

 

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2018年04月06日 (金曜日)

検察審査会へ申し立て、新たに刑事告発、高市早苗議員によるマネーロンダリング疑惑

奈良地検が、筆者と市民運動家の志岐武彦氏による高市早苗議員に対する刑事告発を不起訴にしたのを受けて、筆者らは5日、奈良検察審査会に対して、審査の申し立てをおこなった。

筆者らは、昨年(2017年)、高市早苗議員をマネーロンダリングによる詐欺で刑事告発した。それを奈良地検が受理して、調査していた。しかし、既報したように奈良地検は、最終的にこの事件を不起訴とした。それを受けて、今回、検察審査会の審査を申し入れたのである。

◇事件の経緯

議員が代表を務める地元の政党支部へ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

高市議員はこの制度を悪用して、自身の政党支部へ献金を行い、還付金を受けていたのだ。しかし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金制度の例外事項として、「その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定めている。つまり議員が、自分の政党支部へ寄付を行い、みずから還付金を受ける行為は違法行為である。

告発の対象にした額は、2012年度分の還付金、約300万円である。この年、高市氏は自分の政党支部へ自分で1000万円を寄付して、約300万円の還付金を受けた。結果、実質的な手持ち資金が1300万円になった。お金を循環させるだけで、このような「利益」を得ていたのだ。

同類の手口を森裕子議員も行っており、筆者らは、新潟地検に刑事告発したが、受理した後、最終的に不起訴にしている。

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2018年04月04日 (水曜日)

三井、三菱、住友などに1300億円の都有地を129億6000万円で投げ売り、報じられない五輪・パラ選手村の開発をめぐる官製談合

森友事件と加計事件は、メディアのスポットライトを浴びているが、ほとんど報じられていないのが、東京都による「都有地投げ売り事件」である。都有地に東京オリンピック・パラリンピックの選手村を建設することを口実に、相場で1300億円の土地を、129億6000万円で投げ売りした事件である。坪あたり33万円。9割の値引きという計算になる。

不正の規模は、森友事件や加計事件の比ではない。

売却先は、次の企業である。天下り受け入れの実態も確認してほしい。

 

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