江上武幸弁護士が、産経新聞による景品表示表違反事件の顛末を『消費者法ニュース』でレポート、産経新聞が訴訟を取り下げた深刻な理由
新聞社経営が順調だった今世紀の初頭ごろまで、水面下でたびたび社会問題になってきたのが新聞拡販活動だった。ビール券や洗剤を多量にばらまき、時には消費者をどう喝して、新聞の購読契約を迫る商法があたりまえに横行していた。「新聞はインテリがつくってヤクザが売る」とまで言われたのである。
その後、新聞拡販活動は徐々に衰えたような印象があったが、形を変えて残っていたようだ。本質的な部分では何も変わっていなかった。
晴海選手村マンションの販売が始まる、全戸数のたった15%の販売で土地代はほぼ回収、デベロッパーが法外な利益を得られる背景に「公的支援」
『臨海かわら版』というミニコミ紙をご存じだろうか。これは東京の臨海部開発問題を考える市民グループが発行している機関紙である。最新号(8月22日)では、晴海選手村マンションの販売が始まったことを受けて、マンション開発を行ったデベロッパーが法外な利益をあげる仕組みを解説している。【続きはウェブマガジン】
トランプ大統領が押し付けた米国産のトウモロコシは危険な遺伝子組み替え作物、米国内では消費者運動の高まりで販売が困難に
8月26日にフランスで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の後、トランプ大統領は共同記者会見で、米国産の余剰トウモロコシを日本が購入することになったと発表した。
米国産の輸出用トウモロコシは、中国向けのものが大幅な減少を続けてきた。中国政府が国内産業を保護するために、自給自足の政策を強化してきた結果である。
5人の元支援者に対する三宅雪子氏の「刑事告訴」は真っ赤な嘘、弁護士が高輪署で刑事に確認、日本の政治家の劣化を象徴
三宅雪子氏による嘘の刑事告訴が明らかになった。2年以上もの間、ツイッター上で話題になってきた不可解な事件に決着が着いた。
◆事件の発端
2017年5月10日、元衆議院議員の三宅雪子氏が、ツイッターで7人の元支援者を刑事告訴したことを公表した。「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました」で、はじまるこのツイッターは、次に披告訴人にされた5人のアカウントを公開している。そして、「ほか2名 私の名前を出してのツィート 家族、知人 仕事先への接触を強くお断りします」と結んでいる。(左写真参照)
このツィートに続いて、三宅氏の支援者が口汚く5人を罵るようになる。
全国読売防犯協力会を考える、本部は読売新聞東京本社内に設置、元警察官ら5人が勤務①
全国読売防犯協力会について情報を公開しておこう。読売防犯協力会というのは、全国の読売新聞販売店と各都道府県の警察が協力して、防犯活動を展開するための組織である。各警察と覚書も交わしている。
◆元警察らが読売本社で活動
本部は、読売新聞東京本社にあり、元警察官らが任務に就いている。スタッフは次の人々だ。
佐賀新聞の「押し紙」裁判、原告・寺崎氏が販売局員のハラスメントを克明に綴った陳述書を提出
佐賀新聞の元販売店主・寺崎昭博氏が起こした「押し紙」裁判で、去る7月1日に同社の販売局の実態を克明に綴った寺崎氏の陳述書が提出された。陳述書は、原稿用紙に換算すると60枚をこえる分量で、寺崎氏が販売店主になった経緯から、「押し紙」により廃業に追い込まれるまでの経緯を書いている。ABC部数をかさあげする手口にも言及している。
この裁判は2016年6月に寺崎氏が起こしたものである。請求額は8186万円。最初、寺崎氏が江上武幸弁護士に相談し、「押し紙」弁護団が結成され、提訴に至った。
地方紙を舞台とした「押し紙」裁判ということもあって、あまり話題になっていないが、裁判の中で新聞社販売局の前近代的な体質が浮き彫りになっている。
次に引用する陳述書のくだりは、寺崎氏が販売局員から、「押し紙」を買い取らなければ、商契約を終了すると脅される場面である。
滋賀医科大病院で起きたモルモット未遂事件のルポ、英語翻訳が完成、世界医師会と国境なき医師団に送付、塩田学長の責任を問う
マイニュースジャパンに掲載した記事、「滋賀医科大学医学部付属院で発覚した患者モルモット未遂事件――患者を守るために体を張ったスーパードクターに対する組織的報復 」(執筆:黒薮)をフリーランス英語教師の藤井敦子さんが翻訳した。
■翻訳全文
この記事は、滋賀医科大学医学部附属病院(塩田浩平学長)で起きた患者モルモット未遂事件の概要を描いたものである。大阪毎日放送や週刊朝日をはじめ、多くのメディアがこの事件を報道してきた。その中でも、マイニュースジャパンは特に詳しく報じている。すでに4本の中編ルポが掲載されており、今回、藤井さんが翻訳したのは、最初の記事である。
警視庁が読売に感謝状、警察とYCの3570店が共同で街の隅々まで見守り・監視活動
警視庁が読売防犯協力会へ感謝状を贈ったことが、業界紙の報道で分かった。読売防犯協力会は、全国3570店のYC(読売新聞販売店)が参加している防犯組織で、全都道府県の警察と覚書を交わして、高齢者の見守りや地域の防犯活動を展開している。
YCが準交番(ハイテクKOBAN)のような役割を担っているようだ。
たとえば集金時などに訪問先の家の奥座敷で、なにやらあやしげな人々が集まっていれば、警察に連絡する。訪問先で、体調をくずした一人暮らしの人を発見すると、救助する。こうした活動で、警察だけではカバーしきれない、街の隅々にまで、監視の眼を張り巡らすことができる。日本新聞協会も、警察と連携したこうした活動を評価している。
が、これはジャーナリズム企業と警察の危険な関係といえるだろう。【続きはウェブマガジン】
新聞業界が参院選で自公の26人を推薦していた、世耕弘成、山口那津男ら
新聞業界が参院選で自公の26人を推薦していた、世耕弘成、山口那津男ら
新聞業界の政界工作は、日本新聞販売協会を通じて行われてきたが、先の参院選でも、同協会が自民党候補者13人、公明党候補者13人を推薦していたことが分かった。意外に知られていないが新聞業界による政界工作は、1987年ごろから行われてきた。
当時は、事業税の軽減措置の継続が目的だった。元NHKの水野清氏や元日経新聞の中川秀直氏らが、政界側の窓口になっていた。
その後、再販制度の維持、そして今は、新聞に消費税の軽減税率を適用されることを主要な目的に、政界工作を行っている。
政治献金も送ってきた。参考までに次の記事を紹介しよう。
【参考記事】山本一太議員 新聞業界から3千万円献金、見返りに露骨な業界保護活動
推薦を受けたのは、次の面々。
抵抗する香港とフランス、抵抗しない日本
「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」はあっけなく幕切れとなった。河村名古屋市長がクレームを付け、津田大介監督が謝罪し、知事が中止を宣言して終了した。後世の歴史家は、2019年の夏をふりかえって、この事件を言論の自由の分岐点になった事件として位置付けるかも知れない。
公権力の外圧を跳ね返していれば、それが逆に言論の自由を拡大する方向性を生んでいただろう。しかし、ほとんど抵抗もせずすんなりと中止を受け入れたのだから、今後、言論はますます規制される。公権力が介入するまでもなく、だれかが匿名で脅迫電話を1本すれば、それで口封じが成立する構図が生まれたのだ。
菅官房長官がいうように、「テロリストと交渉してはいない」。
一番悪いのは河村市長と大村知事だが、津田監督にも重大な責任がある。沈没しかけた船から、船長が最初に逃げ出したことになる。【続きはウェブマガジン】
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」、津田監督は中止に対し抵抗したのか?
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が愛知県知事の手で中止に追い込まれた。独裁政権の国が、こうした処置を講じることは、チリのピノチェト政権下の時代に見るようにめずらしくはないが、先進資本主義国といわれる国で、このような措置が講じられるのは極めてまれだ。
特定秘密保護法が成立した2013年あたりから、将来的に日本も言論表現の自由が著しく制限されるのではないかとする見方が増えていたが、いよいよそれが現実味を帯びてきた。
国際芸術祭の「表現の不自由展・その後」で、最初にクレームを付けたのは、河村たかし名古屋市長だった。当然、河村氏がどこまで芸術を理解したうえで、こうした行為に及んだかということが問題になる。
もちろん芸術の概念は固定したものではないが、河村市長は根本的なことがよく分かっていないのではないかというのが、わたしの見方だ。「芸術とは何か」という問題について、故岡本太郎が著書『自分の中に毒を持て』の中で、示唆に富むエピソードを紹介している。大事な指摘なので、引用しておこう。