2017年10月17日 (火曜日)

【書評】 詩織さん事件の元TBS山口敬之氏『総理』に見る政治記者の勘違い、取り違えた「スクープ」の意味

報道を評価する基準は多様だが、究極のところは、報道内容に価値があるかどうかである。厳密に言えば、報道の背景にどのような思想があり、どのような視点があるかである。そのためか、評価には歴史的な時間を要する。客観報道というのはまったくの幻想である。殊更にそれにこだわる必要はない。

山口敬之著『総理』(幻灯舎)は、報道の視点という観点から見ると、一体、何を主張したいのかよく分からない本である。山口氏の経歴は、1966年東京生まれ。慶應大学を卒業してTBSへ入社。後にワシントン支局長。16年には退社してフリージャーナリストになった。準強姦事件(詩織さん事件)を起こしていた疑いが浮上して、一躍、時のひとになったが、不起訴に。

安倍官邸との距離が極めて近いことでも有名だ。同著によると、「初めて安倍氏と会ったのは小泉純一郎内閣の安倍官房副長官、いわゆる『番記者』という立場の時であった」。初対面のときから「ウマが合った」のだという。その後、「時には政策を議論し、時には政局を語り合い、時には山に登ったりゴルフに興じたりした」という。

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2017年10月16日 (月曜日)

信頼性に問題がある新聞・テレビの世論調査、裏付けの検証が難しく世論誘導の有力な道具に

マスコミが提供する世論調査の数字を抵抗なくうのみにする人が後を絶たない。新聞社やその系列放送局が実施する世論調査は信用できるのだろうか。

NHKが10月7日から9日にかけて実施した世論調査で、政党支持率は次のような数字になった。

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2017年10月13日 (金曜日)

自公の選挙公約-教育無償化の裏側、背景に構造改革=新自由主義がもたらした貧困

今回の総選挙で自民党と公明党がかかげている公約に教育に関するものがある。自民党は、幼児教育の無償化を打ち出し、公明党は、幼児教育から高等教育までの無償化を打ち出している。

突如として現れたこれらの公約に、読者は突飛な印象を受けないだろうか。もともと日本の文教政策は、少数のエリートを育成して、それ以外の者は、スポーツや道徳教育を通じて、心がけのいい人間(期待される人間像)を育てるというものだった。ある意味では、欧米流の本当の教育を軽視してきたのである。

なぜ、与党は新たに教育の無償化を打ち出してきたのだろうか。

結論を先に言えば、構造改革=新自由主義の導入で、社会格差が急激に広がり、低所得層、特に子供がいる低所得家庭に対して、何らかの処方を施さなければ、これ以上、「改革」を持続することができなくなっているからである。自公政権による教育支援策は、構造改革=新自由主義をさらに進めるための処方である可能性が高い。

貧困の原因はカモフラージュし、消費税を徴収して、それを教育支援という形でバックするというのだから、これは支援でも救済でもなんでもない。ある種のマッチポンプである。完全なペテンだ。

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2017年10月12日 (木曜日)

新聞没落 大量廃棄されるイトーヨーカ堂(セブン&アイ・ホールディングス)の折込広告 高齢者対象の「振り込め詐欺」よりも被害が大きい「折り込め詐欺」

メディア黒書のシリーズ「折り込め詐欺」の実態。6回目は、イトーヨーカ堂の折込広告が、水増しされ、配布されないまま、段ボール箱に詰められて廃棄されている場面を撮影した動画を紹介しよう

イトーヨーカ堂は、セブン&アイ・ホールディングスの子会社である。

ちなみに高齢者などを対象とした「振り込め詐欺」の摘発件数(警察庁発表)は、2016年度の場合14,151件。被害額は約406億円。

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2017年10月11日 (水曜日)

総選挙、東京21区から天木直人氏(新党憲法9条)が出馬、野党共闘のあり方を問う

10日に衆院選が公示され、22日の投票日に向けて、選挙選がスタートした。何回かにわたり、筆者が関心のある選挙区に焦点を当ててみよう。

まず、1回目は東京21区(八王子市、立川市、日野市、国立市)である。この選挙区には、次の4人が立候補している。

小糸健介(社民)牧師

長島昭久(希望・前)元防衛副大臣

天木直人(新党憲法9条)元レバノン大使

小田原潔(自民・前)元外務政務官

注目したいのは、天木直人氏である。周知のように天木氏は、元駐レバノン日本国特命全権大使だった。在職中にイラク戦争に反対して、外務省から「解雇」された経歴の持ち主である。現在は、評論家であり、新党憲法9条の代表である。

憲法問題について言えば、この選挙区では、改憲派が長島氏と小田原氏で、護憲派が小糸氏と天木氏という構図である。護憲派が候補を統一できなかったのは、交渉が決別したかららしい。

天木氏のブログによると、次のような経緯である。

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2017年10月10日 (火曜日)

チェ・ゲバラ没50年、世界各地で歴史を記憶に留め、継承する試み

チェ・ゲバラがボリビアの山中で処刑されてから、10月9日で50年になった。キューバやボリビアをはじめ世界各地で、チェ・ゲバラが歩んだ足跡を記憶に留めるためのさまざまな催しが行われた。

ボリビアのモラレス大統領は、ツイッターでも、「チェ・ゲバラの死から50年。人類の平等や解放といった難しい戦いに対峙する時、ゲバラの記憶は若い世代に受け継がれている。」というメッセージを発表した。(■出典)

日本のメディアも、ゲバラの没50年を盛んに報じている。映画「エルネスト」も上映されている。8月には、ゲバラの写真展も開かれた。

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2017年10月09日 (月曜日)

【動画】新聞の凋落、水増しされ大量廃棄される県民共済の折込広告、「折り込め詐欺」の実態

メディア黒書のシリーズ「折り込め詐欺」の実態。5回目は、県民共済の折込広告が、水増しされ、配布されないまま、段ボール箱に詰められて廃棄されている場面を紹介しよう。

県民共済は、全国に普及している医療費などの保険で、東京都の場合は都民共済である。都道府県の名前を付しているが、私企業が提供しているサービスである。

折込広告が梱包されている段ボール箱は、山陽新聞の販売会社が提供していたものだ。「押し紙」裁判で、そのことが認定されている。

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