1. 折込チラシの水増し問題

折込チラシの水増し問題に関連する記事

連載・「押し紙」問題⑤、4月と10月に新聞のABC部数が水増しされる理由、広告営業を優位に展開するための不正な戦略

読者は、「4・10増減」(よん・じゅう・増減)という言葉をご存じだろうか。新聞販売店主の間では、周知になっている用語で、「4」は4月のABC部数を、「10」は10月のABC部数を示す。

4月と10月に新聞のABC部数が増えて、月が替わるとまたABC部数が減部数されるパターンのことである。逆説的に言えば、4月と10月に新聞社は、広義の「押し紙」を増やし、それが過ぎると再び部数を減らすというのだ。つまり販売店にとっては、年に2回、「押し紙」の負担が増す。

なぜ、新聞社はこのような政策をとるのだろうか。

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豊島区の広報紙『広報としま』が少なくとも5年前から大幅な水増し、20年度はABC部数が3万7000部に対して7万4000部を受注

豊島区の広報紙『広報としま』が少なくとも5年前から、大幅に水増しされていたことが分かった。

筆者はこれまで、東京23区のうち、12区で新聞折り込みのかたちで配布される広報紙が、必要部数以上に水増しされている証拠をメディア黒書や『紙の爆弾』で公開していた。その後、特に悪質な実態のある豊島区の『広報としま』を、過去5年にさかのぼって調査した。その結果、少なくとも5年前から水増しが行われていたことが判明した。【続きはウェブマガジン】

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東京都の12区で広報紙の水増し、(株)デュプロ社員がABC部数改ざんの手口を明かす、『紙の爆弾』最新号

『紙の爆弾』(5月号)に、わたしが執筆した「新聞『折込み詐欺』」が掲載された。 これは東京23区を対象に、新聞に折り込まれる広報紙の水増し実態を取材した調査報道である。情報公開制度を利用したり、関係者の証言を集めるなどの方法で調査した結果、東京の12区で広報紙を大量廃棄している事実が判明した。

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2016年04月22日 (金曜日)

「押し紙」と折込広告の水増し、 瀬戸大橋を渡って消えた「折り込め詐欺」のトラック

日本新聞協会と新聞各社が「押し紙」は1部も存在しないと公言してきた背景にどのような論理があるのか、読者はご存じだろうか?

結論を先に言えば、「新聞社が販売店に搬入する新聞は、すべて販売店からの注文に基づいた新聞なので、押し売り行為に該当しない。従って『押し紙』ではない」という3段論法である。

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2016年03月28日 (月曜日)

折込広告の水増し実態、高まるクライアントの不信感、新聞社の直営販売店へ水増し分の折込広告を集中させる手口

このところ折込広告の水増し問題、いわゆる「折り込め詐欺」に対するクライアントの不信感が高まっている。広告代理店の手口が凄まじいものになっているからだ。ABC部数を超えた枚数で、折込広告の必要枚数を見積もっているケースもある。

水増し分の広告を印刷すらしていないのではないかと見ているクライアントも多い。新聞販売店の店主らの間でも、それが共通認識となっている。

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2014年05月14日 (水曜日)

これはおかしい?折込広告の適正枚数>新聞の実配部数+予備紙+押し紙、何者かが不都合なデータベースのリンクを切断

読者は、5月2日付けでMEDIA KOKUSYOに掲載された「折込広告、「動画」大量破棄される県民共済のパンフ、表示された適正広告枚数が新聞の発行部数を超える実態 」と題する記事を記憶されているだろうか。次の記事である。

http://www.kokusyo.jp/?p=5658

この記事の中で、わたしは「全国販売店統一コードシステム」と呼ばれるデータを紹介した。これは折込広告の適正枚数を新聞社ごとに示したもので、広告の勧誘に使われる。更新も毎日行われる。

その「全国販売店統一コードシステム」で表示される数値の不自然さ?(折込広告の適正枚数が新聞の公称部数を上回っている)?をMEDIA KOKUSYOで指摘したところ、リンクが切断されてしまった。下記の通りである。

http://geo.cis-mapple.ne.jp/tsyukei/tsyuukei_L.html

そこで参考までに、わたしが保存している古いデータと現在のデータを以下に表示しておこう。

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2014年05月13日 (火曜日)

安倍首相の「押し紙」発言、新聞が世論誘導の道具と化した背景に経営上の汚点

マスコミによる世論誘導が露骨になっている。こうした状況下で、メディアリテラシーを意識しながら、マスコミ報道に接しているひとの多くが、わたしと同じ危惧を感じているのではないだろうか。世論誘導は、常に国民が気づかないうちに進行しているものだ。それゆえに危険きわまりない。

たとえば9日付けの読売と毎日は、2040年に若年女性の人口が半減するという予測を報じた。タイトルは次のようになっている。

〔毎日〕896自治体消滅の恐れ 若年女性2040年半減 有識者団体「子育て支援を」

〔読売〕896自治体 若年女性半減 2040年推計 東京集中に警鐘 有識者会議

同じ内容なので、同じ情報源をもとに記事化したものと推測される。記者クラブで得た「たれ流し用」の情報の可能性もある。

それから2日後、田村憲久厚生労働相が年金の支給開始年齢を75歳程度まで繰り下げる可能性をほのめかした。これについて毎日新聞は、次のように報道している。

田村憲久厚生労働相は11日のNHKの番組で、基礎年金の受給開始年齢を受給者の判断で最長70歳まで繰り下げて手取り額を増やせる現行制度について「選択の幅をのばすのは一つの方向性としてはある」と述べ、75歳程度までの繰り下げを選択できるようにすることを検討する考えを示した。

直感の鋭い読者は推測できると思うが、人口減に伴い1人の若者が1人の高齢者を支える「肩車型社会」が到来することを報じた直後に、国策として年金の支給年齢の繰り下げを行う必要性を提起すれば、「それも止むをえない」と考える世論が形成される。

ちなみに人口減は事実である。が、その事と将来の財源不足は問題の本質が異なる。と、いうのも政府は、財政難を口にしながら、どんどん法人税を安くしているからだ。新自由主義の政策そのものが、財政支出を縮小して「小さな政府」を作り、大企業の負担を軽減することにあるわけだから、財源不足になるのはあたりまえである。

それゆえに財政難の問題は、むしろ新自由主義という国策が誤っている結果、生じるのである。それを打開するために、公共サービスの民営化が進んでいるわけだが、このような制度下では、お金のない人は、切り捨てられてしまう。 公的機関による福祉の概念も消えてしまう。

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2014年05月02日 (金曜日)

折込広告、「動画」大量破棄される県民共済のパンフ、表示された適正広告枚数が新聞の発行部数を超える実態

「全国販売店統一コードシステム」と呼ばれるデータがある。折込広告の適正枚数を示したもので、毎日更新される。当然、広告営業で使われているものと思われる。

主宰団体は、よく分からないが、広告代理店の集まりであることは間違いない。かつてはウエブサイトが存在し、それを旧「新聞販売黒書」で取り上げたところ、ウエブサイトの運営が中止され、次のような「廃墟」になってしまった。

■ウエブサイトの跡

しかし、「全国販売店統一コードシステム」そのものにはアクセスできる。まずは、実物をご覧いただきたい。

■全国販売店統一コードシステム??

5月1日現在の数字(総計)は次のようになっている。

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2014年05月01日 (木曜日)

折込広告、「動画」多量破棄されるユニクロの広告、広告の水増し問題を取り締まれない本当の理由

折込広告の「折り込み詐欺」と「中抜き詐欺」の被害額は、「振り込め詐欺」の類ではない。4月30日付けMEDIA KOKUSYOで報じたように、(株)バースデーという小規模事業者が受けた被害だけでも、10ヶ月で約250万円にもなったのだ。

折込広告を主要な宣伝媒体するスーパーなどが、被っている被害は計り知れない。参考までに、日本アドバタイザーズ協会に登録している広告主のリストをリンクしておこう。注意を呼びかける対象である。

■広告主一覧

残念ながら、広義の広告詐欺は撲滅がむずかしい。理由はいくつかある。

1、新聞社が直営したり、管理している新聞販売店が増えていること。かつて新聞販売店といえば個人経営が大半をしめていた。ところが合理化策のもとで、急激に新聞社の販売会社に組み込まれるケースが増えている。

と、なれば次のような戦略が可能になる。

?新聞社が自社経営の販売店に対して「押し紙」をして、ABC部数をかさ上げする。

?ABC部数に準じた折込広告を、クライアントに発注させる。

?折込広告が水増し状態になり、詐欺が成立。

販売店が新聞社の直営や管理になっているわけだから、内部告発される可能性は極めてひくい。???はきわめて現実的な未来予想である。

2、警察が折込詐欺を取り締まらない。

警察は「振り込め詐欺」は取り締まりの対象にしているが、それよりも被害額が多く、日常的に発生している広告詐欺を取り締まる可能性は低い。新聞社と親密な関係にあるからだ。

たとえば日本で最大の印刷部数を誇る読売の関連組織・読売防犯協力会は、読売新聞販売店(YC)と防犯の覚書を交わしている。警察も渡邉恒雄会長の影響力を無視できない。それは新聞人たちが、同氏を重宝がるゆえんでもある。

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2014年04月30日 (水曜日)

折込広告「折り込め詐欺」から「中抜き詐欺」へ、253万枚のうち67万枚を秘密裏に「廃棄」、被害額約250万円、広告代理店・アルファトレンドが広告主に提訴され、全額賠償+弁護士費用で和解

折込チラシを水増しする手口が日常化するなか、新聞業界では、新たな騙しの手口が浮上している。折込チラシを「中抜き」する新しい手口である。もっとも「中抜き詐欺」は、かなり昔からあったとする説もある。

「中抜き詐欺」を一言で説明すると、折込チラシが販売店に到着する前の物流過程で、「押し紙」部数に相応した枚数の折込チラシを廃棄する手口である。 販売店に到着して、店舗で一時保存した後、古紙回収業者に引き渡していたのでは、「折り込め詐欺」が発覚するリスクが生じるから、新手口が登場したのだ。

過剰になった折込チラシを回収する場面をビデオ撮影され、インターネットで告発されたら、詐欺の実態が知れ渡る。そこで販売店に到着する前に、処理する。

次に示すPFDは、大阪府で発覚した「中抜き詐欺」で、クライアントの(株)バースデーが被った金銭被害の一覧表である。

■PDFバースデーが被った「中抜き詐欺」の被害一覧

上記の一覧表によると、2008年6月から2009年3月までの間に、(株)バースデーが発注した253万枚の折込チラシのうち、67万枚が中抜きされていた。このうちの少なくとも42万枚は、チラシの印刷すらも行われていなかった。

(株)バースデーが騙し取られていた額は、約250万円にもなった。

 (株)バースデーは、折込チラシを扱っていた広告代理店・アルファトレンドに対して民事裁判を起こした。そして、不正な請求分と弁護士費用をアルファトレンドが(株)バースデーに支払うことで和解が成立した。その後、(株)バースデーは、アルファトレンドを刑事告訴している。

アルファトレンドは、読売新聞社の子会社・(株)読宣を通じて、(株)バースデーの折込チラシを新聞販売店に搬入していた。

アルファトレンドによる「中抜き詐欺」の特徴をまとめると、次の3点に集約できる。

1、折込チラシを「廃棄」するプロセスが、販売店よりも前の物流段階に設定されている。

2、「押し紙」部数に相応した折込チラシの一部が、印刷さていなかった。これにより広告代理店は、印刷費を節約できる。

3、「中抜き詐欺」を主導しているのは、新聞販売店ではなく、広告代理店・アルファトレンドである。

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2014年04月29日 (火曜日)

「動画」大量破棄される東進衛星予備校の折込広告、「折り込め詐欺」の発覚か?消費者「最近、イオンや西松屋の広告が折り込まれなくなった」

MEDIA? KOKUSYOで折込チラシ(広告)の水増し問題、いわゆる「折り込め詐欺」に関する記事を3回にわたって掲載したところ、読者からいくつかの情報提供があった。まず、埼玉県の読者が、最近、急激に折込チラシが減っている実態を伝えてくださった。

この読者によると、このところ求人広告AIDM(アイデム)が新聞に折り込まれなくなったという。また、イオン、西松屋、ドラックセキ、レンタルチェーンゲオ、OKストアーなども最近はあまり折り込まれなくなったという。

一方、新聞販売店からは、最近、急激に折込チラシの受注枚数が減っているとの報告があった。「受注枚数が減っている」という表現には、2つの意味がある。

まず、第1は、折込チラシのクライアントが減っているという意味である。かつては新聞折込でPR活動を展開していたが、それを見直したクライアントが増えているという意味である。クライアントが「折り込め詐欺」の実態に気づいた結果にほかならない。

その原因は、まず、折込チラシの水増し行為が日常化して、それを隠しきれなくなった事情がある。新聞経営者(新聞人)が実態を把握して、反省したうえで改善策を出していれば、現在のような実態を招くことはなかった。

しかし、新聞人は「押し紙」は1部も存在しないと居直り、「押し紙」を告発する販売店主やフリーランス・ライターを次々と裁判にかけ、裁判官たちも新聞人に理解を示して、被告に金銭賠償を命じてきた。その結果、「押し紙」問題は、どんどん水面下に隠れていったのである。

が、やはりあるまじき行為の隠蔽には限界があった。インターネットの普及で欧米なみのジャーナリズム活動が可能になった結果だった。

「受注枚数が減っている」の第2の意味は、折込チラシのクライアントが、自主的に発注枚数を減らしはじめた実態を指している。販売店に搬入される折込チラシの枚数は、販売店に搬入される新聞に一致させる基本原則がある。たとえば搬入部数が2000部であれば、折込チラシの割り当て枚数も2000枚である。

ところが搬入部数には、「押し紙」が含まれているケースがままある。たとえば2000部の搬入部数に、800部の「押し紙」が含まれていれば、折込チラシ800枚が水増し状態になる。当然、料金だけは徴収されても、配布はされない。

このようなカラクリを知ったクライアントは、新聞業界に対する「賄賂(わいろ)目的」がない限り、自主的に発注枚数を減らす。ただし、「押し紙」部数を示すデータがないので、直感に頼って、「2割カット」とか、「3割カット」というふうに発注枚数を減数する。

このように「受注枚数が減っている」という表現には、2つの意味がある。いずれのケースも、「折り込め詐欺」が明らかになってきた結果、クライアントが取り始めた防衛策にほかならない。

冒頭の「動画」は、「大量に破棄される東進衛星予備校の折込チラシ」

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2014年04月28日 (月曜日)

「動画」大量に破棄される山田養蜂場の折込広告、新聞人が全面否定している「押し紙」の存在が温床に

この動画は、山陽新聞のある販売店が、山田養蜂場の折込チラシを廃棄する場面である。

なぜ、このようなことが起こるのか?

新聞販売店に搬入される折込チラシの枚数は、搬入される新聞部数に一致させる基本原則がある。ところが搬入される新聞部数には、「押し紙」(偽装部数)が多量に含まれているケースがままある。

新聞経営者(新聞人)は、「『押し紙』は1部も存在しない。あれは販売店が折込詐欺が目的で、自主的に注文した部数だ」と胸を張って公言してきたが、販売店で多量の新聞が過剰になり、定期的に「押し紙」回収車が出動していることは紛れもない事実である。

産経新聞・四条畷販売所(大阪府)には、「押し紙」小屋もあった。新人店主が次から次へと押し寄せてくる「押し紙」の洪水に驚愕し、作業場も仮眠室も新聞だらけになってしまうに及んで電話の受話器を取り、産経本社に店舗とは別に小屋を立てる旨を申し出たのである。紙、あるいはゴミとの戦い。安部公房『砂の女』の「新聞」編である。

「押し紙」が発生する結果、新聞に折り込んで配達されない折込チラシも多量に発生する。これらの折込チラシからも手数料を徴収しているので、新聞社の販売会社(販売店)は、慎重に後処理をしなければならない。かくてダンボールにチラシを梱包して、古紙回収業者のトラックに積み込み、シートで全体を覆って「紙」の「墓場」へ運搬するのだ。

ちなみに動画中の段ボール箱を、山陽新聞社の販売会社が提供していたことが、「押し紙」裁判の中で認定されている。

新聞に対する軽減税率適用の是非を考えるとき、NHKにこそ「押し紙」や「折り込め詐欺」の実態を伝えるべきだろう。

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2014年04月26日 (土曜日)

元新聞販売店主の内部告発「動画」、広告主に秘密裏のうちに破棄される折込広告

この動画は、元新聞販売店主による内部告発である。

新聞販売店に搬入される折込広告の枚数は、搬入される新聞部数に一致させる基本原則がある。そのために搬入部数に「押し紙」が含まれていると、必然的に折込広告が水増し状態になる。

結果、この動画が示すように、折込広告をダンボールに梱包して、広告主には秘密裏のうちに破棄されることになる。

以下、動画の解説である。

段ボールにはスポンサーから料金だけを受け取り、読者に配達することなく廃棄される折?込チラシが入っている。1箱には約5000枚のチラシが入る。

金額にして1万円から1?万3千円くらいになる。これを週に4回岡山市内の中心部の販売店を回る。トラックには?約70箱が積載されている。約70万円になり1か月では1千万円を超えるとみられる。

これが岡山市内全域や県全体になれば、被害金額は算定不可能な莫大なものになる。このなかには税金でつくられる県の広報紙「晴れの国おかやま」なども含まれる。昨今、新聞社は食品偽装などを紙面で書き立てるが、裏に回れば会社ぐるみで詐欺をはたらいている。これが真の姿である

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