2020年03月31日 (火曜日)

横浜副流煙裁判と裁判をジャーナリズムの土俵に乗せる実験

横浜副流煙裁判の控訴審(4月16日)が近づいている。
この裁判は、裁判を「ジャーナリズムの土俵」に乗せる実験でもある。裁判をジャーナリズムの土俵に乗せるという発想は、スラップ訴訟を起こされた場合の対抗策として浮上した。

不当な裁判を起こされて泣き寝入りすれば、スラッパーの手中に落ちる。相手の思うつぼだ。そこで「司法の土俵」に立たされた場合、別に「ジャーナリズムの土俵」を築き、そこへスラッパーを立たせる戦略である。

「ジャーナリズムの土俵」では、記事による裁判報道の他に、裁判書面を公開する。それによりスラッパーのデタラメな主張やそれを支援する弁護士の質を公衆の目にさらすことができる。たとえ「司法の土俵」で負けても、「ジャーナリズムの土俵」では相手をノックアウトするという発想だ。

しかし、裁判書面の公開となると、弁護士がなかなか応じない。そこで自由に裁判書面を公開できる条件を整えなければならない。具体的には、スラップの被害を受けた側が、弁護士に頼らずに支援者の協力を得て、みずから書面を作成し、それを公開することである。

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2020年03月26日 (木曜日)

産経新聞が傘下のサンケイアイぐるみで折込広告チラシの水増し詐欺――新聞463部の店に折込チラシ1020枚ずつ割り当て

新聞の契約が463部しかない販売店に、卸部数を1020部に設定して買い取らせ、折込広告の割り当て枚数も1020枚ずつに設定して広告主を騙していた事実が、産経新聞を被告とする「押し紙」裁判の中で判明した。

同規模の水増しは約2年間に渡って行われた。広告代理店は産経新聞社の元常務が会長を務めるサンケイアイ。折込広告枚数が減少傾向のなか、販売店側は部数を偽装しないほうが利益が増えるため押し紙を受け入れる動機はなく、産経グループによる組織的な詐欺の疑いが強い。

過去4年分のデータでは、販売店が「押し紙(配達されず廃棄される部数)」で被った損害が約2017万円である一方、折込広告の水増しで得た広告料は1900万円。部数偽装で広告主を騙し、販売店経由でその水増し収入を丸ごと卸代金として吸い上げる――そんな産経の犯罪的なビジネスモデルが輪郭を現した。(訴状はダウンロード可)【続きはMy News Japan】

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2020年03月25日 (水曜日)

川崎市宮前区の基地局問題でKDDIへ公開質問状を送付、建物の耐震性に影響はないのか?

川崎市宮前区犬蔵のマンションにKDDI(au)が基地局を設置した後、基地局直下に住む住民が苦情を訴え、撤去を求めている。

【参考記事】KDDIの携帯・スマホの基地局、マンションの上に設置、真下に住む幼児への配慮なし、問われる企業倫理

住民は次の4点を指摘している。

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2020年03月24日 (火曜日)

ウェブサイトMy News Japanに対して露骨なアクセス妨害

My News Japanがアクセス妨害を受け、24日7時の時点では、同ウエブサイトへのアクセスができなくなっている。言論妨害の具体的な実態が露呈したので、参考までに次のURLへのアクセスを試みて事実を確認してほしい。

http://www.mynewsjapan.com/

同サイトにはわたしも10年以上まえから投稿を続け、それをもとにして書籍化を進めてきた。有料サイトだけあって十分な資金を投入し綿密な取材ができるので、公表される情報の質が高い。

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2020年03月22日 (日曜日)

滋賀医科大事件の映像ドキュメンタリー、「閉じた病棟」をユーチューブで公開

大阪毎日放送(MBS)が制作した映像ドキュメンタリー、「閉じた病棟」がユーチューブで公開された。このドキュメンタリーは滋賀医科大医学部附属病院で起きた小線源治療(前立腺癌に対する治療のひとつ)をめぐる事件を描いたものである。

泌尿器科の医師らが、小線源治療の未経験を患者に隠して手術を強行しようとしたのを、小線源治療のパイオニアである岡本圭生が止めたことが引き金になり、病院が岡本医師の追放へと暴走する。その背景に何が?

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2020年03月20日 (金曜日)

代表電話が分からない楽天、住民の声を無視するKDDI

電話会社のコンプライアンスが問われている。このところKDDIと楽天が、基地局の設置をめぐって住民とトラブルを起こしている。いずれも自社の利益のためには、他人の迷惑も顧みない姿勢を露呈させた。かつて海外進出先でエコノミック・アニマルと呼ばれた日本企業と同様、経済優先の論理で企業活動を展開している。

◆代表電話が分からない楽天

既報したように楽天は、千葉県野田市で基地局の設置を断念した。その後、担当者が基地局設置の中止を求めた住民の自宅を訪問して、謝罪したそうだ。

この事件を取材して、不思議に思ったことがある。わたしの取材力が未熟なのか、いくら調べても楽天の代表電話が分からないのだ。実際には存在する可能性が高いが、ウエブサイト上で連絡先が明確になっていなけば、基地局設置のトラブルが起きても苦情の窓口がないことになる。

ある情報筋から、楽天社員の携帯電話を聞き出して、実際に電話して今回の事件について質問したのだが、その際、代表電話を尋ねたが教えてもらえなかった。

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2020年03月17日 (火曜日)

楽天が千葉県野田市の中里地区で基地局の設置を断念

5Gの基地局設置をめぐって千葉県野田市で起きていた楽天と住民の間の紛争が解決した。楽天が基地局の設置を断念することになった。

楽天は5G基地局を同市の中里地区に設置することを計画。地主と交渉を進めていた。地主も楽天に協力する意向を示していたが、基地局の設置予定地点から2メートルの距離にある民家の住人・Mさんが、計画の中止を求めて、地主と交渉をはじめた。しかし、地主は電磁波についての知識が乏しく、Mさんの申し出を断った。

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2020年03月14日 (土曜日)

KDDIなど3社から自民党の政治資金団体へ1700万円の政治献金

KDDIから自民党の政治資金団体・国民政治協会へ政治献金600万円が支払われていたことが、2019年度の政治資金収支報告書で判明した。支払日は昨年の11月30日。

NTTドコモ、それに携帯電話・スマホの基地局設置工事を請け負っている(株)きんでんからも、同政治団体へそれぞれ700万円と400万円の寄付が行われていたことが判明した。

献金の目的は不明だが、ビジネス上の便宜を期待している可能性が高い。

ちなみに総務省が定めているマイクロ波の電波防護指針は、EUの推奨値に比べて、屋外で1万倍、屋内で10万倍も緩い。実質的には規制になっていない。電話会社のビジネスを間接的に支援している。

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2020年03月13日 (金曜日)

KDDIの携帯・スマホの基地局、マンションの上に設置、真下に住む幼児への配慮なし、問われる企業倫理

ある日、会社から帰宅すると自宅の隣の空き地に円筒形の塔が立っていた。数日前から、ヘルメットをかぶった作業員らが重機を動かしていたが、特に気にもしていなかった。塔の最上段には、鉄柱のような太いアンテナが幾本も取り付けられた。

日曜日に居間でテレビを見ていると、頭の中でセミが鳴く感覚に襲われた。脈拍も乱れる。夜になると、ズーズーという低周波音(基地局の空調機が原因)が遠くから聞こえてきた。頭痛が激しくなり、寝れなくなった。近所のクリニックへ行っても、「どこも悪くありません」と言われる。そこで病院を転々とする。

7年後、肺に癌が見つかった。

こうした光景はこれから誰もが直面しかねない社会問題に他ならない。他人事ではない。5Gの普及に不可欠なのが基地局である。電話会社は、5G基地局の設置を大規模に展開している。わたしのところへは、電話会社の「蛮行」についての情報提供が相次いでいる。

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2020年03月11日 (水曜日)

産経新聞の「押し紙」裁判、裁判所が和解勧告、販売店の敗訴はなくなったが?

産経新聞の「押し紙」裁判の尋問が10日に行われ、約30名が傍聴した。広告代理店サンケイアイの社員、被告会社から2名、それに原告の4人が法廷に立った。尋問が終了した後、裁判長は和解を勧告した。

この裁判の詳細については長文になるので、後日、マイニュースジャパンで報告する。未公開資料を基に新聞社のビジネスモデル(利益をあげる仕組み〈からくり〉)の解明も行う。

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2020年03月07日 (土曜日)

折込広告の水増し詐欺と首謀者を問う産経「押し紙」裁判、10日に尋問、サンケイアイの社員が出廷

産経新聞の「押し紙」裁判が、最大の山場をむかえる。3月10日の10時30分から16時30分の予定で、東京地裁は4人の関係者に対して尋問を行う。この中で最も注目されるのは、午後から出廷する株式会社サンケイアイの社員の証言である。

株式会社サンケイアイは産経新聞の同族会社で、折込広告の営業や搬入などの業務を行っている。この裁判では、折込広告の水増し行為が問題になっており、サンケイアイの社員が新聞販売店に残紙があることを知った上で、広告主に対して営業していたかどうかがひとつの争点になっている。

従来、広告代理店のスタンスは、残紙の状況は知る立場にはないというものである。過去の裁判判例では、それが認められ、「折込詐欺」の認定を免れている。

しかし、今回の産経新聞「押し紙」裁判では、販売店側が「詐欺」の新証拠をかなり掴んでいるようだ。サンケイアイの社員がどう抗弁するかが注目される。広告主にとって注目の尋問だ。

日時:3月10日 10:30分~16:30分

場所:東京地方裁判所 806号法廷

出廷するのは、原告の元店主と2人の産経新聞社員、それに産経の広告代理店である株式会社サンケイアイの社員の4人である。誰でも傍聴できる。

※写真は本文とは関係ありません。

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2020年03月05日 (木曜日)

作田学医師の医師法20条違反が覆る可能性は皆無、横浜副流煙裁判

既報したように横浜副流煙裁判で作田学医師の医師法20条違反が認定された。週刊新潮や日刊ゲンダイなどの主要なメディアもそれを報じた。こうした状況の下でこの嫌がらせ裁判を起こした人々は、作田医師を弁護するための抗弁を開始した。

控訴人(元原告のA夫、A妻、A娘)側が提出した書面には、作田医師による無診察で診断書を交付した行為は医師法20条に違反しないとする記述があり、それに照応して裁判判例などの証拠も提出された。わたしはこれらの資料を一通り閲覧した。

その結果、A夫らの代理人弁護士である山田義雄・山田雄太(父と息子)の両弁護士が提出した証拠がかえって、作田氏の違法行為を2重にも3重にも裏付けてしまったという感想を抱いた。医師法20条違反が控訴審で取り消されることはまずありえない。以下、取材ノートを紹介しよう。

医師法20条は次のように述べている。

第二十条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せ ん を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

この裁判で問題になっているのは、診断書である。作田医師が患者であるA娘を診察せずに、診断書を交付した事実である。病名は、受動喫煙症レベル4と化学物質過敏症である。

 

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2020年03月04日 (水曜日)

岡本光樹・東京都議が回答、「『ゴミ箱』というのは、集合住宅共同のゴミ置き場」、「訴訟という方針をお勧めしたことはありません」、横浜副流煙えんざい裁判

昨日(2日4日付け)の記事で、裁判を起こしたA夫が岡本光樹・東京都議(弁護士で日本禁煙学会理事)から得た訴訟上のアドバイスの件に言及した。藤井将登さん(元被告、現被控訴人)が煙草を四六時中吸って、その煙が階を隔てたA夫の住居にまで入っていたという主張の裏付け証拠を掴むための方法として、岡本都議から、藤井家のゴミ箱を調べて煙草の吸殻を探すようにアドバイスを受けたとされる件である。

■事件の概略

これについて岡本都議に事実関係を問い合わせたところ、次のような回答があった。

【メールの抜粋14:25分受信】
下記(黒薮注:吸殻さがしをアドバイスした事実)のご指摘の内容は、事実です。

 なお、誤解なきように付け加えますが、私は、本件に関して●●氏に訴訟という方針をお勧めしたことはありません。

【メールの抜粋14:40分受信】
 誤解があるようなので、指摘しておきます。
「ゴミ箱の中を調査するためには、他人の住居に立ち入る必要があるから、違法な証拠収集ということになる。」
とのことですが、
「ゴミ箱」というのは、集合住宅共同のゴミ置き場(住宅外)を意味しています。他人の住居に入ることは、ありません。

つまりゴミ箱というのは、控訴人の自宅に備えられているゴミ箱のことではなくて、集合住宅共同のゴミ収集場のことである。

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