2026年08月13日 (木曜日)
究極の敵、「ナルコ」ルビオと魔女狩りの復活

米国務省が公表したキューバに関する文書は、キューバを米国や「西洋文明」に対する国際的な脅威の中心として描き、国内の宗教団体や労働組合、研究者、左派組織などにも疑いの目を向けている。そこに見えるのは、証拠よりも疑惑を積み重ね、敵を作り出す「魔女狩り」の論理だ。マルコ・ルビオ国務長官の影響が色濃いこの文書は何を狙っているのか。なお、マルコ・ルビオを皮肉った「ナルコ」とは、麻薬取引者を意味する。
執筆者:セサル・ゴメス・チャコン
アメリカによるキューバへの長い攻撃の歴史を知る人々にとって、国務省が最近公表した文書と、その不合理で執拗な反キューバ・キャンペーンは驚くべきものではない。
2026年08月06日 (木曜日)
世界への公開書簡 キューバから、一人の普通の女性が、世界が目を背ける犯罪を訴える

執筆者:セサル・ゴメス・チャコン
「これはたった今、私のところに送られてきたものです。私は、嫌になるほど何度でもこれをシェアします。」
世界への公開書簡
世界中のすべての人へ。
世界中の母親たちへ。
国境なき医師団へ。
良心を持つジャーナリストたちへ。
そして、今も正義を信じている政府へ。
私の名前は、何百万人もの普通の人と同じような名前です。有名な名字もなければ、重要な地位にいるわけでもありません。
2026年07月30日 (木曜日)
キューバ、ゴーおーおーおール(経済封鎖の下でのワールドカップ)

執筆者:セサル・ゴメス・チャコン
試合終了の笛が鳴り、スペインがワールドカップの覇者となった。スタジアムから何千キロも離れたカリブ海でも、拍手と大きな感動が広がった。キューバでは、リオネル・メッシ率いるアルゼンチンの敗戦を惜しむ人々がいた。何千人ものキューバ人が、最後の瞬間まで希望を失わずに彼を応援していたのである。一方で、何十年にもわたってリーガやバルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードを追い続ける中で育まれた情熱から、スペインの優勝を自分たちのことのように喜ぶ人々もいた。
組織犯罪はもはや国家に挑むのではなく、国家の統治権を巡って競い合っている

この記事は、コロンビアの犯罪学者ウィリアム・ヒメネス・ガルシア氏へのインタビューをまとめたものである。日本の暴力団についても重複する部分がある。ヒメネス氏は、このところ組織犯罪の性質が大きく変化していると論じる。今日の犯罪組織は国家と正面から対立するのではなく、行政や経済、政治に浸透し、地域社会の統治そのものを担おうとしている。住民への「保護」の提供や恐喝、違法経済の支配を通じて国家の役割を代替し、民主主義を内部から弱体化させることが最大の脅威だという。そのため、安全保障政策は逮捕者数や押収した麻薬量ではなく、国家が支配を回復した地域の広がり、市民の司法への信頼、犯罪組織の政治・行政への影響力の低下などで評価すべきだと指摘する。また、警察や司法だけでなく、情報分析や行政機関を含めた国家全体の連携を強化し、犯罪組織が勢力を固める前に予防的に対応する必要性を強調している。最大の危険は組織犯罪そのものではなく、その存在を社会が「当たり前」と受け入れ、腐敗や恐喝との共存を常態化させてしまうことだと警鐘を鳴らしている。
ニカラグア、選挙中止宣言の背景に何があるのか?

7月19日のニカラグアの革命記念日の演説で、同国のダニエル・オルテガ大統領が、今後、選挙は実施しないと発言したことが波紋を広げている。たとえばコスタリカ、グアテマラ、パナマといった近隣諸国は、抗議の意思を示すために自国の大使を召還した。オルテガ大統領夫妻による独裁が始まったというのが西側メディアの報道である。
これを受けて、ニカラグア国民議会のグスタボ・ポラス議長は、
「重要なのは、この国において、クーデター犯や祖国への裏切り者が参加する選挙、あるいは外国の資金や外国の勢力、外国の組織から資金提供を受けている政党や団体が参加する選挙は容認できないことを、憲法上の規定として明確にしておくことだ」(スペインの国際通信EFE)
と弁解した。
2026年07月21日 (火曜日)
「労働」の再建なしに、ベネズエラの再建は可能だろうか?

ベネズエラの政治を論じる場合、おおむけ次の4つの視点がある。①現政権を肯定する立場、②右派・自由主義の観点から批判する立場、③左派・社会主義の理念から批判する立場、④帝国主義には反対だが、現政権も支持しない。次のインタビュー記事に登場するCUTV(ベネズエラ統一労働者中央組織)のペドロ・エウッセは、③の立場である。
執筆者:ビクトル・M・ロドリゲス
6月24日の地震は、労働組合指導者のペドロ・エウッセ氏によれば、長年にわたり醸成されてきた現実を浮き彫りにした。それは、賃金の激減、大規模な移民、弱体化した労働組合、そして人道的・経済的・制度的な悲劇に直面しているこの国の再建を支えきれない労働市場の実態である。
長年にわたり、ベネズエラをめぐる議論は、経済の崩壊、政治危機、移民、そして制度の劣化を中心に展開されてきた。6月24日の地震後、ある問いが、はるかに厄介かつ戦略的な側面を帯び始めた。「労働力そのものが徐々に解体されてしまった今、一体誰が国を再建するのだろうか?」
ニカラグア革命47年 西側メディアは何を伝え、何を伝えないのか

ニカラグアは、7月19日に47回目の革命記念日を迎えた。1979年7月17日、40年にわたってニカラグアの政治・産業・軍部を私物化してきたソモサ独裁政権が崩壊し、その2日後の7月19日、FSLN(サンディニスタ民族解放戦線)が首都マナグアを制圧した。
この国については、西側メディアによって断続的にネガティブな情報が発信されてきたため、客観的な政情が見えにくくなっているのが実情である。西側報道のどこまでが事実で、どこからが事実とは異なるのかを検証する必要がある。
2026年07月16日 (木曜日)
コロンビア――民主主義の強さが試される転換期

執筆者:ビクトル・M・ロドリゲス
政権交代そのもの以上に、本当の課題は、政治的な分断や急進化、そして制度への不信感によって、民主的な政権交代が新たな対立の連鎖へと変わってしまうのを防ぐことである。政治学者ルイス・フェルナンド・トレホス氏は、コロンビアだけでなく、ラテンアメリカ全体にもこの問いを投げかける政情を分析している。
【黒薮注】ルイス・フェルナンド・トレホス(Luis Fernando Trejos Rosero)は、コロンビアの政治学者・国際関係論研究者。武装勢力、組織犯罪、治安、平和構築、民主主義の研究で知られる。
2026年07月06日 (月曜日)
崖っぷちのコロンビア(大統領選の結果を受けて)

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
コロンビアの政治は4年ごとにリセットされる。候補者は変わり、スローガンも、公約も変わる。しかし、決して変わらないのは、「次の政権こそが、ついに国を正しい方向へ導いてくれる」という期待感である。その希望自体はごく自然なものだが、多くの場合、選挙戦の演説では語り尽くせない、はるかに複雑な現実の前に打ち砕かれてしまう。
アベラルドが引き継ぐのは、廃墟と化した国ではない。しかし同時に、明るい未来へと順調に進んでいる国でもない。彼が受け継ぐのは、深く分断され、国の制度に対する信頼を失い、そして歴代政権のいずれも完全には解決できなかった構造的な問題を抱えた国家である。
黒薮注:アベラルド。フルネームは、Abelardo de la Espriella(アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ)。2026年8月7日にコロンビア大統領へ就任する
2026年06月25日 (木曜日)
コロンビア大統領選、投票したが、その分断は解決されなかった

コロンビア大統領選決選投票は、右派のアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ氏が左派のイバン・セペダ氏を僅差で破り、新大統領に選出された。治安回復を訴える保守層と、社会正義や和平を重視する進歩派との対立は最後まで拮抗し、国民の深い政治的分断を映し出した。新政権は治安、経済格差、和平プロセスをめぐる難しいかじ取りを迫られる。
執筆者:ビクトル・M・ロドリゲス
決選投票によって勝者は決まった。しかし、この選挙はそれだけではなかった。安全と平和、不安と希望の間で揺れる国の姿を改めて浮き彫りにし、政治的な分断が統治を妨げないようにするという課題も示した。
2026年06月22日 (月曜日)
圧力にさらされる民主主義――統治するだけでは十分と思われなくなるとき

執筆者:ビクトル・M・ロドリゲス
政治の議題が一時的な論争や政党間の対立、短期的なメディア向けの騒動に費やされる一方で、ウルグアイやラテンアメリカでは、はるかに深刻な緊張が徐々に顕在化しつつある。それは、民主主義が約束するものと、実際に市民のために解決できていることとの間に広がる溝である。
これは単に大統領支持率や世論調査、あるいはイメージの低下の問題ではない。より構造的な課題なのだ。治安、雇用、生活費、福祉といった問題が依然として市民の最大の関心事であるにもかかわらず、政治的な議論が権力をめぐる内部対立ばかりに終始しているとき、統治者と被統治者の関係には何らかの亀裂が生じ始める。

