2026年05月08日 (金曜日)
「5・3護憲集会」を海外メディアはどう報じたか? 中国メディアが突出、ベネズエラのメディアも

5月3日、東京都江東区の東京臨海広域防災公園で、5万人が参加する護憲集会が開かれた。海外メディアはこの集会をどのように報じたのか。インターネット上の記事を調べたところ、中国メディアが圧倒的に大きくこのニュースを扱っていることが分かった。
たとえば、新華社通信は「5万人が平和憲法改正に反対して集会」と題して詳細に報道した。CGTN(中国グローバルテレビジョンネットワーク)や中国系英字メディアのGlobal Timesも大きく報じている。
レブ・タホル:放置、虐待、そして国家の失敗を明らかにした一件

グアテマラで起きたレブ・タホル事件は、カルト集団とされる「超正統派ユダヤ教」系コミュニティにおける子どもへの虐待疑惑である。2024年12月、当局が介入し、約160人の未成年を保護した。未成年者が結婚させられていた例も報告されている。
しかしその後、移送先の国営施設でも再び虐待の疑いが浮上し、大きな社会問題となった。この教団は政府に宗教団体として正式に登録されていたこともあり、事前の監督体制の不備や対応の遅れといった国の責任も問われている。さらに、保護された子どもたちへの社会的偏見や孤立も問題となり、制度が十分に機能しない中で、誰が子どもを守るのかという根本的な課題が浮き彫りになった。
次に紹介する記事は、ウルグアイのジャーナリスト、ビクトル・M・ロドリゲス氏が、この事件を調査したグアテマラのジャーナリスト、マリエラ・カスタニョンに行ったインタビューの要約である。
2026年05月01日 (金曜日)
報道の自由度ランキングの実像――「国境なき記者団」と資金・政治の関係を検証する

国際NGO「国境なき記者団」は、4月30日に2025年度の「報道の自由度ランキング」を発表した。世界180の国と地域を対象に報道の自由度を評価・序列化したものである。日本は66位だった。上位5か国と下位5か国は次の通りである。
■上位5か国
1 ノルウェー
2 エストニア
3 オランダ
4 スウェーデン
5 フィンランド
■下位5か国
176位 イラン
177位 シリア
178位 中国
179位 北朝鮮
180位 エリトリア
「一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」、キューバのプレンサ・ラティナ紙

イランのメディアが、「出光興産」傘下の大型原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」が、人民元で通行料を支払いホルムズ海峡を通過したと報じた。ホルムズ海峡を通過する条件として人民元決済が求められるのではないかという見方は、以前から指摘されていた。たとえば3月14日付の米CNNは、「イラン、一部石油タンカーのホルムズ海峡通過を認める案検討 人民元での決済が条件」と報じている。
米軍によるベネズエラへの侵攻とイランへの空爆の背景には、石油決済をドルから人民元へ移行させる動きを阻止する目的があった――というのが筆者(黒薮)の見解である。しかし、ホルムズ海峡の通行料を人民元とする流れが以前にも増して鮮明になってきたことは、米国がその目的を達成できなかった可能性を示している。米国とイランの停戦交渉で主導権を握っているのは、おそらくイランである。
ウクライナ戦争の背景にNATOの東方への拡大、コロンビア大学の政治学者ジェフリー・サックス教授の論考

改憲に向けた政治の潮流が生まれる状況の下で、これに抵抗する運動が広がっている。その中でイスラエルとロシアを同列に扱う考えがまま見うけられる。両者ともの国際法違反を犯した侵略者であり、同等に糾弾されるべきだとする考えである。
コロンビア大学の政治学者ジェフリー・サックス(Jeffry Sachs)教授は、「ウクライナ戦争は仕組まれたもの」と題する記事の中で、一般にウクライナ戦争は2022年のロシア侵攻から始まったとされるが、NATO拡大や2014年のウクライナ政変など、それ以前に長期的な要因があると指摘している。NATOの東方拡大は、ロシアの安全保障上の懸念を高める可能性があると、以前から危険視されてきたのだ。
次に紹介するのは、「ウクライナ戦争は仕組まれたもの」の翻訳(AI)の大部分である。
イラン戦争がどのようにしてペトロダラーの終焉を招くのか、日本でタブー視されている「ドルから人民元への移行」、米国のMarkt Watchが報道

イラン戦争の原因や今後予想される世界経済の方向性について、「ペトロダラー制度」の崩壊を指摘する報道が増えている。ペトロダラー制度とは、石油の取引でドルを決済通貨とする慣行であり、1974年に米国とサウジアラビアの間で始まったとされる。この取り決めの期限は公表されていないが、50年と推測する説が有力である。すなわち、2024年が一つの節目とみられている。
実際、取り決めの期限が意識されるにつれて、ドル以外の通貨への切り替えに関する動きが国際ニュースで取り上げられるようになった。その代表例として、BRICSが検討している新通貨構想がある。また、ロシアのルーブルや、中国の人民元の利用拡大も注目されている
2026年04月13日 (月曜日)
報じられない米国・イランの停戦交渉の裏面、ドル決済から人民元決済への流れ、アルジャジーラが報道

3月10日、パキスタンの首都・イスラマバードで、イランと米国による停戦交渉が行われた。この交渉の争点や、そもそも米軍によるイラン空爆が行われた背景を考える際、西側報道が十分に伝えていない重要なテーマがある。
それは、石油取引の決済通貨が米ドルから人民元へと移行する流れが、グローバルサウス(旧第3世界)で急速に広がっている点である。そして、その動きが米軍による軍事介入の一因となった可能性が高い、という問題である。
なお、筆者はベネズエラへの米軍の軍事介入についても、同じ背景があったと見てみる。
この石油の決済通過について、アルジャジーラが的確な報道を行っているので紹介したい。記事のタイトルは「ホルムズ海峡で、イランと中国が米ドルの覇権に照準を合わせる」、サブタイトルは「テヘランと北京は、中国人民元の地位を高めることで双方に利益がもたらされる」である。以下、その記事の大部分をIA翻訳で紹介する。
ちなみに、西側メディアが報じた交渉の柱(米国の提案)は、次の10項目であった。
米国の海外戦略とNED――日本のメディアが触れない盲点

日本の国際報道、特に米国の海外戦略に関する報道には、完全に欠落している重要な視点がある。それは、全米民主主義基金(National Endowment for Democracy、以下NED)が演じている負の役割である。最近では、若干はNEDに言及した記事も見受けられるが、おそらくこの問題を本格的に取り上げている人物は、中国研究者として著名な遠藤誉氏くらいである。
海外の非西側メディア、たとえば米国の「グレイゾーン・ニュース」、ラテンアメリカではキューバの「プレンサ・ラティナ」やベネズエラの「テレスール」などが、断続的に取り上げてきた。また、中国共産党もNEDについて詳細なファクトシートを公開している。
NEDの性質を一言で言えば、草の根ファシズムやメディアに入り込んだ謀略団体である。米国の海外戦略についての評論からNEDを排除すれば、客観的な米国の戦略を見誤ることになる。真実が伝わらない。言い換えれば、それが西側メディア報道の限界である。
2026年04月08日 (水曜日)
英国BBCのイラン担当記者・ベテラン記者が、反体制活動家、CIAとの関わりも、米国のGrayzonenewsが暴露

巨大メディアが権力構造の中に組み込まれて、広報やプロパガンダの役割を果たしている実態は、日本以外の西側諸国にもある。米国に本部を置く独立系メディアGrayzonenewsは、4月7日、「BBCのイラン担当・ベテラン記者が、反体制活動家であることが明らかになった」と題する記事を掲載した。
BBCのベテラン記者が、イランへの核攻撃を容認する発言を報じたことで激しい非難を浴びた後、CIAによって設立されたプロパガンダ・ネットワークを出発点としてキャリアを築いた、熱心な政権交代活動家であることが明らかになった。BBCの編集プロセスには、依然として深刻な疑問が残されている。
イラン戦争 背景に石油のドル決済から人民元決済への流れ、イランの反政府「市民運動」には、全米民主主義基金(NED)が関与

米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を批判する世論が広がる中で、この戦争の原因をトランプ大統領の個人的思想に求める見方が広がっている。なかには「狂気」の結果と評する声もある。
そうした側面を完全に否定することはできないが、わたしはより経済的で個人の意思とは無関係な客観的要因が存在すると考えている。
結論から言えば、それはこれまで西側諸国が主導してきたドル中心の国際金融体制に対し、中国などが影響力を強めつつある中で、その流れを抑えたいという思惑が背景にある。イランによる核開発の阻止は、あくまでも表面上の建前である。
米国によるベネズエラへの介入の背景の石油のドル決算、イラン戦争の背景にも同じ構図

本稿は、『紙の爆弾』(2月号)に掲載した原稿に加筆したものである。米国とイラン石油の関係にも言及した。
2026年1月3日の深夜、米国陸軍デルタフォースは、ベネズエラの軍事施設などを空爆すると同時に大統領私邸を急襲し、ニコラス・マドゥロ大統領を拉致した。マドゥロは妻のシリア・フローレスとともに米国へ移送され、ニューヨーク州北部の空軍基地に到着した際には、手錠をかけられていた。麻薬密売ネットワーク「太陽のカルテル」の首領であり、麻薬・武器の密売などに関与したというのが容疑である。2020年3月の起訴から、およそ6年が経過していた。
平和か、それとも権力か(ロシア・ウクライナの停戦協議)

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
変貌し続ける地政学の舞台で、アメリカのドナルド・トランプ大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、そして複数のヨーロッパ指導者らと行った最近の会談は、世界の注目を集めている。
これらの首脳会談は、過去10年にわたって続くロシアとウクライナの戦争に終止符を打とうとする大胆かつ物議を醸す試みといえる。
では、これらの会談は何を意味するのか。和平への進展から私たちは何を期待できるのか。そして何よりも、ウクライナ、ヨーロッパ、さらには国際秩序にとって、どのような点が重要となるのか。
本稿では、会談の内容とその意味合い、さらに紛争の行方を左右しうる合意の可能性を探っていく。
