2026年06月24日 (水曜日)
「トランプ第2期政権による対ロシア消耗戦が本格化する前に、ロシアはウクライナに勝利しなければならない」

執筆者:アンドリュー・コリブコ
この厳しいシナリオの中で、ロシアに残された選択肢は二つしかない。ひとつは、特別軍事作戦の目的どおりウクライナを完全に無力化し、そこから生じるNATOの脅威を根本的に取り除くこと。もうひとつは、「安全保障の保証」と引き換えに、天然資源産業などロシアの重要産業の持分をアメリカに売却することである。
昨年秋には「アメリカはロシアに対する代理的な消耗戦をさらに強化しようとしている」と指摘されていた。そして今、トランプ大統領が、自ら署名したG7共同声明に沿ってロシアへの圧力を強める姿勢を示したことで、そのシナリオが現実になりつつある可能性がある。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、その戦略は大き
ペプシコーラとロシア

執筆者:ロベルト・トロバホ・エルナンデス
冷戦の真っただ中、20世紀で最も奇妙で、あまり知られていない商業史の一つが起こった。アメリカとソ連が政治、軍備、宇宙開発で競い合っていた一方で、あるアメリカ企業がソ連市場への参入に成功した。その企業とはペプシだった。
すべては1959年、モスクワで開催されたアメリカ国民博覧会から始まった。当時のアメリカ副大統領だった Richard Nixon は、ソ連の指導者たちに西側諸国の製品を紹介していた。その視察の途中で歴史的な場面が生まれる。ニクソンはカメラの前で Nikita Khrushchev にペプシを一杯差し出したのだ。その写真は世界中に広まり、ソ連とアメリカ企業との予想外の商業関係の始まりとなった。
2026年05月28日 (木曜日)
ウクライナ軍によるロシアの大学への空爆、日本のメディアは報道を自粛、海外のメディアはどう報じたか

日本のメディアが足並みをそろえたかのように報道しなかった、ウクライナ軍によるロシアの大学への空爆を、海外メディアはどのように報じたのだろうか。
この事件の後、ロシア政府は、ロシアに滞在する海外メディアを現地取材に招待した。しかし、その中で日本の特派員だけが参加しなかった。
通常、記事を書くべきか否かは、取材を行った上で判断するものである。ところが、日本の特派員たちは、取材そのものを拒否したのである。次に紹介するのは、英国のThe Guardianの記事の一部である。
2026年05月27日 (水曜日)
「日本メディアはなぜ現場に行かないのか――ウクライナ報道と『押し紙』構造が映す政権依存」

5月23日付のロシアメディア「Sputnik」(X投稿)は、日本政府が「自国の特派員らに対し」、ウクライナ軍による大学への攻撃について「現地での報道・取材を禁止したことを示す情報を、ロシア当局が入手した」と報じた。
実際、19カ国から約50人の記者が、ウクライナ軍による教育施設攻撃の現場を取材したが、日本の記者は一人も参加しなかったという。取材は、ロシア当局が記者団を現地へ案内する形で実施された。
ちなみに、BBC は公式に参加を拒否し、CNN は担当記者が休暇中であることを理由に参加しなかったという。
参加国は、米国、オーストリア、英国、フィンランド、フランス、ハンガリー、ドイツ、ギリシャ、スペイン、イタリア、中国、パキスタン、トルコ、カタール、レバノン、アラブ首長国連邦、キューバ、ベネズエラ、ブラジルなどである。日本だけが、一人の記者も参加しなかった。
日本のメディアが「政府広報」に近づいている実態が、改めて浮き彫りになった。取材をしたうえで記事化しないのであれば理解の余地はある。しかし、取材そのものを行わないのは異常である。どのような形であれ、まず現場に足を運び、事実を確認しようとするのが報道機関の原則ではないか。
2026年05月08日 (金曜日)
「5・3護憲集会」を海外メディアはどう報じたか? 中国メディアが突出、ベネズエラのメディアも

5月3日、東京都江東区の東京臨海広域防災公園で、5万人が参加する護憲集会が開かれた。海外メディアはこの集会をどのように報じたのか。インターネット上の記事を調べたところ、中国メディアが圧倒的に大きくこのニュースを扱っていることが分かった。
たとえば、新華社通信は「5万人が平和憲法改正に反対して集会」と題して詳細に報道した。CGTN(中国グローバルテレビジョンネットワーク)や中国系英字メディアのGlobal Timesも大きく報じている。
レブ・タホル:放置、虐待、そして国家の失敗を明らかにした一件

グアテマラで起きたレブ・タホル事件は、カルト集団とされる「超正統派ユダヤ教」系コミュニティにおける子どもへの虐待疑惑である。2024年12月、当局が介入し、約160人の未成年を保護した。未成年者が結婚させられていた例も報告されている。
しかしその後、移送先の国営施設でも再び虐待の疑いが浮上し、大きな社会問題となった。この教団は政府に宗教団体として正式に登録されていたこともあり、事前の監督体制の不備や対応の遅れといった国の責任も問われている。さらに、保護された子どもたちへの社会的偏見や孤立も問題となり、制度が十分に機能しない中で、誰が子どもを守るのかという根本的な課題が浮き彫りになった。
次に紹介する記事は、ウルグアイのジャーナリスト、ビクトル・M・ロドリゲス氏が、この事件を調査したグアテマラのジャーナリスト、マリエラ・カスタニョンに行ったインタビューの要約である。
2026年05月01日 (金曜日)
報道の自由度ランキングの実像――「国境なき記者団」と資金・政治の関係を検証する

国際NGO「国境なき記者団」は、4月30日に2025年度の「報道の自由度ランキング」を発表した。世界180の国と地域を対象に報道の自由度を評価・序列化したものである。日本は66位だった。上位5か国と下位5か国は次の通りである。
■上位5か国
1 ノルウェー
2 エストニア
3 オランダ
4 スウェーデン
5 フィンランド
■下位5か国
176位 イラン
177位 シリア
178位 中国
179位 北朝鮮
180位 エリトリア
「一つの時代の終わりか?世界はドルを超えて進む」、キューバのプレンサ・ラティナ紙

イランのメディアが、「出光興産」傘下の大型原油タンカー「IDEMITSU MARU(出光丸)」が、人民元で通行料を支払いホルムズ海峡を通過したと報じた。ホルムズ海峡を通過する条件として人民元決済が求められるのではないかという見方は、以前から指摘されていた。たとえば3月14日付の米CNNは、「イラン、一部石油タンカーのホルムズ海峡通過を認める案検討 人民元での決済が条件」と報じている。
米軍によるベネズエラへの侵攻とイランへの空爆の背景には、石油決済をドルから人民元へ移行させる動きを阻止する目的があった――というのが筆者(黒薮)の見解である。しかし、ホルムズ海峡の通行料を人民元とする流れが以前にも増して鮮明になってきたことは、米国がその目的を達成できなかった可能性を示している。米国とイランの停戦交渉で主導権を握っているのは、おそらくイランである。
ウクライナ戦争の背景にNATOの東方への拡大、コロンビア大学の政治学者ジェフリー・サックス教授の論考

改憲に向けた政治の潮流が生まれる状況の下で、これに抵抗する運動が広がっている。その中でイスラエルとロシアを同列に扱う考えがまま見うけられる。両者ともの国際法違反を犯した侵略者であり、同等に糾弾されるべきだとする考えである。
コロンビア大学の政治学者ジェフリー・サックス(Jeffry Sachs)教授は、「ウクライナ戦争は仕組まれたもの」と題する記事の中で、一般にウクライナ戦争は2022年のロシア侵攻から始まったとされるが、NATO拡大や2014年のウクライナ政変など、それ以前に長期的な要因があると指摘している。NATOの東方拡大は、ロシアの安全保障上の懸念を高める可能性があると、以前から危険視されてきたのだ。
次に紹介するのは、「ウクライナ戦争は仕組まれたもの」の翻訳(AI)の大部分である。
イラン戦争がどのようにしてペトロダラーの終焉を招くのか、日本でタブー視されている「ドルから人民元への移行」、米国のMarkt Watchが報道

イラン戦争の原因や今後予想される世界経済の方向性について、「ペトロダラー制度」の崩壊を指摘する報道が増えている。ペトロダラー制度とは、石油の取引でドルを決済通貨とする慣行であり、1974年に米国とサウジアラビアの間で始まったとされる。この取り決めの期限は公表されていないが、50年と推測する説が有力である。すなわち、2024年が一つの節目とみられている。
実際、取り決めの期限が意識されるにつれて、ドル以外の通貨への切り替えに関する動きが国際ニュースで取り上げられるようになった。その代表例として、BRICSが検討している新通貨構想がある。また、ロシアのルーブルや、中国の人民元の利用拡大も注目されている
2026年04月13日 (月曜日)
報じられない米国・イランの停戦交渉の裏面、ドル決済から人民元決済への流れ、アルジャジーラが報道

3月10日、パキスタンの首都・イスラマバードで、イランと米国による停戦交渉が行われた。この交渉の争点や、そもそも米軍によるイラン空爆が行われた背景を考える際、西側報道が十分に伝えていない重要なテーマがある。
それは、石油取引の決済通貨が米ドルから人民元へと移行する流れが、グローバルサウス(旧第3世界)で急速に広がっている点である。そして、その動きが米軍による軍事介入の一因となった可能性が高い、という問題である。
なお、筆者はベネズエラへの米軍の軍事介入についても、同じ背景があったと見てみる。
この石油の決済通過について、アルジャジーラが的確な報道を行っているので紹介したい。記事のタイトルは「ホルムズ海峡で、イランと中国が米ドルの覇権に照準を合わせる」、サブタイトルは「テヘランと北京は、中国人民元の地位を高めることで双方に利益がもたらされる」である。以下、その記事の大部分をIA翻訳で紹介する。
ちなみに、西側メディアが報じた交渉の柱(米国の提案)は、次の10項目であった。
米国の海外戦略とNED――日本のメディアが触れない盲点

日本の国際報道、特に米国の海外戦略に関する報道には、完全に欠落している重要な視点がある。それは、全米民主主義基金(National Endowment for Democracy、以下NED)が演じている負の役割である。最近では、若干はNEDに言及した記事も見受けられるが、おそらくこの問題を本格的に取り上げている人物は、中国研究者として著名な遠藤誉氏くらいである。
海外の非西側メディア、たとえば米国の「グレイゾーン・ニュース」、ラテンアメリカではキューバの「プレンサ・ラティナ」やベネズエラの「テレスール」などが、断続的に取り上げてきた。また、中国共産党もNEDについて詳細なファクトシートを公開している。
NEDの性質を一言で言えば、草の根ファシズムやメディアに入り込んだ謀略団体である。米国の海外戦略についての評論からNEDを排除すれば、客観的な米国の戦略を見誤ることになる。真実が伝わらない。言い換えれば、それが西側メディア報道の限界である。
