1. マスコミ報道・世論誘導

マスコミ報道・世論誘導に関連する記事

著名なメディア研究者による法的措置拡大へ、浅野健一氏による言論への法的対抗は妥当か

ジャーナリストで元同志社大学教授の浅野健一氏が、『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』(辻井彩子著、あけび書房)の出版差し止めの仮処分を裁判所に申し立てた件で、新しい動きがあった。浅野氏が、20日、みずからのフェイスブックで、この件についてSNSなどで意見を述べた人々に対して、「法的、道義的責任」を問うと投稿したのだ。筆者も含まれている。次の箇所である。

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「高市内閣の支持率71%」、メディアと公権力の癒着、わたしたちはなぜ世論調査を鵜呑みにするのか?

4月4日と5日にJNNが実施した世論調査によると、高市内閣の支持率は71.5%で、不支持率は23.7%だった。一方、高市首相が所属する自民党の支持率は35.0%だった。これら2つのデータは、実態と整合していないと感じる人も多いのではないか。

このところ自民党離れが進んでいることは、地方自治体の選挙結果を見れば一目瞭然だ。東京の清瀬市で共産党の市長が誕生したのに続いて、東京の練馬区でも共産党が自主支援した候補が区長に当選した。福井県知事選や石川県知事選でも、自民党が推薦した候補が敗北した。

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2026年04月13日 (月曜日)

報じられない米国・イランの停戦交渉の裏面、ドル決済から人民元決済への流れ、アルジャジーラが報道

3月10日、パキスタンの首都・イスラマバードで、イランと米国による停戦交渉が行われた。この交渉の争点や、そもそも米軍によるイラン空爆が行われた背景を考える際、西側報道が十分に伝えていない重要なテーマがある。

それは、石油取引の決済通貨が米ドルから人民元へと移行する流れが、グローバルサウス(旧第3世界)で急速に広がっている点である。そして、その動きが米軍による軍事介入の一因となった可能性が高い、という問題である。

なお、筆者はベネズエラへの米軍の軍事介入についても、同じ背景があったと見てみる。

この石油の決済通過について、アルジャジーラが的確な報道を行っているので紹介したい。記事のタイトルは「ホルムズ海峡で、イランと中国が米ドルの覇権に照準を合わせる」、サブタイトルは「テヘランと北京は、中国人民元の地位を高めることで双方に利益がもたらされる」である。以下、その記事の大部分をIA翻訳で紹介する。

ちなみに、西側メディアが報じた交渉の柱(米国の提案)は、次の10項目であった。

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「何が報じられないのか」──徴兵制度への道、予備自衛官法案が示す日本メディアの盲点

報道を検証する際には、何を報じているかよりも、何を報じていないかに着目する必要がある。新聞研究者の故・新井直之氏が、『ジャーナリズム』(東洋経済新報社)の中で述べたこの提言を参考にして、8日の新聞報道を検証すると、ある具体的な事例が浮かび上がる。

それは4月3日に高市内閣が予備自衛官等兼業特例法案を国会に提出したニュースである。公務員が予備自衛官になるための手続きを簡素化する法案である。予備自衛官とは非常勤の自衛官のことであり、緊急時に召集される。徴兵制度への最初のステップとなる可能性も指摘されている。いわば国民を戦争に動員する制度に関わる法案である。その意味で、ニュースとしての価値は高い。

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2026年04月08日 (水曜日)

英国BBCのイラン担当記者・ベテラン記者が、反体制活動家、CIAとの関わりも、米国のGrayzonenewsが暴露

巨大メディアが権力構造の中に組み込まれて、広報やプロパガンダの役割を果たしている実態は、日本以外の西側諸国にもある。米国に本部を置く独立系メディアGrayzonenewsは、4月7日、「BBCのイラン担当・ベテラン記者が、反体制活動家であることが明らかになった」と題する記事を掲載した。

BBCのベテラン記者が、イランへの核攻撃を容認する発言を報じたことで激しい非難を浴びた後、CIAによって設立されたプロパガンダ・ネットワークを出発点としてキャリアを築いた、熱心な政権交代活動家であることが明らかになった。BBCの編集プロセスには、依然として深刻な疑問が残されている。

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2025年12月23日 (火曜日)

鵜呑みにされる高市内閣の高支持率――マスコミ世論調査の検証なき権威

マスコミが定期的に公表している世論調査のデータに、確たる裏付けはあるのだろうか。これらのデータは、第三者による独立した検証を経たうえで公表されているわけではない。言い換えれば、「身内」で結論づけられたデータである。

 10月に発足した高市内閣は、高い支持率を維持しているとされている。以下に示すのは、直近で公表された主な世論調査の結果である。

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2025年07月27日 (日曜日)

日本の大メディアは、日米関税交渉で何を詳細に報じていないのか?米国が「投資から得られる利益の90%を保持」、ホワイトハウスの公文書

 「石破やめるな」の大合唱の影で、早くも忘却の途についたのが、日米関税交渉についての報道である。関税交渉での決定事項の中には、日本の主要メディアが皆無ではないにしろ、積極的に報じていない決定事項がある。それは、ホワイトハウスが公表している公文書で、次の箇所である。(翻訳はAIによる)

「日本は、アメリカの指導のもとで5500億ドルを投資し、アメリカの中核的な産業を再建・拡大します。」

5500憶ドルは、約80兆円である。この金額を日本政府の責任で投資して、しかも、「アメリカの指導のもと」で運用されるのだ。しかも、「アメリカはこの投資から得られる利益の90%を保持し、アメリカの労働者、納税者、地域社会がその恩恵の大部分を受けられるようにします。」とうのだ。

ちなみにこの点について、TBSは、おそらくはトランプ大統領のSNSを根拠に、「トランプ大統領は『その利益の9割をアメリカが得る』とアピールしています」と述べているが、「利益の9割をアメリカが得る」は、アピールではなく、ホワイトハウスの公文書に明記されている内容である。

さらに以下の事項である。「協議中」としながらも、日本市場の拡大についてホワイトハウスの公文書は、次のように述べている。

「日本は米国産米の輸入を即時に75%拡大、輸入枠を大幅に拡大;

• 日本は、トウモロコシ、大豆、肥料、バイオエタノール、持続可能な航空燃料など80億ドル分の米国製品を購入。」

これによりおそらく日本の農業は、さらに衰退に拍車がかかり、農薬にまみれ、遺伝子を組み替えた食品が大量に流入することになる。石破内閣は、日本の農業を切り捨て、自動車産業を守ったということになる。それに多額の税金が投入されるのだ。

加えて「日本は米国製の民間航空機(ボーイング機100機を含む)を購入する契約を締結」という記述もある。

以下、ホワイトハウスの公文書の全訳(AI)である。

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議席の過半数割れを争点とした新聞・テレビ、投票終了後に参政党を批判、参院選のマスコミ報道

7月20日に投票が行われた参院選は、自民党と公明党が大幅に議席を減らし、国民民主党と参政党が躍進する結果となった。立憲民主党も議席を増やした。しかし、左派の領域に入る共産党と社民党は、議席を減らした。両党は、世論を正確に反映する比例区の得票率も減らした。両党は、自公政治の不満の受け皿とはなり得なかったのである。

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2025年02月20日 (木曜日)

人工画像・動画と新世代の世論誘導、USAIDは廃止されたが別の手口が・・・

メディアの世界でこのところやたらと目に留まるのが、加工した画像や動画である。特にXなどSNSを媒体としたニュース報道では、加工が施されているものが、日増しに増えている。事実を正確に伝える役割を持つジャーナリズムの中に、恣意的なイメージ操作が闖入してきたのである。しかも、こうした現象は、西側メディアだけではなく、非西側メディアでも観察できる。

画像や動画の加工は、フェイクニュースの原点であり、ジャーナリズムを破壊し、最後にはジャーナリストの存在を無意味なものにしてしまう。その危険性に大半の情報発信は気づいていない。事実、国内外を問わず影響力のある人々まで、おそらくは罪悪感なく加工行為に手を染めている。

 

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2024年07月30日 (火曜日)

支離滅裂、『週刊金曜日』の「モンロー主義」の解釈

『週刊金曜日』(7月26日)の記事「バイデン撤退ハリス後継でトランプ優勢変わらぬが・・」(編集部の本田雅和氏の署名)に、基本的な事実関係が間違っている箇所がある。現代史の中で重要な分部なので、指摘しておこう。トランプ候補の政治姿勢について、述べた箇所である。

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2024年06月07日 (金曜日)

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」のでたらめ、スポンサーは米国政府系の基金NED

『週刊金曜日』(6月7日付け)が、「報道の自由度、世界ランキング70位でいいのか」と題する記事を掲載している。国境なき記者団が5月に発表した報道の自由度ランキングを評論した内容である。

筆者は、元朝日新聞記者の柴山哲也氏。日本のランキングが低迷していることを嘆き、その背景として記者クラブが内包する問題にも言及している。

この記事は、議論の前提そのものが間違っている。報道の自由度ランキングの主催者である国境なき記者団がどのような性質の団体なのかを踏まえることなく、ランキングの結果を過信して評論しているのだ。議論の前提に誤りがある。

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2024年02月10日 (土曜日)

市民運動の外圧に屈した『週刊金曜日』、タブーなき編集方針はどこへ?

次の記事は、『紙の爆弾』(2023年10月号)に掲載した記事のネットでの再掲載である。原題は、「週刊金曜日 書籍広告排除事件にみる 左派言論の落日」。メディア黒書の企画、「市民運動」の危険性を考えるシリーズの1回目である。

(株)週刊金曜日と鹿砦社の関係に亀裂が生じている。この事件は、はからずしも独立したジャーナリズムとは何かという問題を突きつけている。

発端は、鹿砦社が5月に刊行したムック、『人権と利権』である。この本は少女売春の防止や性的マイノリティの権利確立など、一般的にはあまり知られていな市民運動のありかたに疑問を呈した内容だ。新聞・テレビのステレタイプな報道とは方向を異にしている。編著者で作家の森奈津子氏は、性の自認を正当化する政界の動きと世論に警鐘を鳴らし、「女子トイレを守る運動」にも奔走している。

6月18日付けの『週刊金曜日』は、裏表紙に『人権と利権』の書籍広告を掲載した。鹿砦社は定期的に同誌に書籍広告を掲載してきた。

『人権と利権』がアマゾンの書籍販売ランキングで首位に躍り出ると、SNS上では炎上現象が起きた。「ネット民」らの罵倒がネット上に広がり、その矛先は同書の広告を掲載した(株)週刊金曜日にも向けられた。同社の植村隆社長によると『週刊金曜日』を指した次のようなツイートが投稿されたという。「今は極右の雑誌なのか?」、「終わっとるな」、「いい加減に鹿砦社の広告を載せるのを止めた方がいい。言論の自由とヘイトの自由は別でしょう」。Colaboの仁藤夢乃代表も、同誌を指して「最悪」と投稿した。また直接、(株)週刊金曜日に抗議したという。

Colaboとは、家出した少女らを売春から救済するなどの活動を東京の歌舞伎町などで展開している市民運動体である。仁藤氏は、フィリピンのマニラあたりまで足を運び、「日本人買春者が集まる性売買集結地「#マラテ」の夜の街を歩き」(ツィター)、その実態を発信したりもしている。著名な辣腕社会運動家である。

仁藤氏による抗議の発端は、『人権と利権』の広告を『週刊金曜日』が掲載したことである。『人権と利権』にColaboの批判が含まれていたことが許せなかったのだろう。今年1月、東京都監査事務局は、Colabo(コラボ)」の経理に関して、住民が申し立てた住民監査請求を認めた。一部に不当な点があるとして再調査を指示した。最終的に東京都は、不正は無かったと結論づけたが、鹿砦社と森氏はジャーナリズムの観点から再検証して、『人権と利権』にまとめた。しかし、仁藤氏は版元の鹿砦社ではなく、(株)週刊金曜日に抗議の矛先を向けたのである。

それを受けて植村社長と文聖姫編集長は、仁藤氏を訪ねて謝罪した。『週刊金曜日』誌上に謝罪告知を出すことも約束した。こうして両者の不和は解消され、仁藤氏は、植村社長とのツーショット写真を自らのツイッターに掲載した。問題が解決して、2人とも満面の笑みを浮べていた。その直後、仁藤氏は「ネット民」による「週刊金曜日を定期購読再開しよ」という投稿をリツィートした。はからずも『週刊金曜日』の購読者層が、編集部にとって外圧なっていることが露呈したのだ。

謝罪告知は、6月30日付け『週刊金曜日』に掲載された。その中で同社は、『人権と利権』を「差別、プライバシーの侵害など基本的人権を侵害するおそれがある」書籍と断定した上で、仁藤氏とLGBT関係者に謝意を表明した。その後、植村社長が西宮市の鹿砦社本社に足を運び、今後、広告掲載を認めない旨を申し入れた。さらに植村社長は、2度にわたり鹿砦社との決別を宣言するコラムを『週刊金曜日』に掲載したのである。そこには「Colabo攻撃を許さない」といった言葉もある。

ちなみに植村氏は、『人権と利権』を「差別本」と公言するに先立って、鹿砦社からも森氏からも一切事情を聞いていない。書籍広告を掲載するかどうかを判断する際には、著者や版元を取材する必要はないが、このケースは、鹿砦社の社会的評価を失墜させる謝罪告知の内容にかかわることであるから、相手の言分を取材するのが原則である。そのプロセスがまったく無視されたのだ。

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