2026年10月09日 (金曜日)
この50年間、私たちはあの録音を繰り返し聞いてきた

1976年10月6日、カリブ海のバルバドス沖でキューバ航空455便が爆破され、乗客乗員73人全員が死亡した。最初の爆発から墜落まで、わずか4分55秒。事件の首謀者とされたキューバ系亡命者2人は、十分な裁きを受けないまま米国で生涯を終えた。惨劇から50年。犠牲者の無念とともに、米国政府の責任を問う声は今も消えていない。「メディア黒書」、初出。
執筆者:セサル・ゴメス・チャコン
「シーウェル! 機内で爆発が起きた。すでに降下している!」
これは、1976年10月6日、バルバドス沖を飛行中に爆破されたキューバ航空のDC8型機のブラックボックスに記録されていた音声だ。
Beyond Criticism of Newspapers — What “Oshigami” Reveals About the Structure of Journalism and the Long-Running Focus on Journalists’ Attitudes

On an old bookshelf, I have a copy of the April 2005 issue of Tsukuru magazine. It contains a roundtable discussion titled “What Is Being Asked of Newspaper Journalism Today?” The three participants were Hisao Hara, then a senior editor at Kyodo News; Keiichi Katsura, a professor at Rissho University; and Yoshiyuki Hashiba, a professor at Sophia University.
新聞批判を超えて――「押し紙」が映し出すジャーナリズムの構造、延々と続いてきた精神論

古い書棚に一冊の月刊誌がある。2005年4月号の『創』である。同号には、「新聞ジャーナリズムにいま何が問われているのか」と題する座談会が掲載されている。発言者は、原寿雄(共同通信編集主幹)、桂敬一(立正大学教授)、橋場義之(上智大学教授)の3氏である。
3人は、当時の新聞を厳しく批判している。例えば桂氏は、「『言論・表現の自由』は自分たちが闘って勝ち取るものであり、表現の自由への不当な侵害は許さないと、報道界は一致結束して言うべきなのに、指定公共機関問題に対する発言は弱い」と述べ、報道界の姿勢を批判している。
座談会全体を貫いているのは、新聞社や新聞記者の姿勢、あるいはジャーナリストとしての職業意識に対する強い不満である。暴力や恫喝を伴う新聞勧誘の問題にも言及している。
ところが、「押し紙」問題については触れていない。
- モラル崩壊の元凶 押し紙 — 「国とは一体、何なのですか?」(沖縄振興予算問題と第二次高市内閣改造人事に関して)

執筆者:江上武幸弁護士 福岡・佐賀押し紙弁護団 2026年(令和8年)9月23日
「国とは一体、何なのですか」
この言葉は、筑豊じんぱい訴訟の弁護団長であった(故)松本洋一弁護士が、国を相手とする裁判において、国の代理人席に向かって常に口にされていた言葉です。
松本先生は、筑後川上流の下筌・松原ダム建設反対闘争、カネミ油症食品公害事件、福岡予防接種禍事件、三井山野炭鉱ガス爆発事故、三井有明鉱火災事故、そして炭鉱夫じん肺訴訟と、一貫して社会正義の実現と人権擁護のために尽力された弁護士でした。と同時に、北九州市長選に二度出馬して保守陣営の心胆を寒からしめた地方政治家でもあります。
先生は、福岡予防接種禍事件の控訴審において、国の代理人席に向かって次の問いを発しておられます。
「国とは一体何なのですか。1審で負ければ高裁・最高裁までいって、何がなんでも国の主張を通そうとする。国とは何が何でも裁判に勝つためにあるのですか。国民が健康で幸せに暮らせるように何かをする、それが国ではないですか。私はそう思ってきました。だからもう一度聞きたい。国とは一体、何なのですか。」
*(「俺たちはボタじゃない 筑豊じん肺訴訟18年4か月の軌跡」(2006年・海鳥社)
「香害」と電磁波――科学的根拠と疑似科学の境界線

「香害」に科学的な根拠はあるのか、それとも疑似科学なのか? この問いと並行して語られるテーマに、電磁波による人体への影響をめぐる議論がある。電磁波による人体への影響に科学的根拠があるのか、それとも疑似科学なのかという問いは、「香害」と同様に重要なテーマである。
2005年から、わたしは電磁波問題を取材してきた。そもそもの動機は、自宅がある集合住宅の屋上に携帯電話の基地局を設置したいという打診がNTTドコモとKDDIからあり、マンションの管理組合で話し合うことになったことである。しかも、基地局は、わたしの書斎の天井を隔てた真上に設置する計画だった。幸い、管理組合が「NO」の判断をし、計画は中止になった。
「倒産31件」では見えない新聞販売店の経営危機 ――『しんぶん赤旗』記事が見落とした「押し紙」問題

8月22日付の『しんぶん赤旗』に掲載された記事には、重大な事実誤認がある。見出しは「新聞販売店倒産 年間50件超えか」「購読者離れに歯止めかからず」である。
この記事は、東京商工リサーチの調査によると、2026年1~7月の新聞販売店の倒産が31件に上り、このままのペースで推移すれば年間50件を超えるおそれがあるとしたうえで、新聞の休刊や廃刊が進む背景として、購読者の新聞離れや広告収入の減少を挙げている。
しかし、この数字だけでは新聞販売店が置かれている実態を十分に捉えることはできない。販売店の経営が行き詰まった結果、店舗や販売区域を残したまま経営者が交代したケースや、倒産という形を取らず自主的に廃業したケースは、「倒産31件」という数字には含まれていないからである。
Japan’s Declining Newspaper Industry and the Oshigami Problem

By Tetsuya Kuroyabu
Japanese newspapers are losing readers very quickly.
In Europe and the United States, many newspaper companies have moved from printed newspapers to the Internet. This change has helped some of them build a more stable business. Japanese newspaper companies, however, have been slower to make this change.
One reason is Japan’s traditional newspaper delivery system. For many years, newspaper companies grew by using local newspaper shops to deliver printed newspapers directly to people’s homes. Because this system was very important to their business, it has been difficult for them to move away from printed newspapers.
新聞の没落止まらず、読売新聞が500万部割れ、朝日新聞も300万部割れ目前――2026年6月ABC部数

2026年6月度のABC部数が明らかになった。それによると、読売新聞は500万部の大台を割り込み、約499万8,000部となった。この1年間で約44万5,000部を減らした。
朝日新聞は約306万部で、現在の減少傾向が続けば、年内にも300万部の大台を割り込む可能性が高い。この1年間だけで約17万5,000部を減らした。
詳細は次の通りである。カッコ内は前年同月からの減少部数。
ウクライナ紛争で「最大限の勝利」を得られなければ、ロシアは本当に存続できないのか?

ロシアはウクライナ紛争で「最大限の勝利」を収めなければ、国家として存続できないのか。ロシア指導部が勝利の必要性を強調する一方、米国との交渉では一定の妥協に応じる姿勢も示している。本稿は、ロシアがすべての目標を達成しないまま紛争が終結した場合を想定し、その後に直面する軍事・安全保障上の課題と、国家存続への影響を考察する。
執筆者:アンドリュー・コリブコ
ここで最も重要なのは、ロシアが他国との軍拡競争についていけるだけの軍事力を維持し、国民も長期にわたる厳しい状況に耐え続けられるかどうかである。これは、ロシアの著名な専門家ワシリー・カシンが5月下旬に示した見方ともよく似ている。
共産党を名乗る人々は本当に共産党員だったのか、「反差別運動」についての共産党の見解

日本共産党は、7月2日、機関紙『しんぶん赤旗』で、「反動政権、排外主義に反対する運動のあり方について」と題する声明を発表した。これは、共産党員とされる一部の人々が、インターネット上で共産党を名乗り、「レイシスト」や「差別者」を品位を欠く言葉で糾弾する行為について、党として公式見解を示したものである。見解の表明は、あまりにも遅きに失した感を免れないが、過去の過ちを認めたこと自体は評価できる。
「押し紙」を隠す経理マジック――毎日新聞裁判で判明した日本の新聞社のビジネスモデルに、ジャーナリズムが機能しない客観的な理由

既報したように、新聞販売のモデルが、毎日新聞を被告とする「押し紙」裁判の中で、ほぼ完全に解明された。
このスキームが日本のすべての新聞社に当てはまるという確証はない。しかし、販売店が新聞代金を納入できなかった「押し紙」の未納金を、新聞社が支給すべき補助金の未払い分として処理する仕組みが組み込まれていることで、法的には「押し紙」が存在しないかのような状況が作り出されている経理処理方法を踏まえると、「押し紙」を販売政策に組み込んでいる新聞社は、毎日新聞と同様の手法で経理処理を行っている可能性が極めて高い。
このスキームの詳細については、次の記事を参照してほしい。

