地方紙のABC部数、中央紙と同様に止まらぬ部数の減少――新聞業界全体で年間150万部が消える、7年から10年で「紙の終焉」か?

日本の新聞社が発行する新聞の部数は、年間でどの程度減少しているのだろうか。4月14日付のメディア黒書では、中央紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)の部数動向を紹介した。
参考記事:2月度のABC部数、読売の凋落に歯止めかからず、年間で約39万部減、読売西部本社の全部数に匹敵
本稿では、地方紙についてもその実態を検証する。2026年2月度の主要な地方紙・ローカル紙のABC部数は以下の通りである(括弧内は前年同月比)。
北海道新聞:700,799(−33,056)
河北新報:328,958(−2,941)
新潟日報:310,285(−15,574)
東京新聞:335,073(−13,086)
神奈川新聞:118,731(−7,065)
静岡新聞:425,849(−40,057)
中日新聞:1,584,369(−87,515)
京都新聞:280,149(−11,054)
神戸新聞:310,874(−22,571)
山陽新聞:240,221(−15,051)
西日本新聞:323,408(−19,562)
中日新聞の部数は、中央紙である毎日新聞や産経新聞を上回る。また、北海道新聞は産経新聞とほぼ同水準にあるなど、新聞業界の勢力図にも微妙な変化が見られる。
日本で発行される一般日刊紙の総部数は21,583,254部であり、前年同月比では1,449,116部の減少となった。年間に換算すると、およそ150万部の減少ペースである。単純計算では15年ほどでゼロに達することになるが、新聞社が一定の部数を維持しなければ経営が成り立たない点を踏まえると、紙の新聞は今後7年から10年程度で大きく姿を消す可能性が高い。
なお、地方紙は相対的に「押し紙」が少ないとされる。その背景には、中央紙ほど中央政府との関係が強くない点があると考えられる。実際、地方紙の販売店が起こした「押し紙」訴訟では、山陽新聞や佐賀新聞でその存在が認定された例があるほか、長崎新聞や南日本新聞では販売店側の集団告発を受けて和解に至ったケースもある。
また、一時期には「押し紙」政策を廃止した新聞社も存在する。地方紙は中央紙に比べて中央政界との癒着も少ないが、事業環境の悪化は避けられない。今後、電子版への移行に成功できなければ、新聞事業の継続は一層困難になるだろう。
写真:食品ロス VS 新聞ロス
