2017年01月18日 (水曜日)

否定できぬ博報堂による視聴率の改ざん、本来あり得ない放送確認書の代筆、アスカ問題(2) 様々な疑惑のデパート

執筆者:本間龍(作家)

昨年12月22日付けの記事で(株)アスカと博報堂の媒体費関連訴訟について検証した。これらは制作関係費の訴訟(約15億円)とは別に、総額で約42億円にもなる巨額訴訟であり、博報堂がこれだけ巨額の訴訟を起こされた例は、かつてないと思われる。内容的には

A)視聴率偽装による不正請求
B)放送しなかった番組、CMの不正請求

に大別され、主に(A)について22日付け記事で検証した。スポンサー番組選定のために提出していた視聴率の多くが改ざんされていたというもので、かなり明確な証拠が残っている。この部分に関しても少々補足しておきたい。

弁護士が確認した数字(ビデオリサーチ社提出)を元にした視聴率偽装の告発に対し、博報堂側は答弁書で、『担当者は番組提供枠購入のための指標として、視聴率データを取得するために、当時最適と思われる条件を設定してデータを入手した』と主張している。しかし博報堂の営業が得意先に提出する番組視聴率は、ビデオリサーチ社から提供された数字を加工せずそのまま提出するだけであるから、この記述は明らかにおかしい。

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2017年01月17日 (火曜日)

化学物質過敏症の人々のサロン「はなちゃんカフェ」がオープン、情報交換と支援の場、東京目黒区

東京都目黒区の女性が、化学物質過敏症の人々が集う場を設置した。この女性は、自宅のフローリングのフロアマニキュア剥離作業が原因で、強度の化学物質過敏症になり、離職(元銀行員)を余儀なくされた。作業中に多量の化学物質に被曝したのが原因である。

その際、自宅で飼っていた猫も、血を吐くなどの異変に見舞われた。この猫の名前に由来して、集いの場は、「はなちゃんカフェ」と名づけられた。

一般的にはあまり知られていないが、人体にダメージを与える量の化学物質に被曝すると、化学物質過敏症になるリスクが生じる。たとえば、1995年の地下鉄サリン事件の際に、サリンに被曝したひとの中には、化学物質過敏症になって、現在も苦しんでいる人々がいるという。

一旦、化学物質過敏症になると、電磁波にも過敏になる。その原因は分からないが、事実として、筆者が取材してきた電磁波過敏症の人々の中には、発症前に電磁波過敏症になっていた人も少なくない。

われわれの身の回りでは、刻々と化学物質が増えている。米国のケミカルアブストラクトサービスが付番する新しい化学物質は、年間で100万件にもなるという。これらの化学物質が相互作用でどのような人体影響を及ぼすかは、ほとんど分かっていない。化学物質による被曝は、他人事ではなくなってきたのである。

「はなちゃんカフェ」に参加する資格があるのは、病院で化学物質過敏症と診断された人と、その家族である。カフェには、化学物質過敏症や電磁波過敏症に関する100冊を超える図書も揃っている。入会は無料。

詳細は、次のウエブサイトで。

■はなちゃんカフェのウエブサイト

【参考記事】化学物質過敏症から電磁波過敏症へ、東京目黒区で浮上している基地局問題で注目されるKDDIの「患者」対応

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2017年01月16日 (月曜日)

総務省の国勢調査に関する新聞広告で博報堂に間引き疑惑、契約書では述べ25回の掲載、博報堂の回答は述べ12回

メディア黒書では、博報堂と内閣府の取り引き疑惑に焦点を当ててきたが、実は他の省庁でも、検証しなければならない問題が浮上している。

そのうちのひとつが総務省が2015年4月1日に博報堂に発注した「国勢調査の広報に関する総合企画」である。契約額は6億円。大型のプロジェクトである。

これは国勢調査への国民の協力を呼びかけるPR業務で、ラジオスポットCM、新聞広告、交通広告、インターネット広告など、かなり多岐の分野に渡っている。

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2017年01月13日 (金曜日)

内閣府から博報堂が請け負った「自動走行システム」に関する調査、総額は約6200万円、明細はすべて黒塗り

内閣府が博報堂と交わした「戦略的イノベーション創造プログラム」の契約書と業務計画書を入手した。しかし、業務計画書の肝心な部分、「委託業務経費の内訳」の詳細は黒塗りで隠されていて、総額が約6200万円ということ以外は、「税金」がどう使われたのか全く分からない。

「戦略的イノベーション創造プログラム」の内容は、「自動走行システムの実現に向けた諸課題とその解決の方向性に関する調査・検討における自動走行システムにおける国際協調活動の推進に係わる調査検討」(ママ)というものである。

意味不明瞭な文章で、具体的な業務内容がよく分からない。

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2017年01月13日 (金曜日)

「共謀罪とセットになった東京五輪」は辞退しかない

執筆者:本間龍(作家)

かつて昭和の人気者を指す「巨人・大鵬・卵焼き」というフレーズが流行ったことがあったが、これからは嫌われ者を指す言葉として「五輪・電通・共謀罪」を使うようにしてはどうか。

安倍首相は10日、共同通信社とのインタビューで「(共謀罪を)成立させなければ、テロ対策で各国と連携する国際組織犯罪防止条約が締結されず2020年東京五輪・パラリンピックが開催できない」と語ったと報道されたが、さすがにこれには驚いた人が多いようだ。

なにせ安倍本人が五輪誘致の際に「東京は世界でもっとも安全な都市です」と大見得を切っていたのだし、その後も共謀罪の必要なんぞにはひと言も触れていなかったのだから、何をいまさら「成立しなければ開催できない」などと言うのか、さすがに「息をするように嘘をつく」男の面目躍如である。

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2017年01月12日 (木曜日)

新聞業界から政界へ約500万円の政治献金、軽減税率の適応が目的、15年度の政治資金収支報告書

2016年11月に公表された15年度分の政治資金収支報告書によると、日販協政治連盟(日本新聞販売協会の政治団体)が、国会議員に対して支出した政治献金は、総額で504万円だった。このうち記載されている額は、約250万円だった。

献金先は、漆原良夫(公明)、中山泰秀(自民)、丹羽雄哉(自民)、中川雅治(自民)、柴山昌彦(自民)、高市早苗(自民)、中根一幸(自民)、菅義偉(自民)、西田まこと(公明)、斎藤鉄夫(公明)、新藤義孝(自民)などである。

■裏付け資料

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2017年01月11日 (水曜日)

事件報道と忘却の繰り返し、捜査機関には職能の問題、高橋まつりさんの死も過去の問題へ、新聞社と広告代理店が占めるタブーの領域

博報堂事件の取材を始めてまもなく1年になる。最初は、アスカコーポレーションと博報堂の間で起きた係争のうち、折込広告の業務をめぐるトラブルを取材し、その後、同社から入手した多量の資料を精査して、テレビCMの「中抜き」問題、視聴率の改ざん問題、通販誌制作の水増し請求などを取材・記事化した。

事件全体の構図は、次の記事で説明している。

【解説】奇怪な後付け見積書が多量に、博報堂事件の構図はどうなっているのか?

その後、博報堂が省庁から請け負っているPR業務を取材するようになった。これはまったくの偶然の成り行きだ。わたしは20年来、「押し紙」問題など新聞に関する諸問題を取材してきた関係で、定期的に公共広告の実態を調査してきたのだが、内閣府が博報堂に依頼したPR業務の中に、検証を必要とする疑惑が見つかったのが糸口である。

その際、アスカコーポレーションの取材で得た知識が役に立ったことはいうまでもない。たとえば博報堂の共通した特徴として、後付けで多額の金銭を請求する手口がある。その極端な例が、内閣府と博報堂の取り引きでも見られた。

以下に示すのは、契約額と実際の(請求額)の対比である。

2012年度  約3980万円(約14億700万円)
2013年度  約4600万円(約11億900万円)
2014年度  約6670万円(約17億6300万円)
2015年度  約7600万円(約20億3800万円)

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