ログイン
ログインID
パスワード
お知らせ

 日本に三権分立は確立されているのだろうか。民主主義に関わるこのような基本問題を提起するたけで、たちまち過剰なリアクションを起こす人々もいるが、かねてからこの点を疑問視する声は多数ある。そこで法務省民事局の仕事について調べてみた。

  法務省民事局は、民法、商法、民事訴訟法など民事基本法の法律、政令、規則などを制定したり、改正するに先だって法令案を作成する部署である。

 ここには判事、弁護士、それに検察官などが法務省民事局付検事という肩書で出向し、法令案を作成する。(400/1600文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

  長崎新聞社でかつて「押し紙」問題があったという話はよく聞くが、詳細はあまり知られていない。長崎新聞の「押し紙」問題については、店主側が審査請求を申し立て、和解で自由増減を勝ち取った例がある。

  今回紹介する書類は2005年11月に塩塚弁護士が公正取引委員会へ提出したものである。

 長崎新聞の創業は、明治22年。発行部数は、18万4000部(2011年4月)である。販売店の店舗数は、約160店(現在)。(400/1400文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 テレビのプライムタイム(19~23時)で番組CMの49%(取扱い秒数シェア)を占める電通。CM枠への新規参入が極めて難しいことが、公正取引委員会などの調査で判明している。ところが公取委は、広告業界の寡占にメスを入れない。背景を探ると、2002年まで公取委員長を務めた根来泰周氏が、電通に恥ずかしげもなく天下っていた(就任期間2003~2010年)。

 根来氏は同時に、大日本印刷や三菱ウェルファーマといった公取委の職務権限が及ぶ巨大企業の役員に渡るなどして荒稼ぎしている。その他歴代公取委員長も、資生堂や旧新日本石油などに再就職していた。電通を例に、公取委が本来の仕事を放棄し、市場の寡占化を放置する機能不全の背景に迫った。(2010年9月『広告業界の取引実態報告書』はPDFダウンロード可)【続きはマイニュースジャパン】

 

 読売が七つ森書館に対して出版の差し止めを求める裁判を起こしたことは、新聞やウエブサイトですでに報じられている。朝日新聞によると、

 七つ森書館によると、証券会社の不祥事について取材した読売新聞社会部の記事をまとめ、1998年に出版された「会長はなぜ自殺したか―金融腐敗=呪縛の検証」(新潮社)の復刻版を今年1月に出版することで、昨年5月に読売新聞社と契約。著者名は「読売社会部清武班」とすることで合意していたという。

 しかし、清武氏が昨年11月に球団人事のあり方などを告発した後の12月になって、読売新聞社から「清武氏の本を出すわけにはいかない。金銭の補償はする」と出版契約の解除の申し入れがあった。七つ森書館が拒否すると、読売新聞社が先月、提訴したという。復刊は延期されている。

  読売は昨年の秋、清武氏に対して1億円の損害賠償を求める裁判を起こした。今年に入ってからは、朝日新聞によるジャイアンツの契約金についての報道に対して、提訴をちらつかせた。警察にも相談したそうだが、結局、提訴には至らなかった。

 話は前後するが、2008年には、わたしに対して2件の裁判を起している。さらにYC久留米文化センター前の元店主と奥さんに対しても、裁判を仕掛けて、1000万円を超える賠償金を手にしている。

 2009年には、わたしと新潮社に対して5500万円を請求する裁判を起こした。

 そして今回、7つ森書館を提訴した。

◇司法権力をみずから招き入れる愚かさ
  メディアが裁判所に審判を仰ぐ行為は、出版活動よりも司法をより高い次元の領域と見なしている証である。議論を尽くして、みずらの職であるメディアの問題を解決するプロセスよりも、司法に判断を一任するわけだから、みずからの仕事を卑下しているに等しい。

 実際、読売のジャーリズムのレベルは、渡邉恒雄氏の『君命を受けざる所あり』を読めば想像できる。高く評価するにしろ、批判するにしろ、主筆のレベルが社のレベルである。もちろん、わたしはまったく評価しない。

  ある意味では、渡邉氏が言論による論争よりも、裁判に援助を求めざるを得ない事情も理解できる。

  ただ、自分たちの意向に従わない者を次々と裁判にかけ続けるとなれば、弱小出版社やフリーライターの言論は萎縮しかねない。だれも読売を批判できなくなる。それが読売にとってプラスになるかどうかは疑問が残る。読者には、「読まない権利」、あるいは「不買の権利」も存在するからだ。

 わたしは「反訴」と、弁護士懲戒請求を合わせると、読売関係者との間で5件の係争に巻き込まれたが、裁判の当事者になるメリットは何もない。新聞社の企業ジャーナリストとは異なり、フリーライターにはサラリーがないわけだから、裁判に時間を割かれても、本業をおろそかにはできない。

◇対抗策は逆に法廷に立たせること
 提訴に対する対抗策はあるのだろうか。結論を先に言えば、「反訴」することである。言論人であるから、言論で反論するのが原則であるが、他人を軽々しく裁判にかければ、生涯のどこかで「反訴」される日が来ることを示す必要があるからだ。

 また、裁判が終わった後の検証作業も不可欠だ。裁判の資料がすべて公文書として残っているわけだから、検証作業の中で公開すること。現在、わたしは著作権裁判の検証作業を行っている。準備書面に記された喜田村洋一弁護士(厳密には江崎法務室長)の著作物に関する論考は実に興味深い。争点となった文書(催告書)に創造性があると主張するさいに、思考する事と「実在する」事を混同している典型例でる。以下、一部を紹介しよう。

【引用】
 著作物は、「思想又は感情を創造的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法2条1項1号)と定義されている。
 このうち「思想又は感情[の]表現」との要件については、本件「催告書」の内容が被告による原告の「回答書」無断掲載が違法であることを論じ、救済を求めたものであるから、これを満たすことが明らかにである。
  次に、「創作[性]」との要件については、原告は、上記の通り、本件「催告書」の執筆にあたり、回答書の著作者を(黒薮注:だれにするかを)検討すると共に、無断掲載に対する救済として何を選択するかについて判断を経た上で、これを作成したものであり、本件「催告書」が、誰が作成してもその表現形式及び表現内容が同じものになるような「ありふれば表現」でないことは明らかである。

  引用した記述を読む限り、頭の中でなにかを考察すれば、文章上にそれが自動的に反映されると主張しているに等しい。しかし、そんな神わざがあるのなら、文章読本の類が書店にあふれるはずがない。いくら思考を巡らせても、それを的確な文章に「翻訳」できないから苦労するのだ。「思考=文章表現」ではない。喜田村弁護士の書面はこんな初歩的なことを無視しているのだ。【全文公開】

 喜田村洋一弁護士に対する懲戒請求の中で、喜田村側の代理人(近藤真弁護士ら)が2011年3月30日に提出した「答弁書」に「別紙(懲戒請求者による取材・表現の姿勢について)」と題するセクションがある。

 その中に「メディア黒書」の原発報道を批判した文章がある。震災から1年を経た現在、わたしが書いたことが正しかったか、それとも近藤弁護士らの批判が当を得たものであったか、日本の原発がすべて停止した現在、この点を改めて検証してみたい。

 近藤弁護士ら3名は、次のようにわたしの記事「本当に電力が不足しているのか?東電の『計画停電』」を批判している。

 なお、下記の批判文を作成するために、近藤弁護士らは、黒薮のTWITTERまでチェックしている。

4)
 「本当に電力は不足しているのか? 東電の『計画停電』」(平成23年3月16日付け)(乙20)[黒薮注:黒書の記事]

   懲戒請求者は、東北関東大震災に伴う東京電力の計画停電に関する記事で、「東電は電力が不足しているという『宣伝』を展開することで、原発がダウンすれば都市機能がパニックに陥るという暗黙のメッセージを送っているのではないかという疑いである。と、言うのも、今回の原発事故で、国民の間に原発を容認しない空気が広がり、今後の原発推進が難しくなるからだ」との陰謀論を展開している。

 上記記事では、「もちろん単なる懸念であるから、確証はない」と断っているものの、これに先だって、Twitter(http://twitter.com/kuroyabu)では特にそのような断りもなく「東北の広域で24時間の停電。常識的には、電力は不足していません。

それにもかかわらず首都圏では計画停電するのは、原発の『必要悪論』のPRとしか考えられません。それとも素人の論考なのか?」「3炉が止まって停電するなら、10炉でパニックです。それだけで戦争になって原発が攻撃されたら、敗北です。実際に、こんなことはあり得ないでしょう」(乙21)と、ほぼ断定的な主張をしている。

  薄弱な根拠で、名誉毀損的な陰謀論を展開しており、ジャーナリストの名に値しない。

 震災の後、火力発電所が復活したことを考慮したとしても、3月16日に書いたことは、おおむね正解だった。この1年を通じて、多くの人々がわたしと同じ疑問を持ち、新聞とテレビによる原発報道に不信感を募らせたのである。
【全文公開】 

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

   藤興(株)への1億円融資の返済が履行されていない問題で、融資元の愛知県の男性Aさんは、4月26日、融資の立会人を務めた藤興の代理人・喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)に対する懲戒請求を第2東京弁護士会へ申し立てた。

 藤興、あるいは融資に関連して幾つかの事実が指摘されている。

まず、融資額が1億円であるにもかかわらず、契約書には1億5000万円と虚偽の記載が行われている事実。

喜田村弁護士が立会人となって、藤興の財務状況を調査し報告している事実。それを信用してAさんが融資に応じた事実。

トラブルが発生した場合、喜田村弁護士が解決のために約束した事柄を実行する保証がなされている事実。

  ちなみに喜田村氏は、Aさんが起した裁判の準備書面の中で、自分が保証した範囲を次のように述べている。

「被告(喜田村弁護士)は、藤興株式会社の代理人として、同社の日本電動式遊技機工業協同組合を脱退するときは、同協同組合から払い戻される金額(約1億6000万円)を原告に渡すことを保証したものであり、原告が藤興株式会社に貸し付ける金員が支払われることを保証などしていない」   (太字は黒薮の表記)

融資返済の最終期限から2年が経過しているにもかかわらず、200万円しか返済されていない事実。

Aさんが弁護士を通じて、仲介人(喜田村弁護士)に対して、繰り返し解決を要請している事実。

藤興が大東音響の時代に、平沼勝栄議員(自民)に1000万円を贈っていた件をメディアが報じていた事実。。

 なお、弁護士職務基本規定の第25条は「弁護士は、特段の事情がない限り(中略)依頼者の債務について保証をしてはならない」と定めている。「解説 弁護士職務基本規定 第2版」によれば、25条の趣旨は、「弁護士が依頼者との間で金銭上の貸借関係等の特別な利害関係をもつに至ると、独立性を失い、過度に当事者的になって職務の公正を保ち得ないおそれが生じる。(中略)このことを忘れた行動は、不祥事の契機となりやすく、弁護士の職務そのものをゆがめるものともなりやすいので、本条が規定されることとなった。」というものである。

  第25条は、懲戒請求の争点になりそうだ。

◇喜田村氏に対する黒薮の懲戒申立
 なお、喜田村弁護士に対しては、昨年の1月にわたしも同弁護士に対して懲戒請求の申し立てを行った。

 わたしのケースでは、発端となったのが読売の江崎法務室長がわたしに対して起した著作権裁判である。メディア黒書(当時は、新聞販売黒書)にわたしが掲載した江崎氏の文書(怪文書めいた催告書)を掲載したところ、催告書は江崎氏の著作物であるから削除するように求めて、提訴に至ったのだ。

 自分の著作物というからには、自分で書いたことが大前提になる。ところが裁判の中で、江崎氏とは別の人物(裁判所は喜田村弁護士か彼の事務所スタッフの可能性を認定)が作成したことが分かった。

 つまり喜田村弁護士は、問題となった文書の作成者が江崎氏ではないことを知りながら、「江崎氏の著作物」というフィクションを前提にして裁判の提訴に及んだのである。このような行為が放置されたら、日本中に「誣告罪(ぶこくざい)」があふれかねない。

(参考:文書の作成者が喜田村氏から彼の事務所スタッフの可能性を認定した知的財産高裁の判決)

 弁護士職務基本規程の第75条は次のように述べている。

 弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。

  喜田村弁護士は現在も小沢一郎氏らの代理人を務めるなど、弁護士活動を展開している。【全文公開】

 ユニクロが文藝春秋に対し2億2千万円などを請求した名誉毀損裁判の提起から、まもなく1年。ユニクロはサービス残業の実態などを告発した文春に対し、その立証を求めており、立証責任を被告側に押し付ける日本の名誉棄損裁判の欠点がまたも浮上してきた。日本を代表する“優良企業”の労働実態を検証した文春ジャーナリズムが公共性の高いテーマ設定を行ったことは疑いないが、日本の裁判制度の前では無力になってしまうのか。

 ユニクロと日本一の大富豪・柳井正社長の急成長は、違法労働と、その告発を高額訴訟で口止めする暗黒世界の上で築かれた砂上の楼閣なのか。両者が裁判所に提出した準備書面をもとに、日本の言論・表現の自由において重要なユニクロ裁判報道・第2弾をお送りする。(続きはマイニュースジャパン)
 

 喜田村洋一弁護士が立会人になって実施された1億円融資を検証する際に、不可欠なのが日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)である。

   この融資は、元会社役員Aさんから藤興に対して行われたものだ。融資の返済が不履行になった場合は、藤興が日本電動式遊技機工業協同組合から受け取る権限をもつ払戻金(約1億6千万)から保証できるように、喜田村弁護士が尽力するという約束で行われた。

  喜田村氏は、2009年4月6日付けの確認書と題する書面で、「払い戻しの限度額」が約1億6000万円であることを報告している。払い戻しは協会から脱会した場合に履行される。

 ちなみにマイニュースジャパンでも報じたように、融資された1億円は、200万円が返済されただけで、最終期限から約2年が過ぎている。

  日本電動式遊技機工業協同組合に不明な点を問い合わせてみた。

問:喜田村弁護士は協会で、本当に「払い戻し限度額」を確認したのか?(600/1200文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

  喜田村洋一弁護士が立会人になって実施された1億円融資(融資契約書には、1億5000万円と虚偽記載)の受け取り人である藤興とは、どのような会社なのだろうか。調べたところ、『週刊ポスト』(2000年3月10日号)に、藤興(当時の社名は大東音響)から自民党の平沢勝栄議員へ1000万円が贈られたとする記事が掲載されていたことが分かった。

 タイトルは「違法パチスロ業者が残した『警察OB代議士に1000万円』のマル秘資料」。リードは次のようになっている。(300/2400文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 読売に対してわたしが提起した損害賠償裁判(福岡地裁、田中哲郎裁判長、読売がわたしに対して次々と提起した3件の裁判が、「一連一体の言論弾圧」との観点から、損害賠償を求めたもの)が、18日に結審した。判決は、7月19日の13時10分に言い渡される。

 18日の口頭弁論は、民事裁判ではめずらしく、原告弁護団と田中裁判長の間で激しい意見の応戦があった。それに読売の弁護士が割って入って、裁判長を擁護する場面もあった。

  発端は田中裁判長が、原告が提出していた陳述書(原告である黒薮本人のもの)を不採用にすると宣言したこと、黒薮の本人尋問を実施しないことを宣言したことである。

 原告弁護団や傍聴席からの激しい抗議により陳述書は採用することに変更されたが、本人尋問を実施するようにとの要求は、覆らなかった。かくて民事裁判で原告の本人尋問を実施しないまま判決が下されるという前代未聞の事態になったのだ。

 今年の3月には名誉毀損裁判1(黒薮が被告。地裁、高裁は黒薮の勝訴)で、最高裁がわたしを敗訴させ、読売を逆転勝訴させる決定を下している。従ってわたしにとっては、再び不利な状況がふりかかってきたことになる。

 ちなみに民事裁判で原告の陳述書を不採用にしたり、本人尋問を実施しないケースは常識的にはあり得ない。

  このような事態になったことは重大だ。日本の司法制度が危険な方向へ動き始めてる兆候ではないか。軍事裁判の実態に近づいているのだ。(わたしは民主党政権になってから、急激におかしな司法判断が増えていると感じている。)

  ちなみにこの裁判の中で、読売のジャーナリズム観が公文書のかたちで明らかになっている。極めて興味深い内容なので、機会を見て紹介したい。既成概念から脱却して、新しい価値観を読者に提供するジャーナリズムの役割をまったく果たしていないことが読み取れる。【全文公開】

  オリンパスの株主総会が4月20日に開かれる。

 同社は昨年の11月、巨額の損失を「飛ばし」で長期にわたって隠し続けたことを暴露され、特に海外の株主の間から現経営陣を批判する声が上がっている。

 そこで昨年末に株主名簿の閲覧謄写を認める請求を行った株主で、米国経済に詳しい山中裕さんに、同社の内情と株主名簿の閲覧謄写を認めるように請求した経緯を報告してもらった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

  20日の総会では取締役と監査役の選任が行われる予定になっているが、ここに来て米国の議決権行使助言会社の動きが顕著になってきた。

 議決権行使助言会社:投資家に対し、株主議決権の行使に関する助言を行う会社のこと。

 米国での業界第1位のISSは、会長候補の木本泰行氏(三井住友銀行出身)、社長候補の笹宏行氏、藤塚英明氏(三菱UFJ銀行出身)の3人の取締役の選任と、損失隠しの発覚に伴う訂正後の決算の承認、及び監査役候補の清水昌氏(日本生命保険の財務審査部長)の選任にも反対することを助言している。

 また同第二位のグラスルイスは、会長候補の木本氏、社長候補の笹氏のほか、藤塚英明氏(元三菱東京UFJ銀執行役員)、蛭田史郎氏(旭化成最高顧問)、林繁雄氏(オリンパス執行役員)、西川元啓氏(元新日本製鉄常務)、竹内康雄氏(オリンパス執行役員)の取締役選任に反対推奨している。

 一方、国内の顕著な動きとしては、2月16日にすでに東京地検特捜部は、金融商品取引法違反などの疑いで前会長兼社長菊川剛容疑者(70)と前常勤監査役山田秀雄容疑者(67)、前副社長森久志容疑者(54)のほか、野村証券OBである中川昭夫容疑者(61)を逮捕しており、法人としてのオリンパスも起訴されるなどの日本の資本市場の信頼を揺るがす自体が発生している。

 ただし我々株主がライブドア事件やカネボウ事件を経験してことを考えると、不正会計などの問題は、日本では決して極めて珍しいことではない。今回は監査法人関係者が誰も逮捕されていないことに特徴がある。

 ライブドア事件では監査法人担当者が刑事責任を問われたが、カネボウ事件でも当時の4大監査法人の一角を占めていた中央青山監査法人が解体を余儀なくされる結果となっている。

 今回のオリンパス事件でも、同社が事件発覚後に設けられた第三者委員会において、2009年3月期までオリンパスを担当したあずさ監査法人の監査について、「問題なしとしない」としているにもかかわらず、監査法人の責任は問わないとする結論を出している。

 投資家の立場からいえば、監査法人がハンコをついているからこそ有価証券報告書を信用するのであって、そのために多額の監査報酬が支払われているのであって、監査法人の責任は決定的に重いと言わざるを得ない。

 このように、株主に不当な運営が今なお行われている現状を踏まえて、オリンパスの株主でもある筆者は、個別株主通知をしたうえで会社の代理人弁護士を通じて、同社の株主名簿の閲覧謄写を認める請求を去年年末に行った。

 20日に開催される株主総会で、会社が提出する取締役及び監査役を選任する議案に対する修正議案を提出するにあたり,株主間の連絡をつけて、他の株主の賛同を得る必要があるからだ。

 株主名簿の閲覧謄写を認めない会社に対して、わたしは3月29日に東京地裁へ仮処分命令を申し立てた。その結果、会社側が態度を翻して、最終的には名簿の閲覧を認めることで決着した。しかし、ここに至るまでに会社側の不誠実な態度が明らかになったので、以下、詳細を報告する。

 すでに述べたように筆者は、年末に株主名簿の閲覧謄写を申請した。その結果、1月13日付で以下のような通知書が代理人名で送られてきた。

平成24年1月13日
山中 裕 殿
〒105-0001
東京都港区虎ノ門4-3-13
神谷町セントラルプレイス4F
ピンガム・マカッチェン・ムラセ
外国法事務弁護士事務所
坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業)
 オリンパス株式会社代理人

 弁護士 山宮慎一郎
 弁護士 松村 卓治
 弁護士 阪口嘉奈子
 弁護士 衛藤 佳樹
 弁護士 藤田 将貴(連絡担当)

電話 ****
FAX ****

                   通知書

冠省 当職らは、貴殿の平成23年12月28日付け株主名簿閲覧謄写請求に対し、オリンパス株式会社(以下「当社」という。)の代理人として、次のとおり通知します。

 貴殿は、当社株主名簿の閲覧等請求理由は、議決権行使の参考である旨主張されています。

 しかしながら、現時点において当社の株主総会は招集されておらず、議案の内容も当然決まっていないため、貴殿の主張される「議決権行使」の対象は抽象的と言わざるを得ません。したがって、当社は、貴殿の閲覧謄写を拒否できると考えます。 早々

 

 説明しておくと、会社法第125条2項には、「株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 

二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求」とあって株主による株主名簿閲覧謄写請求権が明記されている。

 また、同第125条3項には「株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。

一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。四 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

五 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。」と請求を拒絶できる事由がいくつか列挙されているに過ぎない。議決権行使の参考にすることが、拒否できる理由と解される余地はまずない。

 その後、オリンパスが株主総会の日時と議案を確定したのちに、筆者は以下の2月27日付で電子メールを担当の藤田将貴弁護士に送付した。


坂井・三村・相澤法律事務所 藤田将貴先生

 会社法304条に基づく株主総会での議案提案権を行使し、賛同者を募るために委任状勧誘を行う意向がありますので、オリンパス株式会社の株主名簿を閲覧・謄写させていただきたく思います。またウッドフォード元CEO解任の議事録は、ウッドフォード氏の署名・サインがない状態のもので構いませんので、神谷町のオフィスまで伺いますので、近日中に小生までお渡しいただきたいと考えます。

 ご返事お待ちしていますので、宜しくお願いします。


 この電子メールに1週間たっても返事がないので、筆者は3月29日付で東京地裁民事8部に保全の申し立てをした(事件番号は、平成24年(ヨ)第20033号 仮処分命令申立事件、担当裁判官川勝庸史判事)。それが以下の書面である。

        仮 処 分 命 令 申 立 書(ここをクリック)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上のような書面を東京地裁民事8部に提出したところ、会社側は以下のような答弁書を提出してきた。

平成24年(ヨ)第20033号 仮処分命令申立事件
債権者 ***
債務者 オリンパス株式会社
平成24年4月2日
東京地方裁判所民事8部非訟・過料係 御中

相手方代理人弁護士 山宮慎一郎
同 松村卓治
同 阪口嘉奈子
同 (連絡担当)藤田将貴

第1 申立ての趣旨に対する答弁
1 債権者の申立てを却下する。
2 申立費用は債権者の負担とする。
との決定を求める。

第2 債務者の主張
 追って説明する。
 なお、債務者としては、債権者が債務者の提案する誓約書を差し入れることを条件として、申立ての趣旨記載の株主名簿を任意に開示する用意がある。 以上


 以上により、会社は任意に株主名簿閲覧謄写に応じることになったが、笑ってしまったのは誓約書の中身である。

「3 株主は、このたびの株主名簿の閲覧又は謄写に関し、下記の事項に該当しないことを誓約いたします。

                   記
(1)株主又は債権者としての自己の権利の確保又は行使に関する調査以外の目的(金融証券取引法上の損害賠償請求事件の原告を募る目的、民法上の不法行為責任追及訴訟の原告を募る目的等を含むがこれに限らない)で請求すること。」

 との記載があり、「金融証券取引法上の損害賠償請求事件の原告を募る目的、民法上の不法行為責任追及訴訟の原告を募る目的」で株主名簿を用いられることに抵抗していたことがわかる。

 さらに笑ってしまったのが、謄写費用として1枚30円を要求されたこと。MBOに関する訴訟で経営者が民事賠償を負う方向で裁判が行われているレックスでさえ、1枚5円の謄写費用しか請求していないそうだ。株主提案に関する議案を不当に落としているHOYAでさえ、1枚10円ないしは20円だ。それが30円とは。

 20日の総会では、会社提案の取締役候補が否決されないまでも、おそらく30%を超すような多数の反対票が集まることが予想される。これについても後日、報告したい。【全文公開】

 福岡地裁で進んでいる損害賠償裁判(原告・黒薮、被告・読売)が19日に再開される。この裁判は読売がわたしに対して1年半の間に、約8000万円の損害賠償を求めて3件の裁判を起こしたことに対する「反訴」である。主張の中心は、読売による裁判攻勢が「一連一体」の言論弾圧であるとう点だ。

 裁判は昨年の秋から中断していた。原因は、原告弁護団が裁判官の忌避(きひ)申立を行ったことである。忌避申立とは、公平な裁判が期待できないときに、裁判官の交代を求める手続きである。(400/1400文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 小沢一郎代議士や「読売VS清武裁判」における読売側の代理人も務める喜田村洋一弁護士が、深刻な倫理違反によって失職する可能性があることが分かった。喜田村弁護士が債務を保証する形で行われたパチスロ機メーカー・藤興(株)に対する30代男性からの1億円融資をめぐり、融資が踏み倒されたことから今年1月、怒った男性が喜田村弁護士と藤興を被告として、提訴に踏み切ったのだ。

男性は、立会人の喜田村弁護士が作成して捺印した書類を、貸付金が返済されない場合の「保証書」と解釈して融資に応じた。これは「依頼者の債務について保証をしてはならない」などと第25条で定めた「弁護士職務基本規定」に違反した疑いが強く、業務停止や除名の懲戒処分もありうる重い行為だ。実際に1億円の大半が回収不能となっていることから、詐欺の片棒を担いだ格好にもなっている。(続きはマイニュースジャパン)
 

 ここ1年ほどの期間にわたしが取材した裁判のうち、SLAPPの疑いがあるものは次の2件である。

ユニクロが『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生著)を出版した文藝春秋社に対して2億2000万円の損害賠償を求めた裁判。
 

(参考:『ユニクロ帝国の光と影』訴訟、弁護士に6千万円積む柳井正の“アメとムチ”

レコード会社31社がミュージックゲート社(作曲家・穂口雄右氏が経営する会社でTUBEFIREを運営していた)に対して2億3000万円の損害賠償を求めた裁判。この裁判の背景には、音楽界が不況に見舞われる中で、著作権をめぐる利権争いがあるようだ。音楽関係者にあるまじき醜い裁判提起である。

(参考:「TUBEFIRE」著作権問題 レコード31社に2億3000万円請求されたミュージックゲート・穂口雄右氏に聞く

 SLAPPはサラ金の武富士に始まり、その後、読売へと移行した。読売とわたしの裁判を機にメディア関係者を狙い撃ちにした訴訟は減ったが、ユニクロが文春を訴えたことで、正常化の流れは逆もどりした。

 そして今、高額訴訟は広く浸透した。2億円という額を聞いても特に珍しくはなくなった。

◇対策は関係した者全員の責任を追及すること
 SLAPPの防止策はあるのだろうか?(900/1600文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

  最近の渡邉恒雄(新聞文化賞の受賞者で読売の主筆兼会長、元日本新聞協会会長)氏の言動を検証してみよう。

 読売ジャイアンツの元代表・清武英利氏に対して2億円の損害賠償を求める裁判を提起した後、今度は朝日新聞社を「訴えてやる」と息巻いていた渡邉恒雄氏であるが、その後、提訴したという話は聞かない。警察にも相談したようだが、どうなったのかよく分からない。

  興味深い2つの手記が『週刊新潮』に掲載された。渡邉主筆の筆による「『朝日新聞』と『清武君』に次ぐ!」(4月5日号)と、清武氏の筆による「読売新聞社『ナベツネ』主筆に物申す!」(4月12日号)である。

 2つの手記を読み比べてみて、わたしが最も驚いたのは、主筆の筆力が元記者のペンよりも遥かに劣っていることだった。ある散文をどう解釈するかは、個人差があるので、断定的なことは言えないが、手記の構成、語法、それに内容などすべての面で清武氏の方が主筆よりもレベルが上だという印象を受けた。これは実に奇妙な現象だ。欧米ではありえないのでは?

  渡邉氏の手記は、事実をよく見ないで頭の中で自分勝手なイメージを無理やりにこねあげているような印象を受ける。たとえば冒頭のくだりだ。


 まるでホルムズ海峡が封鎖されたが、北朝鮮がミサイルを撃ってきたかのような、大々的な扱いだった。朝日新聞は3月15日朝刊の1面、社会面を割いて巨人軍選手の契約金に関する記事を報じた。

 最上段に振りかぶった極端な誇張法に笑ってしまった。

  具体的にどのような状況を意味しているのか、わたしにはよくイメージできない。かりに引用文のような事件が起こったとすれば、朝日がジャイアンツ選手の契約金問題を報じた程度の扱いではすまないだろう。

  巨人は「正義」、朝日は「悪」という結論を先に置いて、それに向かって筆を進めているから、不自然な記述が目立つのではないだろうか。

 最近の渡邉氏の言動は多くの問題を孕んでいる。なにも「訴えてやる」を連呼したり、清武氏や朝日新聞の批判だけが的を得ていないというわけではない。たとえば今年の年賀詞交換会では、原発について次のような発言をしている。


 原発というのは日本だけがやめる、ドイツだけがやめるということで解決するのでしょうか。日本中の原発をやめたところで、中国がこれから200基造るといっています。中国の技術レベルは昨年の新幹線事故でわかるように、あてになりません。水がないと原発は使えないので、おそらく沿海部に造るでしょう。その原発で故障が起きたら、放射能が日本に飛んできます。日本を原発から本当に守るなら、絶対に安全に近い原発を造って中国に輸出して「これを使ってくれ」と言ったほうが利口ではないでしょうか。

 福島で日本の原発がいかにもろかったかが事実で立証させ、安全神話が崩壊したにもかかわらず、日本の原発を中国へ輸出すべきだと言っているのだ。失敗から学ぼうとする姿勢など皆無ではないか?

 朝日の報道に関して、警察に相談したことも新聞人としては失格だ。警察権力はジャーナリズムの監視対象であるからだ。

 ところが権力の監視どころか、読売グル―プの一員である読売防犯協力会は、次の都道府県警察と防犯のための覚書を交わしている。わたしは取材で得た個人情報が警察に流れないか不安を感じる。

高知県警 2005年11月2日
福井県警 2005年11月9日
香川県警 2005年12月9日
岡山県警 2005年12月14日
警視庁 2005年12月26日

鳥取県警 2005年12月28日
愛媛県警 2006年1月16日
徳島県警 2006年1月31日
群馬県警 2006年2月14日
島根県警 2006年2月21日

宮城県警 2006年2月27日
静岡県警 2006年3月3日
広島県警 2006年3月13日
兵庫県警 2006年3月15日
栃木県警 2006年3月23日

和歌山県警 2006年5月1日
滋賀県警 2006年6月7日
福岡県警 2006年6月7日
山口県警 2006年6月12日
長崎県警 2006年6月13日

茨城県警 2006年6月14日
宮崎県警 2006年6月19日
熊本県警 2006年6月29日
京都府警 2006年6月30日
鹿児島県警 2006年7月6日

千葉県警 2006年7月12日
山梨県警 2006年7月12日
大分県警 2006年7月18日
長野県警 2006年7月31日
福島県警 2006年8月1日

佐賀県警 2006年8月1日
大阪府警 2006年8月4日
青森県警 2006年8月11日
秋田県警 2006年8月31日

神奈川県警 2006年9月1日
埼玉県警 2006年9月14日
山形県警 2006年9月27日
富山県警 2006年9月29日
岩手県警 2006年10月2日

石川県警 2006年10月10日
三重県警 2006年10月10日
愛知県警 2006年10月16日
岐阜県警 2006年10月17日
奈良県警 2006年10月17日

北海道警 2006年10月19日
新潟県警2003年3月26日
沖縄県警 2008年6月12   

 渡邉氏と読売の幹部は、これまでたくさんの人々を法廷に立たせてきたが、提訴がどのような感情を誘発するのかを理解しているのだろうか。他人を訴えるということは、後日「反訴」されたり、検証の対象にされるリスクを延々と背負うことを意味する。【全文公開】

 喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)に対する懲戒請求を第2東京弁護士会に申し立ててから、1年2カ月が過ぎた。通常は、半年程度で判断が下されるので、通常よりも大幅に遅れている。弁護士会の綱紀委員会が、かなり綿密に事実関係を調査しているのが原因だろう。報告書が楽しみだ。

 同志社大学の浅野健一教授も喜田村弁護士に対して、2年以上前に懲戒請求を第2東京弁護士会へ申し立てたようだが、まだ、調査が続いているのか、結論は出ていないようだ。

 本来であれば、綱紀委員会に対して、なるべく早く判断を下すように催促すべきであるが、4月7日、わたしは新たな書面を提出する予定があるので、4月の末までは、判断を下さないように申し入れた。調査が長引けば、その間、わたしも「取材」するので、新たな事実が出てくる。喜田村氏が不利になるだろう。

  新しい書面の内容にはここでは触れない。その代わりにこれまでの経緯を再度紹介しておこう。

◇懲戒請求の発端
 2008年の2月、読売の江崎法務室長が、わたしに対してある裁判を提起した。この裁判は、わたしが「黒書」に掲載した文書(江崎氏が送付してきた催告書で、『黒書』の記事にいちゃもんを付けたもの。)を削除するように求めたものである。自分で書いた文章が恥ずかしいと感じたのかも知れない。

参考:問題文書の全文

 江崎氏の代理人は喜田村弁護士だった。江崎氏らの主張の根拠は、問題となった文書は、江崎氏がみずから作成した自身の著作物であるから、わたしが「黒書」で公開する権限はないというものだった。

 つまり他人に文書を送り付けるのは自由だが、その文書を受け取った側がネットでそれを公開することは著作権法違反であると言うのだった。(これでは脅迫状を受け取っても、それを公開してはいけないことになる。)

 ところが裁判の終盤になり、問題文書の執筆者は本当に江崎氏なのかという疑問が浮上する。わたしの弁護団がこの点を追及したところ、問題文書の執筆者は、江崎氏ではなくて、喜田村洋一弁護士かかれの事務所のスタッフである可能性が高まった。裁判所も判決でそれを認定したのである。

 これがなぜ大問題なのだろうか?
答えは簡単で、嘘の事実(江崎氏が執筆者であるという嘘)をでっちあげて、「黒薮」を裁判にかけたからである。俗にいう「誣告罪(ぶこくざい)」に類似した悪質性があることは言うまでもない。

 参考:文書の執筆者が喜田村弁護士かかれの事務所スタッフの可能性が高いと認定した知的財産高裁判決 [特に7ページの(イ)の記述に注意して読んでほしい。]

 ちなみに懲戒請求の法的な根拠にしたのは、弁護士職務基本規定の75条である。(1600/2400文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 スタンピード(stampede)現象という言葉をご存知だろうか?この言葉を説明するとき、シマウマやキリンなど野生動物の習性が引き合いに出されることがままある。

 たとえばシマウマは群をなして生活している。群の先頭が東へ駆けだすと、群全体が一斉に東へ突進する。先頭が西へ方向転換すると、今度は群全体が西へ向かって走る。

  シマウマたちの首にカメラをぶら下げると、パパラッチの姿が重なる。

 このところ日本で典型的なスタンピード現象が起きている。その中心にいるのがAKB48である。AKB48の「活躍」は華々しい。常のメディアの光を浴びている。

 昨年末にはレコード大賞を受賞。選抜高校野球の開会式の入場行進曲にAKB48の「Everyday、カチューシャ」が選ばれる。

 『読売KODOMO新聞』でAKB48は、連載を持っている。

 YOMIURI ON LINEでは、AKB48のこんな動画が流れている。

  http://bit.ly/GFhC89

  駅頭やコンビニでは、日刊スポーツが発行する「AKB48新聞」が販売されている。

 新聞人たちが毎日のようにAKB48のニュースを軽々しく配信している。AKB48に関するニュースを検索するとその異常な実態がよく分かる。

 3月30日には、プロ野球セ・リーグの開幕戦(巨人VSヤクルト)のオープニングセレモニーで、AKB48が「君が代」を斉唱して天皇を讃えた。

◇洗脳の原理が働いている
  これら一連の「AKB48現象」を前に、どこか奇妙で不自然なものを感じないだろうか?そろそろ疑問の目を向けてもいいのではないか?おそらく感性が鋭い人は、すでにその異常さに感づいているはずだ。

 彼女らに歌唱力があるわけではない。パフォーマンスに優れているわでもない。もちろん既成概念を蹴散らすような強烈なパワーなどどこにもない。

 しかし、あらゆるメディアがAKB48を取り上げ、話題にすることで、人気が上昇するものだ。知名度が高まる。そしてAKB48という「商品」が完成していく。そこには洗脳の原理が働いている。(1500/2000文字)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 日本航空の会社更生手続き中に整理解雇された165名のパイロットと客室乗務員が解雇の無効を訴えていた裁判の判決が、29日と30日にあり、東京地裁は原告らの訴えを棄却した。

 この裁判では、稲盛和夫名誉会長が証人尋問の中で解雇が必要なかったことを認めたために、原告が有利ではないかとの見方もあったが、この証言について判決は、「苦渋の決断として、やむなく解雇せざるを得なかったとの心情を吐露したにすぎず、人員削減の必要性を否定するものではない」と判断した。

  マスメディアでは報じられていないが、この裁判には意外に認識されていない司法上の大きな問題がある。

 日本航空は再建にあたりコンプライアンス調査委員会を設置した。実はこの委員会の委員の中に、司法界に大きな影響力を持つ元最高裁判事2名が加わっているのだ。次の方々だ。(敬称略)

    才口千晴

  甲斐中辰夫

  日本航空の首脳陣はなぜ、元最高裁判事を2名も抜擢したのだろうか。彼らが裁判所に対して影響力があるからではないか?少なくとも第3者が客観的に見れば、最初の段階から裁判の土俵そのものが公平ではない。原告にハンディがある。

 念を押すが元最高裁判事らが裏工作をしたと言っているのではない。裁判官が先輩の仕事(JALの再建)を妨害しないように配慮した可能性も完全には否定できないという意味である。

  ちなみに才口千晴氏は、TMI総合法律事務所に天下りしている。わたしの対読売裁判でも、TMIは途中から登場した。

 この裁判は地裁、高裁はわたしの勝ちで、最高裁で読売が逆転勝訴している。(全文公開)

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 AKB48は「ウィキペディア」によると、次のようなグループである。

 東京都千代田区・秋葉原(外神田)に専用劇場であるAKB48劇場を持ち、「会いに行けるアイドル」[1] をコンセプトに、専用劇場でチームごとに日替わりでほぼ毎日公演を行っている。メディアを通した遠い存在だったアイドルを身近に感じ、その成長していく過程をファンに見てもらい、共に成長していくアイドル・プロジェクトとされている。人気の上昇に伴って本業以外でも個々で活動するメンバーが増えている。

 AKB48は、2011年度の日本レコード大賞を受賞しただけではなくて、同年のオリコンCD初動売上げ年間ランキングで、1位から5位を独占した。今や芸能界の中心的な存在である。

  表向きは若者文化の象徴ということになっているが、舞台裏には秋元康氏ら50代の旧世代がいる。舞台の上の若者たちが、みずからの力で切り開いた文化の創造者ではない。

 「AKB48現象」とは何か。一部に電通との関係を指摘する声もある。舞台裏を解明することは、世論誘導や洗脳のメカニズムを知ることでもある。(800/2300文字、◇読売とAKB、◇日刊スポーツとAKB

この続きを読むには有料購読の登録が必要です
購読はこちらから

 最近、「押し紙」という言葉が雑誌からも消えた。2009年7月に読売新聞社(渡邉恒雄会長)が『週刊新潮』とわたしに対して、「押し紙」報道で名誉を毀損されたとして5500万円の訴訟を起こした後、「押し紙」報道はストップした。高額訴訟による「萎縮効果」である。

 そして裁判所も読売を勝訴させ、全国のYCには1部の「押し紙」も存在しないという読売の主張が事実認定された。読売の宮本副社長による証人尋問による次のような証言が真実とされたのだ。

 2010年11月16日に行われた証人尋問の調書を紹介しよう。読売の宮本副社長(当時は専務)は、「押し紙」は1部もないと証言したのである。


喜田村洋一弁護士:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所に御説明ください。

宮本専務:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。

喜田村:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。

宮本:はい。

喜田村:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。

宮本:はい。

(略)
喜田村:被告の側では、押し紙というものがあるんだということの御主張なんですけれども、なぜその押し紙が出てくるのかということについて、読売新聞社が販売店に対してノルマを課すと。そうすると販売店はノルマを達成しないと改廃されてしまうと。そうすると販売店のほうでは読者がいない紙であっても注文をして、結局これが押し紙になっていくんだと、こんなような御主張になっているんですけれども、読売新聞社においてそのようなノルマの押しつけ、あるいはノルマが未達成だということによってお店が改廃されるということはあるんでしょうか。

宮本:今まで1件もございません。


 このような証言が事実と認定された経緯からすれば、巨人軍の契約金をめぐる朝日新聞の報道も、訴訟になれば「誤報」という司法認定を受けかねない。

◇疑問だらけの雑誌『創』の座談会
 『創』は、毎年4月号で、新聞社の特集を組んでいる。毎年、定番になっている新聞研究者やジャーナリストによる座談会である。

 今年の座談会では、常連の桂敬一氏と原寿雄(右・写真)氏、それに新顔の高田昌幸氏と長谷川幸洋氏が意見を交わしている。

 昨年までの座談会では、「押し紙」についての議論も交わされていた。ところが今年の座談会では、「押し紙」という言葉が完全に消えた。

 日本の新聞社がかかえる最大の問題は「押し紙」である。と、すればこの問題を避けて、新聞について論じてもまったく無意味であることはいうまでもない。まして新聞社経営について語る場合、「押し紙」がないことを前提にすると、経営実態に関する議論の前提事実の把握そのものを誤ることになる。

 それにもかかわらず『創』の座談会では、「押し紙」ついての議論を行っていない。今年からは完全に消えた。

  わたしには発言者が誰に対して遠慮しているのかよく分からない。それとも販売現場を知らないのだろうか?

 座談会の内容は、いかに日本の新聞記者の能力が低いかを繰り返し強調したものである。たとえそれが事実であるとしても、わたしは次のような疑問を抱いた。

 かりに新聞記者の能力が高まれば、日本の新聞はよくなるのか?答えは「NO」である。日本の新聞がジャーナリズムの役割を果たせない根本的な原因は、権力構造の中に新聞社が組み込まれているからである。

 これが根本的な原因であって、その他は枝葉末節にすぎない。

 この問題を無視して現在の新聞は語れない。つまり『創』の座談会では、「押し紙」問題も含めて、肝心な問題については、なにひとつ触れていないのだ。そのためか当たりさわりのない業界紙の座談会のような印象を受ける。

 新聞ジャーナリズムの正義を語るのなら、なぜ、「押し紙」問題と戦わないのだろうか?

◇朝日はABC部数で戦う
 最近、朝日新聞に方向転換の兆しが見え始めた。今年の朝日新聞社新年祝賀会で、秋山社長は次のような発言をした。

 ライバルの読売との戦いは、ABC部数ではなく、実際に読者にお金を出して購読していただいている「実配部数」の勝負です。

 間接的に「押し紙」の慣行があることを認めているのである。そのうえで、「実配部数」で勝負すると宣言しているのだ。

 新聞社の中に、過去の過ちを反省して改革を進めようとする動きがあるのに、肝心の新聞研究者や評論家が、「押し紙」問題に触れることを怖がっているのだ。【全文公開】

広告画像
あぶない!あなたのそばの携帯基地局
ゴーストライター
堂々と「押し紙」を回収。「押し紙」世界一。
新聞販売黒書の主宰者・黒薮哲哉の著書紹介
配達されずに破棄される折込チラシ
 
 
 
 
1
 
2
 
3
 
4
 
5
 
 
7
 
 
9
 
10
 
11
 
12
 
 
14
 
15
 
 
 
 
19
 
20
 
21
 
22
 
23
 
24
 
25
 
26
 
27
 
28
 
29
 
30
 
31