2018年07月21日 (土曜日)

「押し紙」を排除した場合、毎日新聞の販売収入は年間で259億円減、内部資料「朝刊 発証数の推移」を使った試算

たとえばAという新聞販売店が2000人の読者を持っていると仮定する。当然、2000部と若干の予備紙が適正な搬入部数である。ところが新聞社が、ノルマとしてさらに1000部の新聞の買い取りを強制すれば、この1000部は「押し紙」ということになる。

「押し紙」制度は新聞社のビジネスモデルとして、戦後、まもない時期から始まったが、それが広く知られるようになったのは、ここ10年ぐらいである。多くの市民が倫理面から「押し紙」を問題視するようになった。

しかし、意外に意識されていないのが、「押し紙」によって、新聞社がどの程度の収益を上げているのかという問題だ。逆説的に言えば、「押し紙」を排除すれば、新聞社はどの程度の減収を招くのかという問いだ。

次の記事は、毎日新聞社から流失した販売関係の資料に基づいて、「押し紙」を排除した場合に同社が受ける損害をシミュレーションしたものである。データが2002年のものなので古いが、「押し紙」がいかに莫大な収入を生むかという点においては変わりない。

続きを読む »

2018年07月20日 (金曜日)

ニカラグア革命39周年、海外派兵体制の構築の裏に何が隠されているのか

早いもので7月19日で、ニカラグア革命から39年だ。現地では、毎年のように記念式典が行われてきた。2日前には、「歓喜の日」を祝った。これは当時の独裁者・ソモサが自家用ジェットで、マイアミへ亡命した日である。

その2日後に、FSLN(サンディニスタ民族解放戦線)が、首都を制圧して、新生ニカラグアが誕生したのである。

最近のニカラグア情勢といえば、学生グループとFSLN政権の間で衝突が起きていて、多数の死傷者が出ている件が国際ニュースになっている。西側メディアは、政府による弾圧と報じている一方、ベネズエラのTelsurなどは、トランプ政権から右翼の学生たちに活動資金が流れていると報じている。

いずれにしても政府が対話を呼びかけ、平和的に解決しようとしていることは事実のようだ。

海外ニュースの真相は、やはり現地へ行かなければ分からない。想像と事実の間には、かならずギャップがある。そんなわけでこの事件に、ここで言及することは控えたい。

続きを読む »

2018年07月19日 (木曜日)

恫喝裁判の対策、係争を容赦なくジャーナリズムの土俵に乗せること

「訴えてやる」という言葉を頻繁に聞くようになったのは、ここ数年である。日常会話の中にも、ツイッターの舞台でも、「訴えてやる」とか、「法的措置を取る」といった恫喝めいた言葉が飛び交っている。

そもそもこうした現象が生まれた背景に何があるのだろうか。筆者は小泉純一郎氏が、首相時代にみずから本部長に就任して着手した司法制度改革が原因だと考えている。

2001年6月に発表された司法制度改革審議会意見書には、名誉毀損賠償額の高額化の必要性を述べた記述がある。郵便事業と同様に、裁判をも市場原理にのせようという意図があったのではないか。

続きを読む »

2018年07月18日 (水曜日)

黒薮のツイッターをロック、三宅氏の起訴猶予事件でツイッターが使われた事実、ツイッター社はどう考えるのか?

筆者のツイッター(https://twitter.com/kuroyabu?lang=ja)が一時的にロックされた。現在は、回復しているが、対象となったツィートは、昨日のメディア黒書の記事、「三宅雪子・元衆議院議員のツィキャスでの言動について、事実とは著しく異なる情報をふりまく、訂正放送を要求」を紹介したものだった。他にも1ツィートが削除の対象になった。日本の政治家と海外の政治家の質がいかに異なるかを述べたものだ。

ロックされた原因は、記事の中に、三宅雪子氏のツィキャスをリンクした事と、三宅氏の写真を使ったことのようだ。現在、ツィキャスのリンクを解除して、写真も変更した。そして言論妨害を象徴する黒の画像に差し替えた。

ツィキャスのリンクと写真使用は、ツイッターのルールと著作権法に違反しているというのが、ツイッター社にロックを申し立てた人の主張のようだ。

続きを読む »

2018年07月17日 (火曜日)

三宅雪子・元衆議院議員のツィキャスでの言動について、事実とは著しく異なる情報をふりまく、訂正放送を要求

三宅雪子という元衆議院議員をご存じだろうか。彼女のツイッターによると、次のような経歴である。

反原発・富の再分配・福祉の充実・困窮者救済 ・食の安保・表現規制反対・国民投票に備える!穏健派リベラル。デマ&パクツイ研究家 非正式引用(スクショ)お断り。ネット無料相談中。■出典

◇事件の概要

筆者が取材している三宅氏関連の事件の概要を説明しておこう。

2017年5月10日、午後5時59分、三宅氏は次のような「告知」をインターネット上のツィッターに投稿した。

「本日、以下のアカウントに対して名誉毀損で告訴状を提出致しました。@gachktmama0113,@torch2012,nanachan77,@makimakiia,@him_beereほか二名 私の名前を出してのツイート、家族知人、仕事先への接触を固くお断りします」

「告訴状」とあるから、刑事事件である。名誉毀損の刑事事件で5人を告訴したのである。告訴先は記されていないが、警察か検察である。

これら5人は、かつては三宅氏の熱心な支援者だった。ツィッターなどネット上で、三宅氏と「議論」していた。

5人は、捜査機関から呼びだされることを覚悟して、不安な日々を送っていた。籠池夫妻が長期拘留されていた時期とも重なり、豚箱に入った自分を想像して精神的な苦痛を強いられ、体調を崩す人も出た。

続きを読む »

2018年07月14日 (土曜日)

映像ジャーナリズムの最高傑作、ミゲル・リティン監督『チリ潜入記』

『戒厳令下チリ潜入記』(岩波新書)という本をご存じだろうか。チリの映画監督で、1973年の軍事クーデターで海外へ亡命したミゲル・リティンが、1985年に、祖国に潜入して軍事政権下の実態を動画で記録したときの体験を、コロンビアのノーベル賞作家・ガルシア=マルケスが、聞き書きしたものである。当然、筆者はこの本は実話(ルポルタージュ)だと思っていた。

ところがミゲル・リティン監督が制作した動画のドキュメンタリーと、『戒厳令下チリ潜入記』の内容が異なっていることが最近分かった。この本は、半分創作である。その是非はともかくとして、実話の意味を再考する必要があるようだ。

両者の違いが典型的に現れているのは冒頭である。動画では、変装したリティン監督が、早朝にチリの空港に到着する。動画をみれば、それが早朝であることがすぐに分かる。

ところがガルシア=マルケスの本では、リティン監督が深夜に空港に到着する設定だ。そして予想に反して、ネオンが輝く繁栄したチリの姿に戸惑う様が描かれる。どうやらガルシア=マルケスは、新自由主義の光と影を対比させるために、リッテン監督が深夜に到着して闇の中にネオンの輝きを見る設定にしたようだ。この本は、創作である。

次に紹介するのは、2016年9月12日のバックナンバーである。

続きを読む »

憲法改正国民投票のPRに関する民放連の見解、電通が担う負の役割を隠した偏向報道、ジャーナリズムの深刻な構造的問題

憲法改正の是非を問う国民投票。それが実施される際に新聞社とテレビ局は莫大な広告・CM収入を手にすることになる。投票に先立って、賛否両派がPR作戦を展開するからだ。

そのPR作戦の規制に関して、民放テレビ局で組織する民放連(日本民間放送連盟)の見解が明らかになった。時事通信の報道によると、「民放連は規制に慎重な姿勢を示した」という。

衆院憲法審査会は12日の幹事懇談会で、憲法改正国民投票をめぐり、テレビCMなど有料広告規制の在り方について日本民間放送連盟(民放連)から意見を聴取した。

 民放連は法規制に慎重な姿勢を示した。一方、立憲民主党など野党側は規制強化を主張しており、本格議論は秋に想定される臨時国会に持ち越された。■出典

民放連は規制を設けないことで、テレビ局が莫大なCM収入を得られる条件を整えようという魂胆のようだ。

そんな野心に加勢するかのように、この記事は最も肝心な情報を隠している。

続きを読む »

PICK UP

出版業界が軽減税率の適用問題で政界に接近、浮上してきたメディア...

ジャーナリズムの分野といえば、新聞、放送、雑誌、書籍、インターネットと多岐に渡るが、相対的に見て最も...

止まらぬ新聞の凋落、中央紙5紙、この1年で約120万部減、20...

2018年5月度の新聞のABC部数が明らかになった。それによると、各社とも大幅に部数を減らしている。前年同月...

ヨーロッパでWi-Fiを規制する動きが加速、背景に否定できなく...

マイクロ波による人体影響を考慮して、ヨーロッパでWi-Fiを規制する動きが広がっている。サイゾー(CYZO ...

死刑制度のない国、激増傾向に、1970年は13カ国、2017年...

7月6日の午前、松本智津夫死刑囚ら7人のオウム関係者に対する死刑が執行された。これを機に、死刑の是非をめぐる...

本日発売の「紙の爆弾」、東京五輪選手村1200億円 官製談合疑...

本日、発売の『紙の爆弾』に、「東京五輪選手村1200億円 官製談合疑惑」と題する筆者のルポが掲載されている。...

フランスでフェイクニュースを取り締まるための法改正が成立、言論...

海外メディアによると、4日(現地時間)、フランスでフェイクニュースを取り締まるための法改正が成立した。大統領...

カウンターグループの「釘バット」、左派のイメージダウンに貢献か...

裁判の判決の中には、政治判断が色濃く反映したものが時々みられる。たとえば特定秘密保護法を合法とする判決などは...

メキシコで初の左派政権が誕生、政治亡命者に寛容な国民性

7月1日に投票が行われたメキシコ大統領選で、初めての左派大統領が誕生した。 アンドレス・マヌエル・ロペス・オ...

東京オリンピックのスポンサー・リストに朝日、読売、毎日、日経の...

メディア黒書でたびたび取りあげてきた東京オリンピック・パラリンピックの選手村建設予定地(中央区晴海5丁目)が...

今世紀最大の公害-電磁波、癌など人体影響の高いリスク、懸念され...

今世紀に深刻化が予想されている公害のひとつが電磁波である。携帯電話、スマートメーター、自動運転車、リ...

言論・表現の自由の墓を掘る「反差別」グループの愚行、「保守速報...

言論の自由がじわじわと包囲されてきた。水面下で、言論活動の統制が始まっている。これに関する6つの事実を紹介し...

PICK UP

劣化する日本の国会、 権力維持のためのトリックとしての小選挙区...

国会の機能が麻痺している。公文書の隠蔽や破棄に対する責任追及が頓挫したり、今だに加計孝太郎氏や安倍昭恵氏を国...

新聞の発行部数、2000年から約900万部減、生存できるメディ...

新聞ばなれに歯止めがかからない。日本新聞協会のデータによると、2000年の一般紙の発行部数は、474...

東京都内にこんなに安い土地はない、東京オリ・パラの選手村建設用...

臨海部開発問題を考える都民連絡会が発行している『臨海かわら版』(6月18日)が、東京オリンピック・パ...

新自由主義が生んだ官製談合の温床、加計・森友・オリンピック選手...

ここ数年、公有地の取り引きをめぐる疑惑が次々と浮上している。森友学園、加計学園、それに東京オリンピッ...

ラテンアメリカの社会変革運動から日本のカウンター(反差別)運動...

『山は果てしなき緑の草原ではなく』は、軍事独裁政権を倒した1979年のニカラグア革命に至る運動の渦中にいたF...

スマホなど拡大する電磁波利用のもとで隠されている遺伝子毒性、 ...

深刻な問題であるにもかかわらず日本のマスコミがめったに報じない情報のひとつにマイクロ波による人体影響(遺伝子...

中国・北朝鮮・ボリビアが北京で秘密会談か? 金正恩委員長とボリ...

ある2つの新聞記事を検討してみると、「社会主義圏」の興味深い動きが見えてくる。2つの記事とは、時事通信とキュ...

関西大学・宇城輝人教授は「押し紙」問題を知っていたのだろうか?...

メディア黒書(18日付け)で取りあげた記事、「関西大学の宇城輝人教授らが、黒薮に対して『保守速報』が張った『...

水面下で繰り返される博報堂社員の不祥事、業務上横領から入場者数...

博報堂の元社員が、業務上横領で逮捕された。時事通信は次のように事件を報じている。短いものなので、全文を引用し...

関西大学の宇城輝人教授らが、黒薮に対して『保守速報』が張った「...

『保守速報』というウエブサイトをご存じだろうか。右派系のメディアである。このサイトから、広告が完全に撤去され...

チェ・ゲバラ生誕90年

2018年6月14日は、チェ・ゲバラの生誕90年である。ゲバラは1928年、アルゼンチンのロサリオ市で生まれ...