2023年01月26日 (木曜日)

「押し紙」問題が急増、販売店は請求書や発証部数を示す資料の保存を

このところメディア黒書への「押し紙」に関する情報提供が急増している。確信的なことは言えないが筆者は、借金がゼロの店主のほうがむしろ少数になっているのではないかとの印象を受けている。しかも、借金の額が数千万円に及ぶケースも少なくない。被害額が尋常ではない。それ自体が社会問題なのである。

しかし、販売店の声はなかなか表に浮上しない。内部告発を自粛する空気があるように感じる。逆説的にいえば、それだけ新聞発行本社が何十年にもわたり優越的な地位を濫用してきた証ではないか。

なにしろ販売店は、新聞の供給を止められるとその日から立ちいかなくなるわけだから、新聞社に対する警戒心が極端に強い。これはやむを得ない事情だ。

しかし、今後、「押し紙」裁判が増える可能性が高い。そこで裁判のために保存しておくべき資料について、筆者の見解を述べておく。次の資料を、少なくとも3年前にさかのぼって保存しておくことを勧める。理想的には10年分の資料を保存することを推奨する。

続きを読む »

2023年01月25日 (水曜日)

毎日新聞・販売店元店主が内部告発、「担当員の個人口座へ入金を命じられた」、総額420万円、エスカレートする優越的地位の濫用

毎日新聞・網干大津勝原店(姫路市)の元店主から、筆者が入手した預金通帳や「取扱票」を調べたところ、元店主から毎日新聞社の担当員の個人口座に繰り返し金銭が振り込まれていることが判明した。金銭どのような性質のものなのかは現時点では不明だが、この販売店は昨年の12月に、「押し紙」が原因で廃業に追い込まれており、金額の中に「押し紙」により発生した金額が含まれていた可能性もある。

元店主は、次のように話している。

「山田幸雄(仮名)担当から個人口座への金銭の振り込みを命じられました。『押し紙』代金の支払いに窮しており、指定された個人口座に新聞代金を振り込めば、特別な取り計らいをすると言われました」

筆者は、毎日新聞・東京本社の山田担当に電話で事実関係を確認した。まず、本人が毎日新聞社販売局に所属している山田幸雄氏であることを確認した。次に山田氏が大阪本社に在籍した時代に、網干大津勝原店を担当した時期があることを確認した。さらに元店主と面識があることを確認した。

しかし、山田氏は元店主による告発内容については、「記憶にない」と話している。

■続きはデジタル鹿砦社通信

 

続きを読む »

化学物質過敏症をめぐるツイッター「炎上」、知的な人々による軽い言葉の発信、毎日新聞の元記者も

デジタル鹿砦社通信(1月14日付け)で紹介したYouTube番組に、SNS上で波紋が広がっている。ニューソク通信が配信した須田慎一郎さんの下記インタビュー番組である。既にアクセス数は、10万件を超えた。

配信直後からSNS上で、出演者に対する批判が広がった。それ自体は、議論を活性化するという観点から歓迎すべき現象だが、ツィートの内容が事実からかけ離れたものがある。わたしに対する批判のひとつに、「取材不足」という叱咤があった。化学物質過敏症がなにかを理解していないというのだ。【続きはデジタル鹿砦社通信】

続きを読む »

2023年01月12日 (木曜日)

読売・大門駅前店の「押し紙」裁判、19日に大阪地裁で尋問、喜田村洋一・自由人権協会代表理事が出廷か?

読売新聞・大門駅前店の元店主が2018年8月に約4100万円(後に約1億2500万円に増額)の損害賠償を求めた「押し紙」裁判の尋問が、1月19日に大阪地裁で開かれる。スケジュールは次の通りである。

日時:2023年1月19日、午前10時~夕方
場所:大阪地裁1007号法廷(本館の10階)
証人:原告本人と被告会社の販売局員

だれでも傍聴できる。

注目すべき点は、裁判所が「押し紙」の定義をどう判断するのかと裁判所の指示に従って読売が提出した文書類の評価である。また、原告が「押し紙」の受け入れを断ったことを裏付けるショートメールが裁判所に提出されており、これをどう評価するかも注目される。

読売の代理人弁護士として喜田村洋一・自由人権協会代表理事が出廷する可能性が高い。

「押し紙」裁判は、このところ新聞社側(産経、読売、日経)が3連勝しているが、新聞離れが急激に進み、「押し紙」が販売店の大きな負担になっている状況の下で、裁判所が判断を変更する可能性もある。春には判決がでる見込みだ。

続きを読む »

ウィキリークスの創立者ジュリアン・アサンジをめぐる問題、言論弾圧という西側諸国の汚点

ウィキリークスの創立者ジュリアン・アサンジをめぐる問題、言論弾圧という西側諸国の汚点 黒薮哲哉

ウィキリークスの創立者で著名なジャーナリストであるジュリアン・アサンジの動静は、日本ではほとんど報じられていない。皆無ではないにしても、新聞・テレビはこの話題をなるべく避ける方向で一致している。

アサンジが直面している人権侵害の重さと、ジャーナリズムに対する公権力による露骨な言論糾弾という事件の性質からすれば、同業者として表舞台へ押し上げなければならないテーマであるはずなのに、地球の裏側で起こっているもめごと程度の扱いにしかしていない。その程度の認識しか持ち合わせていない。

メディア関係者にとっては我が身の問題なのだが。

ウィキリークスは、インターネットの時代に新しいジャーナリズムのモデルを構築した。内部告発を受け付け、その情報を検証した上で、内部告発者に危害が及ばないように配慮した上で、問題を公にする。ニューヨークタイムズ(米国)、ル・モンド(仏)、エルパイス(西)などの大手メディアと連携しているので、ウィキリークスがリークした情報は地球規模で拡散する。

CIAの元局員のエドワード・ジョセフ・スノーデンが持ち出した内部資料なども、ウィキリークス経由で広がったのである。西側の公権力機関にとっては、ウィキリークスは大きな脅威である。

ジュリアン・アサンジは、ウィキリークスを柱とした華々しいジャーナリズム活動を展開していた。たとえば2009年には、ケニアの虐殺事件をスクープしてアムネスティ・インターナショナル国際メディア賞を受賞した。2010年には、米国の雑誌『タイム』が、読者が決める「パーソン・オブ・ザ・イヤー」の第1にランクされた。

ちなみにインターネットという媒体は、報道の裏付け資料を記事と一緒に紹介できるメリットがある。それにより記事の裏付けを読者に示すことができる。それを読んで読者は考察を深める。これこそが最新のジャーナリズムの恩恵にほかならない。

このような機能は、紙媒体ではない。その意味では、インターネットの時代がアサンジを生みだしたと言っても過言ではない。

なお、アサンジはコンピュータに入り込んで情報を盗み取るハッカーだという誤解があるが、ハッキングに及んだのは高校生の頃である。知的好奇心に駆られたのが原因とされている。後年、彼が設立するウィキリークスの活動とは無関係だ。

◆アサンジに対する弾圧、スェーデンから米国へ

■続きはデジタル鹿砦社通信

続きを読む »

2023年01月07日 (土曜日)

宮田幹夫医師の診断書交付をめぐる疑問、ニューソク通信がインタビュー

医師が診断書を交付する際、患者の希望に沿った所見を記入する行為が横浜副流煙裁判の中で問題になっている。それは、事実とは異なる所見を根拠として、原告が4500万円を請求する裁判を起こした疑惑である。

訴えは棄却され、現在は元被告のミュージシャンが元原告のA家に対して、裁判提起そのものが不当行為にあたるとして、約1000万円の賠償を求める損害賠償裁判(反スラップ裁判)を起こしている。A家の求めに応じていわくつき診断書を交付したのは、日本禁煙学会の作田学医師だった。

続きを読む »

2023年01月05日 (木曜日)

メディア黒書への公益性のある内部告発を歓迎、情報提供を求む

昨年12月、大阪府堺市の典子エンジェルクリニックの舩越典子医師が、化学物質過敏症の診断書交付が、十分な裏付けを確認しないまま、患者への同情で行われている実態を内部告発した。この問題は、水面下では何年も前から医療関係者の間で関心を集めていたが、舩越医師による内部告発で、自由闊達に意見を表明できる条件が生まれてきた。

「押し紙」問題については、メディア黒書が始まった約20年前から断続的に内部告発があり、ようやくタブーの領域を脱した。

また、2月には、コロナワクチンの闇接種の問題も告発しました。

メディア黒書は、公益性のある内部告発を求めている。情報提供の際は、事件の裏付けとなる資料(写真、動画、録音、裁判資料、その他)を提出してほしい。あるいは資料を入手するためのアドバイスを求める。記事の裏付けとなる生の資料を公開することがジャーナリズムの基本であるからだ。もちろん資料を公開する際には、プライバシーには十分配慮する。

【情報提供の窓口】
メール:xxmwg240@ybb.ne.jp
 電話:048-464-1413

続きを読む »

2023年01月04日 (水曜日)

新聞業界から政界へ政治献金598万円、103人の政治家へ「お小遣い」のばら撒き、21年度の政治資金収支報告書で判明

昨年の11月に総務省が公開した2021年度の政治資金収支報告書によると、新聞業界は政界に対して、総額で598万円の政治献金を行った。献金元は、新聞販売店の同業組合である日本新聞販売協会(日販協)の政治連盟である。さすがに日本新聞協会が政治献金を支出するわけにはいかないので、パートナーの日販協が献金元になっているのである。

わたしが知る限り、献金が始まったのは1990年代の初頭である。当時は、元NHKの水野清議員や、元日経新聞の中川秀直議員らに献金していた。

2021年度の献金先は、延べ103人の政治家(政治団体)である。献金先が100件を超えたのは、同年の秋に衆院選が実施されたことが影響している。実際、献金先の政治家の大半は衆院選の候補者だった。

献金先の候補者が所属する政党の大半は自民党だった。公明党の候補と立憲民主党の候補も若干含まれていた。

次に示すのが献金の実態である。(掲載の都合上、2つの表に分割して表示した)

続きを読む »

2023年01月03日 (火曜日)

新聞を情報源とする学生は1%未満、「日本人の61%が新聞購読者」とする新聞通信調査会の調査結果と整合せず

公益財団法人・新聞通信調査会が実施した新聞に関する世論調査によると、2020年の段階で、新聞購読率は61・3%だった。(左グラフを参照)日本人の半数以上が新聞を購読していることになる。

実感としては信じがたい数字である。読者はどう感じるだろうか。筆者が住んでいる集合住宅のポストを覗いてみても、新聞が投函されているポストはほとんどない。日本人の6割が新聞を購読しているという実感は筆者にはない。

1月1日、ヤフーニュースはジャーナリスト・亀松太郎氏が執筆した「1年で200万部減『新聞離れ』は止まらず 『一般紙』は15年後に消える勢い」と題する記事を掲載した。その中に、新聞離れの実態を示す次のような記述がある。

続きを読む »