1. 新聞に対する消費税の軽減税率

新聞に対する消費税の軽減税率に関連する記事

2018年04月13日 (金曜日)

「押し紙」と軽減税率適用とメディアコントロールの関係、「押し紙」世界一ではジャーナリズムが成り立たない理由

新聞研究者の故新井直之氏は、『新聞戦後史』の中で、戦前から戦中にかけて言論統制のアキレス腱になっていたのが、公権力による新聞社経営への介入であったことに言及している。具体的には、新聞を制作するために欠くことのできない用紙の統制である。その権限を内閣が掌握したことで、言論統制が可能になったのだという。的確な指摘である。

『新聞戦後史』では、このようなメディアコントロールの原理を内閣が認識していたことを裏付ける資料が引用されている。「新聞指導方針について」(1940年2月12日)と題する内閣情報部の文書である。この文書の中で、用紙の統制がもたらす言論統制の効力について次のように述べている。

換言すれば、政府が之によって新聞に相当の「睨(黒薮注:にらみ)」を利かすこととすれば、新聞指導上の効果は相当の実績を期待し得ることと信ずる。

戦後も同じ原理に基づきメディアコントロールが行われてきた。ただし、そのキーとなったのは、用紙の統制ではない。新聞社による「押し紙」政策の黙認である。黙認することで、新聞社に莫大な利益をもたらすビジネスモデルを持続させ、この「暗部」に公権力のメスを入れさえすれば、いとも簡単に新聞社が崩壊するか、大幅なリストラを迫られる装置を準備したのだ。

悪知恵の結集にほかならない。

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小泉進次郎が新聞に対する消費税の軽減税率適用を批判、その背景にあるメディアコントロールの意外な構図

新聞に対する消費税軽減の適用に疑問を呈する小泉進次郎議員(自民党)の発言が話題を呼んでいる。J-castニュースは、小泉議員の意見表明を次のように伝えている。

 2017年10月22日投開票の衆議院議員選挙で、神奈川11区で当選した自民党の小泉進次郎氏(36)が各テレビ局の選挙特番の生中継で、新聞が「軽減税率」の対象となっていることに異議を唱えた。

  小泉氏はこれを主張し続けているにも関わらず、テレビや新聞ではなかなか報じてもらえないと訴えた。生中継を活用した国民への訴えに、「よく言った」などと反響を呼んでいる。(J-castニュース)

 

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2015年03月09日 (月曜日)

「新聞の崩壊」政治献金だけではなかった、2014年衆院選で、岸田外務大臣ら議員131人が推薦を受けて当選

昨年の12月に行われた衆院選で、新聞業界が特定の候補者を推薦し、このうち131人が当選していたことが分かった。

日本新聞販売協会(日販協)の会報『日販協月報』(1月号)によると、同協会は「新聞購読料への軽減税率適用に尽力する候補者を政党の枠を超えて推薦」し、軽減税率の適用に「強い味方となる131人の国会議員が誕生た」という。

日販協は軽減税率を適用させる運動を、日本新聞協会と協力して進めており、選挙結果を報じた『日販協月報』には、日本新聞協会の白石興二郎会長(読売・社長)も、軽減税率について述べた念頭書簡を掲載している。軽減税率について白石会長は、次のように言う。

「与党税制協議会は、軽減税率制度を17年度から導入することで合意し、今後、対象品目、区分経理など具体的な課題の検討が始まります。新聞協会は引き続き、再引き上げと同時に軽減税率を新聞に適用するよう求めていく所存です。会員各社のご協力をお願いします」

また、同紙で同じ新聞協会の黒澤幸・販売委員会委員長(読売・販売局長)も、軽減税率について次のように述べている。

「新聞協会や日本新聞販売協会は、新聞への軽減税率の適用に向けさまざまな活動を展開してきました。中央協としても新聞公正競争規約の順守徹底を通じて、公正販売の実現に向けた取り組みを進めていくことが重要です」

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2015年01月17日 (土曜日)

新聞に対する軽減税率問題の背景にある「押し紙」問題、腐敗が進むなかでメディアコントロールのアキレス腱に

メディアをコントロールして世論誘導するための合理的な方法は、メディア企業の経営上の汚点を逆手に取って、「アメとムチ」の政策を導入することである。

新聞関係者が安倍首相と飲み食いを繰り返す一方で、新聞に対する(消費税の)軽減税率適用を求めて、選挙協力したり、政治献金を支出している事実は、すでに両者が情交関係を構築していることを如実に現している。腐敗と堕落は想像以上に進んでいる。

メディアコントロールの鍵を握るのは、経営部門への介入である。編集内容への介入は、実は枝葉末節にすぎない。この原理は戦前から変わらない。

たとえば新聞研究者の故新井直之(創価大学教授)は、『新聞戦後史』(栗田出版)の中で、1940年2月12日に内閣情報部が制作した「新聞指導方針について」と題する文書を紹介して、メディアコントロールの原理が戦前から変わっていないことを説明している。

・・幸いここに新聞用紙の国家管理制度が現存する。現在商工省に於いてはこの用紙問題を単なる物資関係の『事務』として処理しているが、もしこれを内閣に引取り政府の言論対策を重心とする『政務』として処理するならば、換言すれば、政府が之によって新聞に相当の『睨(にらみ)』を利かすこととすれば、新聞指導上の効果は相当の実績を期待し得ることと信ずる。

しかし、現在、日本の公権力が新聞社に対するメディアコントロールの最上の材料にしているものは、用紙問題ではない。軽減税率の問題でもない。意外に知られていないが、「押し紙」問題である。

「押し紙」とは、新聞社が販売店に対して搬入する新聞のうち、過剰になって配達されないまま廃棄される新聞のことである。たとえば、実配部数(実際に配っている新聞の部数)が2000部しかないのに、3000部を搬入すると1000部が過剰になる。この1000部が「押し紙」である。

肝心な留意点は、「押し紙」についても、新聞社は販売店に対して卸代金を請求している事実である。帳簿上では、「押し紙」部数についても販売店が注文したことになっているからだ。当然、消費税もかかる。読者から消費税を徴収できる実配新聞とは異なり、「押し紙」の消費税は、販売店が支払う。

これではあまりにも販売店の経済負担が増えるので、新聞関係者は新聞に対する軽減税率の適用を求めているのである。従って、新聞社が「押し紙」をやめれば、軽減税率を適用しなくても、新聞販売店の経営は維持できる可能性が高い。

と、すればなぜ新聞は「押し紙」をやめないのだろうか。その理由は、次の3点に集約できる。

①「押し紙」をやめると、販売収入が激減する。

②「押し紙」により新聞の公称部数をかさ上げして、紙面広告の価格をつり上げているために、「押し紙」をやめると、広告収入も減ってしまう。

③「押し紙」を中止すると、これまでの公称部数がウソだったことが判明して、広告主(紙面広告・折込広告)が、訴訟を起こすリスクが生じる。

ちなみに「③」に関連して補足説明するが、折込広告の適正枚数は、新聞販売店に搬入する新聞の総数に一致させる基本原則があるので、「押し紙」がある販売店では、折込広告は水増し状態になることが多い。この水増し行為で得た収益で、販売店は「押し紙」で生じる損害を相殺する。相殺し切れない部数については、新聞社が補助金を支給する。

それゆえに新聞社が補助金を中止すると、販売店は簡単に自主廃業に追い込まれる。販売店が、新聞社に対して従順になり、「押し紙」をも受け入れざるを得ないゆえんにほかならない。

これが多くの新聞社のビジネスモデルである。繰り返しになるが、新聞関係者がこうした「商法」を中止すれば、軽減税率を適用しなくても、経営が成り立つ可能性が高い。むしろ経営はよくなるだろう。

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2014年09月12日 (金曜日)

新聞に対する消費税の軽減税率問題、適用される可能性が極めて高い、メディアコントロールの道具に悪用か

新聞に対する消費税の軽減税率は適用されるのだろうか?いまや明らかに生活必需品ではない新聞を特別扱いにすれば、世論の反発を招くのは必至なので、適用は難しいのではないかとの見方が有力になっているようだが、わたしは確実に適用されると予測している。

ここ30年を振り返ってみると、新聞業界と政界は、何度か業界権益をめぐる攻防を繰り返している。順を追って説明しよう。

【1】1984年、当時の中曽根内閣は、マスコミ関連の7業種を対象としていた事業税の非課税措置を廃止する方針を打ち出した。ただ、完全に廃止するのではなくて、所得額の50%を控除したうえで、税額を計算する経過措置を取ったのである。

経過措置の期間は3年。ところがこの経過措置は、延々と延長され、結局、廃止されたのは1998年4月だった。13年も先延ばしされたのである。

「廃止は避けられない」と言いながら、13年も延長されたのだ。

この間に中川秀直議員らが自民党新聞販売懇話会を結成して、日本新聞販売協会(日販協)から、政治献金を受けるようになった。

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2014年08月04日 (月曜日)

新聞に対する軽減税率適用に反対が96%、「押し紙」問題も放置のまま

電灯が普及しはじめた日露戦争の時代にランプ商人が、電気の普及をおそれ、村に電線を引く計画を妨害する。しかし、みじめな自分の姿に気づき、倉庫に残っていたランプを破壊してしまう。こうして新しい時代に踏み出していった人間を描いた新美南吉の『おじいさんのランプ』を、現在の新聞関係者たちはどう受け止めるだろうか。

ランプが姿を消し、アーク灯が登場した明治。紙新聞が駆逐され、電子新聞が報道の表舞台に登場してきた平成。これら2つの時代から、新しいものを受け入れることができない世代のみじめな姿が浮き彫りになる。

共同通信の報道によると、国会では新聞に対する軽減税率問題をめぐって新しい動きがあった。恥を忍んで、新聞関係者が政治家にみずからの特権を訴えたのである。

日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長)は29日、自民、公明両党の与党税制協議会が開いた消費税の軽減税率制度をめぐるヒアリングで、税率10%への引き上げ時に、新聞・出版物に5%の軽減税率を適用するよう要望した。

白石会長は意見聴取後、記者団に「新聞は日本人の知識水準の維持や向上、文化の発展、民主主義社会を守る重要な必需品である」と強調。「読者への負担をできるだけ小さくするという観点からお願いしている」と述べた。

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2014年06月16日 (月曜日)

新聞に対する軽減税率の適用問題、まずは大前提として「押し紙」問題と折込サギの検証を

6月7日付けのSankeiBiz によると、新聞に対する軽減税率の適用を認めるべきか否かの政策決定をめぐって、超党派の国会議員たちが、適用の方向で運動を展開しているようだ。同ウエブサイトは、次のように議員の動きを伝えている。

新聞や書籍の普及を進め活字離れに歯止めをかけたいと、公益財団法人「文字・活字文化推進機構」と図書議員連盟、活字文化議員連盟、子どもの未来を考える議員連盟の4団体が6日、国会内で集会を開き、消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入と新聞、書籍、雑誌への軽減税率適用を求める緊急アピールを採択した。

集会には自民、公明、民主、日本維新の会などの国会議員や業界関係者など300人超が集まった。

■出典

一方、インターネット上の「国民投票」によると、96%の人が適用に反対している。

■参考:インターネット国民投票

もっとも「インターネット国民投票」は、投票者の全員がインターネットの利用者であるから、旧世代のメディア?新聞に否定的な立場を取る人が多い事情を考慮すると、この数字が必ずしも国民全体の意識を正確に反映したものであるとは言えないが、しかし、大半の国民がインターネットの利用者であることからすれば、やはり一定の傾向を示していることは間違いない。

まもなく新聞をめぐるこの議論にも、結論が出るだろう。

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