1. 渡邉恒雄批判

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2022年06月15日 (水曜日)

権力構造に組み込まれた新聞業界、変わらぬ政界との情交関係、新聞人として非常識な1998年の渡邉恒雄氏の言動

新聞業界と政界の癒着が表立って論じられることはあまりない。わたしは新聞社は、日本の権力構造の一部に組み込まれているという自論を持っている。新聞業界の業界紙『新聞之新聞』のバックナンバーを読んで、改めてそれを確信した。

次に紹介するのは、1998年1月6日付の記事である。タイトルは、「正念場 迎える新聞界」。全国紙3社の社長座談会である。この時期、公正取引委員会は加熱する新聞拡販競争や「押し紙」問題を理由に、新聞再販の撤廃を検討していた。

これに朝日、読売、毎日の社長が抗する構図があった。次に引用するのは、読売の渡邉恒雄社長の発言である。言葉の節々に新聞業界と政界の癒着が露呈している。日本が抱えてきた諸問題にメスが入らない原因と言っても過言ではない。日本にジャーナリズムが存在しない不幸を改めて痛感した。

渡邉氏の発言を読む限り、わたしの自論には根拠がある。以下、記事の引用である。

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読売の「押し紙」裁判、原告が準備書面を公開(全文を掲載)、「押し紙」の定義、残紙と渡邉恒雄の関係にも言及

YC大門駅前の元店主が読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判(大阪地裁)の審理が、12月17日、コロナウィルスの感染拡大をうけて、ウエブ会議のかたちで行われた。原告は準備書面(1)を提出(PDFで全文公開)した。次回期日は、3月16日に決まった。

準備書面の中で原告は、「押し紙」の定義を明らかにすると同時に、読売新聞に残紙が存在する背景を、渡邉恒雄会長による過去の発言などを引用しながら歴史的に分析している。

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2020年02月01日 (土曜日)

景品はバイアグラに女性紹介、半年契約で現金2万円提供…読売の元セールス員が語る違法な拡販実態

昨年2回、産経新聞と毎日新聞が、新聞拡販の際に使う景品が法律で決められた上限額を超えているとして、大阪府消費生活センターより処置命令を出された。偽装部数(押し紙)と強引な新聞拡販で巨大化してきた新聞社にとっては、将来展望を閉ざす行政指導であった。

そこで筆者が、昨年まで現役だった読売の元セールス員とYC元従業員を直接取材したところ、読者サービスとして「バイアグラをあげたり、女性を紹介した」との証言を得た。景品の代わりに2万円程度の現金(6カ月契約の場合)を分割で渡した、とも述べた。

2020年の賀詞交換会で読売・渡邉恒雄主筆は「今年中に1000万部を挽回しようじゃないですか」と語ったが、販売現場からは失笑が漏れている。新聞拡販の現場はどうなっているのか。初めてセールス員の景品置き場に、ジャーナリズムのビデオカメラが入った(会員限定で視聴可)。【続きはMyNewsJapan】

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2018年11月19日 (月曜日)

政界工作と裁判の多発、調査報道の実績はあるのか? 渡邉恒雄の軌跡

読売新聞の渡邉恒雄氏が死亡したという情報が、週末に飛び交った。文筆家の菅野完氏が発信源で、それを複数の人々がソーシャルメディアで拡散したのだ。真相はまだ分からないが、そろそろ渡邉氏についての検証を始める時期に来ているのではないか。

筆者は、渡邉氏がジャーナリズムに与えた最も大きな負の影響は、マスコミ企業と政界を癒着させたことだと思う。渡邉氏がメディア企業幹部との会食を重ねてきたことは周知となっている。取材目的の会食とは思えない。その後のレポートがないからだ。それよりも両者の情交関係を深めることが目的だったのではないか。

つまり新聞人としてはやってはいけないことを、新聞業界の「重鎮」が先頭に立って実践していたのである。それをとめる人もいなかった。

その結果、マスコミがジャーナリズム性を発揮しない限り政府は、新聞の再販制度を保証し、「押し紙」問題と折込広告の水増し詐欺を黙認し、さらには消費税の優遇措置を与える特権を維持してきたのである。そのための交渉が会食の場で行われた可能性も否定できない。渡邉氏に政界との太い人脈があったから、こうしたあるまじき行為がまかり通っていたのだろう

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2015年02月09日 (月曜日)

読売の渡辺恒雄会長が安倍首相と会食を重ねる、言論界に重大な負の影響

時事通信の「首相動静」によると、2月5日に読売新聞グループの主筆で会長、新聞文化賞受賞者の渡辺恒雄氏が、安倍晋三首相と会食した。会食場所は、東京・飯田橋のホテル・グランドパレスにある日本料理店「千代田」である。

安倍首相が同ホテルに到着したのは、午後6時41分。会食を終えて私邸へ向かったのは、8時35分であるから、約2時間にわたって会話を交わしたことになる。何が話し合われたのかは分からない。

渡辺・安倍の両氏が会食を繰り返してきたことは、これまでもたびたび報じられてきた。たとえば2014年12月30日付けの『しんぶん赤旗』によると、それまでの会食回数は8回にも及んでいる。

取材目的の会食であれば、頭から批判するわけにもいかないが、渡辺氏がルポタージュを書くための取材を進めているという話は聞いたことがない。

ちなみに『しんぶん赤旗』によると、渡辺氏のほかにも読売関係者は、安倍首相と会食を重ねている。

白石興二社長:2回
論説主幹:7回
政治部長:1回

何が目的で政治家と広義のジャーナリストが会食を重ねているのか、目的は定かではないが、最近の新聞業界の動きを見ると、会食を通じた情交関係が有形無形のかたちで、新聞紙面や新聞人の言動に影響を及ぼしているのではないかと勘ぐりたくなる。

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