2014年03月31日 (月曜日)

喜田村洋一弁護士に対する懲戒請求 日弁連が黒薮の異議申立を棄却 ずさんで舌足らずな決定書の文面

日弁連は、3月19日、わたしが申し立てていた喜田村洋一・自由人権協会代表理事に対する弁護士懲戒請求(第二東京弁護士会が下した棄却決定に対する異議申立)を棄却した。喜田村側からの反論は提出されていなかった。

※なお、この事件の経緯を知らない方は、下記、紫文字で記した【事件の経緯】を最初に読むことをお勧めします。前出記事に加筆した内容です。

日弁連の決定書には、形式的には棄却理由が綴られているが、具体的な理由は何も記録されていない。「理由」と称する記述は次の通りである。驚くべきずさんな書面だ。

異議申出人の対象弁護士に対する本件懲戒請求の理由及び対象弁護士の答弁の要旨は、いずれも第二東京弁護士会綱紀委員会第2部会の議決書に記載のとおりであり、同弁護士会は同議決書記載の認定と判断に基づき、対象弁護士を懲戒しないこととした。  

本件異議の申出の理由は、要するに、前記認定と判断は誤りであり、同弁護士会の決定には不服であるというにある。  

当部会が、異議申出人から新たに提出された資料も含め審査した結果、同議決書の認定と判断に誤りはなく、同弁護士会の決定は相当である。  

よって、本件異議の申出は理由がないので棄却することを相当とし、主文のとおり議決する。

 平成26年3月19日

 日本弁護士連合会綱紀委員会第1部会                                     部会長 松田耕治

■決定書PDF

松田弁護士が「理由」と称しているものが、理由説明の体をなしていないことはいうまでもない。理由書は、結論に至る経緯を具体的に説明するものである。ところが松田氏が言及する理由とは、「異議申出人から新たに提出された資料も含め審査した結果、同議決書の認定と判断に誤りはなく、同弁護士会の決定は相当である」と判断したことである。

が、これは理由ではなくて、結論を述べているにすぎない。理由とは、結論に至るプロセスの説明である。

大学や専門学校の入試に小論文という科目があるが、この決定書は、誰が採点しても小論文のレベルにすら達していない。このようなものを決定書と称して、弁護士が送付してきた事自体が驚きに値する。不誠実で他人を卑下しているとしかいいようがない。

わたしが第二東京弁護士会の議決を不服として、日弁連に再検証を求めたのは、次の2点である。

問題となった文書(催告書)に書かれた内容そのものが、支離滅裂、デタラメだった事実である。喜田村弁護士がそれを知りながら、裁判所に提出した事実である。それを裏付ける新たな資料を、わたしは日弁連に提出している。

■新証拠PDF(喜田村弁護士執筆の記事。同氏が考える著作物の定義と催告書の中で採用されている著作物の定義が異なる)

著作権裁判をめぐる事件であるにもかかわらず、著作権裁判所で下された判決(黒薮勝訴)を無視して、著作権裁判の勝訴を前提にその後、わたしが起こした損害賠償裁判(読売勝訴)の判決の方を根拠にして、第二東京弁護士会がわたしの申立を退けた事実である。繰り返しになるが、わたしは著作権裁判の勝訴(最高裁で判決が確定済み)を前提として、今回の懲戒請求を申し立てたのである。それにもかかわらず、第二東京弁護士会は著作権裁判の判例を故意に無視し、副次的な意味しかもたない損害賠償裁判の判決を根拠に、喜田村弁護士を「救済」したのである。

わたしは、?と?に基づいての再検証を求めるために、日弁連に異議を申し立てたのである。と、すれば、?と?について、日弁連の見解を明確にするのが、松田氏の任務であるはずだ。なぜ、著作権裁判の判決を無視しているのかという疑問と、催告書の内容がデタラメだった事実をどう評価するのかを問うたのである。それについての判断を示し、その理由を説明するのが、日弁連の役割だったはずだ。

このような書面を配達証明で受け取ると、そもそも最初から異議申立を真面目に検証する気などなかったのではないかと、疑わざるをえない。弁護士会という一種の「村社会」の中で、仲間を仲間が処分することのむずかしさを痛感する。

懲戒請求制度も、弁護士の正義をPRするための儀式に過ぎないと受け取らざるを得ないのである。結局、弁護士会の体質も、利権集団的な傾向が強いのかも知れない。事実、同会は、政治連盟を通じて、政治献金を支出している。

■参考記事:政界進出狙う宇都宮健児氏、日弁連も政界へ献金 献金先の政治家同士で国会質疑の茶番劇も

改めて言うまでもなく、棄却決定に抗して日弁連に綱紀審査を申し立てることになる。

以下、事件の経緯を説明した後、『弁護士職務基本規程』に照らし合わせて、今回の懲戒請求を再検証してみたい。わたしが従来から主張してきたのは、

75条 弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。

と、いう条項だったが、細かに検討してみると、ほかにも今回の事件に該当するのではないかと思われる条項が多数ある。

さらに日弁連による弁護士の処分例を紹介しよう。第3者からみると、適正な処分を受けている弁護士もいるようだ。

最後の「資料編」として、書面などをリンクした。

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2014年03月28日 (金曜日)

『財界にいがた』が森裁判の連載を開始 公益性のあるテーマは論争で決着を

新潟県を中心に普及している月刊誌、『財界にいがた』(http://zaikainiigata.com)4月号で、「小沢一郎を強制起訴に追い込んだ検察審査会と最高裁の闇」と題する連載が始まった。第1回のタイトルは、「森裕子・前参院議員はなぜ一市民を名誉毀損で提訴したのか」。

森裕子氏は新潟県出身の前参院議員である。一方、「一市民」とは、『最高裁の闇』の著者で、森裁判の被告・志岐武彦氏のことである。

この裁判については、MEDIA KOKUSYOでも断続的に取り上げている。事件の概要は、小沢一郎氏を強制起訴した東京第5検察審査会が、実は審査員が存在しない「架空審査会」だったのではないか、というかなり客観性がある証拠が浮上し、この点をめぐって意見が対立した森氏と志岐氏の論争が、訴訟にまでエスカレートしたというものである。

志岐氏が東京第5検察審査会を管轄する最高裁事務総局の責任を強調しているのに対して、森氏は最高裁にも問題はあるが、むしろ検察の誘導により小沢氏の起訴議決が下されたとする説を展開してきた。

事件の経緯については、次のPDFを参考にしてほしい。

■PDF『森ゆうこ元参議院議員が「一市民」に起こした恫喝訴訟が明かす「最高裁の闇」』

■PDF『浮上する最高裁事務総局の闇 森ゆうこ元参院議員が一市民を提訴』

リンクした2つの記事は、『ジャーナリスト』と『紙の爆弾』にわたしが執筆したものである。このほか、MyNewsJapanにも次の記事を掲載した。

■生活の党・森ゆうこ氏が最高裁の闇を指摘した「一市民」を提訴、820万円と言論活動の制限求める

今回、『財界にいがた』に掲載された記事の最大の特徴は、森氏の反論が掲載されていることである。

※『財界にいがた』の記事は、黒薮が執筆したものではありません。

森氏の反論の趣旨は、

?志岐氏がインターネットで悪質なデマを拡散しているので裁判を提起した。

?小沢無罪を勝ち取るために最高裁と裏取引をしたことはない。

?検察の捏造報告書を流出させたのは自分ではない。

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2014年03月27日 (木曜日)

強制わいせつ未遂と住居侵入の疑いで読売新聞販売員を逮捕 責任を転嫁する新聞社の「取引関係にある販売店」という表現

新聞ばなれが進むなか、強引な新聞勧誘が増えている。24日付けの産経(電子版)は、読売新聞の販売員が強制わいせつ未遂と住居侵入の疑いで逮捕されたニュースを掲載している。タイトルは、「契約断られた直後に… 強制わいせつ未遂容疑で読売勧誘員の男逮捕」。

 新聞購読の勧誘で訪れたマンションで、女子大生(19)にわいせつな行為をしようとしたとして、京都府警北署は24日、強制わいせつ未遂と住居侵入の疑いで、京都市北区大宮北林町、読売新聞販売員、堀茂樹容疑者(38)を逮捕した。同署によると「行ったことは間違いない」と話しているが、わいせつ目的については否認している。

 逮捕容疑は2月11日午後8時20分ごろ、新聞購読の勧誘で訪れた同区のマンションで、一人暮らしをしていた女子大生の部屋に入り、わいせつな行為をしようとしたとしている。

 同署によると堀容疑者は犯行前にも勧誘に訪れ、女子大生は4日間の試し読みをしていた。試し読み後に購読契約を断ると、犯行に及んだという。

 読売新聞大阪本社広報宣伝部の話 「取引関係にある販売店の従業員が逮捕されたことは誠に遺憾。事実を確認のうえ、厳正な対処を販売店に求める」

疑問を呈したくなるのは、読売の広報宣伝部のコメントである。「取引関係にある販売店」という表現は、販売店が不祥事を起こしたときの常套句になっている。が、これは商取引の契約上、新聞社は販売店との「取引関係」にあるということに過ぎない。読売に限らず新聞社は販売店に対して、販売政策を徹底させている。むしろ実態からすると、販売店は、新聞社販売局の実働部隊と解釈することもできる。

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2014年03月26日 (水曜日)

新聞協会が発表した「新聞を読む」83%、世論調査を実施したのは時事通信社と親密な中央調査会

日本人(子供を除く)の83%が「新聞を読む」習慣があるという日本新聞協会の調査結果を、読者の皆さんはどう感じるだろうか?

同協会は18日、自らが主催した「全国メディア接触・評価調査」の結果を公表した。ところがこの調査は、厳密にいえば新聞協会とは無関係の第三者に依頼して実施したものではないことが分かった。本来、「身内」以外に発注するのが常識なのだが。

調査は、新聞協会の会員社である時事通信の西澤豊社長が会長を務める中央調査社が実施したものである。西澤氏は、少なくとも昨年の1月までは、新聞協会の監事だった。

この調査の結果を伝える新聞協会のウェブサイトをご覧いただきたい。調査概要の最終項目に「実査・レターヘッド:中央調査社」と、明記されている。これが実際に調査を行った組織である。

■http://www.pressnet.or.jp/adarc/data/rep/

つまりこの調査では、意図的な情報操作をおこなうことができる余地があったのだ。新聞を読む習慣がある人が83%を占めるという信じがたい数字が出たゆえんではないか。

かりにこの数字が、新聞の公称部数と同様にまったく実態を反映していないとした場合、情報操作の背景に、新聞に対する消費税の軽減税率の適用を勝ち取りたいという新聞経営社(以下、新聞人)の思惑があるのではないか。

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2014年03月25日 (火曜日)

小沢一郎氏の不正議決事件に見るメディアによる世論形成 最高裁事務総局の責任は自然消滅

【訂正】昨日(24日)付けのMEDIA KOKUSYOで、TBSのドキュメンタリー「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」が放送された日を、2010年9月14日と記載しましたが、正しくは2012年4月26日でした。TBSと読者の皆様にお詫びします。原因は、メモの取り間違いでした。

さて、「訂正」した上で、改めて「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」をどう解釈するかを、わたしなりに論評してみる。既にのべたように、わたしが問題としているのは、TBSが何者かによりガセネタを掴まされた可能性である。

と、いうのもTBSは検察審査会の審査員による証言を報じていながら、石川克子氏(市民オンブズマンいばらぎ事務局長)や志岐武彦氏(森ゆうこ裁判の被告)らが行った調査により、「審査員」そのものが架空だった疑惑が持ち上がっていたからだ。しかも、この疑惑は、憶測ではなく、裁判所、検察、会計監査院などに対する情報公開請求により入手した客観的な裏付け資料に基づいたものである。

小沢検審に検察審査会の審査員がいたのか、それとも審査員は架空であり、最高裁事務総局が小沢起訴を決め、審査員が起訴議決したかのように装ったのか?この問題は、特に小沢一郎氏の支持者の間で大きな話題になり、両者の説が激突して、裁判(森ゆうこ氏が志岐氏を提訴)にまでエスカレートした。

審査員がいたと主張する人々は、「不正な小沢起訴」の責任を捏造報告書を小沢検審に送った検察にあるという世論を形成しようとした。これに対して「不正な小沢起訴」の責任は、最高裁事務総局の謀略と主張する人々は、「検察諸悪の根源派」の言動を批判した。

「検察諸悪の根源派」が、不正な起訴議決の責任を検察に転嫁することで、結果的に最高裁を前代未聞のスキャンダルから救済していると考えた。彼らのマスコミ批判もこの点に重きがある。

※検察審査会は検察の管轄ではなく、最高裁事務総局の管轄

こうした対立軸が存在するとき、マスコミの影響力は大きい。

小沢裁判の無罪判決(東京地裁)が下る直前に、まず、週刊朝日が「小沢一郎を陥れた検察の『謀略』」と題する記事を掲載した。それからまもなく検察批判を展開している歌手の八木啓代氏に、何者かによりロシアのサーバーを使って発信元を隠し、検察による捏造報告書が送られた。八木氏はそれをウエブサイトで公開した。

結果、小沢氏の不正起訴の責任は、検察にあるとする世論が広がった。

さて、TBSが「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」を放映したのは、2012年4月26日である。この日はどんな日なのか?

改めて言うまでもなく、小沢氏に無罪判決が下った日である。TBSは無罪判決が下った日の夜に、小沢検審に審査員は実在したことを証言する人物(ただし肉声も画像もない)を登場させたのだ。いわば架空審査会の疑惑を否定するアリバイを示したのである。

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2014年03月24日 (月曜日)

TBSドキュメンタリー「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」、ガセネタの可能性を検証する 証言者の画像も肉声もなし

昔から後を絶たないのがテレビ番組のヤラセである。たとえば古い事件では、1992年にNHKスペシャル『奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン』にヤラセ場面(スタッフが高山病になった芝居等)があったことが問題になった。

次にリンクするTBS「ニュース23」の画像を見たとき、わたしはTSBのスタッフが報道内容の裏付けを取ったのかを疑った。ガセネタを掴まされた可能性を考えたのだ。なぜ、そんなふうに感じたか、わたしの意見を述べよう。

タイトルは、「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」。ところがこの事件では、もともと検察審査会の審査員が架空だった疑惑が、市民オンブズマンなどの調査を通じて浮上しているのだ。しかも、憶測ではなくて、審査員が不在だったことを証す客観的な裏付け資料が明らかになっているのである。「架空審査員」の疑惑である。

■追跡クロス「小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言」

裏付け資料は、いずれも情報公開請求により検察や裁判所、会計監査院などから入手したものである。審査員が架空だった疑惑が調査により指摘されているのに、あえてこのようなドキュメンタリーを放映したのだ。

この番組は、視聴者に対して、審査員が存在したという主張を広げる役割を果たしている。その裏付けとして審査員の証言をクローズアップしたのだ。少なくともわたしはそんなふうに解釈した。

ところが番組のタイトルとは裏腹に、審査員を自称する男の画像はどこにも現れない。男の声も収録されていない。ナレーションが読み上げられるだけで、ドキュメンタリーとして最低限必要な要素すらも欠落しているのだ。このようなものをあえて放送した意図そのものが不自然だ。

TBSといえば調査報道に定評がある。それゆえに世論誘導の「装置」としては申し分がない。

それだけに「追跡クロス『小沢一郎起訴議決 検察審査会の審査員が証言』」は検証を要する。

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2014年03月21日 (金曜日)

対読売裁判の検証、最高裁の担当調査官はだれなのか? 違憲訴訟の提起を

6年におよんだ対読売裁判(1年半の間に、読売による提訴が4件、黒薮による提訴が1件+弁護士懲戒請求)を通じて、わたしの内部で生じたジャーナリズムのテーマは多岐にわたる。裁判の舞台が最高裁に移ってから、とりわけ疑問に感じるようになったのは、裁判を担当する調査官の氏名が裁判の当事者にも公表されていないことである。

意外に知られていないが、最高裁では口頭弁論(法廷)はほとんど開かれない。大半の上告(憲法違反を理由とした異議申立)事件、あるいは上告受理申立(判例違反を理由とした異議申立)は、調査官と呼ばれる最高裁事務総局に直属する裁判官により処理される。

と、いうのも上告事件と上告受理申立事件の件数は、年間で優に4000件を超えるにもかかわらず最高裁判事の数が14名なので、物理的に処理しきれないからだ。そこで調査官の出番となるのだが、その調査官も50名に満たない。

たとえば次に示すのは、2011年度の調査官リストである。補佐人を含めても42人しかいない。

■2011年度の調査官リスト

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