2013年08月30日 (金曜日)

神奈川県海老名市でもNTTドコモが住民とのトラブル 健康被害が公になりにくい理由

神奈川県の海老名市でも、NTTドコモが住民との間でトラブルを起こしている。2011年に同市杉久保4丁目で、ドコモが基地局を稼働させたところ、住民たちの間に体調不良が現れた。住民たちは、「携帯基地局による健康被害を考える会」を結成して、現在も基地局を撤去する運動を進めている。

「杉久保住民の皆様へ」と題するチラシによると、基地局が稼働した後、住民たちの間に頭痛、耳鳴り、頭鳴、睡眠障害、肩こり、吐き気などの症状が現れたという。

幸か不幸か、杉久保地区は住民相互の絆が比較的強い土地柄で、コミュニケーションをはかるなかで、体調の異変が広がっていることに気付いたようだが、都市部では隣のマンションに誰が住んでいるかすらも把握されていないケースがままあり、それが被害の実態を客観視しがたいものにしている可能性がある。体調がおかしくなっても、携帯電磁波の人体影響についての知識がなければ、なにか別の原因が体に異変をもたらしているものと勘違いする。

当然、医師も専門家を除いて、診断の下しようがない。

「携帯電話はだれもが使っているから安全。」「危険なものを総務省が許可するはずがない。」こんな先入観が水面下で被害を拡大しているのだ。

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2013年08月29日 (木曜日)

東京・目黒区の「住民の会」が区議会議長宛てに陳情書、超党派の議員が住民を支援 NTTドコモによる携帯基地局設置の問題で

東京都目黒区八雲町にあるベネッセ経営の老人ホーム「グランダ八雲」の屋上にNTTドコモが携帯基地局を設置する計画が浮上しているなか、地元の住民らでつくる「携帯電話基地局設置に反対する八雲町住民の会」は、8月26日、目黒区の橋本欣一区議会議長に対して、陳情書を提出した。陳情の内容は、次の3点である。

1、グランダ八雲への携帯基地局設置について、NTTドコモが住民説明会を開催するように区からドコモに対して指導すること。

2、住民の合意を得ないうちは、工事を着工しないようにNTTドコモに対して区から指導すること。

3、区議会として、今後、基地局設置をめぐる電話会社と住民のトラブルを回避するための方法を検討すること。

携帯基地局の設置をめぐる電話会社と住民のトラブルは、2011年にWHO(世界保健機構)の傘下にある国際癌研究機関(IARC)が携帯電磁波を含む高周波電磁波に発癌性がある可能性を認定して以来、全国各地で急増している。しかし、目黒区のケースでは、電磁波問題だけではなくて、健康に不安を持つ高齢者の集合住宅の上に基地局を設置してはばからない電話会社の倫理観にも批判が集まっている。

自民党や民主党の目黒区議もこの問題を重大視しており、住民を支援する方向で動いている。目黒区議会で議題になる可能性が浮上している。

携帯基地局をめぐる電磁波問題は、中央政界でも超党派で住民を支援する動きがあり、山谷えりこ議員(自民)、大河原まさこ議員(民主)、紙智子議員(共産)らが、質問主意書を提出している。中央の流れが、そのまま地方に波及する流となっている。

【参考サイト】

●山谷えりこ:ホームページ 

●大河原まさこ:ホームページ

●紙智子:共産党機関紙

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2013年08月28日 (水曜日)

朝日、読売、日経と裁判所の関係を検証する最高裁に対する情報公開 回答期限の60日延長を通知 

今年の5月24日付けで、最高裁に対して申し立てた情報公開に対する回答が届いた。「文書の探索及び精査に時間を要しているため」、2カ月程度の回答期限延長を通知する内容だった。6月26日にも、回答延期の回答を受けているので、今回で2度目の延長である。

(参考:最高裁からの回答文書=ここをクリック)

情報公開の請求内容は、読売新聞社、朝日新聞社、それに日本経済新聞社が上告人、または被上告人になった裁判(最高裁)の判決を示す文書を過去10年に渡って開示するように求めたものである。

巨大メディアに対して日本の司法当局は、特別な配慮をしているのではないかという疑惑をかなり多くの人々が抱いており、その真相を確かめようというのが、今回の情報公開の意図である。

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2013年08月27日 (火曜日)

日本の新聞社に立ちはだかる紙新聞から電子新聞へ大きな壁、日本の巨大販売網がかえって障害に

日本の紙新聞を電子新聞へ切り替えることはできるのだろうか。電子化は米国からの流であるが、両国には、新聞社経営の制度に決定的な違いがあり、日本で電子化が成功する見込みはほとんどない。新聞販売網の違いや、英語と日本語の市場規模の問題、さらには新聞社のコンテンツ制作能力にも問題がある。

◆米国では、販売網の未整備が電子化を助ける

◆日本語とデメリットと英語のメリット

◆コンテンツで一部ブログに劣る日本の新聞

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2013年08月26日 (月曜日)

老人ホーム屋上に基地局設置(神戸)、 原発のガンマ線と携帯電磁波の接点

【取材ノート】  このところ携帯電話の基地局問題を取材している。 8月は長野県と兵庫県で起きているケースを取材した。このうち神戸市の東灘区では、NTTドコモが老人ホームの屋上に携帯基地局を設置して、周辺住民との間でトラブルが発生している。しかも、アンテナの数は、わたしの観測に間違いがなければ、6本。

すぐ近くには子供ホームがある。老人ホームがなだらかな山の斜面に立っている関係で、ホームよりも高い位置にある民家や集合住宅の中には、アンテナの高さと窓の高さがほとんど同水準になるものもある。

ちなみにNTTドコモは、東京目黒区でも、老人ホームの屋上に基地局を設置する計画を進めようとしている。現在は、住民の反対で計画がストップしているが、今後、NTTドコモがどのような方針を取るかは不明だ。

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2013年08月22日 (木曜日)

ソフトバンクが公開したNTTグループへの天下りリスト 総務省が基地局問題を規制しない背景か

ソフトバンクが制作した次の報告書の存在を御存じだろうか。この報告書はわたしの知人が発見したもので、87ページには、NTTグループへの歴代天下り一覧表が掲載されている。

(ソフトバンクの報告書=ここをクリック)

総務省が定めている携帯電磁波(高周波)の防護指針が、欧米に比べて1万倍、あるいは10万倍も緩やかになっている背景や、総務省が基地局問題を放置している背景を考える上で、参考になるのではないだろうか。

なお、NTT労組の「アピール21」は、政界に対して多額の政治献金をおこなっている。参考までに、次の記事を紹介しておこう。

(参考記事:田嶋、菅、原口、仙谷、枝野…NTT労組から総額1億円超 企業と政界つなぐ「労組マネー」)

【ソフトバンク公表のNTTグループ・天下りリスト】

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2013年08月21日 (水曜日)

NTTドコモによる老人ホーム屋上の携帯基地局設置問題 加藤薫社長宛てに今度は住民らが個人的に内容証明を送付

NTTドコモが東京・目黒区の老人ホーム「グランダ八雲」(ベネッセ経営)の屋上に、携帯基地局を設置する計画を進めている問題で、周辺に住む住民3名は、17日、連名でNTTドコモの加藤薫社長に内容証明郵便を送付した。本サイトで既報したように、同地区の住民運動体である「携帯電話基地局設置に反対する八雲町住民の会」は、既に加藤社長に内容証明を送付している。

今回の動きは、住民個人がみずからの意思に基づいて行った抗議である。それだけ住民の間に、携帯電磁波に対する不安が広がっていることを印象ずける。

内容証明の内容は、NTTドコモに対して、説明会を開くこと、その上で住民の合意を得ること、基地局設置に際しては、公害の予防原則を重視することなどを求めたものである。(内容証明の全文は、文末に引用した。)

目黒区の基地局問題は、これまで指摘されなかった新しい問題をはらんでいる。 高齢者の人権という問題である。

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2013年08月20日 (火曜日)

SLAPPに対抗する方法、弁護士懲戒請求から2年半、進む司法の腐敗と劣化?

訴訟の性質がSLAPPとの見方で一致して、それを前提として、被告の支援が行われた裁判としては、オリコン訴訟が代表格である。被告は、元朝日新聞の記者で現在はフリージャーナリストとして活躍している烏賀陽弘道さんだった。烏賀陽さんは、みずから米国におけるSLAPPの状況を調査し、自分が被告にされた裁判もSLAPPに該当することに気付いた。SLAPPという言葉も、烏賀陽さんを支援する活動の中で日本全国に広がっていったのである。

国境なき時代に突入したことを考慮すると、本来、裁判官は海外の司法状況も把握しておかなければならないはずだが、その仕事をSLAPPの被害者にゆだねてしまったのである。職能の問題である。

オリコン訴訟の地裁判決(綿引穣裁判長)は、オリコンの勝訴だった。しかし、控訴審で烏賀陽さんに追い詰められたオリコンが訴訟を放棄するかたちで、裁判は終結した。

オリコン訴訟の次に起こったのが、わたしと読売の裁判である。従ってわたしを支援してくれた出版労連と出版ネッツ、15名を超える弁護団には、当初からSLAPPという認識があった。

本サイトで繰り返し報じたように、読売(渡邊恒雄)は2008年2月から1年半の間にわたしに対して、3件の裁判を起こした。請求額は、総計で約8000万円である。詳細は次の通りである。

■1 著作権裁判 ウエブサイトに掲載した読売の文書の削除を求めた裁判。地裁から最高裁まで黒薮の勝訴。

■2 名誉毀損裁判1 ウエブサイトに掲載した記事に対して損害賠償を求めた裁判。地裁、高裁は黒薮の勝訴。最高裁で読売が逆転。

■3 名誉毀損裁判2 『週刊新潮』に掲載した記事に対して損害賠償を求めた裁判。地裁から最高裁まで読売の勝訴。

これら一連の裁判には、司法制度の信頼にかかわる著しい特徴がある。2010年5月に『週刊新潮』の裁判で敗訴(地裁)するまでは、全ての裁判でわたしが勝訴してきた。しかし、この敗訴を境に、わたしが全敗に転じたのである。

しかも、めったに起こり得ないことが実際に起こった。それは名誉毀損裁判1における出来事だった。民事裁判の場合、地裁と高裁で勝訴した場合、その判決が最高裁で覆ることはめったにない。ところが最高裁は、読売を逆転勝訴させることを決定して、高裁へ判決を差し戻したのだ。

そして東京高裁の加藤新太郎裁判長がわたしに110万円の支払いを命じたのである。加藤新太郎裁判長について調査したところ、過去に少なくとも2回、読売新聞の地方版に登場(インタビュー)していたことが判明した。(この件については、現在、調査中である)

(参考:加藤裁判長が登場している読売サイト)

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2013年08月19日 (月曜日)

「原発フィクサー」訴訟、原告が裁判を取り下げて終結 進む司法の腐敗と劣化?

ジャーナリストの田中稔(『社会新報副編集長』)氏が、白川司郎氏から6700万円の損害賠償を請求されていた「原発フィクサー」裁判は、原告の白川氏が8月12日、東京地裁に対し裁判の取り下げを申し立てたのを受け、田中氏がそれに合意したことで結審した。19日には、白川氏の本人尋問が開かれる予定になっていたが、裁判が終わったことでそれも中止になった。

発端は、『週刊金曜日』誌上に田中氏が執筆した「『最後の大物フィクサー』白川司郎氏 東電原発利権に食い込む」と題する記事。

記事の中で田中氏が使った「フィクサー」、「利権に食い込んだ」などの表現が、白川氏の名誉を毀損したというのが、原告の主張だった。  ちなみに白川氏がターゲットにしたのは田中氏だけで、記事を掲載した『週刊金曜日』は訴外とした。編集部サイドに対する訴訟行為は控えて、記事の制作にかかわった一個人だけに的を絞って高額な賠償金を請求したのである。?? また、白川氏の代理人を務めたのは、第二東京弁護士会に所属する土屋東一弁護士(元検事)である。

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2013年08月16日 (金曜日)

「荻野晃也VSソフトバンク」電磁波をめぐる公開討論を申し入れ、長野県坂城町の住民グループがソフトバンクの基地局問題で

ディベート(debate)とは、あるテーマについて対立する見解を公衆の前で戦わせるイベントのことである。よく知られている例としては、米国の大統領選挙で、民主党候補と共和党候補が、ディベートを開催する。有権者はそれを参考にして、投票する候補を選ぶ。

現在、環境問題に関心を持っている人々にとって、最も注目に値するテーマのひとつに携帯電磁波を長期間にわたって被爆した場合に生じる人体影響をめぐる議論がある。

日本政府は、携帯電磁波を浴び続けても人体影響は生じないという立場から、電波防護指針を1000μW/c?という高い数値に設定している。

これに対して、ヨーロッパ諸国は、携帯電磁波の長期間的影響が否定できないとする立場から、電波防護指針を極めて低い数値に設定している。たとえば次の通りである。

UEの提言値:0.1μW/c?

ザルツブルグ市の目標値:0.0001μW/c?

日本の電話会社が日本の規準(1000μW/c?)に基づいて基地局の操業を続けていることは周知の事実である。もっとも、実際には1000μW/c?といった値が測定されることはありえないが。

こうした状況の下で、携帯電磁波は安全か、否かという興味深いディベートが、日本を代表する電磁波問題の研究者・荻野晃也氏とソフトバンクの間で、実現する可能性が浮上してきた。

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2013年08月15日 (木曜日)

老人ホーム「グランダ八雲」の基地局問題 施設を運営するベネッセは設置に反対

なぜ携帯基地局の設置場所として、老人ホームの屋上が候補地になるのだろうか。推測になるが、それは高齢者の多くに電磁波と健康被害についての知識がないことが多いからだ。また、反対運動を組織する体力に欠ける人が大半であるからだ。つまり弱者が狙われているのだ。

神戸市、世田谷区、そして本サイトで報じている目黒区で同じような問題が発生している。

携帯基地局からは、マイクロ波と呼ばれる電磁波(電波)が放出される。マイクロ波は、原発のガンマ線や医療現場のエックス線と同様に放射線の仲間である。出力が同じであれば、周波数が高いほど、破壊力がある。ガンマ線が恐れられ、エックス線に注意が促されるゆえんにほかならない。

が、マイクロ波については、その危険性が認識されていない。確かに、ガンマ線やエックス線のように強い遺伝子毒性はないが、これを延々と浴び続ければ、人的影響は避けられないのではという懸念が広がっている。ドイツなど海外の疫学調査では、基地局周辺で癌の発症率が高いという結果が確認されている。

1ヶ月や2ヶ月で影響が現れなくても、5年、10年とマイクロ波に被爆した場合は話が違う。体に影響が現れても不思議はない。

言うまでもなく、老人ホームでは高齢者たちが生活している。年齢を重ねるにつれて、外出の機会も減るので、ますます被曝のリスクは増える。

一般論から言えば、電磁波の強度は、アンテナの直下よりも、周辺の方が強い。しかし、街中にはビルが林立しているので、電磁波が反射することが頻繁で、どの位置で電磁波が最も強くなるかは、実際に測定してみなければ分からない。

もちろん基地局が立ったマンションの住民が深刻な健康被害を受けた例は実際にある。沖縄の新城医師の例である。

(参考記事:携帯電話基地局について)

 

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2013年08月14日 (水曜日)

緊急のお知らせ

緊急のお知らせ

先日、本サイトで発生していた不具合(会員読者が会員限定画面にログインしようとすると、契約期間が切れた旨の表示が現れて、ログインできない)の修正を完了しました。その後、読者の方からKOKUSYO宛てに、再度、同じ不具合が発生したとの連絡がありました。

会員読者の方は、会員限定画面にログインできるか否かを確認するようにお願いします。不具合が発生している場合は、お手数をかけますが下記までご連絡ください。

メール:xxmwg240@ybb.ne.jp

電話 :048?464?1413

本サイトの「お問い合わせ」欄の使用は、しばらく控えるようにお願いします。先日、送付されたメールが届いていないことが判明しました。 情報提供と連絡は次のメールへお願いします。

メール:xxmwg240@ybb.ne.jp

KOKUSYOに対してカンパしていただいた皆様には、ジャーナリズム活動支援に対してこの場でお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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2013年08月13日 (火曜日)

NTTドコモ、株主向け情報には、携帯電磁波のリスクを通知「電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません」

ある朝、ベランダに通じる戸を開けると、向かいのマンションの屋上に立った見慣れない棒状の物体が視界に飛び込んでくる。グロテスクな印象があるが、それを何であるかは分からない。そのうち頭の中でセミが鳴いているような感覚に襲われ始める。頭痛がする。夜中に目が覚めるようになる。

近くの主治医に足を運び、血液検査をしたり心電図を取るが何の異常もない。結局、単なる体調不良だと思い、そのまま放置してしまう。

こんな体験がある読者は少なからずいるのではないか。ようやくグロテスクな物体の正体が携帯電話の基地局であることや、携帯電磁波の影響で健康被害が多発していることを知り、電話会社に抗議の電話をするが、「国が定めた電波防護指針の規準を守ってやっています」とそっけなく言われる。これもいまや当たり前の光景になっている。

携帯基地局が新たに設置された地区の人々に、

「基地局が設置される前は、携帯電話が通じなかったのですか」

と、尋ねてみると、たいていは「通じていた」という返事がある。

それにもかかわらずなぜ、次々と基地局が新設されたり、既存の基地局に、住民に通知することもなく新たな機能が加えられるのだろうか。推測になるが、スマートフォンやワイヤレス・ブロードバンドの爆発的な普及がその背景にあるようだ。

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