1. ラテンアメリカ

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2017年03月18日 (土曜日)

中米エルサルバドルのロメロ大司教の暗殺から37年、内戦の発端を記録した動画

中米エルサルバドルのロメロ大司教が亡くなって、3月24日で37年になる。ロメロ大司教は、軍部が幅をきかせ、人間としての最低の生活権すらも奪われていたエルサルバドル民衆の声を代弁する人だった。常に貧しい人々の側に立っていた。

そのために政府は言うまでもなく、カトリック教会の上層部内でも批判の対象となった。ミサの場では、公然とエルサルバドル軍による暴力を非難した。いわるゆ「解放の神学」の先駆的な実践者である。

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2017年02月12日 (日曜日)

メキシコの芸術家が壁画にこだわる理由、「ギャラリーに入れない貧しい人々に絵をみてほしい」、日本で唯一のラテンアメリカ専門誌『中南米マガジン』

日系ブラジル人のアイドル、壁画を描いて政治的な主張を展開するメキシコのアーティスト集団、キューバ音楽をテーマとした映画の制作記録。

『中南米マガジン』は、日本に在住する中南米の人々の生活と、ラテンアメリカの話題を網羅する日本で唯一の中南米をテーマとした季刊誌だ。

最新号には、『「おとぎの国」の革命家集団 ASARO』と題する山越英嗣さんの写真ルポが掲載されている。メキシコのオアハカ市は、観光地としても有名だが、街角の壁画でも知られるようになっている。

壁画で描かれているのは、たとえば「粗末な帽子をかぶった農民が、スーツ姿にシルクハットをかぶり丸々と太った政治家を、手にした山刀で突き刺している過激な内容」である。

 

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2017年01月03日 (火曜日)

キューバ革命の終わりと、航海を続けるグランマ号

1月1日、キューバは58回目の革命記念日をむかえた。今年はフィデル・カストロなき革命記念日だ。また、この日は、中米エルサルバドルの内戦が終結して25回目の記念日でもある。

前者については、当然、わたしには記憶がないが、後者については鮮明に覚えている。当時、わたしはメキシコシティーに在住していた。露店で元旦の朝刊『ホルナダ』を買ったところ、第一面に大きな見出しが、「エルサルバドル内戦終わる」と出ていた。FMLN(ファラブンド・マルティ民族解放戦線)の兵士たちが抱き合って喜んでいる写真が掲載されていた。1992年のことである。

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2016年09月12日 (月曜日)

チリの軍事クーデターから43年、映像ジャーナリズムの最高傑作『チリ潜入記』

チリの軍事クーデターから、43年が過ぎた。

ラテンアメリカの諸紙によると、クーデターで亡くなった「サルバドール・アジェンデ元大統領と1973年の軍事クーデターを記憶するための儀式、オマージュ、それに祈念行事が9月11日に各地で行われた」(チリの国営新聞『LaNacion』)

1970年にチリは、大統領選挙で社会党のサルバドール・アジェンデが当選して、社会党、共産党、キリスト教民主党の連立政権(UP)が成立した。これは世界史上ではじめて、選挙によって成立した社会主義をめざす政権だった。

しかし、米国のニクソン政権は、チリに多国籍企業が進出していることなどから、アジェンデ政権に猛反発して、経済封鎖などさまざまな策略をめぐらせる。資本家の〈ストライキ〉まで起こり、チリ経済は混乱に陥った。

しかし、1973年の総選挙でUPが勝利して合法的にアジェンデ政権を倒せないことが明らかになると、米国CIAがピノチェット将軍と共謀して、軍事クーデターを断行。アジェンデ政権の支持者に銃弾が襲い掛かった。国立サッカースタジアムでは、連行されてきた多くの人々が命を落とした。歌手のビクトル・ハラも銃弾に倒れたひとりである。

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2016年07月19日 (火曜日)

ニカラグア革命37周年、「ニカラグアの人はみんな詩人ですよ」

南北のアメリカ大陸をつなぐ地峡の小国・ニカラグアは、19日、37回目の革命記念日を迎える。37年前、FSLN(サンディニスタ民族解放戦線)とニカラグアの人々は、ラテンアメリカ史の中でも最も残忍非道な独裁政権のひとつだったソモサ王朝(親子3代約40年)を倒したのである。

ラテンアメリカのメディアによると、17日には、「歓喜の日(Dia de Alegria)」のパレード(冒頭写真=出典Voz de Sandinismo)が行われた。「歓喜の日」は独裁者ソモサが、マイアミに亡命した日を記念する祝日である。37年前の早朝、三代目ソモサはヘリコプターで空港へ移動し、そこから自家用ジェット機に乗って米国のマイアミへ亡命したのである。その後、パラグアイで何者かに暗殺された。

しかし、ニカラグアの人々の歓喜は続かなかった。FSLNが首都を制圧してまもなく、ニカラグア上空に米軍の偵察機ブラックバードが現れ、猛スピードで飛行しながら、ニカラグア全土の航空写真を撮影して持ち帰ったのである。

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2016年03月22日 (火曜日)

米国のフルーツ会社と軍事政権の関係にみるグローバリゼーションの危険な側面

多国籍企業と国際ビジネスを考えるうえで格好のモデルとなるのは、前世紀までに見る米国とラテンアメリカの関係だった。ラテンアメリカは、「米国の裏庭」と言われてきたが、「庭」とは文字通り多国籍企業の「農園」の意味である。この裏庭ビジネスに使われる農地は、たとえばグアテマラの場合、全体の農地の6割から7割にも達していた。

当然、米国のフルーツ会社は、進出先の政界と軍部にも強い影響力を持っていた。事実、フルーツ会社が背後にいた政治的事件も多発している。

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2016年03月18日 (金曜日)

記録映画『バナナの逆襲』、軍事独裁政権の時代の公害が、30年後に浮上、公害の恐ろしさを語る

1980年ごろまで、中米の政治は、米国のフルーツ会社と軍事政権によって牛耳られているとも言われていた。中米の肥沃な大地と気候に目をつけた米国の多国籍企業が、原野をバナナ農園に変え、港まで鉄道を敷き、現地の人々を奴隷のように働かせて、バナナを収穫し、船で米国へ運搬した。地元の人々は豊かに実ったバナナの下で飢えていた。

「先進国」の繁栄と第3世界の悲劇が共存していたのである。

『バナナの逆襲』は、スエーデンのゲルテン監督の制作。ニカラグアに進出していた米国のドール社による禁止農薬の散布により生じた人体影響(無精子症、癌など)をめぐり、元バナナ農園労働者たちが米国で損害賠償を求める裁判を起こした事件の記録である。

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