2021年05月29日 (土曜日)

神奈川県警青葉警察署が作田学・日本禁煙学会理事長に対する告発状を受理、横浜副流煙事件、新たに被告発人として弁護士1人と診断書の作成を作田氏に依頼した3人を追加

神奈川県警青葉警察署は28日、作田学・日本禁煙学会理事長に対する告発状を受理した。これにより青葉警察署が捜査に着手する。罪名は虚偽診断書行使罪である。

当初、筆者をふくむ告発人7名は、弁護士を通じて東京地検特捜部へ告発状を提出した。しかし、特捜部は受け取りを拒否した。そこで7名は、神奈川県警青葉警察署へ訴状を再提出した。

青葉警察署は、28日付けで告発状を受理した。

なお、最新の告発状では、被告発人として作田理事長の他に、横浜副流煙事件の原告3人と弁護士1人を加えた。原告3人が問題になっている診断書の作成を要請し、行使した経緯などが背景にあるからだ。

■告発状・事件の概要

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2021年05月28日 (金曜日)

岐阜県恵那市で楽天モバイルが基地局設置を断行、懸念される電磁波の遺伝子毒性・発がん①

電話会社が法律を上段にかかげて、携帯電話基地局を設置する事件が起きた。

今年になって楽天モバイルは、岐阜県那市の●●地区に基地局設置の計画を打ち出したが、一部の住民がこれに反対した。楽天モバイルは住民との話し合いには応じたが、楽天に用地を貸す地主が合意したこともあって計画を進めた。

そして2021年4月30日、自治会に対して「確約書」なる書面を提出して、基地局の設置工事を完了した。

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2021年05月27日 (木曜日)

中京大・大内裕和教授とジャーナリスト・三宅勝久氏の記述盗用をめぐる係争、中京大は取材拒否

JBpress が大学教授による記述盗用疑惑を報じている。タイトルは、前編が「まさかあなたが――『弱者の味方』有名教授 にパクリ疑惑発覚」、後編が「教授の『盗用疑惑』にも中京大学は『調査不要』でスルーの構え」である。

盗用被害を訴えているのは、ジャーナリストの三宅勝久氏である。一方、「パクリ疑惑」の舞台に立たされたのは中京大学国際教養学部の大内裕和教授である。マスコミでも活躍している著名人である。

JBpressの記事によると、問題となっているのは、大内教授の著書『奨学金が日本を滅ぼす』(朝日新書)である。三宅氏が執筆した『日本の奨学金はこれでいいのか!』(共著、あけび書房)と類似した記述が、大内氏の『奨学金が日本を滅ぼす』の中に複数件あるという。たとえば、次の比較表で具体例が確認できる。

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2021年05月26日 (水曜日)

産経新聞「押し紙」裁判が和解、大阪地裁、産経が和解金300万円の支払い、独禁法違反は認めず、

産経新聞の販売店を経営していた男性が、廃業後の2019年に大阪地裁で起こした「押し紙」裁判が、今年の1月に和解解決していたことが分かった。和解内容は、産経新聞大阪本社が、元経営者に300万円の和解金を支払うことなどである。

しかし、元経営者が主張していた産経新聞社に対する独禁法違反については、認定しなかった。(詳細は文末の和解調書)

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2021年05月25日 (火曜日)

「未使用の新聞紙」アマゾンで大量出品の謎、カテゴリーは「ペットの便所紙」

弁護士ドッドコムに残紙関連の記事を掲載した。内容は、アマゾンで販売されている新聞束の中身についての調査報道である。中身は残紙である。

また、その残紙の発生元を探るために、名古屋市における朝日新聞のABC部数を調査した。その結果、おそるべき実態が浮上した。水増しされている可能性が高い。(本文には、詳細な表を掲載している)

ヤフーでも配信されているが、弁護士ドッドコムニュースの方が見やすい。

■記事の全文

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2021年05月21日 (金曜日)

新聞通信調査会の世論調査、新聞が最も信頼できるメディアに

日本新聞販売協会(日販協)が発行する『日販協月報』(2021年3月)が「新聞の信頼度はトップ」と題する記事を掲載している。これは新聞通信調査会の調査で判明したものである。『日販協月報』は、次のように調査結果を伝えている。

 新聞通信調査会は1月23日、「第13回メディアに関する全国世論調査」の結果を発表した。各メディアの情報を「全面的に信頼している」場合は100点、「全く信頼していない」場合は0点、「普通」の場合は50点として点数をつけてもらったところ、「新聞」は69.3点と前回調査より0.3上昇し、昨年に続きトップを維持した。

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2021年05月17日 (月曜日)

2021年3月のABC部数、朝日は年間で44万部減、読売は57万部減

2021年3月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞は年間で約44万部を失った。また、読売新聞は57万部を失った。新聞部数の減少傾向に歯止めはかかっていない。

中央紙5紙の部数は、次の通りである

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2021年05月13日 (木曜日)

【連載】「押し紙」問題⑩、新聞社経営の汚点とジャーナリズム、「中川先生に恩返しをする機会が近づいております」

新聞のビジネスモデルという場合、狭義には新聞の商取引の仕組みを意味しているが、副次的には、新聞販売制度を支える法律的なルールも含まれる。たとえば新聞に対する再販制度の適用である。また、新聞に対する消費税率の軽減措置制度である。

これらの制度は、新聞社の収益に直接な影響を及ぼしている。しかも、見過ごせないのは、制度の維持が公権力の手に委ねられていることだ。逆説的に言えば、公権力は残紙という汚点だけではなく、再販制度や消費税の制度に着眼することで、新聞を権力構造の中に組み入れているとも言える。さらに付け加えるとすれば、記者クラブの制度も、おなじ脈絡に位置づけられるが、本書の主題から逸脱するので、ここでは言及しない。

いずれにしても日本のジャーナリズムを世論誘導の道具にする制度が、客観的に存在しているのである。この構図は記者としての気概だけでは、切り崩すことができない。

以下、新聞に対する再販制度の適用と、消費税率の軽減措置制度について検証してみよう。残紙問題との関連の中で、再考してみると、ジャーナリズムの障害になっていることが見えてくる

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2021年05月12日 (水曜日)

YouTubeでジャーナリストの須田慎一郎氏が横浜副流煙事件を解説、

YouTubeを配信しているニューソク通信社が横浜副流煙事件の刑事告訴を報じた。ジャーナリストの須田慎一郎氏による解説である。事件の本質的な点をずばり指摘している。

メディア黒書でも報じてきたように、この事件は副流煙による健康被害をめぐる冤罪事件である。舞台は、横浜市青葉区すすき野にある団地。マンション1階に住む藤井将登さん一家が、同じマンションの2階(注:真上ではない)に住む一家3人から、将登さんの煙草が原因で「受動喫煙症」などになったとして、4500万円を請求する裁判を起こされた。

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2021年05月11日 (火曜日)

【連載】「押し紙」問題⑨、残紙が強引な新聞拡販の引き金に

全体の3分の1を掲載しました。全文は、ウェブマガジンで購読できます。【全文は、ウェブマガジン(有料)で購読できます】

 

新聞のビジネスモデルの構図は、原則として、残紙で生じた損害を折込手数料や補助金などで相殺するものである。残紙部数に相応する折込手数料が、新聞社に「上納」される仕組みになっている。

しかし、残紙には別の側面もある。それは残紙が新聞拡販活動の「起爆剤」となってきた事実である。販売店は残紙の負担を少しでも、減らすために拡販活動に奔走する。残紙の性質が「積み紙」であろうが、「押し紙」であろうが、少しでも残紙を減らしたいというのが販売店の希望である。と、いうのも、「押し紙」は販売店の経営を圧迫し、たとえ「積み紙」であっても、それが発覚すると訴訟を起こされるリスクがあるからだ。

新聞社も対外的には、「積み紙」をしないように「指導」している。それは言葉を替えると、「残紙は、拡販活動ですべて実配部数に変えなさい」というメッセージでもあるのだ。また、「積み紙」の禁止が、新聞社の戦略に転嫁することもある。

過去に発生した販売店の強制改廃事件では、「積み紙」が改廃の口実になったケースも少なくない。「積み紙」によって新聞社の信用を毀損したから、改廃は当然だという論理と主張である。実際には、新聞社が勝手に過剰な部数の新聞を搬入していても、新聞社は販売店を改廃する際には、「積み紙」を口実にすることが少なくない。

大阪府でむかしこんな事件があった。

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2021年05月10日 (月曜日)

PRESIDENT Onlineが横浜副流煙事件を報道、今後、解明が不可欠な斎藤実警視総監の関与

PRESIDENT Onlineが横浜副流事件を報じた。須田慎一郎氏の記事で、タイトルは「『日本禁煙学会の理事長が刑事告発された』その背景にある"トンデモ訴訟"の一部始終 」。事件の経緯を簡潔に伝えている。

■プレジデントの記事

この事件の今後の焦点は、日本禁煙学会の作田学理事長に対する刑事告訴の行方である。患者を診察することなく診断書を作成して、それを根拠に藤井将登さんに対して4500万円を請求した事実は重い。診断書を簡単に悪用できる状況を放置すれば、今後、同類の事件が続発しかねない。医療に信用にかかわる。

また、4500万円の訴訟が「ニセの診断書」を根拠にして提起されている事実から、2人の原告弁護士が訴権を濫用した疑惑もある。『弁護士職務基本規程』は、虚偽の書面を裁判所へ提出する行為を禁じている。次の条項だ。

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2021年05月07日 (金曜日)

【連載】「押し紙」問題⑧、ABC部数の恐るべき裏面、歌手の「島倉雄三」が読者名簿に

第6章の一部を公開します。全文は、ウェブマガジンで公開されています。

■ウェブマガジン

 

残紙の性質が「押し紙」であるか、それとも「積み紙」であるかにかかわりなく、残紙の実態が社会問題として広く認識されてこなかった原因のひとつにABC部数の信頼性が高い事情がある。出版物の発行データとして権威があるのだ。

しかし、実情はそうではない。公査の過程でさまざまな問題がある。当然、データも信用できないが、大半の人は、それを知らない。ABC部数に残紙が含まれていることを知らない。

日本ABC協会が公査で残紙を摘発する方針を徹底していれば、第3章と第4章で紹介したような凄まじい残紙の実態は生まれなかったはずだ。

本章では、ABC公査の実態と、それによって生じるデータの信憑性を検証しよう。

ABC部数は、データが厳密なものであることを自称しているが、疑問が多い。これについて、まず日本ABC協会の見解を示そう。同協会のウェブサイトは、ABC部数について次のように説明している。

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2021年05月05日 (水曜日)

携帯電話の基地局設置をめぐる電話会社の姿勢、情報の非公開があたりまえに、口実は「企業秘密」

携帯電話の基地局設置をめぐるトラブルで、電話会社が住民に対して基地局に関する情報を開示しないことが各地で問題になっている。基地局からはマイクロ波(将来的にはミリ波)が放射されるので、周辺住民は、いやおうなしにマイクロ波による人体影響を受ける。

たとえ電磁波が微弱であっても、1日に24時間、365日、延々とマイクロ波のシャワーを浴び続ける。一旦、基地局が設置されると少なくとも10年ぐらいは、移転することがないので、周辺住民は常にマイクロ波に被曝する。

当然、住民としては、少なくとも自分たちが浴びる電磁波に関する情報を詳細に知りたい。そこで電話会社に、基地局に関する情報を開示するように申し入れるが、筆者が取材した限りでは、電話会社は企業秘密を理由に、ほとんど情報開示に応じていない。

企業活動を監視する責任がある自治体も、企業秘密を優先して開示には応じない。電磁波や化学物質には、「闘値」がないことを説明しても、「総務省の規制値を守ってる限り、規制できない」とAIのような回答しか返ってこない。

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