無手勝流こそ、ジャーナリズムの真骨頂、テレビ朝日の自殺
◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者、秘密保護法違憲訴訟原告)
テレビ朝日は、「報道ステーション」コメンテーター、古賀茂明氏の発言問題を受け、「コメンテーターとの意思疎通、信頼関係構築の不足」が原因として、4月28日、6人の社内処分を発表した。
自民の呼び出しに、のこのこ出ていったのがテレ朝だ。「コメンテーター室」の新設は、その意向を汲み、コメンテーターの選別・発言に、経営陣の関与を強め、自己規制する狙いが透けて見える。
そもそも権力の手におえない奔放な無手勝流こそ、ジャーナリズムの真骨頂だ。捨てるなら、権力と闘う手段を自ら放棄し、武装解除するジャーナリズムとしての自殺に等しい。この日、テレビ局が時の権力に屈し、「報道の自由」をなくした転換点として長く後世に記録されることを、私は何より恐れる。