新しい方法論で「押し紙」問題を解析、兵庫県をモデルとしたABC部数の解析、朝日・読売など全6紙、地区単位の部数増減管理が多地区で、独禁法違反の疑惑
このところわたしが提唱している「押し紙」問題検証の方法論として、ABC部数の新しい解析方法がある。兵庫県全域をモデル地区として、ABC部数の変化を時系列に、しかも、新聞社(朝日、読売、毎日、産経、日経、神戸)ごとに確認してみると、ABC部数が地域単位でロックされている自治体が多数あることが判明した。地区単位で部数増減の管理が行われている疑惑が浮上した。
独禁法の新聞特殊指定に違反している疑惑がある。公正取引委員会は、少なくとも調査すべきだろう。
たとえば神戸市灘区における読売新聞のABC部数は、次のようになっている。
2017年4月 : 11,368
2017年10月: 11,368
2018年4月 : 11,368
2018年10月: 11,368
2019年4月 : 11,368
2年半にわたってABC部数は変化していない。新聞の購読者が特定の広域自治体で、2年半に渡って一部の変化もしないことなど、実際にはありえない。これは新聞社が販売店に搬入する新聞の「注文部数」を決めていることが原因である可能性(ノルマ部数、押し紙)がある。あるいは、販売店が自主的に購入する新聞部数を定数化している可能性(積み紙)もある。どちらの側に非があるにしても、これは広告主にとっては見過ごせない問題である。
本稿は、デジタル鹿砦社通信に連載した兵庫県全域をモデルケースとした新しい方法論の下で行ったABC検証の結果の報告である。以下、読者は以下に掲載した調査結果を確認する前に、次の【注意】を一読願いたい。表を理解する上で不可欠だ。
【注意】以下の表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのままエクセルに入力したものではない。数字を表示する順序を変えたのがこれらの表の大きな特徴だ。
『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な部数や期間はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を、地方自治体をベースにして長期に渡って追跡したのが以下の表の特徴だ。
新聞衰退論を考える ── 新聞人の知的能力に疑問、新聞社のビジネスモデルの闇、ABC部数検証・兵庫県〈3〉
今回の記事は、兵庫県全域を対象として新聞のABC部数の欺瞞(ぎまん)を考えるシリーズの3回目である。ABC部数の中に残紙(広義の「押し紙」、あるいは「積み紙」)が含まれているために、新聞研究者が新聞業界の実態を分析したり、広告主がPR戦略を練る上で、客観的なデーターとしての使用価値がまったくないことなどを紹介してきた。連載の1回目では朝日新聞と読売新聞を、2回目では毎日新聞と産経新聞を対象に、こうした側面を検証した。
今回は、日経新聞と神戸新聞を対象にABC部数を検証する。テーマは、経済紙や地方紙のABC部数にも残紙は含まれているのだろうかという点である。それを確認した上で新聞部数のロック現象の本質を考える。結論を先に言えば、それは新聞社の販売政策なのである。あるいは新聞のビジネスモデル。
日経新聞と神戸新聞のABC部数変化を示す表を紹介する前に、筆者は読者に対して、必ず次の「注意」に目を通すようにお願いしたい。表の見方を正しく理解することがその目的だ。
【注意】この連載で紹介してきた表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのまま表に移したものではない。『新聞発行社レポート』の表をエクセルにしたものではない。数字を並べる順序を変えたのが大きな特徴だ。これは筆者が考えたABC部数の新しい解析方法にほかならない。
『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表する。しかし、これでは時系列の部数変化をひとつの表で確認することができない。時系列の部数増減を確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否か、ロックされているとすれば、その具体的な中身はどうなっているのかを確認できる。同一の新聞社におけるABC部数の変化を長期に渡って追跡したのが表の特徴だ。
◆日経新聞のABC部数変化(2017年~2021年)
2022年02月21日 (月曜日)
5Gの基地局設置をめぐるトラブルが急増、後発の楽天に対する苦情が相次ぐ、マンション管理会社を巻き込んだ設置計画
携帯電話の基地局設置をめぐる問題は、だれにでも突然に降りかかってくる問題である。それを改めて実感した。時々、電磁波問題などで情報交換をしている友人が住むマンションの屋上に、楽天が基地局を設置する計画を打診してきたのだ。マンション管理組合の総会で採決を取ることになっているが、大半の住民は、委任状を提出して総会には参加しないので、理事長の意思で設置が採択される可能性が高い。大半の人は、電磁波による人体影響についての知識がなく、賃料が得られるメリットに飛びついてしまうからだ。
この友人は数年前に別宅のマンションで、同じ被害にあったことがある。
電話会社が、自社のビジネスのために次々と住民の生活環境を破壊している実態が改めて浮上した。
国費のコロナワクチンを闇打ちで接待に流用、「接種会場」は桜十字グループ西川朋希代表が理事を務めるビューティクリニックVIP室
東京都港区の「メットビューティクリニック」(以下、MET)元スタッフらがMyNewsJapanに内部告発した。スギ薬局会長夫妻のワクチン優先予約が問題になっていた昨年春から夏にかけ、METがコロナワクチンを闇接種していた、というもの。METは、ドモホルンリンクルで有名な再春館製薬が買収した桜十字グループ(熊本市)西川朋希代表が理事を務める医療機関で、西川氏は当時、菅総理と連日会っていた。まだ最優先とされた医療従事者すらワクチンを打てなかった時期で、接種券ナシでの脱法的な“闇打ち”に対し、スタッフらの間では「金さえあればなんでもできるのか」といった言葉も飛び交ったという。目的は国内外クライアントなど要人らの接待とみられる。国費で調達されたワクチンは、どのルートでMETに持ち込まれ、誰が“接待接種”を受けたのか。情報公開制度等で裏付け取材し、真相に迫った。
【Digest】
◇医療・福祉ビジネスを展開する巨大集団
◇菅首相と西川代表が首相公邸で会談
◇東京桜十字と(株)メディカルハック
◇闇接種の日程と場所を協議したラインの交信記録
◇桜十字グループが配給を受けたワクチンを流用か
◇コロナ専用シリンジがMETに
◇だれが闇接種を受けたのか?
◇桜十字とインドネシアの関係
◇医療崩壊の危機
◇桜十字は取材に応じず
東京都港区の表参道にある美容外科、メットビューティクリニック(以下、MET)の元スタッフらが、コロナワクチンの闇接種を内部告発した。2021年春から夏にかけて、数回にわたりワクチン接種が秘密裡に行われたという。目的は、国内外の要人らの「接待」であった可能性が高い。国費で調達されたコロナワクチンが私的に流用されたことになり、窃盗の疑いがある。
役職付きの元スタッフが次のように話す。
「ワクチン接種はVIPルームを使ってやっていたようです。しかし、VIPルームはいつでも使えるわけではなく、使用する際には事前にスケジュールを決めることになっていました。スケジュールを管理しておかなければ、VIPの患者さんに待ち時間が生じてしまう恐れがあるからです。そのVIPルームの使用目的を知らされないまま、上司の命令でスケジュールだけが入ることが増え、なにかおかしいと感じるようになりました。フロントに置いてあるはずの検温器がなくなることもありました。おそらくVIPルームで使っていたのだと思います」
METのVIPルームは、ビル裏口を入り、1階から2階へ階段を上がったところにある。タレントなどが美容の施術を受ける際に、人目を避けるために利用する。正面玄関から出入りすると、一般客と顔を合わせるため、それを避けるため裏口からVIPルームへの出入りを可能にしているのだ。そのVIPルームがワクチンの闇接種に使われた、という。
マイニュースジャパンが内部告発を受けたのは、2021年11月だった。その根拠は、ワクチン接種の日程と場所を決める際に当事者が使ったLINEの通信記録や、闇接種に使ったとみられるコロナワクチン専用のシリンジ(注射器)の写真だった。ワクチンとシリンジの配布ルートに関する港区の書面を情報公開請求で入手し、これら物的証拠と、取材で得た告発者たちの「証言」の整合性を検証することで、裏付けは決定的となった。
横浜副流煙裁判、ついに書類送検!!分煙は大いに結構!!だけどやりすぎ『嫌煙運動』は逆効果!!
『禁煙ファシズム』(鹿砦社)について、ジャーナリスト・須田慎一郎氏からインタビューを受けた。タイトルは「横浜副流煙裁判、ついに書類送検!!分煙は大いに結構!!だけどやりすぎ『嫌煙運動』は逆効果!!」
日本禁煙学会の作田学理事長の書類送検を踏まえて、事件について話した。東京大学医学部を卒業したエリートがなぜこんな単純なミスを犯したのか。スラップ(訴権の濫用)に対する「戦後処理」の意味は?この事件は、今後、藤井さんサイドからの損害賠償裁判がスケジュールに入っている
新聞衰退論を考える ── 新聞社が新聞の「注文部数」を決めている可能性、新聞社のビジネスモデルの闇、ABC部数検証・兵庫県〈2〉
本稿は、兵庫県をモデルとした新聞のABC部数の実態を検証するシリーズの2回目である。1回目では、朝日新聞と読売新聞を取り上げた。これらの新聞のABC部数が、多くの自治体で複数年に渡って「増減ゼロ」になっている実態を紹介した。いわゆるABC部数のロック現象である。
今回は、毎日新聞と産経新聞を取り上げる。朝日新聞や読売新聞で確認できた同じロック現象が、毎日新聞と産経新聞でも確認できるか否かを調査した。
【注意】なお、下記の2つの表は、ABC部数を掲載している『新聞発行社レポート』の数字を、そのまま表に入力したものではない。『新聞発行社レポート』は、年に2回、4月と10月に区市郡別のABC部数を、新聞社別に公表するのだが、時系列の部数変化をひとつの表で確認することはできない。時系列の部数増減を確認するためには、『新聞発行社レポート』の号をまたいでデータを時系列に並べ変える必要がある。それにより特定の自治体における、新聞各社のABC部数がロックされているか否かを確認できる。
次に示すのが、2017年4月から2021年10月までの期間における毎日新聞と産経新聞のABC部数である。着色した部分が、ロック現象である。ABC部数に1部の増減も確認できない自治体、そのABC部数、ロックの持続期間が確認できる。ロック現象は、「押し紙」(あるいは「積み紙」)の反映である可能性が高い。新聞の読者数が、長期間にわたりまったく変わらないことは、通常はあり得ないからだ。
選挙人名簿流出事件に揺れる神奈川県真鶴町、松本町長ら4人を刑事告発へ、超党派の運動が始まる
何年にも渡って君臨した独裁政権が崩壊した後に選挙を実施する場合、国際監視団が現地入りして、選挙を厳しく監視する体制が敷かれることがある。汚点のない選挙の実現。わたしが知っている先駆け的な例としては、1984年のニカラグアがある。軍事独裁政権が崩壊した後、外国からの選挙監視団やマスコミが続々と乗り込んできて、この中米の小国は、初めて公正な自由選挙を実施したのである。
同じような制度と原理を導入するために、真鶴町の住民らが動きはじめた。住民の橋本勇さんが言う。
「外部の選挙監視団を入れて公正で清潔な選挙を実施できる制度を作る必要があります。その制度を真鶴から全国へ広げたいものです。そのために、汚職に関与した松本町長や選挙管理委員会の書記長など、4人の刑事告発を超党派で検討しています。また、選挙管理委員会も総入れ替えをする必要があります。不正を犯した書記長の残党が残っていますから」
橋本さんは、会社勤務を経て約40年前に真鶴に移り住み、光の海が一望できる岬に旅館とレストランを開業した。その真鶴が一部の人々の手で壊されていくことに心を痛めている。それが住民運動を始めた動機である。
◆広がる選挙管理委員会に対する不信感、選挙監視団制度の導入が不可欠
汚職事件は昨年の秋、ひとりの勇敢な男性の内部告発にはじまる。森敦彦氏。真鶴町の役所に勤務した後、2017年に町議になった。しかし、再選を目指した2021年9月の町議選では落選した。
その後、選挙運動の残務整理をしていると、1通の大きな封筒が出てきた。開けてみると、中に真鶴町の選挙人名簿や住民基本台帳などが入っていた。森さんが言う。
「この封筒は、町の選挙管理委員会の尾森書記長(当時)が届けたものですが、事前に松本一彦町長から、あなたの選挙に活用できる資料を届けさせると連絡を受けていたので、中身は町長が作成した自分の支援者名簿だと思っていました。そのようなものは必要なかったので、わたしは封も切らずにそのまま放置していました。自分の基礎票だけで再選できると思ったのです。選挙が終わってから、封を切ったところ、中から選挙人名簿や住民基本台帳が出てきたのです。わたしはびっくりして、警察に届け出ました」
知人の勧めで、マスコミにも通報した。中央紙はほとんど報じなかったが、地元の神奈川新聞やローカル紙が熱心にこの事件を取り上げた。その結果、松本町長は10月26日に記者会見を開いて、自らの責任を認めた。選挙管理委員会の尾森書記長に選挙人名簿や住民基本台帳などをコピーさせ、外部に持ち出させたことを認め、辞任を表明したのである。また、その後、これらの書面を青木健議員と岩本克美議員(議長)にも配布したことを公表した。
不祥事により政治家が辞任すること自体は特に珍しいことではない。しかし、松本町長は、辞任した後、お詫び回りを続け、町長選がはじまる直前に再出馬を表明した。そして次点候補と88票の僅差で町長選に勝利したのである。この88票も、開票の最終ステージで逆転したものだという。そのために選挙管理委員会に対して再び不信感を募らせる市民もいた。【続きはデジタル鹿砦社通信】
新聞衰退論を考える ── 公称部数の表示方向を変えるだけでビジネスモデルの裏面が見えてくる ABC部数検証・兵庫県〈1〉
冒頭に示すのは、兵庫県全域における読売新聞のABC部数である。期間は2017年4月から2021年10月である。カラーのマーカーをつけた部分が、部数がロックされている箇所と、その持続期間である。言葉を変えると、読売新聞が販売店に対して販売した部数のロック実態である。
【注意】なお、冒頭の表は、ABC部数を公表している『新聞発行社レポート』の数字を、そのままエクセル表に移したものではない。『新聞発行社レポート』は、4月と10月に区市郡別のABC部数が、新聞社ごとに表示されるのだが、時系列の部数変化を確認・検証するためには、号をまたいで時系列に『新聞発行社レポート』のデータを並べてみる必要がある。それにより特定の自治体における、特定の新聞のABC部数が時系列でどう変化しいたかを確認できる。
いわばABC部数の表示方法を工夫するだけで、新聞業界のでたらめなビジネスモデルの実態が浮かび上がってくるのである。
朝日新聞のABC部数についても、同じ方法で解析した。