2015年03月31日 (火曜日)

その言葉、単価でXX万円」、名誉毀損裁判と言論・人権を考える(3)、2億3000万円請求のミュージックゲート裁判の例

特定の表現に対して、単価を設定して、個数×単価で損害賠償額を決める方法について、連載(2) で、わたしは「こんな請求方法はこれまで見たことがなかった」と書いたが、若干の訂正を要するようだ。確かに特定表現に単価を設定したケースは、これまで遭遇したことはないが、類似した請求方法は取材していた。

この裁判は、作曲家・穂口雄右氏に対して、ソニーなどレコード会社ら31社が、音源ファイルなどが、穂口氏が代表を務めるミュージックゲート社提供のサービス「FireTube」で、違法にダウンロードされたとして、約2億3000万円を請求した事件である。結果は、穂口雄右氏の和解勝訴。2億3000万円の請求に対して「0円」の解決だった。スラップ(恫喝訴訟)の可能性が極めて強い。

■参考:穂口氏へのインタビュー

レコード会社側は、ダウンロードされたファイル数は1万431個と主張していた。ところが実際に、その証拠として提出できたのは、121個だった。これらのファイルについては、穂口氏も「FireTube」上で完璧に著作権を保護することができなかったことを認め、賠償を申し出た。

さて、この裁判では、レコード会社側が主張していた1万431個という多量のファイル数が請求額2億3000万円という高額を決めるポイントになっている。

訴状は請求方法について、次のように述べている。

原告ごと(レコード会社31社のこと)の1か月当たりの使用料相当損害金の額は、上記の1か月間に複製等された本件音源等のファイル数に1ファイル当たりの月額使用料相当額である10,000円を乗じることにより求められ、その結果、別紙ファイル数・損害賠償一覧表中の各「1か月分の損害賠償額」欄記載のとおりとなる。

法律家の見解からすれば、1件の不法行為に対して単価を定めて、それに件数を乗じる方法が、損害の程度を評価するうえで、より客観性があるという考えではないかと思う。が、問題は、なぜ、原告が不法行為と判断した時点で、すぐに対策を取らなかったのかという点である。対策を取らなかった事実を前提とすれば、提訴自体がスラップという疑いも生まれるのである。

ちなみにこの裁判のレコード会社側の代理人を務めたのは、TMI法律事務所の升本喜郎弁護士らである。TMI法律事務所など大手の弁護士事務所には、元最高裁判事らが、退任後に「再就職」している事実がある。これは現在の法曹界がかかえる重大問題のひとつである。裁判官と弁護士の情交関係により、判決がねじ曲げられる危険があるからだ。

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2015年03月30日 (月曜日)

コメンテーターはテレビ局の飼い犬でいいのか、古賀茂明氏発言の問いかけるもの

◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者)

テレビ朝日の「報道ステーション」。元経済産業省官僚で、コメンテーターの古賀茂明氏とキャスター古舘伊知郎氏の発言が論議を呼んでいる。「バトル」などと面白おかしく記事にしたり、ジャーナリストの中にも、古賀氏の行動を「私怨」と批判する人もいる。しかし、コメンテーターは権力に弱腰のテレビ局のシナリオ・意向に沿って発言する飼い犬でいいのか。言論・報道の自由の根幹にかかわる問題なのだ。

3月27日の報ステ。古賀氏は中東情勢に関しコメントを求められると、「ちょっとその話をする前に」と古舘氏の発言を遮り、「テレビ朝日や古舘氏事務所のトップの意向だ」として、「(出演は)今日が最後」と話し始めた。

「菅官房長官をはじめ官邸の皆さんにはものすごいバッシングを受けてきました」

「私が言いたかったのは、言いたいことはそのまま自然に言おうということ。裏で色々圧力をかけたり、官邸から電話をかけてなんだかんだと言うのはやめていただきたい」

降板の裏に政権の意向があったのではないかと臭わせ始めた。古舘氏は、「今の話は承伏できません」、「番組で川内原発の指摘や、辺野古問題も取り上げてきたじゃないですか」と反論。古賀氏も「それをつくってきたチーフプロデューサーが更迭されます」と応戦、古舘氏が「更迭ではない」と否定する場面もあった。

古賀氏降板を巡るウワサは、今年初めから週刊誌などで取り上げられてきた。「イスラム国」人質事件での安倍首相の対応について「I am not Abe」と批判したことや、昨年12月の総選挙報道で番組スタッフが「特定政党を批判する発言を控えてほしい」と申し入れたことに古賀氏が反発したことなどが背景とされてきた。

もちろん、事の真偽は当事者でないと分からない点は多い。しかし、昨年の総選挙では「中立報道」を名目に、安倍政権がテレビ局に圧力をかけ続けたことは、よく知られている。テレビ局幹部は放送法、電波の許認可権で政治家・官僚で縛られ、もともと国家権力に弱腰だ。スポンサーの圧力もある。あり得ない話ではないだろう。

もし、権力の意向を汲んだテレビ局幹部の判断でコメンテーターの降板が左右されたのが事実とするなら、権力を監視し、批判する側のコメンテーターの意見は人々に伝わらない。言論・報道の自由、ひいては国民の「知る権利」にとってもあってはならない大問題なのだ。

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2015年03月27日 (金曜日)

護憲を訴える野中広務氏、しかし、誰が1999年の国会で周辺事態法、盗聴法、国旗・国家法、改正住民基本台帳法を成立させたのか?

与党協議会で新たな安全保障法制整備の骨格が明らかになった。20日に発表された共同文書には、集団的自衛権の行使容認、多国籍軍への後方支援、自衛隊の任務拡大などが明記されている。

これらの方針を具体化するために、安倍内閣は周辺事態法や自衛隊法の「改正」へ向けて動き始める。

そもそも軍事大国化への分岐点は、いつの時期なのだろうか。長期的な視点で見ると、それはソ連と東側諸国が崩壊して、「先進国」による新市場の獲得競争が始まった時期である。米国が世界の「警察」に名乗りを上げ、その後、「警察」の役割を各国で分担する多国籍軍の方向性が生まれた。

言論の抑圧などソ連にさまざまな問題があったとはいえ、社会主義圏が崩壊して、世界はかならずしも平和と共存の方向へは進まなかった。むしろ先進国による資源の収奪などの問題が発展途上国で起きるようになり、従来とは違ったかたちの紛争が続発している。

日本が軍事大国化に踏み出したのは、橋本内閣の時代であるが、それを急進的に進めたのは、小渕内閣である。1999年の第145通常国会で軍事大国化へつながる法案を次々と成立させたのである。具体的には、

※周辺事態法
※盗聴法
※国旗・国家法
※改正住民基本台帳法

このうち周辺事態法は、2015年の国会で、「改正」されようとしている。

軍事大国化=スパイ国家の原点ともいえるこれらの法律を成立させた小渕内閣で官房長官を務めていたのは、「影の総理」とも言われた野中広務氏である。野中氏は、村山内閣の時代には国家公安委員長も務めている。

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2015年03月26日 (木曜日)

『構造改革政治の時代』(花伝社、渡辺治著)、日本はどこへ向かうのか、構造改革=新自由主義の導入と軍事大国化

 日本という「国のかたち」が激変し始めたのは、構造改革=新自由主義の導入がスタートした1990年代に入ってからである。小沢一郎氏らが自民党を飛び出して、2大政党制を打ち立て、2つの保守政党が競合するかたちで、構造改革=新自由主義を導入していった。

『構造改革政治の時代』(花伝社、渡辺治著)は、「国のかたち」を決定的に変えた小泉構造改革の細部を検証した労作である。著者の渡辺治・一橋大学名誉教授は、構造改革=新自由主義の導入と、軍事大国化を、1990年代から後の中心的な国策として捉えている。

初版は2005年12月であるから、発刊から10年が過ぎた。本書は現在の「悪夢」に至る前史にほかならない。

構造改革=新自由主義の導入に伴い、小泉氏は司法のかたちも、教育のかたちも変えていった。ハーモニーゼーションである。その背景にグローバル化に伴う財界の要請がある。

改めて言うまでもなく小泉首相の後継者として、構造改革=新自由主義の路線をさらに急進的に進めているのが、安倍首相である。そのためか、本書は構造改革=新自由主義がたどってきた歴史の一部としても読める。

『構造改革政治の時代』の続編とも言えるのが、『安倍政権と日本の危機』(大月書店、渡辺治・岡田知弘・後藤道夫・二宮厚美著)である。本書で興味深いのは、安倍政権の位置づけである。

安倍政権は、一見すると極右的な復古主義の思想のもとで、戦前型の軍事大国化を狙っているような印象があるが、基本的には米国や財界の要請に応じて、米軍との共同作戦が可能な派兵のかたちを目指している。

政治家個人の思想と政策はかならずしも一致しないとする見解も的を得ている。政治を動かしているのは、むしろ財界であり、米国である。政治家個人の思想を超えて政治の力学が働いているのだ。

マスコミ報道に接しても、日本がどのように「国のかたち」を変えようとしているのかは見えない。そんなもどかしさを感じている層に推薦したい2冊だ。

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2015年03月25日 (水曜日)

動画が示す新聞の折込広告の廃棄「折り込めサギ」の現場、広告主には秘密、「押し紙」問題と表裏関係に

「押し紙」の発生と表裏関係にあるのが、折込広告の水増し行為である。たとえば新聞販売店への新聞の搬入部数が3000部であれば、この中に「押し紙」が含まれていても、含まれていなくても、折込広告の搬入枚数は、(1種類につき)3000枚とする基本原則がある。この原則は、最近はなくなったが、つい最近まで健在だった。

そのために「押し紙」があれば、折込広告も過剰になる。これがいわゆる折込広告の水増し行為である。

冒頭の動画は、折込広告を梱包した段ボールを、広告主には秘密裡に、販売店から搬出して、「紙の墓場」(取集場所)へ運ぶ様子を撮影したビデオである。「紙の墓場」では、フォークリフトを使って、段ボールの荷卸しが行われた。

撮影対象は、岡山市内の山陽新聞販売店である。撮影年は2008年。

なお、ビデオに映っている段ボール箱は、山陽新聞社の販売会社が提供していたことが、店主が起こして勝訴した「押し紙」裁判の中で認定されている。次の記述である。

「同社は各販売センターに段ボール及び荷紐の提供をしており(認定事実〈2〉カ)、これらが販売センターに残存する新聞の処理等に用いられていた可能性は高い上、山陽新聞販売の営業部長等は各販売センターへの訪問に際し、同センターに残存している新聞を目にしていたはずであるから、押し紙の可能性を認識していたことは推認される。」

■「押し紙」裁判の判決・段段ボール使用を認定した箇所

なお、判決によると、段ボールの使用目的は「新聞の処理等」になっているが、店主らによると、おもに折込広告の処理に使われてたという。

日本新聞協会は今なお公式には「押し紙」の存在を認めていない。しかし、ビデオに記録された事実を否定することはできない。

新聞関係者は、軽減税率の適用を求める前に、まず、「押し紙」と折込広告の水増し行為を中止すべきだろう。

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2015年03月24日 (火曜日)

遁走・負傷、救助されて、「安心して号泣してしまいました」、チュニジアのテロに巻き込まれた結城法子・陸上自衛隊3等陸佐(少佐)の手記、自衛隊の海外派兵に「暗雲」

23日付けの産経新聞(電子)が、「結城さんが手記 朝日記者の怒声に『ショック…』 国際報道部長が謝罪『重く受け止めおわびします』」と題する記事を掲載した。

これはチュニジアでテロに巻き込まれた自衛隊員・結城教子氏が、公表した手記の中で、病院に同氏を取材に訪れた朝日新聞記者を日本大使館員が制したところ、「取材をさせてください。あなたに断る権利はない」と怒鳴ったというもの。

チュニジアの博物館襲撃テロで負傷し、首都チュニスのシャルル・ニコル病院に入院中で陸上自衛隊3等陸佐の結城法子さん(35)=東京都豊島区=は20日、共同通信など一部メディアに手記を寄せ、「現実のこととは思えませんでした」と事件当時の恐怖を振り返った。

 また、結城さんは手記で、朝日新聞記者と日本大使館員の取材をめぐるやりとりについて「『取材をさせてください。あなたに断る権利はない』と日本語で怒鳴っている声が聞こえ、ショックでした」と記した。

 これを受け、朝日新聞の石合力・国際報道部長は朝日新聞デジタルのホームページ(HP)に「取材の経緯、説明します」と題した見解を掲載し、「記者には大声を出したつもりはありませんでしたが、手記で記されていることを重く受け止め、結城さんにおわびします」と謝罪した。

◇産経新聞の編集者が考えるニュース価値は?

この記事を読んだとき、わたしは産経新聞の編集者が考えるニュース価値とは何かを考えた。不当に取材を制限されて抗議したことに、どのようなニュース価値があるのか、わたしにはさっぱり分からない。

大半の記者が取る態度ではないだろうか。取材を妨害されて、引き下がるのはどうかと思う。それが産経の方針らしいが。

むしろ結城氏が巻き込まれたテロ事件でニュース価値があるとすれば、ベテランの自衛隊員であっても、戦闘になれば、冷静に対処できず、遁走した事実である。負傷者の側に入った事実である。これは今後、自衛隊の海外での軍事活動を考える上で参考になるのでは。

結城・陸上自衛隊3等陸佐は、手記で次のように述べている。

銃を持った警察が助けに来てくれた時には安心して号泣してしまいました。母を助けるようにお願いしましたが、歩ける人が先と言われ、私は母と別れ救急車へ連れていかれました。

実際の戦闘と演習では、まったく状況が異なる。それは型の練習ばかりを繰り返している空手家が、実践になれば、まったく通用しない原理と同じである。「安心して号泣」するようでは、戦闘には参加しないほうがいい。

自衛隊のベテランでも、戦闘になれば恐怖を感じる証。日本人は戦闘にはむかない。

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2015年03月23日 (月曜日)

「その言葉、単価でXX万円」、名誉毀損裁判と言論・人権を考える(2)、高額請求と想像力の問題

山崎貴子さん[仮名]が小川紅子・五郎夫婦[仮名]を名誉毀損で訴えた裁判の実態を検証するルポ、連載の第2回目である。裁判の概要は、連載原稿の(1)に記したとおりであるが、ひとことで言えば、小川夫婦のブログに対して、山崎さんが総計で約3200万円を請求し、さらに請求額を増やすことを訴状で公言したことである。

この裁判の取材を通じて、わたしは幾つかの留意すべき事実に遭遇した。もっとも留意点として位置づけた背景には、わたしがあるべき姿と考えている裁判の形があるが、法曹界の人々にとっては、留意に値しない可能性もある。が、少なくともごく普通の「市民」の視線には、この裁判は尋常ではない裁判と映るのではないか?

◇金銭請求の方法

まず、第1に感じた異常は、名誉毀損に対する損害賠償額の請求方法である。
連載(1)で手短にふれたように、この裁判では、原告が問題とする表現を、「名誉毀損」、「名誉感情侵害」、「プライバシー権侵害」、それに「肖像権侵害」に分類した上で、それぞれに単価を付け、その総数を基に損害賠償額を計算していることである。こんな請求方法はこれまで見たことがなかった。詳細は次の通りである。

【単価】
① 「名誉毀損」:10万円
② 「名誉感情侵害」:5万円
③ 「プライバシー権侵害」:5万円
④ 「肖像権侵害」:5万円

【指摘件数】
総計:417件

通常は、一括して500万円を請求したり、1000万円を請求してくるが、この裁判では、「単価×件数」で損害賠償額を割り出していたのである。

原告は、上記の額に加えて、請求を追加すると訴状で述べている。

◇3200万円の「お金」の意味

ちなみに3200万円という請求額も、普通の「市民」感覚からすれば尋常ではない。辣腕弁護士であれば、半年で稼ぐことも可能な金額かも知れないが、大半の勤労者の5年から7年分ぐらいの給料に相当する。実際にこの金額を貯蓄するためには、少なくとも15年ぐらいは要する。

他の名誉毀損裁判では、5000万円、あるいは1億円といった大金を請求したケースもある。これは名誉毀損的表現を犯した場合、殺人犯なみに、生涯をかけて賠償することを求めているに等しい。普通の金銭感覚を欠いた措置と感じる。 かりに私人宅に見知らぬ人々がいきなり押しかけてきて、

「ブログで誹謗・中傷されたから3200万円を払え。後からさらに追加請求する」

と、言えば、警察沙汰になるだろう。

ところが裁判という形式を取れば、3200万円の請求もまったっく合法的行為になってしまうのだ。

人間には、感情が宿っている。かりにそれが想像できなくなっている「知識人」が増えているとすれば、その背景に社会病理が横たわっているのではないか。

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2015年03月20日 (金曜日)

「対日直接投資推進会議」を開催、安倍首相も出席、「世界でいちばんビジネスがしやすい国」とは?

「対日直接投資推進会議」が3月17日に開催され、安倍晋三首相も出席した。これは安倍内閣の下で2014年4月に設置されたものである。この会議の目的を内閣府は次のように定義している。

対日直接投資を推進するため、投資案件の発掘・誘致活動の司令塔機能を担うとともに、外国企業経営者等から直接意見を聴取し、必要な制度改革等の実現に向けた関係大臣や関係会議の取組に資すること

ビジネスが国際化する中で、日本政府は日本企業の多国籍化を全面的にバックアップできるように、国のかたちを「改革」してきた。これに対して、「対日直接投資推進会議」は、海外から日本への投資を活発化させるための政策決定機関である。が、両者は表裏関係にある。同じ構造改革=新自由主義の導入策の中から生まれてきた。

17日に開催された第2回目の会議では、次の5点が決定された。結論を先に言えば、下記の「1」「4」は、枝葉末節の部分で小学生でも提案できることである。「5」は、部分的には本質的な部分に踏み込んでいるが、海外資本の誘致と密接にリンクしている構想改革=新自由主義の導入政策との関係は隠されたままになっている。

1,百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストア等で外国語で商品を選んで買い物をいただけるよう、病気になったときも外国語で安心して病院で診療いただけるよう、車や電車・バスで移動する際も外国語表記で移動いただけるようにします。

2,訪日外国人が、街中のいろいろな場所で、我が国通信キャリアとの契約無しに、無料公衆無線LANを簡単に利用することができるようにします。

3,外国企業のビジネス拠点や研究開発拠点の日本への立地を容易にするため、すべての地方空港において、短期間の事前連絡の下、ビジネスジェットを受け入れる環境を整備します。

4,海外から来た子弟の充実した教育環境の整備を図るとともに、日本で教育を受けた者が英語で円滑にコミュニケーションが取れるようにします。

5,日本に大きな投資を実施した企業が政府と相談しやすい体制を整えます。また、日本政府と全国の地方自治体が一体となって、対日投資誘致を行うネットワークを形成します。

「5」は、要するに「日本に大きな投資を実施した企業」は、政府が全面的にバックアップすると断言しているのだ。

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2015年03月19日 (木曜日)

パーティー収入が1200万円、参加者は不明、「八紘一宇」発言の自民党・三原じゅん子議員の政治資金収支報告書

政治資金収支報告書(2014年公開の2013年度分)によると、自民党の三原じゅん子議員の収入は、1364万9869円である。その大半は、パーティー収入である。

同報告書によると、三原議員は2013年2月21日に東京・赤坂のANAインターコンチネンタル・ホテルで「三原じゅん子さんを励ます会」を開いた。この時の収入は、1225万円だった。

パーティー券を購入したのは、610人であるが、参加者の氏名や所属は不明。だれが政治献金をおこなったのかは分からない。

このほかの収入としては、少額の個人献金が総計で約100万円。さらにトムススピリットから、30万円を受け取っている。

■三原議員の政治資金収支報告書PDF

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2015年03月18日 (水曜日)

電磁波と健康被害、従来の説を再考する時期か? エネルギーが低いから安全とは限らない

最近、分からなくなっているのが、電磁波の強度と健康被害の関係だ。従来は、エネルギーが高ければ高いほど、健康被害を引き起こすリスクが高いとされていた。だれもがそれを信じて疑わなかった。

ところが昨年、東北大学が行った昆虫にLEDを照射する実験で、両者の間には、必ずしも因果関係があるとは限らないことが分かった。

実験では、378~732nm(波長が短かければ短いほどエネルギーが強い)のLEDをショウジョウバエのサナギに照射して、羽化できない割合を調べた。その結果、467nmの波長が最も殺虫力が強いことが分かったという。

また、ドイツで行われた携帯電話のSAR値の違いによるネズミの発ガン率を調べる実験でも、電磁波のエネルギーが高いから危険で、低いから安全だという結果にはならなかった。

参考:携帯電話のSAR値の安全評価に新見解、被曝量が少なくてもガン化を促進、ドイツの大学が動物実験の結果を公表

こんなふうに電磁波に関する従来の考え方を再考する動きが現れている。

その際、最も大事なのは、人間を対象にした疫学調査をすることである。東北大学の実験では昆虫を使い、ドイツの実験ではネズミを使った。いずれも人間が対象になっていない。

動物実験で得られたデータが、そのまま人間に当てはまるとは限らない。しかし、予防原則の観点からすれば、電磁波の謎が解明されるまでは、携帯基地局の設置は、禁止すべきである。

また、携帯電話やスマートフォンの販売に際しては、高いリスクがあることを説明するように義務づけるべきだろう

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2015年03月17日 (火曜日)

携帯電話のSAR値の安全評価に新見解、被曝量が少なくてもガン化を促進、ドイツの大学が動物実験の結果を公表

携帯電話の説明書に明記されている「比吸収率SAR」とは、人体が電磁波に被曝した時、単位質量に吸収される仕事率(ワット)のことで、日本の場合、10 gの組織が6分間電磁波を浴びたときの許容値として2 W/kgを採用している。国ごとにSAR規制値がある。

携帯電話の機種ごとにSAR値は異なるので、SAR値は携帯電話購入のさいの重要な検討事項になる。とはいえ電磁波によるリスクの認識が浸透していない日本では、SAR値を考慮せずに機種を選んでいる人も少なくないが。

政府や企業から独立して電磁波に関する情報を提供しているニューヨークの『マイクロ波ニュース』(Microwave News )は、3月13日、SAR値の安全基準に疑問を呈する動物研究の結果を報じた。

タイトルは、『高周波のガン化促進:動物実験が波乱を起こす――ドイツのアレックス・レーヒルがUターンした』である。

実験の主導者は、低レベルの高周波曝露効果は偽科学であると長年にわたり主張してきた、ドイツJacobs大学のレーヒル教授。同氏は、この説を自ら覆したのである。

ネズミの子宮に発癌物質として知られるENUを投与した上、第3世代携帯電話の電磁波を放射し、SAR値と発癌の関係を調べ、リンパ腫はもちろんのこと、肝臓と肺の腫瘍も有意に増えることを見い出した。

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2015年03月16日 (月曜日)

「その言葉、単価でXX万円」、名誉毀損裁判と言論・人権を考える(1)武富士裁判から13年

裁判を提起することによって言論や行動を抑圧する「戦術」が、いつの時代から始まったのかを正確に線引きすることはできない。

たとえば1990年代に、携帯電話の基地局設置を阻止するために座り込みを行った住民に対して、電話会社が工事妨害で裁判所に仮処分を申し立てる事件が起きた。が、これが裁判の悪用に該当するかどうかは厳密には分からない。

言論抑圧という観点から裁判の在り方が本格的に検証させるようになったのは、今世紀に入ってからである。司法制度改革による賠償金の高額化の流れの中で、負の側面として、「戦術」としての裁判が浮上してきたのである。

◇武富士裁判

有名な例としては、サラ金の武富士がフリージャーナリストらに対して起こした武富士裁判がある。この裁判では、ロス疑惑事件の三浦和義被告や薬害エイズ裁判の安部英被告を無罪にした弘中惇一郎弁護士が、武富士の代理人を務めたことも話題になった。

その後、ジャーナリストの西岡研介氏が著した『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(講談社)に対して、JR総連とJR東日本労組が、総計50件の裁判を起こす事件が発生する。

私自身も読売新聞社から、わずか1年半の間に3件(請求額は約8000万円)の裁判を起こされたことがある。この裁判では、言論の自由を守るという観点から、多く出版関係者や弁護士の支援を得た。

さらに直近では、作曲家の穂口雄右氏がレコード会社31社から、2億3000万円の損害賠償を求められる裁判を提起された。

もちろんこれら一連の裁判の原告は、裁判提起の目的が言論抑圧にあるとは言っていないが、結果として、裁判によって被告側の言論や行動が萎縮させられたことは否定できない。

最近になって言論抑圧につながる裁判に新しい傾向が現れてきた。それは裁判を起こす相手が報道関係者や有名人ではなく、一般市民にまで広がってきたことである。名誉毀損裁判は、裁判を提起した側が、圧倒的に有利な法理になっているので、弁護士にとっても収入源になりやすい事情がある。客観的にみると、それが名誉毀損裁判が多発する要因とも考え得る。

◇金銭請求方法に疑問

2013年4月5日、ある一通の訴状が東京地裁に提出された。原告は、山崎貴子さん(仮名)という著書もあり、雑誌にも写真入りで登場するなど比較的著名な女性である。訴えられたのは、小川紅子(仮名)さん、小川五郎(仮名)さんという夫婦である。請求額は、約3200万円。

わたしが最初この裁判に注目したのは、山崎貴子さんの代理人が弘中淳一郎弁護士らになっていたからである。実際にこの裁判を担当しているのは弘中絵里弁護士であるが、訴状に名を連ねている弘中淳一郎弁護士は、かつて武富士裁判で武富士の代理人を務めて、フリージャーナリストの間で批判の的になった。『無罪請負人』と題する本を出版するなど、「人権派」の弁護士としても知られている。

その弘中弁護士の事務所が、武富士裁判から10年が過ぎて、名誉毀損裁判の原告代理人としてどのような弁護活動をするのかを知りたいと思ったのである。

事件の概要は、血縁関係にはないが遠い親戚関係にあった山崎さんと小川紅子さんがウェブサイトでコメントやメールのやりとりをしているうちに、感情のもつれから、山崎さんが名誉毀損を理由に突然、小川さん夫婦を提訴したというものである。

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2015年03月13日 (金曜日)

ビジネスの国際化に歯止めがかからない、アンゴラでビジネスフォーラム2015を開催、丸紅など37企業が参加

ビジネスの国際化がとまらない。世界の隅々にまで、日本企業の進出がはじまっている。『アンゴラ・プレス』などの報道によると、同国の首都ルアンダで3月9日から11日までの日程で、「アンゴラ・ジャパン・ビジネスフォーラム2015」が開催された。

日本から丸紅など、37社が参加した。日本側はエネルギーと水に関する投資に関心を寄せているという。

主催は駐日のアンゴラ大使館であるが、経団連や東京商工会議所などが協賛・協力している。

ちなみに時期を同じくして日本では、12日、安倍晋三首相がキューバのカブリサス閣僚評議会副議長と会談し、米国・キューバ間の国交正常化が楽観視されるなか、日本とキューバの経済交流の強化について意見を交換している。

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