1. 動画が示す新聞の折込広告の廃棄「折り込めサギ」の現場、広告主には秘密、「押し紙」問題と表裏関係に

公共広告・折込チラシに関連する記事

2015年03月25日 (水曜日)

動画が示す新聞の折込広告の廃棄「折り込めサギ」の現場、広告主には秘密、「押し紙」問題と表裏関係に

「押し紙」の発生と表裏関係にあるのが、折込広告の水増し行為である。たとえば新聞販売店への新聞の搬入部数が3000部であれば、この中に「押し紙」が含まれていても、含まれていなくても、折込広告の搬入枚数は、(1種類につき)3000枚とする基本原則がある。この原則は、最近はなくなったが、つい最近まで健在だった。

そのために「押し紙」があれば、折込広告も過剰になる。これがいわゆる折込広告の水増し行為である。

冒頭の動画は、折込広告を梱包した段ボールを、広告主には秘密裡に、販売店から搬出して、「紙の墓場」(取集場所)へ運ぶ様子を撮影したビデオである。「紙の墓場」では、フォークリフトを使って、段ボールの荷卸しが行われた。

撮影対象は、岡山市内の山陽新聞販売店である。撮影年は2008年。

なお、ビデオに映っている段ボール箱は、山陽新聞社の販売会社が提供していたことが、店主が起こして勝訴した「押し紙」裁判の中で認定されている。次の記述である。

「同社は各販売センターに段ボール及び荷紐の提供をしており(認定事実〈2〉カ)、これらが販売センターに残存する新聞の処理等に用いられていた可能性は高い上、山陽新聞販売の営業部長等は各販売センターへの訪問に際し、同センターに残存している新聞を目にしていたはずであるから、押し紙の可能性を認識していたことは推認される。」

■「押し紙」裁判の判決・段段ボール使用を認定した箇所

なお、判決によると、段ボールの使用目的は「新聞の処理等」になっているが、店主らによると、おもに折込広告の処理に使われてたという。

日本新聞協会は今なお公式には「押し紙」の存在を認めていない。しかし、ビデオに記録された事実を否定することはできない。

新聞関係者は、軽減税率の適用を求める前に、まず、「押し紙」と折込広告の水増し行為を中止すべきだろう。