1. 新聞の折込チラシVSポスティング、PR効果が高いのはどちらか?

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新聞の折込チラシVSポスティング、PR効果が高いのはどちらか?

経営が悪化して廃業に追い込まれる新聞販売店が増えている。新聞の購読者が減っているのに加えて、折込広告の激減が背景にあるようだ。

新聞のビジネスモデルは、「押し紙」で発生する損害を、折込広告の水増しで相殺する構図になっているので、折込広告の需要が減ると、販売店はたちまちその影響を受ける。歯車が狂ってしまうのだ。

折込チラシが減っている要因は、新聞の購読者が減っているためにPR効果がなくなり、広告主が他のPR媒体を選択するようになったからである。

広告主の新しい選択肢のひとつに、チラシの全戸配布がある。ポスティング業者に依頼して、チラシを全戸配布するのだ。しかし、PR効果はあるのだろうか?

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わたしが住んでいる埼玉県朝霞市のマンションのポストにも、ポスティング業者の手で毎日のようにチラシが配布される。しかし、ポストのエリアに設置されているゴミ箱は、チラシの捨て場になっている。わたしも投函さたチラシは、そのままゴミ箱に捨てている。中身を確かめることはない。

つまりポスティングされたチラシは、ほとんど自宅内へ持ち込まれないのが実情なのだ。例外は、食品の出前メニューだけだ。それ以外は、ポストからゴミ箱へ直行している。

一方、新聞に折り込まれるチラシは、ほとんど例外なく新聞本体と一緒に家庭内へ持ち込まれる。それゆえに読者の目に触れることが多く、新聞の全盛期には、PR効果が高かった。

ところが現在は、新聞購読者の多くは高齢者である。従って新築マンションのチラシを新聞に折り込んでもほとんど効果がないらしい。スーパーマーケットのチラシも無駄になる。高齢者はあまり買い物に行かないからだ。PR効果が限定されてしまうのだ。

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これからの時代は、種類のいかんを問わず紙媒体は衰退する運命にある。書籍は別として、脱紙の流れになっている。それは今後、ますます加速しそうだ。