やしきさくら氏の代理人に、喜田村洋一・自由人権協会代表理事、曖昧な名誉毀損の賠償額、300万円もあれば10万円も
名誉毀損裁判で敗訴した場合の損害賠償額が、かつてに比べて高額化している。その一方で極めて低額な賠償命令も下っている。わたしの知るケースでは、前者が300万円で、後者が10万円である。
たとえば『スポーツ報知』(2015年10月28日)は、やしきたかじん氏の妻・やしきさくら氏が、たかじん氏の元弟子を提訴した裁判で、大阪地裁が300万円の支払いを命じたことを伝えている。
ぶれない「中立」こそジャーナリズムの使命、「放送法」を武器にした権力介入を排せ
◆吉竹幸則(フリージャーナリスト・元朝日新聞記者、秘密保護法違憲訴訟原告)
安倍首相別働隊とも言えそうな「放送法遵守を求める視聴者の会」から、露骨な意見広告で攻撃を受けていたTBS「NEWS23」は、岸井成格キャスターを交代させ、局専属のスペシャルコメンテーターにすることを発表した。昨年3月の古賀茂明氏降板発言問題で、放送法をちらつかせた自民の呼び出しに、のこのこ出て行ったテレビ朝日も「報道ステーション」古舘伊知郎キャスターの降板をすでに明らかにしている。
放送法4条「政治的中立」を武器に、自らが快く思っていない番組・出演者に攻撃を強めているのが安倍政権だ。TBSは、「岸井氏の活躍の場を広げるため、以前から話し合いを進めていた。岸井氏の発言や意見広告は全く関係ありません」としている。しかし、とても額面通りに受け取るわけにはいかない。
テレ朝も古舘氏降板の内幕について口を閉ざしている以上、真相は明らかでない。でも、自民呼び出し後、番組関係者6人の社内処分を発表。「コメンテーター室」の新設などで出演者の選別・発言に経営陣の関与を強めていただけに、古舘氏は「自らの決意」を強調しているものの、今回の降板劇の裏で何があったのかも、想像に難くない。
権力側からこうした攻撃を受ければ意地でも言う通りにならず、キャスターを留任させるのが、本来のジャーナリズムの姿だ。問題は、「ジャーナリズムにおける『中立』とは何か」の見識さえ持ち得ず、次々と国家権力に屈していくメディア経営者の弱腰にある。
小選挙区制の矛盾を客観的に分析、自民党は2012年衆院選で得票数を減らしながら議席だけは175議席増、『安倍政権と日本政治の新段階』(大月書店)
この夏の国政選挙で自民党が大勝するのではないかという予想が広がっている。たとえば、メディア黒書でも既報したように、三重大学の児玉克哉・副学長は、Yahooニュースで自民党が単独過半数を占め、これに公明党とおおさか維新を合わせると、改憲が可能になる3分の2を確保するだろうと予測している。
■(参考記事)世論誘導の危険、三重大学・児玉克哉副学長による裏付けがない参院選議席獲得の予想
他にも類似した予測を掲載しているメディアは少なくない。つまり大半のメディアが自民党の大勝を想定しているわけだが、これらに共通しているのは裏付けの欠落である。何を根拠に自民党の勝利を予測しているのかがよく分からない。
読売裁判の中で、見解を180度変更した竹内啓・東京大学名誉教授の陳述書に見る日本の統計学者の実態
次の書面は、2009年に読売新聞社が新潮社とわたしに対して提起した「押し紙」をめぐる名誉毀損裁判の中で、東京大学名誉教授であり日本統計協会会長の竹内啓氏が、提出した陳述書である。読売に利する陳述書である。
この裁判の発端は、週刊新潮に掲載した記事のなかで、わたしが読売の「押し紙」率を30%から40%と推定したことである。推定の根拠のひとつは、(株)滋賀クロスメディアが滋賀県の大津市などで実施した新聞の購読紙の実態調査だった。
【試算】毎日新聞、1日に144万部の「押し紙」を回収、「朝刊 発証数の推移」(2002年のデータ)に基づく試算
1月中に「押し紙」回収の現場を撮影した動画を紹介したところ、どの程度の頻度で、どの程度の数量が回収されているのかという問いあわせがあった。質問者によると、確かに動画を見る限りでは、1回の回収で凄まじい量の「押し紙」が回収されているが、回収の頻度が、たとえば2週間に一度であれば、1日の量に換算すると少なくなるのではないかという疑問である。
当然の疑問である。この疑問に答えるためには、1日に回収される「押し紙」(残紙)の数量を示す証拠が必要になる。
「番記者」が安倍首相に誕生日プレゼント、安倍内閣との癒着を露呈、Twitterが報じる
左の写真はTwitterやFacebookで紹介されたものである。投稿者によると、安倍晋三首相の誕生日に、番記者たちがプレゼントを贈った場面なのだという。
不思議なことに、若い女性ばかりである。ここに映っているのは、たった5人の記者なので、全社の「安倍番」が、首相にプレゼントを贈ったわけではないようだが、日本の新聞・テレビの実態を考えるうえで、無視できない場面である。
2016年01月18日 (月曜日)
NHKの1日の番組制作費は15億円、先進資本主義国の中でも異質な巨大メディアの実態、それがもたらす世論誘導と政府広報化の悲劇
ジャーナリストの林克明氏らが主催する「草の実アカデミー」で16日、立教大学の砂川浩慶準教授が講演した。タイトルは、「NHKとは何か、そして抱える問題は?」。NHKについての概論で、配布された資料の中に、興味深いものがあった。その資料の題名は、「NHK予算審議の経緯」である。
これはNHK予算を審議する際に、どの政党が予算案に反対し、どの政党が賛成したかを年度ごとに記録したものである。対象は、1951年から2015年までの期間である。
この資料を見ると、NHK予算は、ほとんどの年度で「全会一致」により通過していることが分かる。たとえば最近の状況を見ると、2014年度と2015年度は、野党側が反対しているものの、2007年から2013年までは、いずれも全会一致で予算案が承認されている。
2016年01月15日 (金曜日)
新聞人の要求は消費税率5%への軽減、「押し紙」にも消費税が、新聞に対する軽減税率問題を考える③
新聞に対する軽減税率の適用を求めて、新聞関係者が政治家に対して税率5%を要求してきたことをご存じだろうか。8%の据え置きではなく、5%へ引き戻しである。それが彼らが意味する「軽減」である。
このような方針・戦略を取っていることは、業界内では周知となっているが、新聞関係者のロビー活動そのものが故意に報じられなかったわけだから、一般の人々はその中身を知りようがなかった。
中米グアテマラで進む戦争犯罪の検証、ジェノサイド作戦を指揮した元軍人18人を逮捕
軍事政権の時代に住民に対するジェノサイド(皆殺し作戦)を指示するなど著しく人権を侵害した当時の軍事政権の元大統領に対して、禁固80年の刑罰を課すなど、急激な社会変革を遂げている中米グアテマラ。そこで、また新しい動きがあった。
キューバのプレンサ・ラティナ(Prensa Latina)紙などの報道によると、グアテマラ警察は、恩赦により刑罰を逃れていた18人の元軍人を逮捕した。
2016年01月13日 (水曜日)
衝撃!折込広告の廃棄を示す決定的な内部資料と動画、新聞に対する軽減税率問題を考える②
【サマリー】「押し紙」に連動したもうひとつの大問題がある。新聞に折り込まれるはずの折込広告の一部が折り込まれずに廃棄されている問題である。いわゆる折込広告の水増し問題。その決定的な証拠を動画と内部資料で示した。
朝日と読売の差が273万部に、朝日は41万部減、11月のABC部数
2015年11月度のABC部数によると、朝日新聞と読売新聞の発行部数の差が約273万部に開いた。中央各紙の発行部数と、対前年同月差(括弧内)は次の通りである。
朝日:6,634,445 (-408,199)
毎日:3,204,566 (-77,067)
読売:9,368,504 (+23,349)
日経:2,729,020 (-126)
産経:1,568,416 (-36,346)
衝撃画像! ビデオカメラで撮影された「押し紙」の回収作業、新聞に対する軽減税率問題を考える①
新聞に対する軽減税率の適用を勝ち取った新聞業界だが、新税率の適用が始まる2017年4月までにやらなければならないことがある。それは「押し紙」の排除である。次の動画は、「押し紙」回収の現場をビデオカメラで撮影したものである。撮影者は不明。インターネット上で公開されている。
2016年01月08日 (金曜日)
新聞ジャーナリズムを骨抜きにする国策-軽減税率問題、新聞社経営の「弱点」に付け込みメディアコントロール
新聞に対する消費税軽減税率の適用問題は、意外に盲点になっているが、政府による世論誘導の分かりやすい例である。表向きは消費者保護の観点から、軽減税率の適用を検討しているかのように見えるが、新聞人に軽減税率という特権を付与するこで恩を売り、新聞を世論誘導の道具として利用しようという意図が露骨だ。