1. 司法制度

司法制度に関連する記事

2018年07月19日 (木曜日)

恫喝裁判の対策、係争を容赦なくジャーナリズムの土俵に乗せること

「訴えてやる」という言葉を頻繁に聞くようになったのは、ここ数年である。日常会話の中にも、ツイッターの舞台でも、「訴えてやる」とか、「法的措置を取る」といった恫喝めいた言葉が飛び交っている。

そもそもこうした現象が生まれた背景に何があるのだろうか。筆者は小泉純一郎氏が、首相時代にみずから本部長に就任して着手した司法制度改革が原因だと考えている。

2001年6月に発表された司法制度改革審議会意見書には、名誉毀損賠償額の高額化の必要性を述べた記述がある。郵便事業と同様に、裁判をも市場原理にのせようという意図があったのではないか。

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2018年07月09日 (月曜日)

死刑制度のない国、激増傾向に、1970年は13カ国、2017年には106カ国

7月6日の午前、松本智津夫死刑囚ら7人のオウム関係者に対する死刑が執行された。これを機に、死刑の是非をめぐる議論が盛り上がっているようだ。1日の7件もの死刑を執行し、しかも、その日、西日本の大水害とも重なったにもかかわらず、安倍首相ら自民党の関係者が宴会を開いたことも、批判に拍車をかけた要因のようだ。

死刑についての是非は、国際的には、否定的な傾向が強まっている。アムネスティ・インターナショナルのデータによると、1970年の段階では、死刑制度を持たない国は、たったの13カ国だったが、2017年には106カ国に急増している。

アジアでは、韓国は既に死刑制度を廃止している。これに対して、中国は死刑制度を維持している。中米ニカラグアでは、1979年の革命までは死刑制度があったが、革命後、廃止され、内戦時の戦争犯罪を裁く裁判では、最高刑が懲役30年という前提で行われた。グアテマラも廃止しており、2013年には、元独裁者リオス・モントに対して禁固80年の判決が下っている。

世界的には、民主化と連動して、死刑制度も廃止の方向へ向かっているのだ。

死刑を廃止した国数は次のように変遷してきた。

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2018年05月21日 (月曜日)

集団による弁護士懲戒請求事件、「反訴」した弁護士側の請求方法に問題、被告を増やすことで賠償金の高額化を狙ったスラップまがい

大量の懲戒請求書が特定の弁護士に送付された事件が話題になっている。次のような内容である。

  とあるブログを発端として、各弁護士会に対し、大量の懲戒請求が届いた問題で提訴の動きが進んでいる。神原元弁護士は5月9日、請求者らに損害賠償を求めて東京地裁に提訴。佐々木亮弁護士と北周士弁護士も5月16日に記者会見し、6月下旬から訴訟を起こすことを明かした。

しかし、この問題で負担が生じているのは、請求を受けた弁護士だけでない。彼らが所属する弁護士会にも郵送費用などが発生している。■出典

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2018年05月11日 (金曜日)

元「しばき隊」隊員で自由法曹団常任幹事の神原元弁護士が弁護士懲戒請求者らを提訴、エスカレートする差別をめぐる問題、訴訟社会の到来が言論の萎縮を招く危険性

ウエブサイト「弁護士ドットコム」が、9日、「『存在しない事実で懲戒請求された』神原弁護士が請求者を提訴」と題する記事を掲載している。

 不当な懲戒請求によって名誉を傷つけられたうえ、その反証のために労力を費やさざるをえず、精神的苦痛を受けたとして、神奈川県弁護士会に所属する神原元弁護士が5月9日、懲戒請求をおこなった相手に対して、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

弁護士の懲戒請求をめぐっては、あるブログが発端になって、神原弁護士以外にも、大量におこなわれていることが問題になっている。このブログは、朝鮮学校への補助金交付などを求める各弁護士会の声明に反発したもので、懲戒請求のテンプレートを配布していた。(略)

懲戒理由として、「違法である朝鮮学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重、三重の確信的犯罪行為である」などと書かれていたという。(略)

最高裁の判例では、事実上または法律上の根拠を欠く場合において、請求者がそのことを知りながら、または普通の注意を払えば知りえたのに、あえて懲戒請求していれば不法行為にあたる、とされている。日弁連によると、2017年だけで組織的な懲戒請求は約13万件あり、その多くが問題のブログに起因するものとみられる。■出典

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2018年04月26日 (木曜日)

花田紀凱編集長名で飛鳥新社が朝日新聞販売店に朝日批判の書籍を大量に戸別送付、裁判上の戦略か?

『月刊HANADA』(飛鳥新社)の花田紀凱編集長の名前で、小川榮太郎氏の著書、『徹底検証「森友加計事件」 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(同社)が、東京都や神奈川県下の朝日新聞販売店(ASA)に戸別送付されていることが分かった。複数の新聞販売店からの情報提供で分かった。

朝日新聞は、この本で名誉を毀損されたとして小川氏に対して、5000万円の損害賠償などを請求して裁判を起こしている。著書に同封された花田編集長の手紙によると、「提訴中の書籍広告は掲載しないという新聞各社の内規により広告を打てなくなり、多大な損害を被って」いるという。

書籍の送付は、裁判戦略の一環と思われる。

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2018年03月29日 (木曜日)

多発するスラップ訴訟、対策は名誉毀損裁判を多発する弁護士のブラックリストの共有

最近、司法の世界ですっかり定着した言葉のひとつに「スラップ」がある。
日本では、「いやがらせ裁判」とか、「訴権の濫用」というニュアンスで使われているが、この言葉の発祥国である米国では、「公的な活動参加に対する戦略的な訴訟」(Strategic Lawsuit Against Public Participation)という意味である。従って、日米では、スラップの意味が若干異なっている。

たとえば左巻健男氏の次のツィートである。

ニセ科学はすぐにスラップ訴訟を言い出す傾向がある。いや、賢いニセ科学は批判されてもスルーする。批判を相手にするよりは、ずっと多数の信じる人らに買って貰えばいいからだ。焦っている、凋落している、可笑しげな顧問や関係者がいるニセ科学がスラップ訴訟を言ったりやる傾向を感じる。

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2018年03月26日 (月曜日)

東京都の迷惑防止条例改正、言論規制の道具に、考察が必要な「差別者」批判の方法

東京都の警察消防委員会で、22日に、「東京都迷惑防止条例」の改正案があっさりと成立した。この改正案は、警視庁から提出されたもので、共産党を除く会派が賛成した。

改正された条例によると、電子メールやSNSなどによる「つきまとい行為」や、「住居等の付近をみだりにうろつく」行為、さらに「名誉を害する事項を告げること」なども条例に抵触することになる。また、写真撮影の容認範囲も著しく限定された。そのためか、東京都版の共謀罪ではないかとの声も上がっている。

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