1. 司法制度

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2018年03月29日 (木曜日)

多発するスラップ訴訟、対策は名誉毀損裁判を多発する弁護士のブラックリストの共有

最近、司法の世界ですっかり定着した言葉のひとつに「スラップ」がある。
日本では、「いやがらせ裁判」とか、「訴権の濫用」というニュアンスで使われているが、この言葉の発祥国である米国では、「公的な活動参加に対する戦略的な訴訟」(Strategic Lawsuit Against Public Participation)という意味である。従って、日米では、スラップの意味が若干異なっている。

たとえば左巻健男氏の次のツィートである。

ニセ科学はすぐにスラップ訴訟を言い出す傾向がある。いや、賢いニセ科学は批判されてもスルーする。批判を相手にするよりは、ずっと多数の信じる人らに買って貰えばいいからだ。焦っている、凋落している、可笑しげな顧問や関係者がいるニセ科学がスラップ訴訟を言ったりやる傾向を感じる。

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2018年03月26日 (月曜日)

東京都の迷惑防止条例改正、言論規制の道具に、考察が必要な「差別者」批判の方法

東京都の警察消防委員会で、22日に、「東京都迷惑防止条例」の改正案があっさりと成立した。この改正案は、警視庁から提出されたもので、共産党を除く会派が賛成した。

改正された条例によると、電子メールやSNSなどによる「つきまとい行為」や、「住居等の付近をみだりにうろつく」行為、さらに「名誉を害する事項を告げること」なども条例に抵触することになる。また、写真撮影の容認範囲も著しく限定された。そのためか、東京都版の共謀罪ではないかとの声も上がっている。

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2018年03月22日 (木曜日)

多発する著名人による名誉毀損裁判、辛淑玉氏のケースを考える、言論統制を招く危険性

名誉毀損裁判(刑事)の起訴数が安倍内閣になってから急に増えているというデータがある。

データの出典

グラフを見れば分かるように、安倍内閣が成立した2012年あたりから、急激に上昇しているのである。しかも、刑事事件としての名誉毀損裁判である。

通常、名誉毀損で提訴する場合、刑事ではなく、民事で訴える。刑事事件として訴えるケースは少ない。その名誉毀損の刑事裁判が増えているということは、それ以上に民事事件が増えている可能性が高い。

実際、筆者が情報収集した範囲だけでも、「またか」とあきれるほど名誉毀損裁判が多発している。しかも、言論人や社会的な影響力がある人が原告となるケースが増えているのだ。

最近(3月16日)も、社会運動家であり文筆家の辛淑玉氏が、フリージャーナリストの石井孝明氏に550万円の損害賠償を求める名誉毀損裁判を起こした。そして、おそらくは知人である神原元弁護士(自由法曹団常任幹事)が、ツイッター上で次のように呟いている。

辛淑玉さんの隣にいる俺は、連中がやったことのあまりの酷さに怒り、被害者である辛さんの話に涙をこらえた。いい加減にしろ日本!

東京MXテレビ:沖縄番組「ニュース女子」 BPO、人権侵害認定 再発防止勧告 - 毎日新聞

出典

「いい加減にしろ日本!」の意味は不明瞭だが、辛淑玉氏の名誉を毀損した責任が日本にあるというのであれば論理が飛躍している。右派の人々に揚げ足を取られるだろう。

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2018年03月16日 (金曜日)

幻冬舎の見城徹社長が名誉毀損とした月刊誌『ZAITEN』の記述、高橋三千綱氏のコメントに関する論考、言葉狩りは自殺行為

1月に幻冬舎の見城徹氏が経済誌『Zaiten』を発行する財界展望社を訴えた。請求額は500万円。ただし提訴時は1000万円。

訴因は、同誌の1月号の特集「安倍をたらし込む『新型政商』の正体、幻冬舎 見城徹 この顔に気をつけろ!」という総タイトルの下で、掲載された4本の記事である。見城氏のこれまでの軌跡、安倍晋三首相との関係、テレビ朝日の早河洋社長とのかかわり、見城氏の自宅に関することなどを記述したもので、20ページになる。

具体的に見城氏は、何をもって名誉毀損を主張しているのだろうか。名誉毀損としている多数の表現や記述の中から、ひとつの例を紹介しよう。筆者には、まったく名誉を毀損しているとは読めないのだが。

ちなみに名誉毀損裁判では、「一般読者の通常の注意と読み方」をした時、これらの記述が名誉を毀損しているか、あるいはプライバシーを侵害していないかが争われる。「一般読者の通常の注意と読み方」という抽象的な判断基準が設けられているわけだから、当然、読者が受ける印象も異なる。

 

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2018年02月12日 (月曜日)

「強者」が「弱者」を裁判にかける時代の到来、スラップと訴権の濫用を考える、エリートによる歪なイジメ

昨年末から今年にかけて名誉毀損裁判が続発している。橋下徹、松井一郎、、見城徹(幻冬舎)、朝日新聞・・・・。次から次に裁判が起きている。こうした現象を危惧する人々の間では、これらの裁判を広義にスラップ訴訟と呼んでいる。

しかし、厳密にいえば、スラップ訴訟とは、「公共性のある言論活動に対抗するための戦略的な訴訟」のことで、名誉毀損裁判の全てがスラップというわけではない。日本でスラップと呼ばれている裁判の中には、むしろ訴権の濫用の色合が強いものもある。

訴権の濫用やスラップの何が問題なのだろうか。

発言力を持っている「公人」が裁判提訴により、自分よりも立場の弱い個人なり団体を法廷に立たせる異常。

何の発言力も持たない個人や小企業が、報道などで名誉を毀損された場合、裁判を起こして名誉の回復を図ることは当然の権利である。裁判以外にほとんど名誉を回復する機会がないからだ。

ところが日本では、発言力や影響力のある「公人」が弱者を名誉毀損裁判の法廷に立たせるケースが増えている。こうした行為は異常の極みといえよう。

なぜ異常なのか。たとえばボクシングのモハメード・アリがアマチュアのボクサーをリングに上げて対戦し、それを審判が判定する光景を想像してほしい。こんなことは起こりえないが、 もし、起こればアリの評価は地に落ちてしまうだろう。違法行為ではないが、アリ本人はもとより、この試合に荷担した人々の品性や人間性も問われ、大問題になるだろう。著名人や大企業による名誉毀損裁判についても同じである。

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2018年01月26日 (金曜日)

朝日新聞社が小川榮太郎氏に対して起こした5000万円の高額訴訟、背景に「訴訟ビジネス」の横行

朝日新聞社が、小川榮太郎氏が著した『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』が名誉毀損にあたるとして、著者の小川氏と版元の飛鳥新社に対して5000万円を請求する名誉毀損裁判を、昨年の12月に起こした。これに関して朝日は次のようなコメントを発表している。

小川栄太郎氏の著書には、森友・加計学園に関する朝日新聞の一連の報道について事実に反する記載が数多くありました。本社には一切の取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけています。具体的に問題点を指摘し訂正を求めましたが、小川氏は大半について「私の『表現』か『意見言明』への苦情に過ぎません」などとして応じませんでした。出版元も著者の小川氏任せで、訂正は今後も期待できません。(全文はここをクリック)

この訴訟についてもスラップ訴訟ではないかという声があがっている。筆者は、朝日が訴因とした小川氏の著書を読んでいないので、内容そのものに関しては言及できないが、しかし、社会通念からすれば、報道機関が他のメディアに対して5000万円もの高額を請求するのは尋常ではない。

「5000万円の損害賠償」という裁判用語をかみ砕いて言えば、「5000万円のお金を払えと迫る」ということになる。あるトラブル対して、「迷惑料」や「慰謝料」の名目で5000万円の金銭を要求することなと、指定暴力団でもやらないだろう。それが訴訟というかたちを取ると、いとも簡単にやってしまう。正常な感覚が麻痺しているとしか言いようがない。

他人の著作に不満があれば、自社の紙面でそれを徹底して批判すればいいだけの話ではないか。

名誉毀損を理由とした高額訴訟は、小泉内閣が着手した司法制度改革の前の時代にはあり得なかった。が、武富士事件あたりから、請求額が尋常ではなくなった。1億円、2億円といった請求も半ば当たり前になった。筆者自身も、読売から1年半の間に、3件の裁判を起こされ、総額で約8000万円を請求された。しかも、読売の代理人を務めて訴訟の先頭に立ったのは、人権擁護団体・自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士だった。これにはびっくり仰天した。

繰り返しになるが、指定暴力団でもこんなことはしない。気にくわない人物の自宅に押しかけて、「5000万円払え」などとは言わない。ところが訴訟というかたちになると、自然なかたちで受け入れられてしまうのだ。

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2018年01月25日 (木曜日)

橋下徹氏による提訴はスラップ訴訟か? 訴権とスラップ防止法が並立しない日本の法体系

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が、ジャーナリストでIWJ代表の岩上安身氏を提訴した事件が波紋を広げている。経緯は、既報したように岩上氏が橋下氏に関する第3者のツィートをリツィート(コメントはなし)したところ、名誉を毀損されたとして橋本氏が、100万円の「お金」を請求して提訴したというものだ。

この事件は、スラップ訴訟ではないかとする見方が広がっている。これに対して、橋下氏は、ツイッター(5:14 - 2018年1月23日 )で次のように述べている。

近代国家においては訴える権利が原則であり、裁判例においても訴権の濫用となるのは例外的です。SLAPP訴訟だ!という主張を安易に認める方が危険です。もちろん訴権の濫用というものもありますが、これは裁判の結果、認定されるものです。

橋下氏がいうとおり、日本では訴権が最優先されているので、訴権の濫用が認定されたケースは、過去に3件しかない。幸福の科学事件、武富士事件、それに長野の太陽光パネル設置事件である。訴権が認められていなければ、民主主義が成り立たないから、それはある意味では当然のことである。

と、すれば日本における訴権の何が問題なのだろうか。結論を先に言えば、訴権と同列に反スラップ法が存在しないことである。これに対して米国では、28州でスラップ禁止法が整備されている。

 

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