1. 「報告事件」についての調査、最高裁事務総局に対する2件の情報公開請求、回答を3カ月延期

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2021年04月26日 (月曜日)

「報告事件」についての調査、最高裁事務総局に対する2件の情報公開請求、回答を3カ月延期

筆者は4月22日、最高裁事務総局から2件の通知を受け取った。「通知期限の延長について」と題する文書で、筆者が3月22日付けで行った情報公開請求に応じるか、それとも拒否するかの回答期限を3カ月程度先送りするという内容である。

筆者は今年に入ってから、俗にいう「報告事件」を調査している。「報告事件」とは、下級裁判所が審理している事件のうち、審理の進捗を最高裁事務総局に報告するように指定した事件のことである。

たとえばSさんとAさんが係争中で、最高裁は国策上、Sさんを勝たせたいと考えているとする。ところがAさんの方が有利に裁判を進めている。そこで最高裁事務総局は、人事命令を発令して裁判官を交代させる。いわゆる「ヒラメ裁判官」を送り込んで、Sさんを勝訴させる。

水面下でこのような政策が行われているらしいことは、生田 暉雄弁護士など複数の裁判官経験者が証言している。いわば司法の恥部である。

筆者は、最高裁事務総局が情報開示に応じることは、あまり期待していない。しかし、記録「隠蔽」のプロセスを具体的に記録することも、取材の目的である。

3月22日付けで、申し立てた情報公開請求の内容は次の2件である。

1,最高裁が下級裁判所に対して、審理の報告を求めた裁判の番号、原告、被告を示す文書。期間は、2018年4月から2021年2月

2,裁判官の人事に関する文書の全タイトル。期間は、2018年4月から2021年2月。

■裏付け資料