日本の音楽業界の暴君
次の記事は、EL TIRANO JAPONÉS DE LA INDUSTRIA MUSICAL(日本の音楽業界の暴君)の日本語訳である。初出は、AL Press. ■原文はここから。
今年3月にイギリスの公共放送BBCが放映したドキュメンタリー番組は、日本の主流メディアの怠慢(たいまん)を指摘する機会となった。ドキュメンタリーのタイトルは、『プレデター:J-POPの秘められたスキャンダル』。
このドキュメンタリーは、数多くの男性歌手グループを育て、2019年に87歳で他界したジョニー喜多川による少年への性的暴行を告発したものである。被害者は数百人にのぼる。
ジョニーは1962年にマネージャーとして芸能界に入った。東京事務所(旧ジョニー&アソシエイツ)を設立し、男性アイドルを育成した。ジョニーが育てた代表的な音楽グループには、スマップ、嵐、TOKIOなど、アジアの大スターらが名を連ねている。
ジョニーは「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」としてギネス世界記録にも認定されている。が、性的犯罪が明るみに出たため、この記録は抹消された。
少年たちは歌手やアイドルとしての成功を夢見てジョニー&アソシエイツに入った。当然、ジョニーとの絆を深めようとした。そのため、ジョニーの性的暴力に抵抗できなかったのである。この弱みに付け込んで、ジョニーは少年たちへの性的虐待を繰り返したのである。
2023年9月7日、当時ジョニー&アソシエイツの代表取締役社長だった藤島ジュリー景子が都内で記者会見を開き、ジョニーによる性的暴行の事実を正式に認め謝罪した。ジョニー&アソシエイツが損害賠償請求を免れることは不可能だろう。それというのもジョニーの行為は刑法上の性犯罪に該当するからだ。