1. 遁走・負傷、救助されて、「安心して号泣してしまいました」、チュニジアのテロに巻き込まれた結城法子・陸上自衛隊3等陸佐(少佐)の手記、自衛隊の海外派兵に「暗雲」

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2015年03月24日 (火曜日)

遁走・負傷、救助されて、「安心して号泣してしまいました」、チュニジアのテロに巻き込まれた結城法子・陸上自衛隊3等陸佐(少佐)の手記、自衛隊の海外派兵に「暗雲」

23日付けの産経新聞(電子)が、「結城さんが手記 朝日記者の怒声に『ショック…』 国際報道部長が謝罪『重く受け止めおわびします』」と題する記事を掲載した。

これはチュニジアでテロに巻き込まれた自衛隊員・結城教子氏が、公表した手記の中で、病院に同氏を取材に訪れた朝日新聞記者を日本大使館員が制したところ、「取材をさせてください。あなたに断る権利はない」と怒鳴ったというもの。

チュニジアの博物館襲撃テロで負傷し、首都チュニスのシャルル・ニコル病院に入院中で陸上自衛隊3等陸佐の結城法子さん(35)=東京都豊島区=は20日、共同通信など一部メディアに手記を寄せ、「現実のこととは思えませんでした」と事件当時の恐怖を振り返った。

 また、結城さんは手記で、朝日新聞記者と日本大使館員の取材をめぐるやりとりについて「『取材をさせてください。あなたに断る権利はない』と日本語で怒鳴っている声が聞こえ、ショックでした」と記した。

 これを受け、朝日新聞の石合力・国際報道部長は朝日新聞デジタルのホームページ(HP)に「取材の経緯、説明します」と題した見解を掲載し、「記者には大声を出したつもりはありませんでしたが、手記で記されていることを重く受け止め、結城さんにおわびします」と謝罪した。

◇産経新聞の編集者が考えるニュース価値は?

この記事を読んだとき、わたしは産経新聞の編集者が考えるニュース価値とは何かを考えた。不当に取材を制限されて抗議したことに、どのようなニュース価値があるのか、わたしにはさっぱり分からない。

大半の記者が取る態度ではないだろうか。取材を妨害されて、引き下がるのはどうかと思う。それが産経の方針らしいが。

むしろ結城氏が巻き込まれたテロ事件でニュース価値があるとすれば、ベテランの自衛隊員であっても、戦闘になれば、冷静に対処できず、遁走した事実である。負傷者の側に入った事実である。これは今後、自衛隊の海外での軍事活動を考える上で参考になるのでは。

結城氏は、手記で次のように述べている。

銃を持った警察が助けに来てくれた時には安心して号泣してしまいました。母を助けるようにお願いしましたが、歩ける人が先と言われ、私は母と別れ救急車へ連れていかれました。

実際の戦闘と演習では、まったく状況が異なる。それは型の練習ばかりを繰り返している空手家が、実践になれば、まったく通用しない原理と同じである。「安心して号泣」するようでは、戦闘には参加しないほうがいい。

自衛隊のベテランでも、戦闘になれば恐怖を感じる証。日本人は戦闘にはむかない。