1. 遺伝子毒性が指摘されている携帯電話の電磁波(2)、基地局周辺の住民を「モルモット」にしていいのか?

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2015年04月28日 (火曜日)

遺伝子毒性が指摘されている携帯電話の電磁波(2)、基地局周辺の住民を「モルモット」にしていいのか?

電磁波について語ると、白装束集団を連想する人々が少なくないが、これはマスコミによって仕掛けられた世論誘導の影響である。電磁波の危険性を指摘する人々と白装束集団を混同させることで、電磁波をめぐる科学にダメージを与えることを意図したものである。

電磁波には、ガンマ線、X線、マイクロ波など様々な種類があるが、これらは何を基準に分類されているのだろうか。結論を先に言えば、それは電波の波打ちの頻度である。1秒間に打つ波の頻度、つまり周波数の違いにより、電磁波は分類され、ヘルツという単位で表記される。

波打ちの頻度が多ければ多いほど、周波数が高いことになる。少なければ少ないほど周波数が低いことになる。

たとえば電力会社が供給する電気の周波数は、東日本で50ヘルツ(一秒に50回)、西日本では60ヘルツ(一秒に60回)である。一方、携帯電話(第3世代)の周波数は、2000MHz(メガヘルツ)である。これは一秒間に20億回の波打ちが発生することを意味している。この領域の電磁波は、マイクロ波という呼び方で分類されている。

さらにガンマ線の周波数は、およそ「10の19乗」である。

従来から、ガンマ線やX線など極めて周波数の高い電磁波は、電離放射線と呼ばれている。荻野晃也博士によれば、「エネルギーが高く、分子や原子を構成する電子を『バラバラに離してしまう(「電離」といいます)』」(荻野晃也著、『携帯電話基地局の真実』)電離作用を伴うからだ。それが遺伝子を傷つけたりする。

これに対して、赤外線、マイクロ波、低周波電磁波など、ガンマ線やX線に比べるとはるかにエネルギーが低い電磁波は、電離作用を伴わないので非電離放射線と呼ばれる。

現在、電離放射線に遺伝子に対する毒性があることを否定する研究者はいない。それはすでに定説となっている。

これに対してマイクロ波など非電離放射線の毒性については論争がある。既に述べたように、すべての種類の電磁波が人体に悪影響を及ぼすという考えが有力になってきたが、現在の時点では論争に決着が着いているわけではない。

たとえば日本の総務省は、非電離放射線を安全と位置付けているが、意外なことに電話会社は、必ずしもそうとは限らない。たとえばNTTドコモは、投資家に対しては、ホームページの「(12)無線通信による健康への悪影響に対する懸念が広まることがあり得ること」の項で次のような見解を公表している。

「研究や調査が進むなか、当社グループは積極的に無線通信の安全性を確認しようと努めておりますが、更なる調査や研究が、電波と健康問題に関連性がないことを示す保証はありません」

■出典:NTTドコモのウエブサイト

マイクロ波により基地局周辺の住民がどのような影響を受けるのかは、現段階では、最終結論は出ていない。しかし、総務省の規制値(ザルツブルグ市の目標値0.0001 μW/ cm2 に対して、日本の総務省は1000 μW/ cm2 )さえ守っていれば、自由に「人体実験」が出来る状況になっている。

電話会社は法律を守っている限り、どこにでも携帯基地局を設置すること認められている。司法もそれを容認してきた。モルモットになるのは住民である。
しかし、海外には、マイクロ波の危険性を示す研究や疫学調査がすでに多数存在する。予防原則の立場からすれば、基地局の設置には、厳しい規制を課す必要がある。【続】