1. 「荻野晃也VSソフトバンク」電磁波をめぐる公開討論を申し入れ、長野県坂城町の住民グループがソフトバンクの基地局問題で

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2013年08月16日 (金曜日)

「荻野晃也VSソフトバンク」電磁波をめぐる公開討論を申し入れ、長野県坂城町の住民グループがソフトバンクの基地局問題で

ディベート(debate)とは、あるテーマについて対立する見解を公衆の前で戦わせるイベントのことである。よく知られている例としては、米国の大統領選挙で、民主党候補と共和党候補が、ディベートを開催する。有権者はそれを参考にして、投票する候補を選ぶ。

現在、環境問題に関心を持っている人々にとって、最も注目に値するテーマのひとつに携帯電磁波を長期間にわたって被爆した場合に生じる人体影響をめぐる議論がある。

日本政府は、携帯電磁波を浴び続けても人体影響は生じないという立場から、電波防護指針を1000μW/c?という高い数値に設定している。

これに対して、ヨーロッパ諸国は、携帯電磁波の長期間的影響が否定できないとする立場から、電波防護指針を極めて低い数値に設定している。たとえば次の通りである。

UEの提言値:0.1μW/c?

ザルツブルグ市の目標値:0.0001μW/c?

日本の電話会社が日本の規準(1000μW/c?)に基づいて基地局の操業を続けていることは周知の事実である。もっとも、実際には1000μW/c?といった値が測定されることはありえないが。

こうした状況の下で、携帯電磁波は安全か、否かという興味深いディベートが、日本を代表する電磁波問題の研究者・荻野晃也氏とソフトバンクの間で、実現する可能性が浮上してきた

◇「黒い雨」と「電磁波の雨」  

発端は、長野県北部に位置する坂城(さかき)町で勃発した基地局問題である。同町は人口1万5000人。千曲川の流れに沿う空気が澄んだ町である。  駅舎を出て、急勾配の道路を登っていくと、緑の樹木の間にかいま見えるふもとの集落が徐々に遠のいていく。

標高1000メートルの地点で、有機農業者・大内英憲さんをはじめ、数名の人々が住居をかまえ、農業を営んでいる。ここは開発の波をくぐりぬけてきた自然が豊富な入植地である。

ところがこの集落にソフトバンクが高さ30mの鉄塔式の携帯基地局を設置する計画が浮上した。大内さんをはじめとする周辺住民や隣地地権者、町内の支援者の反対で、計画は一旦、白紙化の可能性が濃厚になったと思われたが、7月になってソフトバンク側は、基地局の設置計画推進を宣言した。

山の上から下の町に向けて、携帯電磁波を放射しようというもくろみである。原爆の「黒い雨」ならぬ、「電磁波の雨」を下の町に降らせる可能性が浮上したのである。

基地局が稼働した場合、大内さんはじめ基地局の間近に住む住民が最も大きな影響をうけることになる。しかし、基地局設置場所の土地を所有する家族が、ソフトバンクの計画に理解を示したのだ。

電磁波の危険性について、長野県有機農業研究会を通じて知識を得ていた大内さんは、携帯基地局公害を発信し続けてきた、会員の竹内恵子さんに相談した。さらにわたしに対しても支援要請があった。

わたしと竹内さんの共通の知人である荻野氏に、坂城町の状況を説明したところ、「荻野晃也VSソフトバンク」のディベートを開催して、坂城町の人々に基地局の設置を認めるかどうかを判断してもらおうという案が浮上したのである。

そこで、先月7月28日、公開討論申入書をソフトバンクの孫社長らに送付した。ソフトバンクの回答期限は8月10日であるが、現在(8月16日)の時点で回答は届いていない。

仮に公開討論が実現すれば、インターネットで全国中継する意義がある。

ちなみにソフトバンクの孫社長は、原発には反対する姿勢を明確にしている。その一方では、全国各地に基地局を設置し、住民との間に多数のトラブルを引き起こしている。ソフトバンクが多国籍企業化する中で発生している事業拡張の影である。

(参考記事:馬奈木昭雄弁護士・講演要旨『人体実験を許すな。?携帯電磁波の危険性?』)

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