1. 新聞に対する軽減税率適用に反対が96%、「押し紙」問題も放置のまま

新聞に対する消費税の軽減税率に関連する記事

2014年08月04日 (月曜日)

新聞に対する軽減税率適用に反対が96%、「押し紙」問題も放置のまま

電灯が普及しはじめた日露戦争の時代にランプ商人が、電気の普及をおそれ、村に電線を引く計画を妨害する。しかし、みじめな自分の姿に気づき、倉庫に残っていたランプを破壊してしまう。こうして新しい時代に踏み出していった人間を描いた新美南吉の『おじいさんのランプ』を、現在の新聞関係者たちはどう受け止めるだろうか。

ランプが姿を消し、アーク灯が登場した明治。紙新聞が駆逐され、電子新聞が報道の表舞台に登場してきた平成。これら2つの時代から、新しいものを受け入れることができない世代のみじめな姿が浮き彫りになる。

共同通信の報道によると、国会では新聞に対する軽減税率問題をめぐって新しい動きがあった。恥を忍んで、新聞関係者が政治家にみずからの特権を訴えたのである。

日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長)は29日、自民、公明両党の与党税制協議会が開いた消費税の軽減税率制度をめぐるヒアリングで、税率10%への引き上げ時に、新聞・出版物に5%の軽減税率を適用するよう要望した。

白石会長は意見聴取後、記者団に「新聞は日本人の知識水準の維持や向上、文化の発展、民主主義社会を守る重要な必需品である」と強調。「読者への負担をできるだけ小さくするという観点からお願いしている」と述べた。

◇筋金入りの政界フィクサーが・・・
新聞に対する軽減税率の適用問題については、MEDIA KOKUSYOでも、適用に反対の立場から、繰り返し論拠を示してきた。代表的な理由は次の通りである。

新聞業界は、国民に対して公称部数を偽っている。たとえば読売は、2014年6月の時点で9,279,755部しかないのに、10,007,440部と表示している。

参考: http://info.yomiuri.co.jp/company/data.html

新聞業界は、「押し紙」という重大問題を放置してきた事実がある。「押し紙」をやめれば、軽減税率を適用しなくても、新聞販売店の経営はいまよりも改善する。

「押し紙」に連動して、折込広告の水増し行為が慣行化している。これは刑法上の詐欺に該当する。軽減税率の適用以前の問題がある。次の動画は、水増しされた折込広告を搬出する場面を撮影したものである。

 参考:「押し紙」&折込チラシ詐欺の専門サイト

新聞業界は、販売店の業界団体を介して、政界に多額の政治献金を支出している。

:政治資金収支報告書
にわかに信じがたいことだが、新聞経営者の中に筋金入りの政界フィクサーが紛れ込んでいる。内部から批判の声があがらない事実は、業界の体質を象徴している。本来、あってはならないことだ。

言論機関でありながら、次々と裁判を提起することで言論活動や新聞販売店主の営業の自由を妨害している新聞社がある。

新聞は文化商品としては未熟。日本は言論の自由度が高い国であるにもかかわらず、新聞社の幹部が自己規制する結果、つまらない紙面になっている。

新聞は、ウエブサイトと比較して情報量が少ない。

日本の新聞社の大半は、権力構造の歯車(広報部)として機能している。

新聞社1社が発行する部数そのものが多すぎる。世論誘導装置に化する危険性がある。

一方、新聞業界の主張は、上記の引用記事でも明らかなように、「新聞は日本人の知識水準の維持や向上、文化の発展、民主主義社会を守る重要な必需品である」と、言うものである。参考までに、新聞協会のウエブサイトに掲載されている新聞関係者の言い分『聞いてください』も紹介しておこう。

■参考:「聞いてください」
◇政府の機関紙と化した新聞
さて、肝心の国民はこの問題をどう考えているのだろうか。次に示すのは、インターネット上の世論調査の結果である。

■http://zzhh.jp/questions/697

新聞に対する軽減税率に賛成が4%で、反対が96%である。もっともこの数字には、インターネットを利用していない人の投票が含まれていないうえに、投票総数が207票と少ないので、実態を正確に把握しているとはいえないが、少なくとも世論の傾向は把握している。また、投票結果と一緒に公表されているコメントは、国民感情を集約している。

こいつらが消費増税を報道圧力で既成事実化した罪は絶対に許さない。

政府の機関紙と化して国民を騙し、まともな報道機関の体をなしていない新聞に存在意義はない。

政府から課税を優遇されるって、ジャーナリズムとしてどうなの?

いまでも再販制度により価格が守られている。そのうえさらに軽減税率適用させるという二重の特別扱いする道理がない。

「身を切れ」「隗より始めよ」と政治に向ってご高説は垂れるが、自ら(新聞社員様)の身(給与水準)切ってまで社会の公器たる役割を果たす気はサラサラない、と堂々宣言されているようだ。