だれが読売の白石元会長をスイス大使に任命したのか?すでに日本の民主主義は崩壊か?読売裁判の公平性にも疑問が
共同通信が興味深い記事を配信している。「白石スイス大使が辞職 元読売新聞グループ本社会長」と題する記事である。(11月25日付け)。読売新聞の社長や会長を務め、日本新聞協会の会長も兼任したことがある白石興二郎氏が「駐スイス兼リヒテンシュタイン大使」辞職することが決定したとする内容である。
そもそもわたしは白石氏が2019年に、「読売新聞グループ本社会長からスイス大使に起用」されたことを知らなかった。安倍晋三内閣の時代である。共同通信の記事を読んで、わたしは改めて読売という企業が公権力機関と特別な関係を持っていることを認識した。
白石氏は外交の専門家でもなんでもない。ジャーナリストの視点から、外交戦略を展開してもらおうという政府の意図があったとも思えない。白石氏にはわたしが知る限り、ジャーナリストとしての国際報道の際立った実績は何もないからだ。
たとえば朝日新聞の本多勝一記者は、『戦場の村』や『南京大虐殺』といった優れた調査報道がある。共同通信の斎藤茂男記者には、『わが亡きあとに洪水はきたれ!』といったやはり優れた調査報道がある。毎日新聞の大森実記者にも幾多の傑作がある。本多勝一氏を中国大使に任命するのであれば、まだ理解できる。中国報道の実績があるからだ。
しかし、なぜ白石氏がスイス大使なのかはさっぱり分からない。読売新聞社だけを特別扱いにしている印象がある。
何が目的で日本政府は、白石氏を大使に任命したのか、今後わたしは、外務省に対する情報公開請求などで調査したい。一体、この人物に対して国は、総額でいくらの給金を支払ったのかも詳しく調べる必要がある。
こうした不自然な工作が当たり前に行われているとすれば、わたしが現在取材している読売「押し紙」裁判が公平に行われているのか再検証する必要が出てくる。日本の民主主義の根幹にかかわる問題である。民主主義が崩壊しているとすれば、裁判もペテンということになる。国民が騙されているということになる。
今後、白井氏はスイス大使として、具体的にどのような実績を上げたのかを公表すべきだろう。
■写真出典:ウィキペディア