2016年12月28日 (水曜日)

「押し紙」問題の様相に変化、 折込広告の「中抜き詐欺」が急増か?

最近、新聞販売関係者から折込広告の搬入枚数が激減しているという話をよく聞くようになった。とはいえ、広告主(スポンサー)が減っているという意味ではない。かつては「押し紙」部数に相当する折込広告が販売店に搬入されていたが、今はそれが搬入されないケースが増えているというのだ。

メディア黒書では、日本の新聞販売制度(新聞社のビジネスモデル)のからくりについて、「押し紙」の負担を折込広告の水増しと新聞社からの補助金で相殺する仕組みになっていると説明してきた。しかし、現在は徐々にこの説明が成り立たなくなっている。

「押し紙」の損害を相殺する道具である水増しされた折込広告と補助金が減ったり、無くなったりして、相殺システムが機能しなくなっているのだ。その結果、全ての負担が販売店の肩にのしかかってくる。

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2016年12月27日 (火曜日)

電通のブラック企業大賞受賞をNHKが異例の報道、民放との際立つ差

執筆者:本間龍(作家)

12月23日、今年のブラック企業大賞に電通が選定された。ブラック企業大賞とは、過労死問題に取り組む弁護士やNPO、ジャーナリストなどが中心となって、その年に労務問題等で話題になった企業を選ぶもので、今年で5回目となる。初回は東電、昨年はセブンイレブンジャパンが大賞に選ばれていた。

毎年ネットなどではそれなりに話題になっていたのだが、大手メディアはあまり報じていなかった。ところが今年はなんとNHKが速報を流し、さらに夜7時のニュースでも大々的に取り上げるという異例の展開となった。ブラック企業大賞実行委員会の弁護士らの間でも驚きの声が上がっている。

NHKが昼12時、夜7時のニュースで取り上げる意味は非常に大きい。注目度が非常に大きいだけでなく、そこで扱われたネタは、その後の時間帯のニュースや、様々な番組で繰り返し取り上げられるからだ。

しかもそれらのほとんど全てが全国放送だから、その拡散力は民放の比ではない。さらにNHKは25日、自殺した高橋まつりさんの母親の手記も夜7時のニュース等で大々的に報じた。この原稿を書いている26日夕方のニュース番組でもコーナーを作って報じている。イメージ悪化に歯止めをかけたい電通にとっては大打撃であり、NHKがここまで一企業に関するニュースを継続して報道するのは極めて異例だ。

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2016年12月26日 (月曜日)

博報堂が内閣府に対して起こした請求書の4年分を入手、いずれも契約額を大幅に超過、見積書は存在せず

不透明な取引としてメディア黒書で報じてきた内閣府と博報堂のプロジェクト「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広告実施業務等」。

このプロジェクトに関する情報開示資料は、平成27年度分しか筆者の手もとになかったが、このほど、他年度の4年分を入手した。それを検証したところ、複数年度に渡って同じ疑惑があることがわかった

今回入手したのは、平成23年度分(2011年度分)から平成26年度分(2014年度分)である。平成27年度分(2015年度分)については、すでに8月に入手している。

■平成27年度分(契約書・請求書)

平成27年度分で不可解な点が発見されたので、過去にさかのぼって同じプロジェクトの関係資料の開示を求めたのである。次に紹介するのは、平成24年度、平成25年度、それに平成26年度の資料である。以下のPDFは、それぞれ契約書・請求書の順になっている。見積書はもともと存在しない。

■平成24年度(契約書・請求書)--準備中

■平成25年度(契約書・請求書)

■平成26年度(契約書・請求書)--準備中

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2016年12月23日 (金曜日)

内閣府が釈明、博報堂との業務契約書の解釈について、6700万円は「戦略の構想」費

12月12日付けのウエブサイト「ビジネスジャーナル」に掲載されたわたしが執筆した記事に対して、内閣府からわたしに釈明があった。内閣府が問題にした記事のタイトルは「内閣府、博報堂へのCM発注額を「黒塗り」…発注額と契約金額に30倍の乖離、見積書なし」。

この中で内閣府が釈明したのは、次の記述の赤字箇所である。

   ちなみに契約書によると、業務内容は「政府広報コミュニケーション戦略の構築」や新聞広告、テレビCM、バーナー広告の制作・掲載などである。これらのPR活動の費用として約6701万円という額を契約していながら、実際の請求は20億円を超えているのだ

 確かに請求額が契約額を上回ることはある。しかし、ここで指摘しているケースのように、契約額の約30倍にも達しているケースは稀である。かりに契約価格を請求額が上回るのであれば、受注元(今回は博報堂)が契約外の業務を行うに先立って見積書を発行して、内閣府の承諾を得るのが一般的である。

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2016年12月22日 (木曜日)

プロの眼が見た博報堂事件、テレビ視聴率の改ざんをめぐりアスカコーポレーションが提起した42億円訴訟①

執筆者:本間龍(作家)

前回まで数回、(株)アスカが博報堂に対して起こしている約15億円の訴訟内容を検討してきた。訴状項目は15点にもなり、広告のプロがその内容を見れば、思わず首を傾げてしまうというか、残念ながらこれはかなり水増ししていることがすぐに分かってしまう程度のものがほとんどであった。

そこで今回はもう一件の訴訟である、TVCM(注:テレビコマーシャル)の過剰請求について述べてみたい。

こちらは総額で約42億円、前述の制作費関係とは金額が桁違いに大きいものだ。もしこれが裁判で認められるようなことがあれば、博報堂の信用に大変なダメージを与えるだろう。訴状内容は以下の2点に大別される。

A)視聴率偽装による不正請求
B)放送しなかった番組、CMの不正請求

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2016年12月21日 (水曜日)

KDDIが東京都目黒区で基地局の設置を断念、地権者から計画中止の要請

KDDIは、東京都目黒区中央町2丁目にあるスミレレジデンス(6階建て)の屋上に基地局を設置する計画を断念した。この問題はメディア黒書で既報したように、スミレレジデンスの近くに住む女性がKDDIに計画の中止を求めていたものである。女性は化学物質過敏症と電磁波過敏症を併発している。

■化学物質過敏症から電磁波過敏症へ、東京目黒区で浮上している基地局問題で注目されるKDDIの「患者」対応

女性から20日、筆者に対して、「スミレレジデンスの地権者が設置を断り計画は中止になった。搬入されていた機材は、26日に搬出される」と連絡があった。

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2016年12月20日 (火曜日)

読売・喜田村洋一・自由人権協会代表理事らによる口封じ裁判から9年目に、今後も検証は続く

12月21日は、読売新聞社(西部本社)の江崎徹志法務局長がメディア黒書(旧新聞販売黒書)に対して、ある文書の削除を求める仮処分を申し立てた日である。代理人弁護士は、喜田村洋一・自由人権協会代表理事だった。2016年の12月21日は対読売裁判が始まって9年目にあたる。

江崎氏の申し立ては、わたしがメディア黒書に掲載した江崎名義の1通の催告書の削除を求めるものだった。しかし、江崎氏は法務室長という立場にあり、実質的には、江崎氏個人ではなく、読売新聞社との係争の始まりである。

事実、その後、読売から3件の裁判、わたしから1件の裁判と弁護士懲戒請求を申し立てる事態となった。

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