2019年08月20日 (火曜日)

佐賀新聞の「押し紙」裁判、原告・寺崎氏が販売局員のハラスメントを克明に綴った陳述書を提出

佐賀新聞の元販売店主・寺崎昭博氏が起こした「押し紙」裁判で、去る7月1日に同社の販売局の実態を克明に綴った寺崎氏の陳述書が提出された。陳述書は、原稿用紙に換算すると60枚をこえる分量で、寺崎氏が販売店主になった経緯から、「押し紙」により廃業に追い込まれるまでの経緯を書いている。ABC部数をかさあげする手口にも言及している。

この裁判は2016年6月に寺崎氏が起こしたものである。請求額は8186万円。最初、寺崎氏が江上武幸弁護士に相談し、「押し紙」弁護団が結成され、提訴に至った。

地方紙を舞台とした「押し紙」裁判ということもあって、あまり話題になっていないが、裁判の中で新聞社販売局の前近代的な体質が浮き彫りになっている。

次に引用する陳述書のくだりは、寺崎氏が販売局員から、「押し紙」を買い取らなければ、商契約を終了すると脅される場面である。

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2019年08月13日 (火曜日)

滋賀医科大病院で起きたモルモット未遂事件のルポ、英語翻訳が完成、世界医師会と国境なき医師団に送付、塩田学長の責任を問う

マイニュースジャパンに掲載した記事、「滋賀医科大学医学部付属院で発覚した患者モルモット未遂事件――患者を守るために体を張ったスーパードクターに対する組織的報復 」(執筆:黒薮)をフリーランス英語教師の藤井敦子さんが翻訳した。

翻訳全文

この記事は、滋賀医科大学医学部附属病院(塩田浩平学長)で起きた患者モルモット未遂事件の概要を描いたものである。大阪毎日放送や週刊朝日をはじめ、多くのメディアがこの事件を報道してきた。その中でも、マイニュースジャパンは特に詳しく報じている。すでに4本の中編ルポが掲載されており、今回、藤井さんが翻訳したのは、最初の記事である。

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2019年08月09日 (金曜日)

警視庁が読売に感謝状、警察とYCの3570店が共同で街の隅々まで見守り・監視活動

警視庁が読売防犯協力会へ感謝状を贈ったことが、業界紙の報道で分かった。読売防犯協力会は、全国3570店のYC(読売新聞販売店)が参加している防犯組織で、全都道府県の警察と覚書を交わして、高齢者の見守りや地域の防犯活動を展開している。

YCが準交番(ハイテクKOBAN)のような役割を担っているようだ。

覚書を交わした警察一覧

たとえば集金時などに訪問先の家の奥座敷で、なにやらあやしげな人々が集まっていれば、警察に連絡する。訪問先で、体調をくずした一人暮らしの人を発見すると、救助する。こうした活動で、警察だけではカバーしきれない、街の隅々にまで、監視の眼を張り巡らすことができる。日本新聞協会も、警察と連携したこうした活動を評価している。

が、これはジャーナリズム企業と警察の危険な関係といえるだろう。【続きはウェブマガジン】

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2019年08月07日 (水曜日)

新聞業界が参院選で自公の26人を推薦していた、世耕弘成、山口那津男ら

新聞業界が参院選で自公の26人を推薦していた、世耕弘成、山口那津男ら

新聞業界の政界工作は、日本新聞販売協会を通じて行われてきたが、先の参院選でも、同協会が自民党候補者13人、公明党候補者13人を推薦していたことが分かった。意外に知られていないが新聞業界による政界工作は、1987年ごろから行われてきた。

当時は、事業税の軽減措置の継続が目的だった。元NHKの水野清氏や元日経新聞の中川秀直氏らが、政界側の窓口になっていた。

その後、再販制度の維持、そして今は、新聞に消費税の軽減税率を適用されることを主要な目的に、政界工作を行っている。

政治献金も送ってきた。参考までに次の記事を紹介しよう。

【参考記事】山本一太議員 新聞業界から3千万円献金、見返りに露骨な業界保護活動

推薦を受けたのは、次の面々。

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2019年08月06日 (火曜日)

抵抗する香港とフランス、抵抗しない日本

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」はあっけなく幕切れとなった。河村名古屋市長がクレームを付け、津田大介監督が謝罪し、知事が中止を宣言して終了した。後世の歴史家は、2019年の夏をふりかえって、この事件を言論の自由の分岐点になった事件として位置付けるかも知れない。

公権力の外圧を跳ね返していれば、それが逆に言論の自由を拡大する方向性を生んでいただろう。しかし、ほとんど抵抗もせずすんなりと中止を受け入れたのだから、今後、言論はますます規制される。公権力が介入するまでもなく、だれかが匿名で脅迫電話を1本すれば、それで口封じが成立する構図が生まれたのだ。

菅官房長官がいうように、「テロリストと交渉してはいない」。

一番悪いのは河村市長と大村知事だが、津田監督にも重大な責任がある。沈没しかけた船から、船長が最初に逃げ出したことになる。【続きはウェブマガジン】

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2019年08月04日 (日曜日)

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」、津田監督は中止に対し抵抗したのか?

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が愛知県知事の手で中止に追い込まれた。独裁政権の国が、こうした処置を講じることは、チリのピノチェト政権下の時代に見るようにめずらしくはないが、先進資本主義国といわれる国で、このような措置が講じられるのは極めてまれだ。

特定秘密保護法が成立した2013年あたりから、将来的に日本も言論表現の自由が著しく制限されるのではないかとする見方が増えていたが、いよいよそれが現実味を帯びてきた。

国際芸術祭の「表現の不自由展・その後」で、最初にクレームを付けたのは、河村たかし名古屋市長だった。当然、河村氏がどこまで芸術を理解したうえで、こうした行為に及んだかということが問題になる。

もちろん芸術の概念は固定したものではないが、河村市長は根本的なことがよく分かっていないのではないかというのが、わたしの見方だ。「芸術とは何か」という問題について、故岡本太郎が著書『自分の中に毒を持て』の中で、示唆に富むエピソードを紹介している。大事な指摘なので、引用しておこう。

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2019年07月26日 (金曜日)

参院選で際立った山本太郎(れいわ)と立花孝志(N国)の有権者をなめきった無責任ぶり

22日に投票が行われた参院選は、盛り上がりに欠けた。れいわ新選組の山本太郎氏は議席を失った。党としては、2人当選したが、最も熱心にみずからの政策を訴えていたひとが、議席を確保できなかったわけだから、戦略的におかしい。無責任という以外に言葉がない。もともと本気で日本の未来を考えていたのではないかも知れない。わたしは、この党はまもなく消滅すると予測している。

れいわ新選組の議員になった2人は重度の身体障害者で看護を必要とする。このうちのひとりは難病のALSだ。闘病中だ。コミュニケーションも容易ではない。どこまで議員活動ができるのか実験的な試みなのかも知れないが、ある意味では無責任だ。国会が劇場ではこまるのだ。

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2019年07月23日 (火曜日)

成田医師の医療過誤を隠蔽した滋賀医大病院泌尿器科、独自治療開始も手術予定は10月までで1件だけ――小線源治療1100件実施の岡本医師追放に固執

滋賀医科大学医学部付属病院の泌尿器科の暴走が止まらない。岡本圭生医師による前立腺癌患者に対する小線源治療を妨害しないよう仮処分命令を受けたあとも、大学病院は手術枠を減らしたり、手術の順番を待つ待機患者に「(来年以降は)附属病院泌尿器科の他の医師による治療及び経過観察を行うか、他の医療機関に紹介してもらうかを選択します」と誓約させている。

岡本メソッドの評判を落とすため、治療成績を他の大学病院と比較した文書をウェブサイトで公表したが、数字の巧みなトリックであることも判明した。こうした「岡本バッシング」と平行して泌尿器科は、4月から岡本医師とは別枠で独自の小線源治療を開始。しかし関係者の話では、7月、8月、9月の手術枠が1件も埋まらず、10月に1件だけと、患者が集まらない。泌尿器科に対する不信感が広がっているようだ。最新情報をレポートする。


【Digest】
◇仮処分後の岡本外来
◇仮処分の内容を履行ぜず
◇待機患者に突きつけられた書面
◇低リスクの患者がかかえる不安
◇事件をなかったことに
◇国立がん研究センターのプレスリリースを偽造
◇比較方法の誤り
◇民間企業の視点から事件を見ると
◇待機患者の苦しみは続く


岡本医師に割り当てられてきた小線源治療の手術枠は、週3枠。毎週火曜日に3人の患者が「執刀」を受けてきた。6月以降に手術枠に組み入れられる患者は、仮処分によって治療を受けられることになった人々。司法命令で命が繋がった患者たちである。7月2日が、手術の期間が延長されてのち、最初の手術日だった。【続きはマイニュースジャパン】

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2019年07月19日 (金曜日)

「読売から抗議文がきた」、メディア黒書への通報が相次ぐ、新聞人は司法よりも言論の土俵で論争を

ここ3カ月ほどの間に、読売新聞社、あるいは読売関係者から、読売新聞についての報道に対する抗議があったという情報提供が2件あった。このうちの一件は、新聞販売店の元従業員からの情報提供で、自身のブログで読売を批判したところ、標的にされた販売関係者がブログのサーバーに圧力をかけてきたというものである。

このブログは、読売関係者を明らかに誹謗中傷しており、抗議を受けてもいたしかたないと判断できた。削除して、謝罪するようにアドバイスした。

もう一件は、山武ジャーナルというサイトの主催者から得た情報である。同サイトで「残紙処理現場 配達されず、闇から闇に葬られる新聞残紙。折込みで届けられるはずの広報誌の行方は?」と題する記事を掲載したところ、読売の広報部長から、抗議書が送付されたというのだ。

山武ジャーナル

山武ジャーナルの報道内容と読売からの抗議内容については、これから検証していくが、読売の主張は、簡単に言えば読売は注文部数を超えた新聞を販売店に搬入したことはないというものだ。これまでも同社が延々と繰り返してきた主張である。読売が主張する「押し紙」の定義を前提として、山武ジャーナルがいう「押し紙」は、定義に当てはまらないから、「押し紙」ではないという主張だ。

抗議書の最後には、「 なお、本抗議書の著作権(著作者人格権を含みます)は、当社に帰属しますので、WEBサイト等に掲載することはお断りします」と、記されている。(続きはウェブマガジン)

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2019年07月17日 (水曜日)

サンディニスタ革命40周年、迷走するニカラグアはどこへ向かうのか?

2019年の7月19日、ニカラグアはサンディニスタ革命40周年をむかえる。ラテンアメリカ史上、もっとも残忍非道な独裁者のひとりアナスタシオ・ソモサを、ニカラグアの人々がFSLN(サンディニスタ民族解放戦線)と協力して倒した日である。革命の2日前、早朝の闇のなか、ヘリコプターで空港に降り立った独裁者ソモサは、待機している自家用ジェト機へ向かって歩を進め、機に乗り込むと、米国・マイアミへの方角へ飛び立ち、明けがたの空へ消えた。それから2日後、FSLNの部隊が首都マナグアを占拠し、軍事政権の扉を永久に閉じたのである。

それから40年、当時、FSLNのリーダーだったダニエル・オルテガは大統領の座にある。そして、オルテガの妻でやはり革命運動のリーダーだったロサリオ・ムリジョが2年前から副大統領を務めている。夫妻が大統領と副大統領の地位を占めているのだ。一家が国家の要職を独占することを法律が禁止しているわけではないが、これではソモサ一家が国を支配した独裁時代を連想させる。

現地を取材したわけではないので、確証はないが、政府による学生運動の弾圧のニュースが耳に入る。オルテガ大統領らが革命運動を展開していた時代に、自分たちが受けた迫害を今度は、若い世代に向けているのだ。死者も出ているらしい。

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