1. 読売新聞「押し紙」裁判、判決日を3月28日に急遽変更、不自然な裁判の進行

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2024年03月01日 (金曜日)

読売新聞「押し紙」裁判、判決日を3月28日に急遽変更、不自然な裁判の進行

大阪高裁は、3月7日に予定していた読売新聞(大阪)を被告とする「押し紙」裁判の判決日を、急遽延期した。新しく指定した判決日は、3月28日(木)の13:20分である。法廷は702号。

このところ「押し紙」裁判で物議をかもす現象が立て続けに起きている。判決の直前になって判決日が延期されたり、担当裁判官が交代する例が相次いている。いずれのケースでも、最終的に裁判所は、新聞社を勝訴させ販売店を敗訴させている。

「押し紙」裁判が公正に実施されていないのではないかという指摘は以前からあった。わたしもかねてから、この点に疑惑を持っている。

「押し紙」は、今や多くの人が知っている新聞社の汚点であり、しかもそれが半世紀以上も続いてきた。新聞販売店が内容証明で「押し紙」の買い取りを断っていても、損害賠償は認められない。なんとも不思議な現象が続いてきた。

公平な裁判と「押し紙」問題を考える上で、参考までに2つの重要文書を紹介しておこう。

【1】 下記のURLで確認できる文書は、公正取引委員会と新聞協会が、新聞の商取引について話し合ったときの議事録(1999年)である。情報公開請求で入手したものであるが、肝心な部分が黒塗りになっている。

わたしは、「押し紙」ついての公正取引委員会と新聞協会の話し合いの内容を記録した箇所の情報公開を請求したのだが、それに該当する箇所は全部黒塗りになっていた。従って、両者が何を話し合ったかは分からない。

http://www.kokusyo.jp/wp-content/uploads/2022/09/1ef02ee05325114bdb6d10e32b6a8402.pdf

わたしは「押し紙」問題の取り扱いに関して、公正取引委員会と新聞協会の間に密約があるのではないかと疑っている。

「押し紙」は、新聞社に想像以上に莫大な利益をもたらす。新聞1部の卸値を月額1500円とすれば、10部の「押し紙」で1万5000円の不正収入が生まれる。それが新聞社に入る。100部で15万円、1000部で150万円、1万部で1500万円である。

日本の権力構造の一部である公正取引委員会やそれを管轄する内閣府が、この莫大な金額に着目すれば、新聞社を世論誘導に利用することができる。「押し紙」を取り締まらない代わりに、新聞紙面の内容を暗黙のうちにコントロールできる。裁判所が「押し紙」を断罪しない事情がここにあるとわたしは見ている。

【2】 下記のURLで確認できる文書は、最高裁事務総局が開示した下級裁判所から最高裁に充てた裁判の報告書である。個々の裁判は独立しているように考えられているが、最高裁事務総局が指定した事件については下級裁判所が審理内容を最高裁に逐一報告する制度が存在することをこの文書は裏付けている。この種の裁判は、「報告事件」と呼ばれている。1部の元裁判官らが問題視している。

http://www.kokusyo.jp/justice/16651/

中央紙が被告となっている「押し紙」裁判が報告事件に指定されているという確証はないが、URLリンク先の文書が示すように少なくとも「報告事件」そのものは存在する。従って不自然な裁判の進行が繰り返されれば、一応は報告事件を疑ってみる必要がある。わたしは、最高裁事務総局の指示によって、「押し紙」裁判の判決の方向性が決められていると見ている。