2014年05月01日 (木曜日)
折込広告、「動画」多量破棄されるユニクロの広告、広告の水増し問題を取り締まれない本当の理由
折込広告の「折り込み詐欺」と「中抜き詐欺」の被害額は、「振り込め詐欺」の類ではない。4月30日付けMEDIA KOKUSYOで報じたように、(株)バースデーという小規模事業者が受けた被害だけでも、10ヶ月で約250万円にもなったのだ。
折込広告を主要な宣伝媒体するスーパーなどが、被っている被害は計り知れない。参考までに、日本アドバタイザーズ協会に登録している広告主のリストをリンクしておこう。注意を呼びかける対象である。
残念ながら、広義の広告詐欺は撲滅がむずかしい。理由はいくつかある。
1、新聞社が直営したり、管理している新聞販売店が増えていること。かつて新聞販売店といえば個人経営が大半をしめていた。ところが合理化策のもとで、急激に新聞社の販売会社に組み込まれるケースが増えている。
と、なれば次のような戦略が可能になる。
?新聞社が自社経営の販売店に対して「押し紙」をして、ABC部数をかさ上げする。
?ABC部数に準じた折込広告を、クライアントに発注させる。
?折込広告が水増し状態になり、詐欺が成立。
販売店が新聞社の直営や管理になっているわけだから、内部告発される可能性は極めてひくい。???はきわめて現実的な未来予想である。
2、警察が折込詐欺を取り締まらない。
警察は「振り込め詐欺」は取り締まりの対象にしているが、それよりも被害額が多く、日常的に発生している広告詐欺を取り締まる可能性は低い。新聞社と親密な関係にあるからだ。
たとえば日本で最大の印刷部数を誇る読売の関連組織・読売防犯協力会は、読売新聞販売店(YC)と防犯の覚書を交わしている。警察も渡邉恒雄会長の影響力を無視できない。それは新聞人たちが、同氏を重宝がるゆえんでもある。
◇読売防犯協力会
読売防犯協力会の具体的な目標としては、次の4項目が明記されている。
(1)配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する。
?(2)警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する。
(3)「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める。
(4)警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる。
全国の警察との覚書のリスト 読売防犯協力会が覚書を交わしている全国の警察は次の通りである。日付は覚書を交わした年月日である。
高知県警 2005年11月2日
福井県警 2005年11月9日
香川県警 2005年12月9日
岡山県警 2005年12月14日
警視庁 2005年12月26日
鳥取県警 2005年12月28日
愛媛県警 2006年1月16日
徳島県警 2006年1月31日
群馬県警 2006年2月14日
島根県警 2006年2月21日
宮城県警 2006年2月27日
静岡県警 2006年3月3日
広島県警 2006年3月13日
兵庫県警 2006年3月15日
栃木県警 2006年3月23日
和歌山県警 2006年5月1日
滋賀県警 2006年6月7日
福岡県警 2006年6月7日
山口県警 2006年6月12日
長崎県警 2006年6月13日
茨城県警 2006年6月14日
宮崎県警 2006年6月19日
熊本県警 2006年6月29日
京都府警 2006年6月30日
鹿児島県警 2006年7月6日
千葉県警 2006年7月12日
山梨県警 2006年7月12日
大分県警 2006年7月18日
長野県警 2006年7月31日
福島県警 2006年8月1日
佐賀県警 2006年8月1日
大阪府警 2006年8月4日
青森県警 2006年8月11日
秋田県警 2006年8月31日
神奈川県警 2006年9月1日
埼玉県警 2006年9月14日
山形県警 2006年9月27日
富山県警 2006年9月29日
岩手県警 2006年10月2日
石川県警 2006年10月10日
三重県警 2006年10月10日
愛知県警 2006年10月16日
岐阜県警 2006年10月17日
奈良県警 2006年10月17日
北海道警 2006年10月19日
新潟県警2003年3月26日
沖縄県警 2008年6月12
■冒頭動画:大量破棄されるユニクロの折込広告