1. 「動画」大量に破棄される山田養蜂場の折込広告、新聞人が全面否定している「押し紙」の存在が温床に

折込チラシの水増し問題に関連する記事

2014年04月28日 (月曜日)

「動画」大量に破棄される山田養蜂場の折込広告、新聞人が全面否定している「押し紙」の存在が温床に

この動画は、山陽新聞のある販売店が、山田養蜂場の折込チラシを廃棄する場面である。

なぜ、このようなことが起こるのか?

新聞販売店に搬入される折込チラシの枚数は、搬入される新聞部数に一致させる基本原則がある。ところが搬入される新聞部数には、「押し紙」(偽装部数)が多量に含まれているケースがままある。

新聞経営者(新聞人)は、「『押し紙』は1部も存在しない。あれは販売店が折込詐欺が目的で、自主的に注文した部数だ」と胸を張って公言してきたが、販売店で多量の新聞が過剰になり、定期的に「押し紙」回収車が出動していることは紛れもない事実である。

産経新聞・四条畷販売所(大阪府)には、「押し紙」小屋もあった。新人店主が次から次へと押し寄せてくる「押し紙」の洪水に驚愕し、作業場も仮眠室も新聞だらけになってしまうに及んで電話の受話器を取り、産経本社に店舗とは別に小屋を立てる旨を申し出たのである。紙、あるいはゴミとの戦い。安部公房『砂の女』の「新聞」編である。

「押し紙」が発生する結果、新聞に折り込んで配達されない折込チラシも多量に発生する。これらの折込チラシからも手数料を徴収しているので、新聞社の販売会社(販売店)は、慎重に後処理をしなければならない。かくてダンボールにチラシを梱包して、古紙回収業者のトラックに積み込み、シートで全体を覆って「紙」の「墓場」へ運搬するのだ。

ちなみに動画中の段ボール箱を、山陽新聞社の販売会社が提供していたことが、「押し紙」裁判の中で認定されている。

新聞に対する軽減税率適用の是非を考えるとき、NHKにこそ「押し紙」や「折り込め詐欺」の実態を伝えるべきだろう。