2014年05月02日 (金曜日)
折込広告、「動画」大量破棄される県民共済のパンフ、表示された適正広告枚数が新聞の発行部数を超える実態
「全国販売店統一コードシステム」と呼ばれるデータがある。折込広告の適正枚数を示したものである。当然、広告営業で使われているものと思われる。
主宰団体は、よく分からないが、広告代理店の集まりであることは間違いない。かつてはウエブサイトが存在し、それを旧「新聞販売黒書」で取り上げたところ、ウエブサイトの運営が中止され、次のような「廃墟」になってしまった。
しかし、「全国販売店統一コードシステム」そのものにはアクセスできる。まずは、実物をご覧いただきたい。
5月1日現在の数字(総計)は次のようになっている。
読売:10,491,400
朝日:7,761,490
毎日:3,875,430
これらの数字が、新聞社に適正な折込広告の数字とされている。ところが新聞の発行部数は次のようになっている。
朝日とは、新聞の部数と折込広告の適正枚数がほぼ一致しているが、たとえば読売は、折込広告の適正枚数が新聞の発行部数を約80万部も上回っている。厳密に言えば、新聞の発行部数を示す数値は、半期分の平均であるから、「全国販売店統一コードシステム」のデータとの間に、誤差がある可能性はあるが、それにしても80万部のオーバーは大きい。
関係者に事情を聞いたところ、折込広告の発注枚数は50枚単位になっているので、四捨五入により数字の「切り上げ」が重なった場合(例:3550枚→3600枚)、折込広告の適正枚数が新聞の発行部数を超えるのだという。
しかし、こうした説明に対しては、次のような反論も可能だ。新聞の発行部数には予備紙や、社によっては「押し紙」も多量に含まれており、新聞発行部数と折込広告の適正枚数をほぼ同じレベルにすること自体が、折込広告の水増しを生む温床になるのではないかと。
「振り込め詐欺」と「折り込め詐欺」。現在の2大詐欺である。
■冒頭の動画:大量破棄される県民共済のパンフレット