1. 信頼性に問題がある新聞・テレビの世論調査、裏付けの検証が難しく世論誘導の有力な道具に

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2017年10月16日 (月曜日)

信頼性に問題がある新聞・テレビの世論調査、裏付けの検証が難しく世論誘導の有力な道具に

マスコミが提供する世論調査の数字を抵抗なくうのみにする人が後を絶たない。新聞社やその系列放送局が実施する世論調査は信用できるのだろうか。

NHKが10月7日から9日にかけて実施した世論調査で、政党支持率は次のような数字になった。

自民党 31.2 
希望の党 4.8 
公明党 3.8 
共産党 2.7 
立憲民主党 4.4
日本維新の会 1.3 
社民党 0.5
自由党 0.0 

さらに22日に投票が予定されている衆院選では、多くの新聞・テレビが自民党が圧勝するという世論調査の結果をたれ流している。

しかし、筆者は、新聞・テレビの世論調査の数字には、強い疑念を抱いている。世論誘導している可能性が極めて高い。新聞の発行部数を延々と偽ってきた新聞社やその系列放送局が、真実の数字を出すはずがないというのが筆者の見方だ。数字の改ざんなど、彼らには朝飯前なのだ。

メディアが自民党の圧勝を予測すると、自民党政治の終わりを願っている層が、「投票は無駄」と判断して、投票所へ足を運ばなくなる。その結果、本当に自民党が圧勝する。特に小選挙区制の下では、このような傾向が顕著だ。その原理を新聞人は、よく理解している。

◇共産2.7%、社民0.5%は事実か?

世論調査は真に必要なものなのだろうか。競馬の「予想」とまったく同じで、ゲームの意味しか持っていない、というのが筆者の考えだ。それどころか世論調査の数字により、有権者の投票行動が変わってしまうわけだから、プロパガンダとして作用しているのが実態だ。本来、投票行動に関する選挙中の世論調査は、公職選挙法で禁止するのが筋だろう。

上記のNHKの世論調査では、共産党 の支持率が2.7%で、社民党が 0.5  %である。これらの数字に読者は不自然さを感じないだろうか。共産党や社民党は、地方議会では一定の勢力を持っている。小選挙区制が原因で国会議員は少ないが、地方自治体のレベルでは、有力な政党なのである。

共産党の設立は、1922年だから今年で95年になる。95年も地道な活動をして、本当に支持率が2.7%しかないのであれば絶望的だ。私はこの数字に重大な疑惑を抱いている。

社民党(旧社会党)の設立は、1945年である。社民党も地方レベルでは、市民ネットなどの名前で、一定の勢力を持っている。住民運動にも極めて熱心だ。しかし、世論調査になると、常に1%以下になっている。この数字も、筆者には信じがたい。

◇ニュースを偏向させて世論誘導

新聞やテレビが発表する世論調査の数字は、嘘を公表しても、検証のしようがない。これほど手軽な世論調査の手口はほかにないだろう。

なぜ、マスコミは政権党に有利な数字を捏造するのだろうか。答えは簡単で、新聞広告やテレビCMのスポンサーが、自民党の支援母体になっている財界であるからだ。広告費を投資してくれる勢力に対して、メディアが便宜を図るのは、ある意味では当然なのだ。

原発の広告をどんどん出せば、原発を批判する報道は相対的に少なくなる。
携帯電話の広告をどんどん出稿すれば、電磁波の危険性を指摘する報道も消えてしまう。そして電磁波は安全ということになる。広告そのものの効果よりも、ニュースを偏向させるほうが、世論誘導には有効なのだ。

広告主とメディアがどのような関係を構築しているのかを、ビジネスモデルという観点から解明しない限り、世論誘導の必然性を説明できない。それを解明するのがメディア学者の役割だと思うが、彼らは紙面や番組の批評の方に熱を入れている。が、新聞社もテレビも、そんなものには何の痛痒も感じていない。