1. トランプ大統領が押し付けた米国産のトウモロコシは危険な遺伝子組み替え作物、米国内では消費者運動の高まりで販売が困難に

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2019年08月27日 (火曜日)

トランプ大統領が押し付けた米国産のトウモロコシは危険な遺伝子組み替え作物、米国内では消費者運動の高まりで販売が困難に

8月26日にフランスで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の後、トランプ大統領は共同記者会見で、米国産の余剰トウモロコシを日本が購入することになったと発表した。

米国産の輸出用トウモロコシは、中国向けのものが大幅な減少を続けてきた。中国政府が国内産業を保護するために、自給自足の政策を強化してきた結果である。

マスコミは報じていないが、米国産のトウモロコシについて語るとき、欠くことのできない視点がある。それは米国産の輸出用トウモロコシには、ほぼ全部が遺伝子組み替え技術が適用されている事実だ。

日本で使用されるトウモロコシの大半は、米国からの輸入品である。国内でも若干生産されているが、統計上の自給率は、ほぼゼロ%に等しい。

米国から輸入されたトウモロコシの約65%は家畜の飼料に使われ、残りは食用油などの原料になる。

ちなみに日本国内に流通している遺伝子組み替え作物は、トウモロコシ、大豆、綿、ナタネの4品目である。国内での遺伝子組み替え作物の栽培は禁止されているので、日本で流通しているトウモロコシの大半は、米国産の遺伝子組み替えトウモロコシということになる。

その量がトランプ・安倍会談で大幅に増えることになったのだ。

◆なぜ、遺伝子組み換え食品が危険なのか?

遺伝子組み換え食品の危険性は、すでに動物実験でも立証されている。簡単にいえば、次のような理屈になる。たとえば遺伝子を組み換えることで、農薬を散布しても枯れない農作物を作る。そして大量に農薬を使って、作物の大量生産を行う。その結果、作物に付着した大量の農薬残存物が体内に取り込まれ、奇形や癌などを出現させる。

仏カーン大学が遺伝子組み換えトウモロコシの安全性を検証するラットを使った動物実験を実施したところ、腫瘍の発症・肝臓や腎臓の障害などが高い割合で確認され、メスの約70%、オスの約50%が「普通のトウモロコシ」を食したラットの平均寿命よりも早く死んだ。

【参考記事】動物実験で立証済みの危険な遺伝子組み換え食品、表示ラベルは抜け道だらけ――食用油、豆腐、発泡酒などに要注意

 

遺伝子組み替え作物の裁判に使用されている農薬の代表格は、米国・モンサント社のラウンドアップ(除草剤)である。この農薬には発癌性があり、癌になった患者が起こした裁判でも、裁判所がモンサント社に対して損害賠償を命じている。欧米では消費者運動が厳しい監視の目を光らせているのだ。

当然、米国内でもラウンドアップの使用に反対する消費者運動があって、米国国内での使用は難しくなっている。

と、なれば米国の農家は、ラウンドアップで育てたトウモロコシや大豆の新たな販売ルートを開拓しなければならない。そのターゲットになったのが、日本なのである。

わたしは、米国で遺伝子組み替え食品に警鐘を鳴らず消費者運動が浮上してきたころから、最終的に米国の農家に「貢献」する国は、日本になると思っていた。中国でも、韓国でもない。台湾でもない。ヨーロッパは考慮の対象にすらならない。間違いなく日本になると思った。対米従属の国策がどこよりも極端だからだ。植民地のレベルである。

ちなみに遺伝子組み替えトウモロコシを家畜の飼料として使うことが危険であるのはいうまでもない。家畜の肉に「毒」が蓄積していくからだ。