1. 読売「押し紙」裁判、福岡高裁判決、元店主の控訴を棄却、判決文に「押し紙」問題を考える上で興味深い記述

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2024年04月19日 (金曜日)

読売「押し紙」裁判、福岡高裁判決、元店主の控訴を棄却、判決文に「押し紙」問題を考える上で興味深い記述

福岡高等裁判所の志賀勝裁判長は、4月19日、読売新聞の元販売店主が起こした「押し紙」裁判の控訴審で、元店主の控訴を棄却する判決を下した。

去る3月28日には、大阪高裁がやはり元店主の控訴を棄却する判決を下していた。これら2つの裁判の判決には、勝敗とは無関係に、はからずも裁判官の筆による興味深い記述が確認できる。それは新聞特殊指定の解釈に言及した部分で、その記述を読む限り、1999年7月に改正され,現在施行されている新聞特殊指定の下で新聞社は、旧バージョンの新聞特殊指定よりも、はるかに「押し紙」政策を実施しやすくなった事を露呈している。

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1999年7月の新聞特殊指定の改正は、北國新聞で「押し紙」問題が発覚したのを受けて、日本新聞協会と公取委が折衝を重ねた末に決定・実施されたものであるが、それにもかかわらず「押し紙」がより容易になる方向性で改訂されているのだ。その奇妙な事実を、はからずも志賀勝裁判長の判決文が立証したのだ。

ちなみにこの時期に総理の座にいたのは、自民党新聞販売懇話会・会長の座にいた小渕恵三氏である。日本新聞協会の会長は渡邉恒雄氏だった。また、公取委の委員長は、なぜか後に日本野球機構コミッショナーに就任する根來泰周氏(写真、出典:スポニチ、Wikipedia)である。

日本新聞協会と公取委の話し合いの記録については、わたしが情報公開請求を申し立てたことがあるが、黒塗りになって開示された。この黒塗りの部分に、日本の新聞社の闇が隠されている可能性が高い。

詳細については後日、報告する。

なお、この裁判にも自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士が読売の代理人として名を連ねている。