総務省からは博報堂へ調査事業で11億9300万円、多数の高額請求を戸田裕一社長名で繰り返す
メディア黒書では、博報堂事件を断続的に報じてきたが、実は情報公開制度とは別のルートから入手した資料もある。
たとえば総務省が実施している「統計調査の実施事業」と題するプロジェクトにみる出費である。このプロジェクトの事業概要は次のようになっている。
メディア黒書では、博報堂事件を断続的に報じてきたが、実は情報公開制度とは別のルートから入手した資料もある。
たとえば総務省が実施している「統計調査の実施事業」と題するプロジェクトにみる出費である。このプロジェクトの事業概要は次のようになっている。
2016年12月15日 (木曜日)
筆者とA氏は、13日、自由党の森裕子参議院議員を新潟地検に再度告発した。還付金詐欺の疑いがあるからだ。
読者は、政治献金の還付制度をごぞんじだろうか。政治家が長を務める地元の政党支部へ、有権者が政治献金を行った場合、所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が還付される。すなわち税務署から献金者の手元に還付金が戻ってくるのだ。
たとえば100万円寄附すると、そのうちの30万円は還付される。
森氏はこの制度を利用して、自分で自分の政党支部へ献金を行い、還付を受けていたのだ。自分で自分の政党支部へ献金したわけだから、そのお金は全部自分で使える。それに加えて、還付金も自分の懐に入る。
還付金制度は租税特別措置法の41条18・1で定められているが、例外として、「その寄付をした者に特別の利益が及ぶと認められたものを除く」と定められている。つまり森氏がやったことは違法行為である。
筆者とA氏は、森議員がこの方法で還付金を受け続けていたとして、今年の8月に森氏を新潟地検に刑事告発した。9月になって新潟地検はそれを受理した。森氏の寄付額は次の通りである。
執筆者:本間龍(作家)
10月24日に続き、今月12日に参議院議員会館において行われた「国民投票法のルール改善を進める会」に出席した。同会はジャーナリストの今井一氏が中心となり、国民投票法のメディア規制を検討しようと立ち上げられた会だ。
今井氏をはじめ、堀茂樹(慶大教授)、井上達夫(東大教授)、田島泰彦(上智大教授)、南部義典(元慶大講師)、宮本正樹(映画「第九条」監督)の各氏や桜井充参院議員も出席して議論を行なった。
そこで国民投票の運動やキャンペーンに費やせる金額に上限を設けるべく国民投票法を改正すべきという点で一致、年明けには各党議員に働きかけ、超党派の議員連盟を設立して法改正を目指すことになった。
メディア黒書で既報したように文部科学省は、平成27年度と28年度に「日本人の海外留学促進事業」(総額で約1億6000万円)の計画の中で、合計4件のウエブサイト制作を発注している。受注したのは、博報堂、博報堂プロダクツ、バズルの3社である。
受注年度、受注社、受注額は次の通りである。
【平成27年度】
博報堂:1500万円
博報堂プロダクツ:170万円
パズル:160万円
【平成28年度】
博報堂:2100万円
これらの記述の裏付けは、行政事業レビューシートである。その実物も提示しておこう。
12月12日付けのビジネスジャーナルが、内閣府と博報堂の黒い金疑惑を暴いた黒薮執筆の記事を掲載した。これは、メディア黒書でも報じてきた問題で、新聞・テレビが凋落する状況のもと、裏舞台で発覚した疑獄事件である。
概要は次の通りである。2015年度のPR費として内閣府と博報堂は、年間で約6700万円の契約を結んだ。ところが請求額が新聞の公共広告分だけで20億円を超えていた。見積書は存在しない。どこから資金を調達したのかもよく分からない。
内閣府が博報堂へ支払ったテレビに関連するPR費に関しては、情報開示資料が黒塗りなので、明細はいうまでもなく、総額も分からない。
莫大な金額が、博報堂を通じて新聞社とテレビ局に流れている疑惑があるのだ。国策プロパガンダの謝礼なのか?
■ビジネスジャーナル:内閣府、博報堂へのCM発注額を「黒塗り」…発注額と契約金額に30倍の乖離、見積書
■メディア黒書の参考記事:内閣府は2015年度の広告費をどこから調達したのか、少なくとも5億200万円の出所が不明、新聞社にも疑惑、大疑獄事件の様相
新聞販売店の関係者から興味深い情報提供があった。悪意のない事件なので、店名も店主名も明かさないが、裏付け資料(始末書)もあり、複数の販売店主からの証言も取っているので一応、信頼性のあるニュースである。
昨年(2015年)の12月5日、神奈川県内のある新聞販売店が、誤って前日、4日付けの朝刊を一部の読者に配達したというのだ。
なぜ、前日の新聞を配達したのか?
2016年12月10日 (土曜日)
携帯電話の基地局から約20メートルの地点で、筆者は「狂い咲き」の奇形タンポポを発見した。発見地点は、朝霞市岡3丁目11-1 。城山公園の近くにあるファミリーレストラン「ガスト」の駐車場だ。鉢に植えてあったものが、何者かに引き抜かれ、地面に横たわっているのを発見した。少し枯れていた。
基地局を所有する電話会社の名前は、コンタクトを取った後、メディア黒書で公表する。当然、基地局の撤去を要求する。
奇形タンポポは、全長1メートルほど。冬にもかかわらず黄色い花を付けている。
筆者は、奇形タンポポを元通りに直立にしてから、写真を撮った。それから発見場所の証拠を残すために、奇形タンポポと近景をビデオ撮影した。
「ガスト」の許可を得て奇形タンポポを自宅に持ち帰り、翌日、撮影の日付を立証するために、新聞をそばに置いて、再び写真撮影をした。
博報堂から自民党の政治資金団体である国民政治協会へ政治献金が支払われていることが判明した。政治資金収支報告書によると、2015年度の6月20日に115万円が、2016年度の6月20日にやはり115万円が国民政治協会へ支払われている。
献金の目的は不明だが、国の省庁から博報堂に多量の仕事を発注している事実があり、今後、その仕事の中身を徹底検証する必要がある。その中には、内容が不透明なものも含まれている。
たとえば次に示すのは、文部科学省と博報堂との間で交わされた「日本人の海外留学促進事業」の契約書と請求書である。博報堂は約8000万円を請求しているが、請求明細が黒塗りになっているので、この8000万円を何に使ったのかまったく分からない。
そこで筆者が別ルートで取材したところ、この事業は、2013年(平成25年)から開始されていることが分かった。このうち2016年度は次のような金の使い方になっている。
元博報堂の社員で作家の本間龍氏に、2016年5月にアスカコーポレーションが博報堂に対して起こした「15億円訴訟」の訴状を分析・評論してもらった。広告の専門家による連載の2回目である。1回については、12月5日付けの記事。
執筆者:本間龍(作家)
引き続き、アスカの博報堂に対する15億円訴訟の項目を検証してみよう。再掲するが、アスカが博報堂に起こした訴状の詳細は以下の通り。
1 情報誌制作費 7億7900万の過剰請求
2 撮影費 2億6400万 〃
3 タレント出演料 1億6600万 〃
4 アフィリエイト 1億8700万 〃
5 通販番組制作費・編集費 1億4700万 〃
6 PR活動費 895万 〃
7 企画・メディアプランニング費 3000万 〃
8 TVCM費 5300万 〃
9 新聞広告費 1100万円 〃
10 雑誌広告費 1700万 〃
11 ラジオ広告制作費 60万 〃
12 イベント費 2400万 〃
13 テレビ放映休止後の放映料 9700万 〃
14 ホームページ制作費 1300万 〃
15 通販番組受付業務費 4200万 〃
前回は8のTVCM費までを解説したが、その他で非常にいい加減さが目立つのが、12の「イベント費」だ。アスカは08年から12年まで年一回、メディア関係取引先を招いて「互礼会」というイベントを開催していて、その実施を博報堂に任せていた。
博報堂は、その請求金額総計に対し「博報堂営業管理費」10%を請求していたにも関わらず、アスカ側の了解のないまま「企画制作進行費」なる別項目を立てて二重請求がなされていた、とアスカ側に指摘されている。
内閣府と広告代理店、それに新聞社に重大な疑惑がかかっている。
「平成27年度政府広報国内予算の執行状況」と題する内閣府の文書によると、2015年(平成27年)度における内閣府のメディア向け予算執行額は43億1500万円だった。ところが電通や博報堂など広告代理店各社が内閣府に請求した金額の合計は、筆者が『週刊金曜日』や『ZAITEN』に記事を書く際に集計したところ、予算執行額をはるかに上回る48億1700万円だった。両者の差異は、5億200万円である。
この5億200万円の中身は何か?このお金はどこから調達されたのか、出所が分からない。
これらの金は、広告代理店を通じて、新聞広告やテレビCMの費用として新聞社やテレビ局に流れ込んでいる。
問題が発覚した発端は、博報堂と内閣府の間で交わされた契約書の年間契約額が約6700万円しかないのに、博報堂が20億円を超える新聞広告代金を請求していた事実が発覚したことである。次に示すのがその証拠だ。
文部科学省が黒塗りにして情報開示した2つの資料の黒塗り部分に衝撃を受けたメディア黒書の読者から、ある情報が寄せられた。情報提供者によると、黒塗り部分に含まれているはずの見積は、インターネットで公開されているという。実際、提示してもらったアクセス先に次の資料がアップされていた。
元博報堂の社員で作家の本間龍氏に、2016年5月にアスカコーポレーションが博報堂に対して起こした「15億円訴訟」の訴状を分析・評論してもらった。
執筆者:本間龍(作家)
前回は、アスカが博報堂を訴えている訴状の中で、特に不自然さが目立つタレント出演料の高騰について書いた。同じタレントが大ヒットを飛ばしたわけでもないのに翌年、または数年後に出演料が10~20%以上値上がりすることはまずないし、年間を通しての起用したタレントの全体平均価格が20%値上がりすることもありえない。当たり前だが「値上がりする要因」がなければ、自然に価格が上がることなどないのだ。
逆にタレントによっては出演料が下がる場合も当然あるし、むしろ複数年、複数回の出演でディスカウントをするのは業界の常識だ。だからこれは、博報堂側がタレント契約料を恣意的に上げて、タレント事務所側が提示している出演料との差額を収益にしていたと考えるのが妥当だろう。もちろんそうしたことは業界ではよくあるが、年間を通じて起用した全てのタレント出演料を一律に上げるというのは、どうみてもやり過ぎだ。
私はアスカとは全く関わりがないし、請求されるままに支払いを行なっていたアスカ側にも確認を怠っていたという落ち度はあると思う。しかし、広告代理店の営業経験者として、また博報堂出身者として18年の経験上ありえないことを正直に指摘する義務があると思うし、さらに言えばこれは非常に特殊な例であり、博報堂の請求全てが同じだと思われたくはないので、他の訴因のいくつかについて、是々非々で解説してみたい。
執筆者:本間龍(作家)
このメディア黒書では、(株)アスカと博報堂の間で3つの裁判が進行している様子を報告してきた。その内容は以下の通りだ。
①博報堂(原告)がアスカ(被告)に対して、約6億1000万円の未払金を求めるもの。東京地裁。
②アスカ(原告)が博報堂(被告)に対して約15億3000万円の過払い金の返還を求めるもの。福岡地裁。
③アスカ(原告)が博報堂(被告)に対してテレビCMなどの番組提案書の無効を求め、約47億9000万円の返還を求めるもの。福岡地裁。
②は、本来よりも高い単価で請求されていたとされる項目について返還を求めていて、それらを分類すると、
A 情報誌制作費
B 撮影費
C タレント出演料
D アフィリエイト
E 通販番組制作費・編集費
F PR活動費
など、15の項目に渡っている。そこで、今回は1600万円あまりの過払いを指摘している、Cの「タレント出演料」について検証してみた。
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