1. 文部科学省が黒塗りにした情報公開資料の中身が判明、博報堂や博報堂プロダクツなどに3つのウエブサイト制作依頼のデタラメ、総額1780万円に

大手広告代理店に関連する記事

2016年12月06日 (火曜日)

文部科学省が黒塗りにした情報公開資料の中身が判明、博報堂や博報堂プロダクツなどに3つのウエブサイト制作依頼のデタラメ、総額1780万円に

文部科学省が黒塗りにして情報開示した2つの資料の黒塗り部分に衝撃を受けたメディア黒書の読者から、ある情報が寄せられた。情報提供者によると、黒塗り部分に含まれているはずの見積は、インターネットで公開されているという。実際、提示してもらったアクセス先に次の資料がアップされていた。

■ウエブサイトで公開されていた資料

◇1プロジェクトに3件のウエブサイト制作

わたしが問題にしてメディア黒書で公表した文部省の資料は、次の2点である。

①「学校と地域の新たな協働体制の構築のための実証研究」(約800万円)

②「日本人の海外留学促進事業」(約8000万円)

契約書の条項は開示されているものの、それ以外の情報は、博報堂の戸田社長の名前と請求総額を除いてほぼ黒塗りになっている。

情報提供で判明した資料から幾つかの重要な事実をピックアップしてみよう。

、このプロジェクトが平成25年6月14日に閣議決定されたものである事実。

,「大学等が把握している日本人学生の海外留学状況」の調査結果が平成28年2月に公開される予定になっていた事実。(成果物)

,見積が不自然な事実。(たとえば印刷・発送費だけで2900万円。ウエブサイトの制作が1500万円。グラフィック制作が1300万円。)

,「3」で示したウエブサイトの制作費1500万円の他に文部科学省は、
同じプロジェクトの中で、博報堂プロダクツに対してもウエブサイトの制作費170万円を、(株)パズルに対しては、110万円を計上している。

同じプロジェクトに参加している3社に対して、金額の差こそあれ、それぞれウエブサイトの制作費を計上しているのである。

◇成果物の情報公開請求

現在、わたしは文部科学省が黒塗り資料を情報開示したことに対して、異議を申し立てている。ネット上でひっそりと見積を公開しているにもかかわらず、資料を黒塗りにしたわけだから、重大な隠蔽事件である。何かを隠そうとしたのか、一層この点を明確にする必要がある。

こうした観点から、このプロジェクトの成果物を情報開示するように申し立てを行った。わたしが調査した限り、海外留学を奨励するための文部科学省のウエブサイトは3件はおろか、1件も見あたらない。

さらに印刷・発送費として、具体的に何を印刷して、何を発送したのかも明らかにする必要がある。

 

【注】インターネット上の資料は、平成26年度、つまり前年のものである。資料が黒塗りにされているので、内閣府が公開した黒塗り資料に対応するかどうかは確認できない部分もある。ただし金額が類似しているので、類似物として公開した。