読売の検索結果

新聞人による読売裁判の提訴から11年、なお未解決の「押し紙」問題と折込詐欺

読売新聞の江崎徹志法務室長(当時)と喜田村洋一弁護士(自由人権協会代表理事)が、筆者に対して著作権裁判を提起してから21日で11年になる。この裁判は、喜田村弁護士が作成した「江崎」名義の催告書を江崎氏が筆者に送付したことが発端だ。その内容が怪文書めいていたので、すぐにメディア黒書で全面公表したところ、削除を求めて提訴した事件である。

裁判の中で、江崎・喜田村の両氏は、催告書が江崎氏の著作物であるから、筆者(黒薮)に公表権はないと主張(著作権違反)した。ところが催告書の本当の執筆者は江崎氏ではなく、喜田村弁護士であった高い可能性が判明。江崎氏の著作物を筆者(黒薮)が公開したという提訴の論拠がまったくの嘘だったことが判明したのだ。当然、江崎氏らは門前払いのかたちで敗訴した。

ちなみに著作権は、著作者人格権と著作者財産権に分かれる。著作者財産権は他人に譲渡できるが、著作者人格権は譲渡できない。著作物を公表する権利に関する法律は著作者人格権の範疇にある。従って問題になった催告書の著者ではない江崎氏には、喜田村弁護士が著作権を有する催告書の削除を請求する権利はない。提訴の権限そのものがなかったのだ。

これは虚偽の事実(名義を偽った催告書)を前提に提訴に及んだ事件の典型である。おそらく前例がないケースではないかと思う。

その後、筆者(黒薮)は事件の後処理に入った。すなわち喜田村弁護士に対する弁護士懲戒請求を申し立てた。訴因そのものが虚偽(著作権者が江崎氏であるという嘘)であることを知っていながら、提訴に及んだというのがその理由である。江崎氏らにとって不幸中の幸いだったのは、金銭請求をしていなかったことである。

詳細については、事件8周年の際に詳しく書いた。次の記事である。訴状や判決もダウンロードできる。

喜田村洋一弁護士が作成したとされる催告書に見る訴権の濫用、読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年①

報道・出版活動に大きな支障をきたしていた可能性も、読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年②

 

◆何が目的で著作権裁判を起こしたのか?

読売の江崎法務室長は、何が目的でこのようにリスクが高い裁判を起こしたのだろうか。この裁判に続いて読売は、筆者に対して2件目の裁判を提起した。【続きはウェブマガジン】

2019年11月22日 (金曜日)

崩壊する新聞、朝日・読売が年間で約40万部減、『広報えどがわ』の水増し問題にはサンケイ広伸社が関与、選挙公報も大幅に水増し

明らかな詐欺を延々と続けても、誰からも注意されない。業界団体に対策を求めると、「事務局員は何もできません」、あるいは「犯罪が確定すれば対処します」という答えが返ってきた。

取材を申し入れても拒否。これではいつまでだっても「折込チラシの水増し詐欺」問題は解決しない。事実、水面下の問題になって半世紀を超える。

新聞業界がますますブラックボックスのふたを堅く閉ざすようになっている。新聞のビジネスモデルの崩壊がカウントダウンの段階に入っていて、ジャーナリズムに対する警戒感が強まっているからだろう。

最近の新聞業界に関するデータをいくつか紹介しよう。

◆最新のABC部数

2019年10月度のABC部数は、次の通りである。()は前年同月比。

朝日:5,379,640(-384,283)
毎日:2,317,522(-328,680)
読売:7,933,596(-395,050)
日経:2,292,118(-106,044)
産経:1,363,010(-102,832)

前年同月比で、朝日と読売は約40万部減っている。毎日は、約30万部減。1年のあいだに中央紙5紙で、京都新聞社規模の新聞社が3社消えたことになる。この流れは止まらない。さらに加速するだろう。折込チラシの需要が下降線をたどっていて、「押し紙」で販売店が被る損害を、チラシの水増し詐欺だけでは相殺できなくなっているからだ。【続きはウェブマガジン】

 

2019年10月10日 (木曜日)

「新聞没落」が現実に、8月度のABC部数、朝日が約37万部減、読売が約40万部減、浮上してきた折込広告の水増し問題

に2019年8月度の新聞のABC部数が明らかになった。新聞没落の傾向に歯止めはかからず、この1年間の減部数は、朝日が約37万部、読売が約40万部、毎日が37万部、日経が約10万部という結果になった。

最近、メディア黒書へ寄せられた複数の情報から察して、「押し紙」は従来に比べると相対的には減ったものの、依然として大量にある。しかし、新聞販売店の経営が悪化して、「押し紙」を減らさなければ、販売網が維持できない状態になっている。ABC部数の大幅な減部数は、その裏返しである可能性が高い。

新聞社経営は限界に来ている。折込広告の需要が大幅に減って、折込広告の収益で、「押し紙」により販売店が受ける損害を相殺できなくなっているからだ。新聞販売網が危機的な状態になっている。

8月度の中央紙のABC部数は次の通りである。()は前年同月比。

朝日:5,421,982(-371,443)
毎日:2,331,493(-368,297)
読売:7,945,137(-400,985)
日経:2,293,805(-99,390)
産経:1,361,847(-79,739)

 


◆ビジネスモデルの破綻

新聞社経営が限界に達しているのではないかと噂されるようになったのは、わたしの理解では、読売の「押し紙」政策が最高裁で確定(真村訴訟)した2007年の翌、2008年からである。雑誌各社が、「新聞没落」といったタイトルの特集をはじめた。

 

【参考記事】読売の滝鼻広報部長からの抗議文に対する反論、真村訴訟の福岡高裁判決が「押し紙」を認定したと判例解釈した理由

 

しかし、現在も新聞社は経営をなんとか維持している。その理由は、新聞販売店に折込広告の「折り込め詐欺」を暗黙のうちに強いて、その稼ぎを新聞の販売収入というかたちで徴収し続けてきたからにほかならない。

が、折込広告が減って、このようなビジネスモデルが破綻しはじめている。繰り返しになるが折込広告の激減がその原因である。今後、折込広告の受注が少ない新聞社からリストラを迫られる事態になることは間違いない。

ちなみに折込広告には、地方自治体が発行している広報紙も含まれている。広報紙の水増しも東京都江戸川区で発覚して、その悪質な手口が明らかになった。

 

【参考記事】『広報えどがわ』の水増し問題、江戸川区新聞販売同業組合が区に対してABC部数を超える部数を発注させていた決定的証拠

2019年09月06日 (金曜日)

読売700万部の時代へ突入、年間で約41万部減、宮本友丘専務が2010年に「押し紙をしたことは1回もございません」と証言

2019年7月度の新聞のABC部数が明らかになった。最新のものである。
今回発表されたデータの最大の特徴は、読売が800万部を割ったことである。厳密に言えば読売は、6月度ではじめて800万部の大台を割り、7月にはさらに部数を減らした。年間の減部数が約41万部もあることから判断して、読売は700万部の時代に突入したと言っても過言ではない。部数の回復は期待できない。

なお、読売の年間の減部数41万部は、京都新聞の発行部数に相当する。

朝日新聞は、550万部を切っており、まもなく「朝日400万部」の時代に突入する可能性が高い。

「紙」媒体の衰退は激しく、終末期に入ったとみて間違いない。中央紙の7月部数は次の通りである。()内は前年同月比。

朝日:5,450,087 (-391,864)
毎日:2,345,448(-387,605)
読売:7,974,170(-412,327)
日経:2,299,521(-108,201)
産経:1,364,878(-99,846)

 

◆ABC部数には「押し紙」が含まれている
しかし、ABC部数には「押し紙」が大量に含まれているので、ABC部数の減部数が、かならずしも配達部数の減部数を意味するわけではない。販売店の経営が立ち行かなくなり、やむなく「押し紙」を減らした結果、ABC部数が減ったという見方もできる。とはいえ「押し紙」を減らすということは、経営が苦しくなっている証拠なので、新聞業界が苦境に立たされている事情はかわりない。

それを反映するかのように、産経新聞社は、大阪でも東京でも、「押し紙」裁判の法廷に立たされている。南日本新聞では、販売店5店による集団訴訟が起きている。

「押し紙」裁判の判例は、販売店が有利な方向へ傾きはじめているので、店主は自己破産したり自殺するよりも、訴訟を起こして損害を取り戻すべきだろう。特に集団訴訟が有効で、筆者が知る限り、販売店が敗訴したケースは1件もない。「押し紙」の証拠を保存していれば、少なくとも和解勝訴できる。

 

◆読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません
 なお、新聞社の中には、「押し紙」は一度もしたことがないと公言しているところもある。読売である。参考までに、宮本友丘専務(当時)が、「押し紙」裁判の法廷で行った証言(2010年11月16日、東京地裁)を紹介しておこう。喜田村洋一・自由人権協会代表理事の質問に答えるかたちで、次のように証言した。

喜田村弁護士:この裁判では、読売新聞の押し紙が全国的に見ると30パーセントから40パーセントあるんだという週刊新潮の記事が問題になっております。この点は陳述書でも書いていただいていることですけれども、大切なことですのでもう1度お尋ねいたしますけれども、読売新聞社にとって不要な新聞を販売店に強要するという意味での押し紙政策があるのかどうか、この点について裁判所にご説明ください。

宮本:読売新聞の販売局、あと読売新聞社として押し紙をしたことは1回もございません。

喜田村弁護士:それは、昔からそういう状況が続いているというふうにお聞きしてよろしいですか。

宮本:はい。

喜田村弁護士:新聞の注文の仕方について改めて確認をさせていただきますけれども、販売店が自分のお店に何部配達してほしいのか、搬入してほしいのかということを読売新聞社に注文するわけですね。

宮本:はい。

 

【参考記事】読売の滝鼻広報部長からの抗議文に対する反論、真村訴訟の福岡高裁判決が「押し紙」を認定したと判例解釈した理由

2019年08月21日 (水曜日)

全国読売防犯協力会を考える、本部は読売新聞東京本社内に設置、元警察官ら5人が勤務①

全国読売防犯協力会について情報を公開しておこう。読売防犯協力会というのは、全国の読売新聞販売店と各都道府県の警察が協力して、防犯活動を展開するための組織である。各警察と覚書も交わしている。

読売と覚書を交わした警察全リスト

 

◆元警察らが読売本社で活動

本部は、読売新聞東京本社にあり、元警察官らが任務に就いている。スタッフは次の人々だ。

・明平一彦事務局長

・澁谷豊参与(警視庁小岩・西新井警察署生活安全課長などを歴任し、2016年4月から現職)

・砂澤忠男参与(警視庁上野警察署生活安全課長、世田谷区役所危機管理担当課長(派遣)、生活安全特別捜査隊副隊長など歴任し、2017年4月から現職)

・今井啓義参与(青梅警察署刑事生活安全組織犯罪対策課長、生活安全特別捜査隊副隊長、巣鴨少年センター所長、少年育成課課長代理など歴任し、2018年4月から現職職)

・松本久喜大阪本社参与(大阪府警高石・貝塚警察署生活安全課長などを歴任し、2017年4月から現職)

出典(顔のイラスト付き)

 

◆販売店が業務外の巡回

読売防犯協力会の活動内容についても、ウェブサイトで詳しく説明されているが、特に次の3点が問題だ。ウェブサイトから引用してみよう。

・配達、集金の際、不審者に注意します。

・警察署の協力を得て防犯チラシ等を配布します。

・配達、集金とは別に町内を巡回しています。

  ■出典

警察と協力して、防犯チラシを配布したり、町内を巡回しているというのだ。戦時中に慣行化していた住民による住民監視とどこか類似していないか。もちろん販売店サイドには、自分たちが警察活動に巻き込まれているという認識はないだろう。自分たちの活動は社会貢献だと勘違いしている可能性が高い。

 

◆新聞社と警察の異常な関係

警察組織と新聞社が協力関係にあり、読売新聞販売店を通じて、住民の情報を警察に伝達する構図があるのだ。

記者が取材で得た情報が警察へ届けられているとは思わないが、一応、警戒するにこしたことはない。警察の手口のひとつにスパイ投入があるわけだから、元警察が読売本社内に座を占めている限り、こうした戦略も可能になる。わたしは、販売店を除く読売関係者とは接触しない方針だ。

2019年08月09日 (金曜日)

警視庁が読売に感謝状、警察とYCの3570店が共同で街の隅々まで見守り・監視活動

警視庁が読売防犯協力会へ感謝状を贈ったことが、業界紙の報道で分かった。読売防犯協力会は、全国3570店のYC(読売新聞販売店)が参加している防犯組織で、全都道府県の警察と覚書を交わして、高齢者の見守りや地域の防犯活動を展開している。

YCが準交番(ハイテクKOBAN)のような役割を担っているようだ。

覚書を交わした警察一覧

たとえば集金時などに訪問先の家の奥座敷で、なにやらあやしげな人々が集まっていれば、警察に連絡する。訪問先で、体調をくずした一人暮らしの人を発見すると、救助する。こうした活動で、警察だけではカバーしきれない、街の隅々にまで、監視の眼を張り巡らすことができる。日本新聞協会も、警察と連携したこうした活動を評価している。

が、これはジャーナリズム企業と警察の危険な関係といえるだろう。【続きはウェブマガジン】

2019年07月19日 (金曜日)

「読売から抗議文がきた」、メディア黒書への通報が相次ぐ、新聞人は司法よりも言論の土俵で論争を

ここ3カ月ほどの間に、読売新聞社、あるいは読売関係者から、読売新聞についての報道に対する抗議があったという情報提供が2件あった。このうちの一件は、新聞販売店の元従業員からの情報提供で、自身のブログで読売を批判したところ、標的にされた販売関係者がブログのサーバーに圧力をかけてきたというものである。

このブログは、読売関係者を明らかに誹謗中傷しており、抗議を受けてもいたしかたないと判断できた。削除して、謝罪するようにアドバイスした。

もう一件は、山武ジャーナルというサイトの主催者から得た情報である。同サイトで「残紙処理現場 配達されず、闇から闇に葬られる新聞残紙。折込みで届けられるはずの広報誌の行方は?」と題する記事を掲載したところ、読売の広報部長から、抗議書が送付されたというのだ。

山武ジャーナル

山武ジャーナルの報道内容と読売からの抗議内容については、これから検証していくが、読売の主張は、簡単に言えば読売は注文部数を超えた新聞を販売店に搬入したことはないというものだ。これまでも同社が延々と繰り返してきた主張である。読売が主張する「押し紙」の定義を前提として、山武ジャーナルがいう「押し紙」は、定義に当てはまらないから、「押し紙」ではないという主張だ。

抗議書の最後には、「 なお、本抗議書の著作権(著作者人格権を含みます)は、当社に帰属しますので、WEBサイト等に掲載することはお断りします」と、記されている。(続きはウェブマガジン)

2019年05月28日 (火曜日)

激減する読売新聞、ひと月に約6万部減、年間で約42万部減、値上げの影響か?2019年4月度のABC部数

2019年4月度のABC部数が明らかになった。メディア黒書が提供してきたABCデータは、これまで()内に対前年同月差を表示していたが、今回は対前月差を表示した。

それによると最も減部数が激しいのは、読売新聞である。対前月差で約-5万7000部である。ちなみに対前年同月差は約42万部。読売の極端な部数減に歯止めがかかっていない。購読料の値上げが影響した可能性もある。

毎日新聞も対前年同月差は約42万部。4月度の総部数が約240万部なので、減紙率でみれば、読売よりも深刻な事態になっている。

次に示すのが、中央紙の部数内訳である。

朝日新聞:5,577,982(-25,796) 
毎日新聞:2,425,801(-26,227)
読売新聞:8,057,931(-56,885)
日経新聞:2,345,786(-1,666)
産経新聞:1,386,227(-5,853)

■2019年4月度のABC部数(全紙)

 

なお、ABC部数には、「押し紙」が含まれているので、ABC部数がそのまま実配部数を現しているわけではない。部数減の原因が、「押し紙」政策の廃止である可能性もある。

ただ、「押し紙」を減らさざるを得ない背景に、経営悪化があるわけだから、ABC部数の変動は新聞社の経営実態を反映していることも確かだ。

読売の宮本友丘専務らは、「押し紙」裁判(2009年、被告は新潮社と黒薮)の中で「押し紙」は1部も存在しないと主張して5500万円を請求したが、もし、「押し紙」ゼロが事実だとすれば、年間で42万人の読者を失ったことになる。改めて問いたい。「読売には『押し紙』は存在しない」という主張は今も真実なのか?

真実でないのであれば、「押し紙」裁判の証人尋問における宮本氏の証言が問題になる。当時の尋問調書によると、宮本氏は歴史的にみても、読売が「押し紙」をしたことは1度もないと述べている。

この問題に時効はない。

2019年04月25日 (木曜日)

没落寸前の新聞、2019年3月度のABC部数、年間で朝日が-38万部、毎日が-38万部、読売が-39万部

2019年3月度のABC部数が明らかになった。それよると前年同月比で、朝日は約-38万部、毎日は約-38万部、読売は約-39万部だった。新聞の没落傾向には、まったく歯止めがかかっていない。

朝日:5,603,778(-376,719)
毎日:2,452,028(-383,712)
読売:8,114,816(-388,825)
日経:2,347,442(-102,477)
産経:1,392,080(-125,786)

なお、ABC部数には、「押し紙」が含まれているので、ABC部数がそのまま実配部数を示しているわけではないが、実配部数の変動傾向は読み取ることができる。急激に新聞ばなれが進んでいることは間違いない。

毎日と産経は、減部の割合が、朝日や読売よりも激しい。

ちなみに今年4月に記者として採用された人員は、産経が2名、毎日が31名である。産経の凄まじい没落ぶりが際だっている。

2019年03月05日 (火曜日)

カルロス・ゴーンとグレッグ・ケリーの代理人を務める自由人権協会の2人の弁護士、弘中惇一郎と喜田村洋一 、過去には武富士や読売の代理人

日産自動車のカルロス・ゴーン会長とグレッグ・ケリー代表取締役が逮捕されてのち、2人の著名な弁護士が登場した。弘中惇一郎弁護士と喜田村洋一弁護士である。

二人には、薬害エイズ事件の安部英被告の代理人を務めて無罪を勝ち取った経歴がある。ロス疑惑事件では、三浦和義被告を無罪にした。

弘中弁護士について言えば、サラ金の武富士の代理人を務めて、フリーランスライターや出版社を攻撃し続けた経歴がある。一方、喜田村弁護士は、読売新聞の代理人を務め、「『押し紙』は1部も存在しない」と主張してきた。もともと提訴の資格を欠くにもかかわらず、書類(催告書)の名義を偽って、裁判を起こした事実もある。

両人とも人権擁護団体、自由人権協会の重鎮である。喜田村氏は、現在の代表理事で、弘中氏も過去に代表理事を務めたことがある。【続きはウェブマガジン】

2019年02月02日 (土曜日)

2018年12月度のABC部数、前年同月比で朝日が約36万部の減、読売は38万部の減

2018年12月度のABC部数が明らかになった。それによると、この1年間で、朝日は約36万部の減、読売は38万部の減、毎日は約33万部の減部数となった。

ABC部数の急落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。減部数の原因は、読者数の減数よりも、「押し紙」の減数が影響した可能性が高い。

中央紙の部数明細は次の通りである。

朝日:5,681,395(-357,408)
毎日:2,527,535(-332,667)
読売:8,283,333(-377,491)
日経:2,358,288(-140,059)
産経:1,401,752(-118,363)

ちなみに読売は、1月から朝夕セット版の価格を4400円に値上げした。その影響度は現時点では不明だ。1月部数に反映すると思われる。朝日は当面のあいだ値上げしない方針のようだ。

2018年12月21日 (金曜日)

対読売裁判の開始から11年、訴訟ビジネスの台頭と訴権の濫用の多発

12月21日は、筆者と読売新聞社の係争が始まった日である。今年で11年目にあたる。2007年のこの日、読売新聞(西部本社)の江崎徹志法務室長から、筆者のもとに一通の催告書がメールで送付されてきた。これが係争の発端で、以後、約1年半の間に読売は筆者に対して3件の裁判を起こした。その請求総額は約8000万円にもなった。次の裁判である。

著作権裁判:黒薮の完全勝訴

名誉毀損裁判:地裁・高裁は黒薮の勝訴。最高裁で読売が逆転勝訴。

名誉毀損裁判:読売の完全勝訴

全体の流れを総括すると、前半は黒薮の連勝で、後半は読売の連勝という、不自然な結果になった。

それぞれの裁判には個別の着目点がある。詳細については、次の3本の記事を参照にしてほしい。

【参考記事】 

喜田村洋一弁護士らによる著作権裁判提起から10年、問題文書の名義を偽って黒薮を提訴、日弁連はおとがめなし①

喜田村弁護士に対する懲戒請求、第2東京弁護士会の秋山清人弁護士が書いた議決書の誤り②

自由人権協会代表理事の喜田村弁護士らが起こした2件目の裁判、「窃盗」という表現をめぐる攻防③

 

◆虚偽の事実を前提に提訴

さて、①の著作権裁判を例に訴権の濫用に言及してみよう。この裁判は、江崎法務室長が筆者に送付した催告書を、筆者がメディア黒書に掲載したところ、江崎氏が削除を求めた事件である。削除を求めた理由は、催告書が自分の著作物であるから、筆者には公表権がないというものだった。

この裁判では、前代未聞のスキャンダルが発覚する。

江崎氏は、催告書が自分の著作物であると主張したのだが、判決の中で、催告書を作成したのは、江崎氏ではなく、彼の代理人を務めていた喜田村洋一・自由人権協会代表理事である高い可能性が認定されたのである。

著作権法では、執筆者が著作権者であって、この権利は他人に譲渡できない。(著作者人格権)しかし、江崎氏は喜田村弁護士が執筆した催告書を自分の著作物だと偽って裁判を起こしたのだ。著作権者は喜田村弁護士であるから、江崎氏が著作者人格権を根拠に、催告書の削除を求める資格はない。

それにもかかわらず虚偽を前提として筆者を提訴したのだ。これに関して、筆者の弁護団は、次のような声明を出している。

■弁護団声明

 

◆煙草の副流煙をめぐる裁判

虚偽を前提として裁判を起こすケースは、どの程度発生しているのだろうか。当時、筆者は著作権裁判の判決を大量にコピーして司法関係者に配布し、感想を取材したが、言語道断という答えが多かった。それにもかかわらず第2東京弁護士会は、3年の歳月を要して喜田村弁護士に対する懲戒請求を棄却したのだ。

「喜田村弁護士は、なぜこんな失敗をしたのだろうか?」

と、感想をもらす人もいた。

 「こうした裁判を起こさないようにクライアントを説得するのが弁護士の役割です」

と、言う人もいた。

それから約10年、筆者はこの裁判のケースと類似した裁判に遭遇した。メディア黒書でも取りあげてきた裁判で、煙草の副流煙が原因で化学物質過敏症になったので、4500万円の金銭を支払えという内容である。この裁判では、原告の男性が提訴の2年前まで、喫煙者であったことが、提訴後に判明した。

もちろん元喫煙者が副流煙の影響で化学物質過敏症になったとする主張が絶対に間違っている確証はないが、社会通念からすれば、自分が吸っていた煙草による影響の方が、副流煙よりも人体影響を誘発しやすい。

ところが隣人の副流煙が、自分が化学物質過敏症になった原因だと主張しているのだ。

原告の診断書(作田学医師が作成)には、「受動喫煙レベルⅢ」と記されている。原告の指示するとおりに、作田医師が診断書を作成したということではないだろうか。

 

◆デュプロによるABC部数の改ざん工作

小泉構造改革の中で、日弁連の協力を得て行われた司法制度改革は、やたらと高額訴訟を増やし、訴訟をビジネスに変えた。約10年前には、前代未聞とされた裁判の構図と同じ裁判が、筆者がたまたま取材している事件でも浮上しているのである。

他にも類似した裁判が多発している可能性が高い。

最近は判事も劣化していて、最高裁事務総局による「報告事件」ではないかと疑われる判決が増えている。「報告事件」とは、最高裁事務総局が書記官に「報告」を求める裁判のことで、最高裁事務総局が影の裁判官となる。

対読売の係争開始から、11年目の検証に入る。一連の裁判の後半における黒薮連敗については、納得していないので再取材する必要がある。③の名誉毀損裁判の中では、読売の宮本友丘専務が一度も「押し紙」をしたことがないと証言しており、これについても再検証を要する。筆者のところに残紙の写真が大量に送付されてきているからだ。

対読売裁判が、「押し紙」問題の原点で、それから10年を経て、デュプロによるABC部数の改ざん工作の事実を掴んだ。これに関しては、近々に公正取引委員会に告発する予定だ。

2018年12月17日 (月曜日)

仲良しこよしの朝日と読売、読売が購読料を4400円に値上げ、朝日も追随する動き、販売店サイドでは談合の噂も

新聞業界が大きな転換期をむかえようとしている。

読売新聞が来年の1月から、朝刊・夕刊の「セット版」を4400円(税込み)に値上げする。25年ぶりの値上げだ。現在の価格が4037円(税込)なので、400円近い大幅値上げとなる。

1部売りも現在の130円から150円に値上げする。

朝刊・夕刊の「セット版」の価格改定にあわせて、「朝刊だけ」の購読料もあがるが、価格については販売店サイドで決めるらしい。今のところ「朝刊だけ」の価格は、4200円になるのではないかとする見方が有力だ。【続きはウェブマガジン】