1. 激減する読売新聞、ひと月に約6万部減、年間で約42万部減、値上げの影響か?2019年4月度のABC部数

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2019年05月28日 (火曜日)

激減する読売新聞、ひと月に約6万部減、年間で約42万部減、値上げの影響か?2019年4月度のABC部数

2019年4月度のABC部数が明らかになった。メディア黒書が提供してきたABCデータは、これまで()内に対前年同月差を表示していたが、今回は対前月差を表示した。

それによると最も減部数が激しいのは、読売新聞である。対前月差で約-5万7000部である。ちなみに対前年同月差は約42万部。読売の極端な部数減に歯止めがかかっていない。購読料の値上げが影響した可能性もある。

毎日新聞も対前年同月差は約42万部。4月度の総部数が約240万部なので、減紙率でみれば、読売よりも深刻な事態になっている。

次に示すのが、中央紙の部数内訳である。

朝日新聞:5,577,982(-25,796) 
毎日新聞:2,425,801(-26,227)
読売新聞:8,057,931(-56,885)
日経新聞:2,345,786(-1,666)
産経新聞:1,386,227(-5,853)

■2019年4月度のABC部数(全紙)

 

なお、ABC部数には、「押し紙」が含まれているので、ABC部数がそのまま実配部数を現しているわけではない。部数減の原因が、「押し紙」政策の廃止である可能性もある。

ただ、「押し紙」を減らさざるを得ない背景に、経営悪化があるわけだから、ABC部数の変動は新聞社の経営実態を反映していることも確かだ。

読売の宮本友丘専務らは、「押し紙」裁判(2009年、被告は新潮社と黒薮)の中で「押し紙」は1部も存在しないと主張して5500万円を請求したが、もし、「押し紙」ゼロが事実だとすれば、年間で42万人の読者を失ったことになる。改めて問いたい。「読売には『押し紙』は存在しない」という主張は今も真実なのか?

真実でないのであれば、「押し紙」裁判の証人尋問における宮本氏の証言が問題になる。当時の尋問調書によると、宮本氏は歴史的にみても、読売が「押し紙」をしたことは1度もないと述べている。

この問題に時効はない。