1. 日本の政治

日本の政治に関連する記事

2015年07月17日 (金曜日)

安保関連法案の衆議院通過で露呈した小選挙区制の矛盾、民意を反映しない議席配分

【サマリー】各種の世論調査によると、安保関連法案に反対する意見が圧倒的に多い。しかし、自公政権は、安保関連法案を強行採決した。この問題の根底には、現在の小選挙区制が民意を反映しないかたちで、議席を配分している実態がある。

小選挙区制の導入に努めた小沢一郎氏の責任は重大だ。小選挙区制を改めない限り、今後も民意とはかけ離れたところで政治が行われ、改憲、徴兵制へと進んでいく可能性が高い。

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2015年07月16日 (木曜日)

安保関連法案の報道で何が隠されているのか?左派メディアも伝えない本質とは、多国籍企業の防衛作戦としての海外派兵、前例はラテンアメリカ

【サマリー】安保関連法案の本質について隠されている重要な点がある。それは企業の多国籍化と海外派兵の関係である。安倍内閣が目指しているのは、旧日本軍式の軍事大国ではない。海外進出企業の権益を政変などから守るための自衛隊の派兵である。こうした観点は、前世期までのラテンアメリカと米国の関係を検証すると明確になる。

特に中米では、米国のフルーツ会社の権益を政変から守るために海外派兵が繰り返されてきた。安倍政権は財界の要求に応じて、海外派兵の体制を構築しようとしているのである。それは同時に米国の要求でもある。

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2015年06月15日 (月曜日)

イラク特措法制定時に自民党幹事長だった山崎拓氏が安保法制の改悪に反対

かつて自民党の幹部として、国政の先頭に立った4人の政治家が、12日、安保法制の改悪に反対する声明を発表し、日本記者クラブで記者会見した。

わたしはこれら4人の政治家の軌跡を詳しくは知らないが、一般的な常識の範囲で考えても、違和感を感じる。自民党議員=改憲派といった短絡的な解釈をしているわけではないが、歴代の自民党政権が基本的に米国に追随する路線の上を暴走してきたのは紛れもない事実である。

そして、最後に行き着こうとしているゴールが、米軍と共同で多国籍企業の権益を防衛するための派兵体制である。

もちろん政治家が路線変更することは自由だ。しかし、その場合、自分が過去に行った政治のどこが誤りだったのかを、明らかにするのが前提になるはずだ。政治家はただならぬ影響力を持っているからだ。ひとりの市民が支持政党を変えるのとはわけが違う。

その意味で4氏の行動は、政治家が踏むべき当然のプロセスを経ていないのではないか。また、それを抵抗なく受け入れる民意にも問題がある。

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2015年06月12日 (金曜日)

経済同友会の提言が露呈する多国籍企業の防衛戦略としての海外派兵、国際貢献は口実

安保法制や改憲をめぐる報道で常に隠蔽(いんぺい)されているのは、多国籍企業を政変から防衛するための海外派兵体制の構築という視点である。

わたしがこの視点の重要性に気づいたのは、1985年に中米紛争を取材した時期である。中米は、米国のフルーツ会社などの裏庭である。

豊富なフルーツが港から船で運びだされる光景を飢えた人々が見守っている地域である。そこで政変やゲリラ活動がはじまると、たちまち米国が軍事介入してきた。

このような構図が最も典型的に現れたのがニカラグア革命とその後の内戦である。79年のサンディニスタ革命の後、米国は「反政府ゲリラ」を組織し、ニカラグアと国境を接するホンジュラスを米軍基地の国に変えて、新生ニカラグアの転覆に乗り出した。

多国籍企業の防衛部隊としての海外派兵の性質が露呈したのである。

ソ連が崩壊した後、世界に巨大な新市場が開け、企業の多国籍化が進んだ。中国による市場開放もこれに拍車をかけた。

自衛隊を海外へ派兵する動きが生まれたのはこうした時期である。日本による海外派兵は、PKOから始まり、その後、周辺事態法、テロ特措法による派兵、有事法制へと進み、2014年には、解釈改憲が閣議決定された。さらにいま、安保法制の「改正」が国会で議論されている。

次に示すのは、今世紀に入ってから経済同友会が日本の軍事大国化について行った主な提言である。各提言から重要な箇所を抜粋した。全文はPDF。

こられの提言を読むと、多国籍企業の防衛戦略としての海外派兵が財界人の意中にあることがはっきりする。米軍と協力して、多国籍企業を防衛する体制を打ち立てようとしていることが明確に分かる。

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2015年06月10日 (水曜日)

医師関係の2団体から自民党の政治資金団体へ3億円の献金、業界団体による変わらぬ高額献金の実態

自民党の政治資金団体である国民政治協会へ献金しているのは、企業だけではない。業界団体も多額の献金をしている。

次に紹介する資料は、政治資金収支報告書(2014年度公開の13年度分)のうち業界団体からの献金を記録した箇所だ。ただし、ここで紹介するのは、業界団体の中央本部からの献金だけで、これ以外にも、地方支部からの献金が記録されている業界団体もある。

大口の献金者をリストアップしてみよう。

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2015年06月09日 (火曜日)

政治献金で左右される自民党政治、トヨタから自民の政治資金団体・国民政治協会へ6400万円、伊藤忠から1800万円、パナソニックから1400万円

政府が打ち出す政策の方向性を決定づける大きな条件のひとつは、政治献金の提供である。そのことは古くから指摘され、問題視されてきた。実行は伴わないものの、政治献金は禁止すべきとの議論も断続的に行われてきた。

政治献金の提供は半ば慣行化していて、改まる気配がない。金銭感覚がおかしくなり、政治家に罪悪感もないようだ。

次に示すのは、自民党の政治資金団体である国民政治協会への政治献金のうち、企業からの提供実態を示す部分である。企業名や金額などが明記されている。(政治資金収支報告書2014年度公開の13年度分)

■国民政治協会に対する企業からの政治献金①

■国民政治協会に対する企業からの政治献金②

献金額が多い企業(1000万円超)は次の通りである。

トヨタ自動車・・・6440万円
伊藤忠商事・・・・1800万円
日本生命保険・・・1700万円
パナソニック・・・1400万円
スズキ・・・・・・1285万円
(このほか業界団体からの大口献金もある)

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2015年05月20日 (水曜日)

露骨に道州制の導入を主張、橋下大阪市長が共同代表を務める「道州制推進知事・指定都市市長連合」、メンバーに松井大阪府知事や川村名古屋市長らも

大阪都構想の行き着く先である道州制の構図は、橋下大阪市長が、村井宮城県知事と共同代表を務める「道州制推進知事・指定都市市長連合」の主張に色濃く反映している。

結論を先に言えば、同連合の主張は、「小さな中央政府」を構築するために、地方にできることは、国ではなく地方が行なうべきだというものである。具体的には、福祉・医療・教育などである。

そして、地方には出来ないものについては、国が担うことになる。

「道州制推進知事・指定都市市長連合」が2102年7月に発表した「地域主権型道州制の基本的な制度設計と実現に向けた工程」と題する文書によると、同連合が想定している国の分担領域は次の通りである。

○国の事務は、①国家の存立に関わる事務、②国家戦略の策定、③国家的基盤の維持・整備、④全国的に統一すべき基準の制定に限定する。

○内政分野における国全体の基本戦略・計画や統一的な政策の方針・基準は必要最低限のものとする。

○国が制度の基本計画・基準等を定める場合でも、その実施主体は、民間で実施するものを除き、原則として基礎自治体又は道州とする。その際、基礎自治体及び道州に弾力的な運用を可能とする権限を付与する。

■「地域主権型道州制の基本的な制度設計と実現に向けた工程」の全文

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2015年05月19日 (火曜日)

大阪市の都構想をめぐる住民投票、マスコミが争点をはずした道州制の問題

大阪市が実施した都構想の住民投票が否決された。

この結果は、1996年に成立した橋本内閣の時代から歴代自民党政府が押し進め、安倍内閣の下で頂点に達している新自由主義=構造改革が、道州制導入という最終段階に来て、「NO」を突きつけられたことを意味する。

もっとも、マスコミが今回の住民投票の本質的な争点を隠していたので、都構想に「NO」を表明した人のうち、どの程度が都構想の根底に道州制導入への野心があることに気づいていたかは定かではないが。郷里としての大阪市が失われることに対して、「NO」を表名した人も少なくないかも知れない。

が、それはともかくとして、大阪市民は大変な悲劇の到来を食い止めた

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2015年05月15日 (金曜日)

安保法制の裏に何が隠されているのか?多国籍企業の防衛部隊としての自衛隊、経済同友会の提言から読み解く

政府は14日に開いた臨時閣議で、安全保障関連法案を決定した。

これにより集団的自衛権の行使が可能になる。具体的には、日本が外国から武力攻撃を受けていなくても、同盟国が攻撃対象になった場合、自衛隊が武力を行使することができる。法案は、15日に国会に提出される。

海外派兵をどう解釈するのかという問題で、政府やマスコミが常に隠蔽(いんぺい)しているのは、グローバリゼーションが進む中で、多国籍企業の防衛部隊としての軍隊という側面である。

これが現代の海外派兵の本質といっても過言ではないが、国際貢献やテロ撲滅のための国際協力といった口実でごまかされてきた。

14日に安倍首相が行った記者会見でも、多国籍企業の要求としての海外派兵という論点は語られなかった。また、記者から、この点を追及する質問もでなかった。が、実はこの点が最も肝心な部分なのだ。

財界は露骨に海外派兵体制の構築を求めてきた。そのことは、たとえば経済同友会がこれまで発表してきた提言を検証すると見えてくる。一例をあげると、2012年2月の「世界構造の変化と日本外交新次元への進化」と題する提言がある。そこでは、露骨に自衛隊の海外派兵必要論が展開されている。

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2015年05月06日 (水曜日)

だれが舞台裏で日本の政策を決めているのか? 安倍内閣の教育再生実行会議にアフラックや三菱重工の関係者

新聞やテレビを通じて政治を監視しても、だれが根底で政策の方向性を決めているのかが明確に見えてこない。輪郭が浮上しない。これに対してインターネットを駆使すると、政策決定のプロセスを読み取るデータが現れる。

日本人の多くが認識していない問題のひとつに、選挙で選ばれていない人々が、内閣設置の委員会などに参加して、直接に政策を方向付ける役割を担っている事実がある。日本に構造改革=新自由主義を導入しようとしているのは、保守系の政治家と官僚だけではない。彼らと関係が深い人々までが、政策の策定にかかわっているのである。

国会議員の人数が少ないことも、こうした問題を引き起こす原因であるが、政府が恣意的に政策の方向性をコントロールすることを意図して、有識者らにそのためのアリバイ的な役割を求めている可能性も否定できない。

たとえば新自由主義の教育改革を推進している安倍内閣の管轄下には、教育再生実行会議がある。ここに名を連ねている「有識者」は次の通りである。

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2015年05月05日 (火曜日)

安倍内閣の政策に直接関与する選挙で選ばれていない人々、サントリーの新浪剛史 社長ら、深刻な議会制民主主義の危機

1990年代の半ばから日本の財界が政界に対して一貫して求めてきたのは、構造改革=新自由主義の導入だった。現在、安倍内閣の下で進行しているドラスチックな構造改革に決定的な影響力を持っているのは、次のグループである。

■経済財政諮問会議

■日本経済再生本部

■規制改革会議

■国家戦略特別区域諮問会議

これらのグループの特徴は、安倍首相が「長」を務めていることである。また、日本経済再生本部を除くグループの中に、政治家以外の人々、具体的には財界の代表や識者が多数加わっていることである。

選挙で選ばれた国会議員が政策の方向性を決めるのであれば問題はないが、財界や識者の意向が政策に反映される仕組みになっている。以下、経済財政諮問会議、規制改革会議、それに国家戦略特別区域諮問会議を構成するメンバーのうち、選挙で選ばれていない人々の氏名を明記しておこう。

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2015年05月05日 (火曜日)

安倍内閣の政策に直接関与する選挙で選ばれていない人々、深刻な議会制民主主義の危機

 1990年代の半ばから日本の財界が政界に対して一貫して求めてきたのは、構造改革=新自由主義の導入だった。現在、安倍内閣の下で進行しているドラスチックな有識者議員 秋池 玲子 ボストンコンサルティンググループ
シニア・パートナー&マネージング・ディレクター
同 坂根 正弘 株式会社小松製作所相談役
同 坂村 健 東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
同 竹中 平蔵 慶應義塾大学総合政策学部教授
同 八田 達夫 アジア成長研究所所長構造改革に決定的な影響を持っているのは、次のグループである。

■経済財政諮問会議

■日本経済再生本部

■規制改革会議

■国家戦略特別区域諮問会議

これらのグループの特徴は、安倍首相が「長」を務めていることである。また、日本経済再生本部を除くグループの中に、政治家以外の人々、具体的には財界の代表や識者が多数加わっていることである。

選挙で選ばれた国会議員が政策の原案を作成するのであれば問題はないが、財界や識者の意向が政策に反映される仕組みになっている。以下、経済財政諮問会議、規制改革会議、それに国家戦略特別区域諮問会議を構成するメンバーのうち、選挙で選ばれていない人々の氏名を明記しておこう。

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2015年05月01日 (金曜日)

米国の上下両院合同会議の演説で安保関連法案の成立を約した安倍首相が考える軍事大国のイメージ、自民党の「新『防衛計画の大綱』策定に係わる提言」に青写真

安倍首相が29日に米国の上下両院合同会議で演説した。その中で、安保関連法案を「この夏までに、成就させます」と約束した。

自民党が構想している軍事大国とは、具体的にどのようなものなのだろうか。
同党が2013年6月4日に公表した「新『防衛計画の大綱』策定に関する提言」を紹介しよう。

そこには自衛隊を米軍のパートナーとすることを前提とした、軍事国家の未来像が描かれている。軍事大国化の口実になっているのは、中国や北朝鮮の脅威、国際舞台でのテロの多発などである。

提言は、「安全保障政策の基盤となる重要課題」について、次のように述べている。

「『国防軍』の設置を始め、わが国における国防の基本理念を明確にするための『憲法改正』や『国家安全保障基本法の制定』、総理の強いリーダーシップの下で外交・防衛政策を推進するための官邸の司令塔機能としての『国家安全保障会議』(日本版NSC)の設置、日米同盟の抜本的強化の観点からの集団的自衛権などの法的基盤の整備や日米ガイドラインの見直しなどへの早急な取り組みが求められている。」

具体的には、

1,国防軍の設置
2,憲法改正
3,国家安全保障基本法の制定
4,国家安全保障会議(日本版NSC)の設置
5,日米ガイドラインの見直し

これらの項目の中には、すでに実現しているものもある。

このうち国防軍を設置するにあたっては、「内閣総理大臣を最高指揮官として定める」という。これは、純粋な軍事政権とはいわないまでも、軍事政権に近いスタイルである。

また、国家安全保障会議の設置に際しては、情報保全のために、秘密保護法を制定するとも述べている。秘密保護法が、日米共同作戦を前提とした安保関連法のひとつであることを如実に示している。

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