1. 日本の政治

日本の政治に関連する記事

2017年05月09日 (火曜日)

安倍夫妻の比ではない、東京都政版“森友疑惑”、晴海の五輪選手村用地が9割引き、値引き額は 1,200億円

■山田幹夫(フリーランス取材者・元通信社記者)

森友学園の問題では安倍首相夫人の関与、官僚の忖度(そんたく)の解明がうやむやになっている。これに類似した問題が他にも起きている。東京オリンピックの土地をめぐる疑惑である。

東京都中央区晴海5丁目は、かつてはモーターショウやビジネスショウなど、イベントや見本市が開催された場所だが、現在は国内外の豪華クルーズ客船の客船ターミナルがある。そこは、「海外の帆船などが表敬訪問した時や、南極観測船しらせが出港・帰港する時」(東京都港湾局のホームページから)にも使われる。さらにレインボーブリッジなどを一望できる晴海ふ頭公園もある。

その広大な場所で、オリンピック選手村整備を理由にした「市街地再開発事業」が進んでいる。ところが、フタをあけてみれば、都有地13.4haが129億6千万円の格安で払い下げられていた。選手村の建設事業者は三井不動産レジデンシャルを代表とする大手不動産11社による企業グループ(他にNTT年開発、新日鉄興和不動産、住友商事、住友不動産、大和ハウス工業、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産、三菱地所レジデンス)。

続きを読む »

2017年05月02日 (火曜日)

朝日新聞阪神支局の襲撃事件から30年、蘇るファシズム

■山田幹夫(フリーランス取材者・元通信社記者)

「赤報隊」という名前を覚えていますか?
30年前の憲法記念日、朝日新聞阪神支局が襲撃されて記者2人が殺傷し、
未解決事件のままである。5月3日を前に、あらためて記憶しておきたい。

1987年5月3日、40回目の憲法記念日に散弾銃を手にした黒ずくめの男が朝日新聞阪神支局を襲撃し、記者2人を殺傷。「赤報隊」を名乗るテロ犯人は未だに特定されず、未解決事件になったままだ(広域重要指定116号事件)。

1987年から1990年にかけて「赤報隊」を名乗る犯人が起こした事件は次の通りである。

朝日新聞東京本社銃撃事件(1987年1月24日)
朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年5月3日)
朝日新聞名古屋本社社員寮襲撃事件(1987年9月24日)
朝日新聞静岡支局爆破未遂事件(1988年3月11日)
中曾根・竹下両元首相脅迫事件(1988年3月11日の消印)
江副元リクルート会長宅銃撃事件(1988年8月10日)
愛知韓国人会館放火事件(1990年5月17日)

続きを読む »

2017年05月01日 (月曜日)

総務省における業務の著しい怠慢、職員は放送確認書が何かを知らないレベル、総務大臣はマネーロンダリング

テレビなどの電波を管理している総務省が、「放送確認書」が何かを理解していないことが分かった。周知のように「放送確認書」とは、テレビでCMが放送された際に、放送の実施を証明するために発行される書類である。

これは手動で作成されるのではない。制作したCMに10桁コードを付番して、コンピューターシステムに入力しておくと、放送が完了した際にその10桁コードを印字した放送確認書が自動作成される。民放連はこの制度の運用を義務づけている。

テレビCMをコンピューター管理することで、CM間引きを防止するシステムである。放送業界では常識になっている。

ところが総務省にみずからが広告代理店に依頼して制作した政府広報CMの放送確認書の全部を公開するように請求したところ、「『テレビCMの放送確認書』がどのような文書か判然としないため、総務省が開示する行政文書を特定することができず、このままでは手続を進めることができません」と回答してきた。

次に示すのが、総務省からの通知である。

続きを読む »

2017年04月21日 (金曜日)

元大阪高検公安部長の三井環氏が安倍昭恵氏らを刑事告発、選挙応援は国会公務員法違反、国会では福島みずほ議員がこの問題を追及

元大阪高検公安部長の三井環氏が20日、安倍昭恵氏と同氏の付職員3人に対する刑事告発状を東京地検特捜部に送付した。告発状によると、昭恵氏は2016年夏の参院選で自民党の候補者14人の選挙活動に参加した。その際、首相夫人付の政府職員を同行させていた。これが国家公務員の政治活動を禁じた国家公務員法102条1項に抵触するというのが告発の趣旨である。

昭恵氏は国家公務員ではないが、刑法60条は、「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と定めており、この条項が昭恵に該当する。

告発状によると明恵氏が選挙応援した候補者は、次の通りである。全員が自民党である。

続きを読む »

2017年04月18日 (火曜日)

東京目白の元国有地を私的な不動産ビジネスに使用、1963年に大蔵省から約7億5000万円で譲渡 

森友学園や加計学園の事件を通じて、国有地の払い下げの在り方が社会問題として浮上してきた。国有地の払い下げ問題には、政界との癒着だけではなくさまざまな側面がある。単に安価で土地を提供するケースだけではない。別の問題もある。

それは譲り受けた土地を、一定の期間を経たあと、大型の不動産開発を進める例である。もちろん、国有地が私有の土地になったわけだから、再開発が違法行為とはいえないが、倫理上の問題を考える必要がある。

東京豊島区にある学習院大学に隣接して巨大なマンションが建っている。「超」が着く高級マンションで、ロビーはホテルなみに受付嬢が配置されている。セキュリテーも厳重で、インターホンで受付嬢とコンタクトを取り、開錠してもらうルールになっている。

このマンションの敷地が元国有地だったという情報を得て、筆者はこの不動産に関する登記簿類を調査した。その結果、マンションが建つまえは、日本造船技術研究センターがあったことが判明した。同センターのウエブサイトによると沿革は以下の通りである。

続きを読む »

2017年04月13日 (木曜日)

報道自粛がはじまる、日本のマスコミのダメぶりを象徴する2つの重大事件、森友学園事件と共謀罪

日本の未来を左右しかねない問題でありながら、メディアが自粛している報道がいくつかある。その筆頭は、森友学園事件と共謀罪である。

前者は前代未聞の疑獄事件で、しかも安倍夫妻や日本維新の会がかかわっている。重大な政治問題である。幕引きは許されない。

後者は、まったく必要のない前近代的な法律である。成立すれば、先人たちが命がけで勝ち取ってきた言論の自由を、われわれの世代でドブに捨てることになる。

2つの事件を手短に解説しておこう。

続きを読む »

2017年03月23日 (木曜日)

【YouTube】民進党・那谷屋議員が高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及

22日の参議院総務委員会で民進党の那谷屋正義(なたにや まさよし)議員が、高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及した。

高市氏は、約300万円の還付金を受け取ったことを認めた。その理由として、政党支部の財政が悪化して、私財を寄付した事情などを説明した。

しかし、「違法性はない」と述べた。そのうえで今後は、還付金を受けない旨を約束した。

続きを読む »

2017年03月22日 (水曜日)

本日、参議院総務委員会で高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及

本日(22日)の午前10時から、参議院総務員会で、民進党の那谷屋正義(なたにや まさよし)議員が、高市早苗総務大臣の「還付金詐欺」疑惑を追及するもようだ。メディア黒書で既報したように、筆者と志岐武彦氏(元会社役員)が行った高市大臣に対する詐欺容疑の刑事告発を3月9日に奈良地検が受理した。それを受けての質問である。

【メディア黒書】高市早苗総務大臣によるマネーロンダリングの手口を解説する、大臣辞任が妥当

【産経新聞】高市早苗総務相を詐欺罪で告発、奈良地検が受理…所得税還付金絡みで

【朝日新聞】高市総務相への告発受理 還付金不正受給疑い、奈良地検

参議院総務委員会は、次のチャンネルで放送される予定だ。

■インターネット審議中継

総務省の高市大臣の次は、内閣府の裏金疑惑を審議すべきだろう。

続きを読む »

2017年03月14日 (火曜日)

高市早苗総務大臣によるマネーロンダリングの手口を解説する、大臣辞任が妥当

高市総務大臣に対する刑事告発が受理された。

筆者らの刑事告発を奈良地検が受理したのである。高市氏による「マネーロンダリング」の手口を、奈良地検は詐欺罪として受理したのである。

なぜ、「マネーロンダリング」なのか?具体的な資料を示しながら、それを解説しておこう。

繰り返しになるが、高市氏がやっていた不正は還付金制度を悪用したものである。次のような仕組みだ。

議員が代表を務める地元の政党支部へ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

高市議員はこの制度を悪用して、自身の政党支部へ献金を行い、還付金を受けていたのだ。しかし、租税特別措置法の41条18・1は、還付金の例外事項として、「その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定められている。つまり議員がこれをやれば違法行為である。それが地検の見解だ。

高市氏は、「投資資金」の一部を、自身の政党支部から調達していたのである。つまり資金を還流させ、その還流のプロセスで還付金を受けていたのだ。計画性があって極めて悪質といえよう。

続きを読む »

2017年03月11日 (土曜日)

ゆれる総務省、高市総務大臣の「お金」の問題が浮上、政治献金の還付詐欺疑惑、奈良地検が告発状を受理 、マスコミは報じず

筆者と沢田(仮名)氏が行った高市早苗総務大臣に対する刑事告発が受理された。この事件の構図を説明しておこう。

■告発状全文

あまり知られていないが、この事件の背景には、政治献金の還付金制度がある。次のような制度である。

議員が代表を務める地元の政党支部へ有権者が政治献金を行った場合、税務署で所定の手続きをすれば、寄附した金額の30%が戻ってくる。たとえば1000万円を寄付すれば、300万円が戻ってくる。

高市議員はこの制度を利用して、自身の政党支部へ献金を行い、還付金を受けていたのだ。資金を動かすだけでお金が膨れ上がる一種のマネーロンダリングを行っていたのである。

還付金制度は租税特別措置法の41条18・1で定められているが、例外として「その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除く」と定められている。つまり議員がこれをやれば違法行為である。議員が自分の政党支部へ寄付した場合は、還付金を受け取る手続きをしてはいけないのだ。

続きを読む »

2016年02月26日 (金曜日)

民主・維新による新党の方針は安倍政権と同じ新自由主義、新進党・民主党に続く3度目の茶番劇

民主党と維新の党が3月中に合流して新党を結成することになった。非自民が本格的に結束するのは、これで3度目である。

最初は、小沢一郎氏が財界に後押しされて新自由主義=構造改革の導入を叫んで自民党を飛び出して組織した新進党。それから民主党。そして今回は、「民主+維新」である。これらの非自民政党に一貫して共通しているのは、新自由主義=構造改革を基本的な政策に据えている点である。

一方、自民党も小泉政権の時代から急進的な新自由主義政党に変化し、その後、一時的な足踏みはあったが、安倍政権下で再びドラスチックに小泉路線を継承しているので、今回の新党結成により、2つの新自由主義政党が政権を競う構図がみたび浮上することになる。これまでの2回は、新党側が完全に失敗したが、それに懲りずに3度目の「挑戦」に踏み出したのである。

民主党と維新の党が発表した合意事項のうち、経済政策は次のようになっている。(番号は便宜上、わたしが付した。)

続きを読む »

2016年01月07日 (木曜日)

世論誘導の危険、三重大学・児玉克哉副学長による裏付けがない参院選議席獲得の予想

7月の参院選で予想される各党の獲得議席数を推測する記事が、早くも掲載されるようになった。たとえば三重大学副学長の児玉克哉氏は、Yahooニュースで、自民党の圧勝を予測している。タイトルは、「参議院選挙の予想~自民党単独過半数、自公おおさかで3分の2を確保」。

続きを読む »

2016年01月06日 (水曜日)

政治家の劣化、日本の世襲議員が170人、北朝鮮の金王朝を批判できない深刻な実態

日本の政治家が劣化しているひとつの原因が世襲にあるのではないかと言われて久しい。世襲議員だから必ずしも能力が低いとは限らないが、そういう傾向があることは否めない。

日本では政治家の世襲は、あまり批判の対象にはならない。北朝鮮の金王朝を批判するひとはいても、日本の世襲政治家、たとえば麻生太郎氏に同じ視線を向けるひとはまずいない。

続きを読む »