1. 日本の政治

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2018年06月05日 (火曜日)

【動画】東京オリ・パラの選手村予定地の売買をめぐる重大疑惑、東京都が1200億円の値引き、払い下げ先は、三井・住友・三菱など大口ディベロッパー

東京オリンピック・パラリンピックの選手村を建設する予定地の売買価格をめぐって、住民訴訟が起こされていることを読者はご存じだろうか。提訴は昨年の8月だった。予定地は、東京都の所有である。

森友学園の事件では、8億円の値引きが問題になり、メディアが盛んに事件を報じているが、選手村予定地の方は、約1200億円の値引きという前代未聞の事件だが、メディアはほとんど報じない。オリンピックに連動した国策がらみの事件という事情があるうえに、値引きの恩恵を受けているのが巨大なディベロッパーばかりであるからだ。

ディベロッパーは次の通りである。

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2018年04月23日 (月曜日)

安倍内閣の支持率低下も、低迷を続ける野党各党の政党支持率、背景に根本的な方針の誤りか?

メディアの世論調査が安倍内閣不支持の傾向を顕著に示している。

毎日新聞が21日と22日に実施した世論調査によると、内閣支持率は30%。不支持率は49%だった。

また、朝日新聞が14日と15日に行った世論調査では、内閣支持率が31%で、不支持率は52%だった。

他のメディアによる世論調査も同じような傾向を示している。

もっとも、筆者は日本のメディア企業が実施する世論調査は、恣意的にデータが改ざんされている可能性が多分にあると考え、全面的に数字を信頼していないが。およそ公式のデータというからには、その裏付けを示す必要があるが、発表されるのは、数字だけなので、説得性に欠けるのだ。それに昨今の政治家や公務員、それにメディアの腐敗ぶりを目にしていると、彼らにとって数字の操作ぐらい当たり前の事なのかも知れないと思ってしまう。

が、それはともかくとして、データが大まかな傾向を反映しているという前提で、以下、ある興味深いポイントを指摘したい。結論を先に言えば、いくら内閣の支持率が落ちても、現在の野党の支持率がほとんど上下しない状態が、少なくとも今世紀に入ってから、延々と続いていることである。民主党が政権を取った時代は例外だが、民主党への期待が幻想であることが明確になった後、「分裂民主党」も低い支持率を延々と続けてきた。

たとえば、次に示すのは、共産党の支持率の変遷である。出典はNHKである。

 

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2018年04月18日 (水曜日)

福田事務次官のセクハラ問題で麻生財務相が内部告発の勧め、腐敗にメスを入れる恰好のタイミングも、野党議員が反発

財務省の福田淳一事務次官のセクハラ問題に関する麻生財務相の発言が物議をかもしている。次の引用はFNNの記事である。

財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑の調査について、麻生財務相は、相手の女性記者が申し出てこない限り、セクハラの認定は難しいとの認識を示すとともに、「女性の弁護士も入れて、女性が名乗り出やすい状況にしてある」と述べ、調査の進め方に問題はないとの考えを強調している。出典

麻生財務相は、週刊新潮が報じた被害者の記者(匿名)だけではなく、他の女性記者に対しても、内部告発を奨励している。セクハラの実態を調査する意向を示している。

これに対して野党は、麻生氏は内部告発が極めて困難であることを認識した上で、内部告発を奨励していると批判している。

麻生氏と野党議員との攻防は、多くの問題を含んでいる。手短にまとめてみた。

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2018年04月17日 (火曜日)

小泉親子のむなしい安倍批判と政治力学の原理、だれが日本の政治を舞台裏で牛耳っているのか?

 加計事件や森友事件、それに自衛隊の日報問題など、深刻な事件の内側が次々と発覚するのを受けて、自民党関係者からも安倍内閣に対する批判の声があがり始めている。たとえば、小泉純一郎氏はAERAで次のように発言している。

「本件は首相案件」。嘘が次々と暴かれ、森友、加計疑惑が底なし沼になってきた。それでも居丈高に開き直る安倍晋三首相に「引き際だ」とついに引導が渡された。「本当ならとっくに辞めてなきゃいけないはず。なのに、バレている嘘をぬけぬけと今も言ってるなぁとあきれているんだよ、国民は――」。安倍氏の「政治の師匠」でもある小泉純一郎元首相の言葉だ。その思いの丈を週刊朝日に独白した。出典

また、小泉進次郎氏も次のように発言している。日経新聞から引用しよう。

与党内で学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関する柳瀬唯夫経済産業審議官の説明に対する批判の声が広がっている。自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は11日、都内で講演し「(柳瀬氏が)『記憶の限りでは』という注釈を付けないといけないのであれば『会っていない』と言い切ることはできるはずがない。理解できない」と厳しく批判した。出典

これらは歓迎すべき発言であると同時に、心配な部分もある。安倍首相が辞任して、次に登場することになる政治家を有権者がどう評価するのかという問題を考える時、有権者を「誤審」に導く危険性を孕んでいるからだ。

たとえば小泉進次郎氏が次期の首相候補になるとする。当然、マスコミは彼の斬新さをアピールするだろう。が、この人が首相になっても、結局は自民党政治を継承する可能性が極めて高い。その必然性はまず伝えない。

政策の方向性は、政治家個人の思想で決定されるわけではない。その時代を牛耳っている勢力が希望する路線を進むものなのである。それが政治の力学だ。従って現在の安倍政治も、究極のところでは財界の要望に応えているだけといえるだろう。逆説的に言えば、安倍氏が財界の要望に応えてくれる鈍感な人物であるから、首相に君臨できていのである。

このあたりの力学を理解していない人が多い。

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2018年04月04日 (水曜日)

三井、三菱、住友などに1300億円の都有地を129億6000万円で投げ売り、報じられない五輪・パラ選手村の開発をめぐる官製談合

森友事件と加計事件は、メディアのスポットライトを浴びているが、ほとんど報じられていないのが、東京都による「都有地投げ売り事件」である。都有地に東京オリンピック・パラリンピックの選手村を建設することを口実に、相場で1300億円の土地を、129億6000万円で投げ売りした事件である。坪あたり33万円。9割の値引きという計算になる。

不正の規模は、森友事件や加計事件の比ではない。

売却先は、次の企業である。天下り受け入れの実態も確認してほしい。

 

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2018年01月30日 (火曜日)

野中広務の消えぬ汚点-新ガイドライン関連法、国旗・国歌法、改正住民基本台帳法、そして盗聴法

野中広務氏が1月26日に亡くなった。享年92歳。同氏の際だったキャリアと言えば、改めていうまでもなく、1998年に成立した小渕恵三内閣の下で内閣官房長官として辣腕ぶりを発揮したことである。「影の総理」とまで言われた。

野中氏についての人物評は裾野が広い。野中氏が護憲派だったこともあって、最近は、共産党も野中氏を高く評価している。リベラル保守の人々の間では、おおむね評判がよく、その死を惜しむ声が多いのが実態だ。

しかし、筆者は、こうした評価には合意しない。小渕恵三内閣の下で、野中氏らは、後の軍事大国化に繋がる法律を次々と成立させたからだ。具体的には、新ガイドライン関連法、国旗・国歌法、改正住民基本台帳法、盗聴法などである。こらの法律が成立した1999年の第145回通常国会を、作家の辺見庸氏は、「1999年問題」と命名し、歴史の転換点と位置づけている。

僕の記憶では、首相が平気で有事法制について公言できるっていう雰囲気も、かつてなかった。今度の第145通常国会というのはすごい国会です。

ところで、99年問題の中心は「君が代・日の丸」だけではないのだと思います。第145通常国会の柱は、むしろガイドライン関連法です。これに精神的な価値づけをしていく。これに付随して必要な諸法案を強引に通していく。すべてが地続きではありますが。もちろん国旗・国歌法も改正住民基本台帳法も個別に論じることはできるし、それはそれで間違いではないと思いますが、個々の樹木というより、森全体が深く病んでいるとみたほうがいい。とりわけ、ガイドラインとその関連法は安保条約の条文にもない対米軍事協力の項目を明文化し、米国による戦争に日本が自衛隊だけではなく官民挙げて関与することを決定づけています。憲法違反どころの騒ぎじゃない、この国のありようを本質的に変えています。(『私たちはどのような時代に生きているのか』)

日本の軍事大国化は、1990代の初頭からPKOという形で始まり、小渕内閣の時代にひとつの節目をむかえた。本格的な軍事大国化へ舵を切ったのである。憲法を擁護する後年の野中氏の態度とは相容れない方向性を野中氏らは打ち出したのであるが、この矛盾は政治力学の観点から説明がつく。

つまり政策は、必ずしも政治家個人の思想によって決まるのではなく、それよりもむしろその時代の経済を支配する者の意思で決まる原理があるからだ。グローバリゼーションの中で、多国籍企業を防衛するための海外派兵の体制を構築するのが、日本の財界の意思だった。それに野中氏らは応えたのである。と、いうのも自民党は財界に支えられている政党であるからだ。政治家個人の意思ではどうにもならないのだ。

しかし、軍事大国へ舵を切った小渕内閣の責任はあまりにも重い。

 

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2018年01月10日 (水曜日)

種子法の廃止で、日本に危険な遺伝子組み換え作物が溢れる、恐ろしく無知な安倍内閣の政策

今年の3月末で種子法(主要農作物種子法)が廃止される。安倍内閣の下では、特定秘密保護法や共謀罪など言論の自由を抑制するための法の整備が際だった暴挙のような印象があるが、実は日本人の生命にかかわる「食」に関する法の改悪も進んでいる。そのひとつが種子法の廃止だ。あまりなじみがない法律だが、廃止により重大なことが起こりかねない。

この法律の廃止は、先の通常国会で決まった。共謀罪法案への関心が高まる中で、ほとんど報道されることもなく、廃止が決まってしまった。

種子法廃止の何が問題なのだろうか。結論を先に言えば、日本の農業が多国籍企業(米国のモンサント社など)に市場を開くことになり、その結果、日本中に危険な遺伝子組み換え食品が溢れかねない。

この法律の下で、日本の主要な農作物(具体的には、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆)は、国の管理下で品種改良などを行い、種の保存と普及が推進されてきた。戦後の食糧難の時代を乗り切るために、このような方法が取られたのだ。

ところが1990年代から本格化したグロバリぜーションとそれに伴う新自由主義=構造改革の流れの中で、企業活動の国境が事実上、消滅した。とりわけ小泉内閣の時代から、多国籍企業が日本に進出しやすい法体系の整備が行われた。たとえば司法制度改革なども、そのひとつである。国際法務に強い弁護士の育成が行われたのである。

こうした流れの中で、種子法を廃止して、米国の種会社などに日本市場を開放することになったのである。

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2017年12月07日 (木曜日)

極右・軍事国会へ暴走する日本、重いメディアの責任、国会議員の集団靖国参拝から「NHK税」の新設まで

近未来の国のかたちが、具体的に輪郭をあらわし始めた。最近のニュースを総括的に読んでみると、日本は天皇を中心とした軍事大国のレールの上を走り始めていることが見えてくる。抑制できないレベルの暴走が始まっいる。

6日付けの中央日報は、「日本与野党議員60人、靖国神社に集団参拝」というニュースを伝えている。参拝したのは、奥野信亮総務部大臣、佐藤正久外務部大臣、水落敏栄文簿科学副大臣、渡嘉敷奈緒美環境部大臣らである。■出典

6日付けの読売新聞は、新天皇の即位に関して、「19年即位時、『10連休』に…政府が検討」という記事を掲載している。

政府は、2019年の即位日(5月1日)が休みになれば、新天皇の即位を国民あげて祝えるだけでなく、改元による国民生活への影響を抑えられるとみている。官民の業務量が少ない休みに改元すれば、元号を使ったコンピューターシステムの変更などによる混乱も避けられる見通しだ。■ 出典

新天皇の即位を国の重要行事とすることを目論でいるのである。この動きに新聞人や放送人が全面協力するのは間違いない。

靖国参拝や天皇崇拝の方向は、明らかな極右国家を築くための定石である。

 

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2017年11月16日 (木曜日)

希望の党・小池代表が辞任、まったく機能していなかった日本のジャーナリズム

小池ゆりこ氏が希望の党の代表を辞任した。化粧をしたピエロが舞台に飛び入りでしゃしゃり出てきて、突飛な芸を披露して大喝采を受け、その後、主催者から注意され、そそくさと退場したような様子だ。このような輩は企業をはじめ、どこにでも1人か2人はいるものだ。いわゆる調子者である。

筆者は、最初から今回の結末を予測していたが、正直なところ、それでも1年ぐらいは「賞味期限」があると思っていた。あまりにも短命だった。

それゆえに希望の党についての記憶が薄れていない今の時期に、ジャーナリズムが希望の党をどう報じたかを検証する恰好の機会である。結論を先に言えば、ジャーナリズムはほとんど機能していなかったことになる。それが各種媒体のバックナンバーに記録として残っている。

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2017年11月02日 (木曜日)

14日にJアラート「全国一斉情報伝達訓練」を実施、独裁者・安倍晋三の顔が鮮明に

安倍内閣の下で急激に戦前回帰が進んでいる。それを象徴する行事が、まもなく全国で実施される。総務省によると、今月14日に消防庁がJアラートの「全国一斉情報伝達訓練」を実施するのだという。

これに関して総務省は次のように告知している。

全国瞬時警報システム(Jアラート)全国一斉情報伝達訓練の実施

人工衛星及び地上回線を用いて瞬時に緊急情報を伝達する全国瞬時警報システム(Jアラート)に関し、緊急時における住民への迅速かつ確実な情報伝達に資するよう、内閣官房、消防庁及び地方公共団体が連携して、全国一斉に情報伝達訓練を実施します。

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2017年10月24日 (火曜日)

自民圧勝の総選挙、顕著になった小選挙区制の弊害とメディアによる世論誘導、パンツ泥棒が当選するこの国の絶望的な実態

衆議院議員選挙の結果が確定した。自民党の勝利である。次のような議席配分である。

自民党:281
立民党:54
希望の党:50
公明党: 29
共産党: 12
維新の会:11
社民党: 2
こころ: 0

北陸のパンツ泥棒も、野党を分断させた若造も当選した。テレビ報道で印象に残っているのは、小泉進次郎に群がるオバサンたち。政策よりも握手で票を稼いでいる保守系の候補者たちの姿も異様だった。ヤクザのように土下座している候補もいた。これも保守系だ。この国はかなり病んでいると感じた。

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2017年10月13日 (金曜日)

自公の選挙公約-教育無償化の裏側、背景に構造改革=新自由主義がもたらした貧困

今回の総選挙で自民党と公明党がかかげている公約に教育に関するものがある。自民党は、幼児教育の無償化を打ち出し、公明党は、幼児教育から高等教育までの無償化を打ち出している。

突如として現れたこれらの公約に、読者は突飛な印象を受けないだろうか。もともと日本の文教政策は、少数のエリートを育成して、それ以外の者は、スポーツや道徳教育を通じて、心がけのいい人間(期待される人間像)を育てるというものだった。ある意味では、欧米流の本当の教育を軽視してきたのである。

なぜ、与党は新たに教育の無償化を打ち出してきたのだろうか。

結論を先に言えば、構造改革=新自由主義の導入で、社会格差が急激に広がり、低所得層、特に子供がいる低所得家庭に対して、何らかの処方を施さなければ、これ以上、「改革」を持続することができなくなっているからである。自公政権による教育支援策は、構造改革=新自由主義をさらに進めるための処方である可能性が高い。

貧困の原因はカモフラージュし、消費税を徴収して、それを教育支援という形でバックするというのだから、これは支援でも救済でもなんでもない。ある種のマッチポンプである。完全なペテンだ。

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2017年10月11日 (水曜日)

総選挙、東京21区から天木直人氏(新党憲法9条)が出馬、野党共闘のあり方を問う

10日に衆院選が公示され、22日の投票日に向けて、選挙選がスタートした。何回かにわたり、筆者が関心のある選挙区に焦点を当ててみよう。

まず、1回目は東京21区(八王子市、立川市、日野市、国立市)である。この選挙区には、次の4人が立候補している。

小糸健介(社民)牧師

長島昭久(希望・前)元防衛副大臣

天木直人(新党憲法9条)元レバノン大使

小田原潔(自民・前)元外務政務官

注目したいのは、天木直人氏である。周知のように天木氏は、元駐レバノン日本国特命全権大使だった。在職中にイラク戦争に反対して、外務省から「解雇」された経歴の持ち主である。現在は、評論家であり、新党憲法9条の代表である。

憲法問題について言えば、この選挙区では、改憲派が長島氏と小田原氏で、護憲派が小糸氏と天木氏という構図である。護憲派が候補を統一できなかったのは、交渉が決別したかららしい。

天木氏のブログによると、次のような経緯である。

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