1. マスコミ報道・世論誘導

マスコミ報道・世論誘導に関連する記事

2018年10月13日 (土曜日)

【記者会見・動画】東京オリンピックの選手村建設用地の都有地「叩き売り」事件、土地評価額が鑑定で判明、推定よりも311億円高い1622億円

東京オリンピックの選手村建設用地の土地取引をめぐる「叩き売り」疑惑で、東京都を提訴している「晴海選手村土地投げ売りを正す会」は、2日、東京都庁で記者会見を開き、問題になっている用地の鑑定評価書を公表した。

それによると評価額は、1611億1800万円だった。これまで「正す会」が推定していた約1300億円よりも、約311億円高かった。

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『新潮45』の休刊問題、圧力でメディアをつぶす誤り、言論統制への布石

新潮社は25日、『新潮45』の休刊を発表した。実質的には廃刊との見方も出ている。LGBTに関する差別的表現で、激しいバッシングを受けたことが背景にある。

この事件は、2つの側面を孕んでいる。杉田水脈氏が執筆した記事そのものをどう評価するのかという問題と、バッシングによって休刊に追い込まれたことをどう考えるのかという点である。

まず、杉田氏の記事についてだが、明らかに偏見に満ちたもので、筆者には到底受け入れがたい。つまらない記事だと思う。

一方、バッシングによって『新潮45』が休刊に追い込まれたことは、憂慮すべき事態だというのが筆者の受けとめ方だ。一部のネットウジは、鬼の首を取ったように喜んでいるが、圧力でメディアを消滅させる行為は、最終的にはブーメランのように自分に跳ね返ってくる。言論統制への道を開きかねない。

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2018年09月21日 (金曜日)

五輪選手村の建設予定地たたき売り裁判、東京都が原告住民側に求めていた時価1300億円の根拠が不動産鑑定で明らかに、苦境に立たされる小池知事

東京都が東京オリンピック選手村の建設予定地(中央区晴海5丁目、都有地)を時価の9割引きで、大手デベロッパーに売却した事件を裁く裁判に新しい動きがあった。既報したように、建設予定地は時価で約1300億円。一方、土地の売買価格は、約130億円だった。叩き売り同然である。

被告の東京都は、これまで原告住民らが主張してきた時価1300億円は推論であり根拠に乏しいと主張してきた。そこで原告は、不動産鑑定士に鑑定を依頼した。鑑定評価書は、すでに原告代表に届けられたという。

ミニコミ紙『臨海かわら版』(9月18日)によると、原告らは10月2日に都庁記者クラブで、午後2時から、記者会見を開き、鑑定結果を公表するという。『臨海かわら版』は、現時点では公式の鑑定額こそ公表していないが、「当初原告が周辺の公示価格や売買価格などから1300億円と想定していた額を大幅に上回ることになる」と述べている。

建設予定地の地価が鑑定士によって評価されたとなると、東京都は売買価格を10分の1(約130億円)に値引きした根拠を示さなくてはならない立場に追い込まれる。
大手デベロッパーとの間に、どのような話し合いがあったのかを明らかにしなければならない。小池知事は苦境に立たされそうだ。

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スポーツ現場のパワハラ報道、背景に東京五輪を意識した公権力の意図

このところスポーツ現場におけるパワハラ問題が次々と報道されている。女子レスリング、ボクシング、体操、野球、陸上競技、そしてウエイトリフティング。こんな現象は、スポーツジャーナリズム史上かつてなかった?

が、パワハラの問題は、今にはじまったことではない。昔からあった。筆者が高校生だった1976年ごろは、スポーツにパワハラはつきもので、国士舘大学を卒業したばかりの柔道部の教員が、椅子を振り回して、それが生徒の側頭部に命中し、口角から血を流しながら、ほうほうのていで床を滑るように逃げる事件もあった。新任教員はさすがに職員会議で注意されたそうだが、特に大きな問題にはならなかった。

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学習指導要領で新聞を活用する教育方針を明記、児童や生徒に新聞の「押し紙」による組織的な詐欺や環境破壊をどう説明するのか?

文科省が7月に発表した「高等学校学習指導要領」の解説で、教材として新聞の活用が推奨されていることを読者はご存じだろうか。「総則編」の中に7箇所も、新聞の活用が明記されている。たとえば次の箇所である。

各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

日販協(日本新聞販売協会)の『日販協月報』(4月)によると、新聞を活用する教育方針は、高校だけではなく、小中学校でも導入される見込みだという。

小中学校の次期指導要領改訂案でも、新聞を活用する方針が盛り込まれ、国語では小学5年、6年で複数の本や新聞を用いることを明記。中学2年は新聞などで情報を集め、中学3年で論説や報道を読み比べするように求めている。

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2018年08月20日 (月曜日)

安倍政権下で進むボランティアを道具にした世論誘導、従順で文句を言わない日本人の大量育成、無償奉仕は美徳か?

洗脳の基本的原理は、影のように忍び足で近づき、大衆の脳にある種の価値観を埋め込むことである。そのためには怪しまれないことが大前提になる。

「尾畠春夫」、「ボランティア」という2つのキーワードで、インターネットのニュースを検索すると、次々と記事の見出しがパソコンの画面に現れる。「尾畠春夫」とは、行方不明になった幼児の捜索にボランティアとして加わり、幼児を発見した「英雄」だ。尾畠氏は、その後、広島の被災地へ足を運び、そこでもボランティアとして復旧作業に協力している。

東京オリンピックへ向けて、マスコミが「ボランティア」を盛んにPRしている。災害が発生するたびに、ボランティア活動を大々的に報道している。そこには、人に優しいボランティアの姿が映し出される。

その映像を見て、多くの人が「無償で働き、それにより友愛が生まれ、社会が良くなる」という考え方に染まるだろう。いわゆる心がけの重要性を説く観念論哲学の拡散である。洪水のようにあふれるボランティアのニュースの中で、知らないうちに人々の意識に変化が生じるのだ。

これが世論誘導の輪郭なのだ。

その結果、被災地に投入される公的資金も限定されてしまい、2011年の3・11の後、いまだに避難生活を余儀なくされているひともいる。国が公的支援を放棄するに至ったのだ。

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2018年08月17日 (金曜日)

大手広告代理店に配慮か?テレビ朝日の匿名記事、「遺伝子組換え等のイベントで金銭払い“肯定ツィート”」

テレビ朝日が「遺伝子組換え等のイベントで金銭払い“肯定ツィート”」(15日)と題するニュースを配信した。この記事は、日本のマスコミの体質を露呈している。コメントする前に全文を紹介しよう。

遺伝子組み換え作物などの教育イベントについて、主催者側のPR会社が、一部の学生に金銭を支払ったうえで、肯定的なコメントをSNSに投稿させていたことが分かりました。専門家からは疑問の声が上がっています。

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2018年08月01日 (水曜日)

安田純平氏が生存、「今すぐ助けてください」、韓国籍を理由にした冷酷な反応

ジャーナリストの安田純平氏の映像がインターネットで流されている。安田氏の背後には、全身を黒衣で包んだ2人の男。そのうちの一人が、銃を安田氏の側頭部に突き付けている。

安田氏は、日本語で次のように述べた。

「わたしの名前はウマルです。韓国人です。きょうの日付は2018年7月25日、とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」■出典

「安田純平」でニュースを検索したところ、1日の午前7時の時点で、NHKや読売を除く主要なメディアは、この件を報じていた。

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2018年07月25日 (水曜日)

【訂正記事】カジノの是非を問うNHKの世論調査と円グラフ、ネット上の情報は事実

 昨日(24日) 付けメディア黒書の記事に事実の誤りがあった。記事のタイトルは、「NHKの円グラフ改ざん問題、反NHKの視聴者によるフェイクニュースの可能性も?」。記事を掲載した後、NHKが円グラフの作成ミスを認めていることが分かった。記事を削除すると同時に、「改ざん」の事実を掘り起こした方と読者にお詫びしたい。

この問題は、NHK大阪放送局が7月20日に放送した「関西にカジノ!?~IRの光と影」の中で提示された円グラフに誤りがあった件である。

IR(カジノ)の誘致について、NHKが大阪府民を対象に世論調査を行った結果、「賛成」が17%、「反対」が42%、「どちらともいえない」が34%となった。ところがこれらのパーセンテージを基に作成された円グラフでは、円グラフの占有割合が誤っていたのである。

左が誤った円グラフで、右が正しい円グラフである。

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憲法改正国民投票のPRに関する民放連の見解、電通が担う負の役割を隠した偏向報道、ジャーナリズムの深刻な構造的問題

憲法改正の是非を問う国民投票。それが実施される際に新聞社とテレビ局は莫大な広告・CM収入を手にすることになる。投票に先立って、賛否両派がPR作戦を展開するからだ。

そのPR作戦の規制に関して、民放テレビ局で組織する民放連(日本民間放送連盟)の見解が明らかになった。時事通信の報道によると、「民放連は規制に慎重な姿勢を示した」という。

衆院憲法審査会は12日の幹事懇談会で、憲法改正国民投票をめぐり、テレビCMなど有料広告規制の在り方について日本民間放送連盟(民放連)から意見を聴取した。

 民放連は法規制に慎重な姿勢を示した。一方、立憲民主党など野党側は規制強化を主張しており、本格議論は秋に想定される臨時国会に持ち越された。■出典

民放連は規制を設けないことで、テレビ局が莫大なCM収入を得られる条件を整えようという魂胆のようだ。

そんな野心に加勢するかのように、この記事は最も肝心な情報を隠している。

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2018年07月02日 (月曜日)

東京オリンピックのスポンサー・リストに朝日、読売、毎日、日経の社名、選手村用地の「1200億円値引き事件」を報じない理由

メディア黒書でたびたび取りあげてきた東京オリンピック・パラリンピックの選手村建設予定地(中央区晴海5丁目)が、地価の約10分の1、約1200億円の値引きで大手ディベロッパーに廉売された事件を、大手新聞がほとんど報じない決定的な理由が明らかになった。

【参考記事】東京都内にこんなに安い土地はない、東京オリ・パラの選手村建設用地、元東京都職員が三井や住友へ続々と天下り

報じない理由は、オリンピックの歓迎ムードに水を差したくないといった心理から来る自粛の問題ではない。もっと決定的な理由がある。

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2018年06月22日 (金曜日)

スマホなど拡大する電磁波利用のもとで隠されている遺伝子毒性、 マスコミを巻き込んた大がかりな愚民政策

深刻な問題であるにもかかわらず日本のマスコミがめったに報じない情報のひとつにマイクロ波による人体影響(遺伝子毒性)がある。マイクロ波は、携帯電話やスマホなどの移動通信機器に使われてきたが、最近はスマートメーター( 電力のデジタル計測器)にまで使用範囲が広がった。

スマートメーターを各家庭に取り付けることで、電力会社は、事業本部にいて各家庭における電力使用状況を把握できる。しかも、東電のチラシによると「2つの指示数を10秒ごとに切り替えて表示」するのだという。10秒に1回の情報更新であるから、常時、マイクロ波による通信が行われていることになる。

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2018年03月08日 (木曜日)

朝日新聞による森友文書のスクープを考える、「押し紙」とメディアコントロールの深い関係

朝日新聞が、森友文書が書き換えられた可能性を報じた。このスクープは安倍政権に決定的な打撃を与えそうだ。高く評価できる報道だ。

朝日新聞は文書を確認。契約当時の文書と、国会議員らに開示した文書は起案日、決裁完了日、番号が同じで、ともに決裁印が押されている。契約当時の文書には学園とどのようなやり取りをしてきたのかを時系列で書いた部分や、学園の要請にどう対応したかを記述した部分があるが、開示文書ではそれらが項目ごとなくなったり、一部消えたりしている。

 ■出典:森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える

最近、朝日新聞の報道は、かつてに比べて格段によくなった。その原因が記者の奮起にあることはいうまでもないが、それを同じ程度に、いや、それ以上に重要な別の要素もある。それは朝日新聞の経営が健全になって、公権力が介入するスキがなくなってきた事である。

メディア黒書で繰り返し報じてきたように、新聞ジャーナリズムを腐敗させてきた本当の原因は記者の職能不足ではなく、「押し紙」を柱としたビジネスモデルにほかならない。「押し紙」は独禁法違反なので、公権力は「押し紙」を口実にすれば、いつでも新聞社に介入できる。日本の新聞業界には、それを警戒して、政府批判を自粛する空気がある。逆説的にいえば、公権力は「押し紙」を取り締まらないことで、メディアコントロールの構図を維持してきたのである。

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