2018年09月21日 (金曜日)
五輪選手村の建設予定地たたき売り裁判、東京都が原告住民側に求めていた時価1300億円の根拠が不動産鑑定で明らかに、苦境に立たされる小池知事
東京都が東京オリンピック選手村の建設予定地(中央区晴海5丁目、都有地)を時価の9割引きで、大手デベロッパーに売却した事件を裁く裁判に新しい動きがあった。既報したように、建設予定地は時価で約1300億円。一方、土地の売買価格は、約130億円だった。叩き売り同然である。
被告の東京都は、これまで原告住民らが主張してきた時価1300億円は推論であり根拠に乏しいと主張してきた。そこで原告は、不動産鑑定士に鑑定を依頼した。鑑定評価書は、すでに原告代表に届けられたという。
ミニコミ紙『臨海かわら版』(9月18日)によると、原告らは10月2日に都庁記者クラブで、午後2時から、記者会見を開き、鑑定結果を公表するという。『臨海かわら版』は、現時点では公式の鑑定額こそ公表していないが、「当初原告が周辺の公示価格や売買価格などから1300億円と想定していた額を大幅に上回ることになる」と述べている。
建設予定地の地価が鑑定士によって評価されたとなると、東京都は売買価格を10分の1(約130億円)に値引きした根拠を示さなくてはならない立場に追い込まれる。
大手デベロッパーとの間に、どのような話し合いがあったのかを明らかにしなければならない。小池知事は苦境に立たされそうだ。
◇オリンピックをめぐる不正の数々
東京オリンピックをめぐる様々な疑惑や問題点が次々に噴き出している。オリンピック関連の仕事で電通などがぼろもうけするにもかかわらずボランティアがただ働きさせられる件、読売・朝日などのメディア企業がオリンピックのスポンサーに名を連ねている件、高価なスタジアムが建設される一方で、いまだに東北地方で仮設住宅に住んでいる住民がいる件、そして公有地の叩き売り。
まるでかつてのメキシコなみの腐敗ぶりだ。三権分立もすでに崩壊の途にある。マスコミも大事なことは報じない。従って、「晴海都有地たたき売り裁判」で、住民が勝訴するとは限らない。
写真:舛添前東京都知事